楽巌寺嘉伸（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

楽巌寺嘉伸のプロフィール・人物像

性別：男
年齢：76歳
出身：不明
術式：旋律を撃ち出す術式（名称不明）
趣味・特技：ギター（軽楽器全般いける）
好きな食べ物：天ぷら
嫌いな食べ物：馬肉

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CV：麦人

楽巌寺嘉伸（がくがんじよしのぶ）とは、『週刊少年ジャンプ』の人気漫画『呪術廻戦』（作／芥見下々）の登場人物。全国で京都と東京の二か所しか存在しない呪術高等専門学校（以下「呪術高専」とする）の京都校（正式名称：京都府立呪術高等専門学校）の学長を務めている。禿頭に長くて白い眉毛と顎鬚、さらに耳の左右4個ずつ、唇に2個、鼻にまでいかついピアスを付けているのが特徴。また、服装は着物姿に杖。

出身は不明である。しかし呪術高専東京校教師であり、呪術界でトップの地位を有する3つの家柄である「御三家」のひとつ「五条家」の当主でもある五条悟（ごじょうさとる）から「保守派筆頭」と呼ばれている。このことから、楽巌寺は呪術界でも権力がある、歴史の古い一族出身である可能性が高い。「保守派」とは、絶対的権力を持ち、呪術界を支配する老人たちのことである。権力や保身ばかりの上層部を嫌い、強く聡い呪術師を教育することで呪術界を改革しようと考え行動する五条とは非常に折り合いが悪い。度々楽巌寺は五条から暴言や挑発、いやがらせを受けており、ストレスが非常にたまっている。

楽巌寺の持つ術式はエレキギターを奏でることで攻撃をするものである。奏でた旋律を増幅し、呪力に変換して撃ち出す術式。自信を“アンプ”とすることで攻撃を可能としている。

趣味・特技はギターであり、軽楽器全般も演奏することができる。2021年3月に発売された『呪術廻戦 公式ファンブック』には、「Q. ドラマー募集中との事ですが、他のバンドメンバーは？」「A. みんな死にました。」とある。このことから、過去にバンドを組んでいた、またはバンドを組んでいるということがわかる。

楽巌寺嘉伸の呪術・能力

旋律を撃ち出す術式（名称不明）

「保守派」の立場である楽巌寺だが、以外にも術式は非常にロック。
エレキギターを奏でて生じた旋律を増幅し、呪力に変換して撃ち出す術式である。自身を“アンプ”とすることで攻撃を可能としている。中距離戦を得意としており、放った呪力は衝撃波のように地を這いながら敵を襲う。しかし、単行本16巻までの情報と公式ファンブックの段階では彼の術式名は開示されていない。

術式が明らかになるのは、京都姉妹校交流会編にて高専東京校に侵入した呪詛師、組屋鞣造（くみやじゅうぞう）との戦闘である。
組屋との戦闘は優位に進んでいたが、最後は戦闘中に五条悟が介入したため、戦闘描写はあまりみられなかった。

楽巌寺嘉伸の来歴・活躍

呪胎戴天編

五条からの警告と挑発

第18話「底辺」にて、楽巌寺は京都姉妹校交流会の打ち合わせを東京校学長の夜蛾と行うため東京校に来校する。この打ち合わせは虎杖が死亡した後日に行われた。呪術高専1年生が明らかに階級が見合わない特級呪霊案件の任務に駆り出されるという異例の事態を、五条は虎杖を早く殺害して処分してしまいたいと目論んでいた上層部の仕業とみていた。上層部は、特級呪物「両面宿儺の指」を飲み込み、その力を内包する虎杖が両面宿儺と身体を入れ替わって暴走することを恐れていたためである。上層部の企みによって教え子である虎杖を殺された五条は、上層部と深いつながりのある楽巌寺に対して2つのことを述べたうえで警告をする。

1つ目は近年の呪術師のレベルが上がっていること。例として五条は、京都校の3年にして1級呪術師である東堂葵（とうどうあおい）、階級不明だが実力者である東京校3年の秤金次（はかりきんじ）、東京校の2年にして特級呪術師である乙骨憂太（おっこつゆうた）の3人を挙げた。2つ目は、夏油傑による百鬼夜行、虎杖悠仁による両面宿儺の受肉という大きな事件が起こっていることだ。

百鬼夜行とは、2017年12月24日に夏油傑（げとうすぐる）とその一派が起こした呪術による大規模テロ事件のことである。非呪術師は負の感情から呪霊を生み出すが、呪術師は呪いを生み出さない。夏油たちは祓うこともせずに負の感情を生み出し続ける非呪術師を嫌い、非呪術師を排除して呪術師だけの時代を築くことを理想とした。百鬼夜行では、新宿と京都にそれぞれの場所に1000体ずつ呪霊を放し、非呪術師を皆殺しにしようとした。しかし放たれた呪霊は全国の呪術師の総力戦によって平定される。乙骨によって瀕死状態になった夏油を五条が殺害。夏油一派も散り散りになった。

以上のことを踏まえたうえで、
「アンタらがしょーもない地位や伝統のために塞き止めていた力の波がもうどうしようもなく大きくなって押し寄せてんだよ。これからの時代は「特級」なんて物差しじゃ測れない。牙を剥くのが五条悟（ぼく）だけだと思ってんなら痛い目見るよおじいちゃん！！」
この五条の態度に対し、楽巌寺は「お喋りが過ぎるの」と怒りを示している。

また、この時五条は部下の伊地知に対して、夜蛾に嘘の予定を伝えるよう脅している。そのため楽巌寺は五条の警告を受けたのち2時間待ちぼうけをくらうという嫌がらせを受けた。

京都姉妹校交流会編

第32話「反省」より、京都校の学生たちが京都姉妹校交流会に参加するため東京校に来校。この時、楽巌寺も京都校引率のため東京校に来校。

虎杖が生きていることが発覚

五条は東京校と京都校のメンバーがそろう場で、サプライズ形式で虎杖生還をその場にいる全員に報告する。
虎杖は呪胎戴天編にて、任務先で両面宿儺と入れ替わり特級呪霊を撃退したが、宿儺から体を取り戻せず、心臓を抜き取られて死亡したはずであった。しかし、両面宿儺の一方的な契約によって生き返った。五条は生き返った虎杖を強く鍛えるため、このことを上層部には報告しなかった。もちろん虎杖は死んでいると思っていた楽巌寺は目を見開いて「どういうことだ…」と驚愕する。

虎杖暗殺を京都校学生たちに命令

虎杖が生きているとわかり、楽巌寺は団体戦前のミーティングの際、京都校の学生全員に虎杖を団体戦中に暗殺するように命令する。

楽巌寺は「アレは人ではない。故にすべて不問。事故として処理する。遠慮も躊躇もいらんぞ。」「他者の呪力で殺せば何の問題もない。現在肉体の主導権は虎杖悠仁にある。宿儺が出てこなければただの一回生だ。縊るのは容易い。」と述べている。

宿儺という爆弾を抱えた虎杖を何が何でも早く殺してしまいたいという思惑が現れている。

準1級呪霊を団体戦に放つ

京都姉妹校交流会1日目の団体戦「チキチキ呪霊討伐猛レース」は、区画内に放たれた2級呪霊を先に祓った側が勝利というルールである。ルールに則れば2級呪霊が1体放たれるはずであった。しかし、楽巌寺は虎杖を暗殺するため、1つ階級の高い準1級の呪霊を秘密裏に放す。楽巌寺はこのことを呪術高専京都校の3年加茂憲紀（かものりとし）にのみ伝える。加茂憲紀は「御三家」のうちの1つで、上層部とつながりが特に強い「加茂家」の次期当主でもある。しかし結局高専内に放たれた準1級呪霊は、団体戦中に乱入してきた特級呪霊・花御（はなみ）によって消された。

しかし、団体戦の最中に特級呪霊である花御（はなみ）が乱入、団体戦は中断。団体戦メンバー全員で花御を祓うため、共同で戦う。楽巌寺含む教員たちは、高専に侵入してきた呪詛師をとらえるため、また生徒の安否を確認するため団体戦会場に向かう。楽巌寺は組屋鞣造と戦闘になり、楽巌寺のほうが優勢であった。しかし最後は戦闘に乱入した五条が組屋を戦闘不能にした。そののち五条は、花御を虚式「茈（むらさき）」で撃退する。

虚式「茈」とは、五条家が受け継ぐ術式の1つ。引き寄せる力を強化した無下限呪術の術式順転「蒼」と、弾く力を強化した無下限呪術の術式反転「赫（あか）」を合わせることにより虚式「茈」は強大な威力を出すことができる。歴代の五条家の中でも虚式「茈」を使えたものは少ない。

こうして団体戦は終了したが、花御との対戦中に別行動をとっていた特級呪霊、真人（まひと）が高専が保管する「忌庫（きこ）」に侵入していた。「忌庫」とは危険度の高い呪物が保管してある蔵のことである。保管する呪物が奪われないように、「忌庫」は日本の主要箇所に結界を張っている不死の術師である「天元」の「結界術」で毎日高専内で配置が変わっている。真人たちは、高専保有分の「特級呪物「両面宿儺」の指」6本と同じく特級呪物「呪胎九相図（じゅたいくそうず）」の1～3番を盗んだ。

夜蛾との会話

京都姉妹校交流会2日目は個人戦で、くじを引いて勝負方法を決めるのが毎年の慣例になっていた。しかし、五条は夜蛾が書いた個人戦の紙をすり替えていた。そして虎杖がくじを引いた結果、2日目は野球を行うこととなった。五条が審判をし、高専生たちが野球をプレーしている間、楽巌寺は夜蛾と話をする。

夜蛾は「…まだ虎杖が嫌いですか」と楽巌寺に話を切り出す。その問いに対して楽巌寺は「好き嫌いの問題ではない。呪術規定に基づけば虎杖は存在すら許されん。彼奴が生きているのは五条の我儘。個のために集団の規則を歪めてはならんのだ。何より虎杖が生きていることでその他大勢が死ぬかもしれん。」と返す。それでも夜蛾は虎杖が救った命があること、東堂と共に花御を団体戦中に退けていることを挙げたうえで、人間は後悔を重ねることを述べた。そして最後に、「虎杖についての判断が正しいかどうか正直私にも分かりません。ただ今は見守りませんか。」と楽巌寺に訴える。
虎杖を人間ではないと発言し、呪術界全体のことを考えている楽巌寺に対して、夜蛾はあくまで虎杖を一人の人間、学生として見ていることが分かる。

渋谷事変平定後

渋谷事変とは、2018年10月31日に渋谷で発生した呪術によるテロである。偽夏油／加茂憲倫／羂索と特級呪霊の真人（まひと）・漏瑚（じょうご）・花御（はなみ）・陀艮（だこん）、呪詛師等により、五条悟を封印するために渋谷事変を起こした。

そして、五条悟は渋谷駅構内にて偽夏油／加茂憲倫／羂索が使った特級呪物「獄門彊（ごくもんきょう）」で封印される。

五条悟が封印され、東京は偽夏油／加茂憲倫／羂索が放った大量の呪霊によって壊滅状態に陥る。そのような状況の中、呪術総監部から通達が届く。その内容には、

「夜蛾正道を五条悟と夏油傑を唆し渋谷事変を起こしたとして死罪を認定する」

という一文がある。そのほかにも夏油傑と五条悟は共犯であり、夏油は死罪、五条は封印を解いてはならないことも明記されている。また、虎杖悠仁に関しても命令が下された。虎杖は、もともと両面宿儺の受肉により死罪は確定しており、執行猶予中であった。しかし、呪術総監部からの通達によって、執行猶予が取り消されるという形になった。その死刑執行人として呪術高専東京校2年兼特級呪術師の乙骨憂太（おっこつゆうた）が任命された。