サイキックフォース・サイキックフォースEXのネタバレ解説・考察まとめ

『サイキックフォース』とは、1996年4月にアーケードで稼働した格闘ゲーム。発売元はタイトー。『サイキックフォースEX』は、本作稼働後同年7月にリリースされた、バージョンアップ作品となっている。
本作の大きな魅力は、重厚な物語と魅力的な登場人物たちであり、これらの要素が当時ゲームセンターに行かなかった女性ファンやアニメ好きに刺さったことで、人気を博した。
物語の舞台は21世紀の世界で、超常的な能力を持つ人間・サイキッカーを巡る物語が展開される。

『サイキックフォース・サイキックフォースEX』は、プレイヤーが選択したキャラクターを操作し、相手のキャラクターの体力を0にすることが目的。
戦闘はラウンドで仕切られており、制限時間内に体力を削り切った方が勝者と定められ、規定ラウンド勝利を先に勝ち取った方が戦闘の勝者となる。勝者となったプレイヤーはそのままゲームを続行、敗者となったプレイヤーはその場でゲームオーバーとなってしまう。
試合はガラスのような結界で区切られた立方体のフィールド内で行われ、キャラクターはこの結界の中を常時飛行しながら戦う。そのため、通常の格闘ゲームにはあって当然の地面や、ジャンプ操作はなく、必殺技コマンドやガードの方向すらも存在しない。縦横無尽の独特の操作性があるため、3D格闘ゲームと思われがちだが、実はサイドビュー固定でフィールドに奥行きが設定されていないため、三次元的な動きができる2D格闘ゲームだと言える。
体力ゲージとサイコゲージ
画面端に表示されているオレンジ色のバーが、キャラクターの体力ゲージ。このゲージを最後まで削ることが勝利条件となる。
体力ゲージの下にある短い青のバーが、キャラクターのエネルギーを意味するサイコゲージ。サイコゲージは必殺技各種の使用で消費する他、敵の攻撃を完全防御するシステム・バリアガードでも消費する。サイコゲージは使用していなければ自然回復するのだが、その速度は緩やかであり、定期的にコマンドを入れてチャージをするのが必要不可欠。
結界
戦闘フィールドを仕切るガラスのような壁。
自分から触れても何もないが、相手の攻撃を受けてこの結界にぶつかると、ダメージを受けて硬直が発生し、隙を晒すことになってしまう。結界にぶつかって隙を晒した相手には、そのまま追撃が可能。
しかし結界による硬直中に再び結界に触れると、キャラクターがダウンして当たり判定が消失。画面の下へ落下して追撃ができなくなる。
サドンデス
CPU戦では発生しない、対人戦限定のシステム。対人戦でタイムオーバーになり、決着がつかなかった場合に突入する。
結界の大きさが通常の0.8倍、制限時間10秒、体力ゲージもサイコゲージも0の状態で戦闘を行い、最初に一撃を加えた方が勝利。サドンデスを行っても勝負がつかなかったときは、両者に1ラウンドの勝利が付与され、勝敗が判定される。
また、サドンデスが発生した対戦は、以降結界が縮まったまま進行してしまう。つまり、ラウンド1でサドンデスとなった場合は、ラウンド2以降も狭い結界内で戦闘を進めなければならない。
ちなみにサドンデスが続き、両プレイヤーが同時に勝利の規定ラウンド数に達してしまった場合は、両プレイヤー共にゲームオーバーになる。
尚、CPU戦ではタイムオーバー時に残り体力数で勝敗判定が行われる。従って、サドンデスは発生しない。
超能力技とコマンド入力
『サイキックフォース・サイキックフォースEX』はレバー入力とボタンを組み合わせて、キャラクター固有の技、超能力技を使用することが可能。しかし本作は常時キャラクターが宙に浮いた状態で戦闘を行うためか、このコマンド入力にも独特のルールが存在する。その独特のルールというのが、コマンド入力は方向の要素さえ合っていれば成立する、というもの。
例えばキャラクター・ブラドの必殺技であるメテオハンマーは、説明書などでは「←→+弱攻撃」と記載されている。しかしこのコマンドは「→←+弱攻撃」でも「↑↓+弱攻撃」でも、「↓↑+弱攻撃」でも成立して発動されるのだ。縦横無尽に動き回ることが前提の『サイキックフォース・サイキックフォースEX』独自の必殺技コマンドとなっていた。そのため、本作の必殺技コマンドは、比較的格闘ゲーム初心者でも気軽に撃てるようになっている。
基本操作
『サイキックフォース・サイキックフォースEX』はアーケードだとレバー1本とボタン3つを使用してキャラクターを操作する。PlayStationなどの家庭用移植版はコントローラーでの操作も可能。
レバーでキャラクターを上下左右斜め方向への移動させ、ボタン2つで攻撃の弱と強を使い分けて戦い、残りの1つのボタンで敵の攻撃へのガードを行う。
また、これらのレバーとボタンを組み合わせることで、以下に挙げるような様々な特殊行動が可能となっている。
ショット

『サイキックフォース・サイキックフォースEX』における遠距離攻撃で、相手キャラクターと距離が離れた状態で攻撃ボタンを押すと発動。
弱攻撃を押して発動する弱ショットは、敵のいる方向へ向けて、強制的に発射させられるショット。攻撃力は低いものの、隙が小さいという特徴がある。
強攻撃を押して発動する強ショットは、レバーなどで方向指定した方へ発射させられるショットで、射撃後に追尾機能も存在。攻撃力も弱ショットに比べて大きいが、攻撃後の隙が大きいため、多用は禁物。
通常ダッシュ

攻撃ボタンを押しながらレバー入力で発動。レバーを入れた方向へ移動距離が短く、素早い移動を行う。
各種必殺技をダッシュ最中に入力しておくと、ダッシュの終わりと同時に発動させられる。
クイックダッシュ

弱攻撃ボタンと強攻撃ボタンを同時入力すると発動。相手キャラクターのいる方向へ、直線的なダッシュを行う。通常ダッシュよりも移動速度が速く、ダッシュ中は相手が出す弱ショット攻撃を弾くことが可能。
更にクイックダッシュ中は即時弱近接攻撃や強近接攻撃、掴みなどに派生させられる。
牽制攻撃を弾き、一気に距離を詰めて連続技に持ち込めるという性質上、攻めの要になるとも言える特殊行動だ。
サイコチャージ

弱攻撃+強攻撃+ガードの3つのボタンを同時に入力すると発動。失ったサイコゲージを一気に回復させられる。
サイコゲージの消耗は大きな行動制限に繋がるため、適宜サイコチャージなどを交えて回復したりなどの駆け引きを行っていかなければならない。
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目次 - Contents
- 『サイキックフォース・サイキックフォースEX』の概要
- 『サイキックフォース・サイキックフォースEX』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- ストーリー:バーン
- ストーリー:ウェンディー
- ストーリー:エミリオ
- ストーリー:玄真
- ストーリー:ゲイツ
- ストーリー:ウォン
- ストーリー:ソニア
- ストーリー:ブラド
- 『サイキックフォース・サイキックフォースEX』のゲームシステム
- 基本ルール
- 体力ゲージとサイコゲージ
- 結界
- サドンデス
- 超能力技とコマンド入力
- 基本操作
- ショット
- 通常ダッシュ
- クイックダッシュ
- サイコチャージ
- バリアガード
- 回避バリア
- コンボ
- 投げ
- 家庭用版のゲームモード
- ARCADE MODE
- STORY MODE
- VS MODE
- TRAINING MODE
- OPTION
- 『サイキックフォース・サイキックフォースEX』の登場人物・キャラクター
- サイキッカー組織ノアに敵対する人物
- バーン・グリフィス
- ウェンディー・ライアン
- エミリオ・ミハイロフ
- 六道玄真(りくどう げんま)
- ゲイツ・オルトマン
- サイキッカー組織ノアに所属する人物
- キース・エヴァンス
- リチャード・ウォン
- ソニア
- ブラド・キルステン
- プレイヤーキャラクターの関係者
- バーンの両親
- ビリー
- エミリオの母
- クリス・ライアン
- ティーナ・オルトマン&シェリル・オルトマン
- 栞(しおり)
- 『サイキックフォース・サイキックフォースEX』のアイテム
- 六道玄真の武器
- 呪符
- 数珠
- 独鈷(どっこ)
- その他のアイテム
- サイキックパワー増幅装置
- 対サイキッカー用サイボーグ
- 『サイキックフォース・サイキックフォースEX』の用語
- サイキッカー
- 人造サイキッカー
- 対サイキッカー用サイボーグ
- 退魔師
- 神妃(しんき)
- 組織
- ノア
- 対サイキッカー部隊
- 影高野(かげこうや)
- 『サイキックフォース・サイキックフォースEX』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- PlayStation版の隠しキャラはキース
- オープニングの歌詞を出すには2PコントローラーでL2R2セレクトボタン押しっぱなし
- オープニングテーマの歌詞にあった盗作疑惑
- ソニアのステージBGMの歌詞の存在
- 特定キャラクターの同キャラ対戦で聞ける特別なボイス
- 同キャラ対戦だと無効化される必殺技の存在
- ウォンと別作品のキャラクター名称被りは偶然
- 没キャラクター3人のうち1人はスピンオフにてプレイヤーキャラクターとして登場
- 特徴的なバトルシステムが流用されたゲームが存在