サイキックフォース・サイキックフォースEXのネタバレ解説・考察まとめ

『サイキックフォース』とは、1996年4月にアーケードで稼働した格闘ゲーム。発売元はタイトー。『サイキックフォースEX』は、本作稼働後同年7月にリリースされた、バージョンアップ作品となっている。
本作の大きな魅力は、重厚な物語と魅力的な登場人物たちであり、これらの要素が当時ゲームセンターに行かなかった女性ファンやアニメ好きに刺さったことで、人気を博した。
物語の舞台は21世紀の世界で、超常的な能力を持つ人間・サイキッカーを巡る物語が展開される。

ソニアのステージBGMの歌詞の存在

プレイヤーキャラクター・ソニアのステージBGMである『CARRY AWAY!』には、歌詞が設定されている。
この歌詞ありバージョンはサウンドトラックCDの『サイキックフォース-ARCADE SOUND TRACKS-』に収録。題名は『ホ・シ・イ』で、歌っているのはE.S.P. Dolls。歌詞はどこか70年代アニメソングのような雰囲気で、ソニアの立場を上手く練り込んでいる。
ちなみにDAM系列のカラオケに収録されているため、カラオケで歌うことが可能。

特定キャラクターの同キャラ対戦で聞ける特別なボイス

玄真同士の同キャラ対戦の場合、このラウンドコールが玄真の声になる

『サイキックフォース』では、特定のキャラクター同士の同キャラ対戦時にのみ発生する、特別なボイスが存在した。
1P、2P共に使用キャラクターが玄真だった場合、戦闘開始時の「READY GO」の掛け声が玄真の声優である秋元羊介のものとなる。秋元羊介の代表出演作品である機動武闘伝Gガンダムをモチーフにした声優ネタだ。
また、家庭用限定の仕様ではあるが、1P、2P共に使用キャラがウォンだった場合、どちらかがポーズをかけるとウォンの「時よ!」というボイスが再生される。時を操るサイキッカーであるウォンらしいお遊びのネタとなっていた。
更にこちらも家庭用限定の仕様だが、1P、2P共に使用キャラがキースであった場合、どちらかがポーズをかけると「凍れ」というボイスが再生される。そしてそこからセレクトボタンを押してポーズメニューを呼び出し、QUIT GAMEを選択してゲームを中断すると「さらばだ」というボイスが再生。こちらはウォンと違い、1種類多い。

同キャラ対戦だと無効化される必殺技の存在

時を止める必殺技を使うウォン

ウォンの超能力技の1つである完全なる世界は、サイコゲージを100%消費して、ウォン以外の時を止めてしまうという技。利用することで敵の動きを止めて、一定時間のみ一方的に攻撃ができるようになる。
しかし、この技はウォン以外の時を止めるものであり、ウォンが相手の場合は機能しなくなってしまう。つまり、ウォン同士の対戦だった場合は、この技が何の効果もない、サイコゲージを消費するだけの無駄なものとなってしまうのだ。
以上のことから、ウォン同士の対戦は互いに1枠技を封じられた状態で行われることとなる。

ウォンと別作品のキャラクター名称被りは偶然

『サイキックフォース・サイキックフォースEX』のプレイヤーキャラクター、リチャード・ウォンは外見や設定、キャラクター性などが、別作品のキャラクターによく似ている。そのキャラクターというのが、漫画家・ゆうきまさみらを中心とした企画集団・ヘッドギアが制作したマルチメディア作品『機動警察パトレイバー』に登場する、内海課長。
飄々とした態度を取りながら事件を裏で操る人物像、香港に縁がある、黒髪で眼鏡をかけた中年で、笑顔が印象的(ウォンは糸目だが)などの共通点が挙げられる。更に内海課長が使っていた偽名がリチャード・王(ウォン)だったなど、両作品を知っているならば元ネタと推測できそうな材料が揃っていた。そのため、ウォンの元ネタはこの内海課長だと言われているのだが、実はこの2者には一切の関係がない。
それについてはスタッフが大海社の作品関連書籍『サイキックフォース パーフェクトワールド』にて言及している。曰く、名前はウォンで行くことは決定していたのだが、貿易会社の社長という設定を付与する際に、ワールドワイドな名前をつけたいということから、リチャード・ウォンに決まったのだという。それが偶然『機動警察パトレイバー』の内海課長が利用していた偽名と被ってしまったとのことで、完全にただの偶然であると発言していた。
以上のことから、デザインやキャラクター性もなんとなく同じになっただけだと推測できる。

没キャラクター3人のうち1人はスピンオフにてプレイヤーキャラクターとして登場

『サイキックフォース』稼働当初に配布された小冊子には、実装されずに終わった没キャラクター案が掲載されている。掲載されたのは3人、いずれも男性で、それぞれ京都出身の次元刀使い、分子崩壊能力を持った鎧の巨漢、闇の力を使う美形のサイキッカーという設定だった。
このうち京都出身の次元刀使いは鈴木正人(仮)という名前がつけられ、『サイキックフォース パズル大戦』の隠しキャラとして参戦。他の2人も鈴木正人(仮)と共に、作中の特典グラフィックで新たに書き下ろしを貰うことができた。
また、その後続編の『サイキックフォース2021』では、それぞれの要素を少しずつ落とし込んだようなプレイヤーキャラクターたちが実装されている。

特徴的なバトルシステムが流用されたゲームが存在

『サイキックフォース』シリーズの特徴と言えば、非常に特徴的なバトルシステム。この特徴的なシステムが特定のアニメ作品の戦闘シーンと相性が良い場合が多く、そのためか、同社が開発した版権物の格闘ゲームにシステムを流用したものが存在した。
1つ目がCLAMP原作のアニメ・漫画作品『X』をゲームにした『テレビアニメーションX 運命の選択』。
2つ目がPEACH-PIT原作のアニメ・漫画作品『ローゼンメイデン』をゲームにした『ローゼンメイデン ゲベートガルテン』である。
ただし、2007年の『ローゼンメイデン ゲベートガルテン』以降はこれらのシステムを流用した作品もなくなり、タイトーの吸収合併もあったことで、本作のシリーズ展開も途絶えてしまった。

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