3月のライオンの名言・名セリフ／名シーン・名場面まとめ

若手の台頭や体力の衰えに悩まされながらも、あくまでも勝利にこだわり続ける柳原の言葉。

還暦を過ぎても現役を続ける柳原のかつての仲間やライバルたちは、もうすでに勝負の舞台からは降り、柳原に希望を託す側に回っている。それを寂しく思ったり、重圧に感じたりしながらも、去っていた一人一人を思い浮かべながら、柳原は「1人ずつ欠けて行く事も解ってる。将棋からも人生からも。――でもな俺は覚えている。好きなヤツも嫌いなヤツも山程いたが間違いねえ。――今の俺はその全部のカケラでできている」と回想する。

人生経験を重ねてきた柳原がこれまでの全てを糧にして前に進もうとする、感謝と覚悟が表れた言葉である。

野火止あづさの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「『できない』には『本当にできない』と『しんどそうでやりたくない』の2種類があるって… ――そして 大抵の夢は 『しんどそうでやりたくない』の 先に光ってる」

獅子王戦の厳しいトーナメントに臨むにあたって、野火止が自身に言い聞かせた言葉。

野火止が唯一天才と認める宗谷名人と戦うまでには、数々の強敵を打ち破る必要があり、野火止は「トーナメント表を見た時吐き気がしたんだ」と回想する。

このトーナメントを勝ち抜くには相当の勉強が必要であり、やりたくないという気持ちが湧き上がる。しかし、野火止は、「『できない』には『本当にできない』と『しんどそうでやりたくない』の2種類があって、大抵の夢は『しんどそうでやりたくない』の先に光っている」というかつて祖母から言われた言葉を今でも心の支えにしていた。

そこで野火止は、「だからばっちゃん、『こっち』だろ？オレの光は多分この先にしかないんだ！！」と自身を奮い立たせ、果敢に獅子王戦のトーナメントに立ち向かっていった。

「人は情熱を失うとせっかちになる」

かつては天才と讃えられた野火止が、零や二階堂の追い上げに苦しみながらも、がむしゃらに努力を続ける中で自信に言い聞かせている言葉。

情熱を失うと、楽をして成果を得ようとするが、楽して手に入れたものでは周囲と差をつけることができないと考える野火止は、「人は情熱を失うと せっかちになる」と結論づけている。

才能の壁にぶつかりながらも、自分だけはみんなが通りたがる「最短距離」を行かないようにと自らを律し、並々ならぬ努力と情熱で、野火止は伸び悩みを克服した。

幸田柾近の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「自分で自分をメンテナンスできる人間しか どのみち先へは進めなくなるんだよ」

零の育ての親の幸田が、自身の子どもたちが将棋をやめた際に零に語った言葉。

自身とのレベルの差を感じて香子たちが将棋の道を諦めたことに責任を感じた零は、何とか幸田に子ども達を説得してもらいたいと思うが、幸田は「プロになるのがゴールなんじゃない。なってからの方が気が遠くなる程長いんだ。進めば進む程道はけわしくまわりに人はいなくなる。自分で自分をメンテナンスできる人間しか、どのみち先へは進めなくなるんだよ。」と零を諭した。

自分で自分を律することのできない者は、例えプロになれたとしても生き残れないという、将棋の世界の厳しさを示す言葉である。