聖女の魔力は万能です(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖女の魔力は万能です』とは2016年より小説投稿サイト「小説家になろう」で連載開始した橘由華の異世界召還ファンタジーWeb小説と、それを原作としたライトノベル、漫画、アニメなどメディアミックス作品である。魔法が存在する異世界に主人公セイとアイラが日本から召還された。しかし王国の第一王子カイルはアイラだけを聖女として扱い、セイを無視してしまう。元の世界に戻ることができない中、セイは自分の居場所を見つけ「聖女」としての力を発現させてゆく。女性が主人公のほのぼのとした異世界召還ストーリーである。

『聖女の魔力は万能です』の概要

『聖女の魔力は万能です』とは2016年4月29日より小説投稿サイト「小説家になろう」にてタチバナ名義で連載開始した橘由華の異世界召還ファンタジーWeb小説と、それを原作とした単行本ライトノベル、漫画、テレビアニメなどのメディアミックス作品である。

小説投稿サイト「小説家になろう」では、掲載開始10日後である5月9日に日間ランキング1位を記録、1か月後である5月29日にジャンル別ランキングの日間・週間・月間全てで同時に1位を記録した。2017年6月時点で累計14,288,206回、3,684,023人に読まれている。

Web小説の連載と並行する形で、単行本ライトノベルや漫画、スピンオフ漫画の発売、テレビアニメ化が進められた。
2017年2月10日にカドカワBOOKSより単行本ライトノベル第1巻が発売された。単行本のイラストは珠梨やすゆきが担当している。単行本ライトノベルの内容について原作者・橘由華より「Web版を書くときに削った部分が追加」されており「20%くらい増量しています」と公表されている。
単行本ライトノベル第1巻は、Webサイト「ほんのひきだし」が集計するライト文芸ランキングにおいて2017年1月24日から2月20日集計で13位を記録した。同ランキングで第2巻は2017年8月21日から9月20日集計で6位、第3巻は2018年9月21日から10月20日集計で5位を記録している。

漫画はキャラクター原案を珠梨やすゆきが、作画を藤小豆が担当し、2018年2月5日に第1巻が発売された。主人公セイと共に召還された少女アイラ側の物語として、公式スピンオフ漫画『聖女の魔力は万能です 〜もう一人の聖女〜』も発売されている。スピンオフ漫画は、キャラクター原案を珠梨やすゆきが、作画を亜尾あぐが担当し、2021年4月5日に第一巻が発売された。2021年6月時点でシリーズ累計発行部数は240万部を突破している。

魔法が存在する異世界にあるスランタニア王国では数世代に一度、国が瘴気に覆われ魔物が大量発生してしまう。歴史上、そのような時には魔を祓う聖なる力を持つ女性・聖女が現れ国を救ってきたとされている。しかし今回は聖女が現れなかったため、伝説の儀式「聖女召喚の儀」が行われた。その儀式で現代日本から召喚されたのは2人の日本人女性、主人公のOL小鳥遊聖(たかなしせい、以下セイ)と女子高生の御園愛良(みそのあいら、以下アイラ)だった。スランタニア王国の第一王子カイル・スランタニアは、アイラを聖女として丁重に扱ったが、セイのことは無視してしまう。日本に帰ることもできないセイは、王宮の薬用植物研究所にて研究員として働き始めるのだった。
元の世界に戻ることもできない中、セイは周囲の優しい人たちに支えられながら自分の居場所を見つけ、「聖女」としての力を発現させてゆく。

本作は女性が主人公の異世界召還モノとして、料理や美容、恋愛、異世界の文化など様々な事柄に焦点があてられている点が魅力の1つである。それまで多かったニートや社畜の男性主人公の異世界転生・異世界召還作品とは異なる作品で、男女問わず幅広い読者層に読まれている。常にほのぼのとしたストーリー展開となっており、読んでいてストレスのない展開も特徴の1つである。

『聖女の魔力は万能です』のあらすじ・ストーリー

異世界召還

小鳥遊聖(たかなしせい、以下セイ)は、少し仕事中毒気味な日本の20代会社員だ。ある夜、いつも通り残業を終えてひとり暮らしの部屋に帰宅したところで、突然光に包まれて異世界に召還されてしまった。見知らぬ場所にセイが戸惑っていると、異世界の国・スランタニア王国の第一王子カイル・スランタニアが現れた。カイル王子はセイと同時に召還された女子高生・御園愛良(みそのあいら、以下アイラ)が「聖女」であると判断し、セイの事を完全に無視してしまう。放置された怒りから周囲の人物に説明を求めたセイもまた、「聖女」として扱われスランタニア王国の宮殿に滞在することになった。

異世界のスランタニア王国は数世代に一度、定期的に瘴気に覆われその度に多くの魔物が出現する。歴史上、そのような時には魔を祓う聖なる力を持つ女性「聖女」が現れ国を救ってきた。しかし今回は聖女が現れなかったため、伝説の儀式である「聖女召喚の儀」が行われたのだ。今回その儀式で召還されたのが、2人の日本人女性セイとアイラだった。聖女が同時に2人召還されることは異例である。カイルはその見た目から、より「聖女」らしい見た目をしていたアイラが聖女だと判断したのだ。

召還された「聖女」が、元の世界に戻る方法は今のところ無い。
毎日何もすることが無いセイは、数日後には時間を持て余していた。退屈しのぎに出かけた王宮敷地内の散歩の途中、セイは薬用植物研究所に所属するジュードに出会い意気投合する。元々植物が好きなセイはスランタニア王国の植物や研究所で作られているポーションに興味を持ち、研究員として働くことになった。住まいも宮殿から薬用植物研究所に引越し、セイは新たな環境で過ごし始めた。
セイが研究所で働き始めてから、セイの作るポーションが通常のものより5割ほど高い性能を発揮することが分かった。一般的には魔力が枯渇してしまうため1日に作れるポーションの数に限度があるのだが、セイは他の研究員より多くポーションを作れることも判明した。

そんなある日、魔物の討伐に行った第三騎士団に多くの被害が出たために研究所に「ポーションを集めろ」と指令が入る。ポーションを運んだセイは、そこで瀕死の患者に自身が作った高い性能を発揮する回復ポーションを飲ませた。瀕死の患者・第三騎士団の団長アルベルト・ホークはセイのポーションのおかげで一命を取り留めたのだった。

聖女

第三騎士団の団長アルベルト・ホークをはじめ多くの人を救ったとして功労者のセイに褒美が与えられることになり、セイの希望で研究所内にキッチンが設置された。セイの手料理は評判になった。
そして、研究所の所長ヨハンの紹介でセイとアルベルトの交流も始まった。恋愛に不慣れなセイは、優しくエスコートするアルベルトに戸惑いながらも惹かれてゆく。またセイは、カイル王子の婚約者である令嬢エリザベス・アシュレイと王宮図書館で出会った。自分を完全無視したカイル王子に対して良い印象を抱いていなかったセイだったが、エリザベスとは意気投合し自然と友人として付き合うようになった。

徐々に本人と周囲が気付き始めたセイの人並みはずれた優れた魔力は、スランタニア国王であるジークフリート・スランタニアにも報告されることとなる。考えられる理由はセイが「本物の聖女だから」ということだ。しかしセイは目立たず普通の人として過ごしたいと願っていた。ついにセイはステータスを確認する「鑑定」を受けることになった。宮廷魔道師団の師団長ユーリの鑑定魔法を受けるが、セイは無意識にその魔法を弾いてしまう。それは、ユーリよりセイの魔力量が多いことを示している。セイの魔法の発動状況なども含め、ユーリはセイが「聖女」であると判断し、国王に報告する。
セイ自身の希望で、セイは正式に教師をつけて魔法を学ぶことになった。セイの講師は聖女の魔法に興味を持っていることもあり、ユーリが務める。ユーリのスパルタ指導を受け、さらに自主練を重ねたセイの回復魔法は上達した。
ある夜、セイは研究所の庭でこの世界で出会った人を思い返していた。セイの心に何かが湧き上がったその瞬間、セイの周りに黄金色の光が広がった。なぜその光が現れたのか、その光が何なのかが分からないまま、セイは西の森の魔物討伐に回復要員として参加することとなった。森の奥に進んだセイたちは、魔物に襲われてしまう。そこでセイは意図せず「聖女の術」を発動させ、瘴気の沼から湧き出る魔物たちを一掃することに成功した。この一件でセイはますます「聖女」として注目を集めるようになり、「聖女」扱いされることも増えていった。

一方、召還時にセイを無視したカイル王子は、大勢の前でセイが聖女であることを否定するような発言をした。ジークフリート国王に咎められたカイル王子は謹慎処分を命じられ、「聖女」に関する事柄から外されてしまった。カイルに代わり新たにアイラを担当することになったのは、第二王子レインとエリザベスだ。アイラは、カイルやエリザベスが通っている学園で魔法を学んでいる。アイラはこれまでカイル王子らと常に行動を共にしていた為、学園に馴染めず友人もいなかった。カイルから離れた後、エリザベスのフォローのおかげでアイラにも同性の友人もでき、平穏な学園生活を送れるようになった。
その後エリザベスは、セイとアイラを交流させようとお茶会を開いた。召還されてから会う機会がなかった2人だったが、交流を深め「セイさん」「アイラちゃん」と名前で呼び合う仲になった。またアイラは聖女では無かったのだが、学園の他の生徒達より魔法が得意であることも分かった。3人で話すうちに、アイラは学園卒業後は宮廷魔道師団に入ることを決断する。

薬草の聖地クラウスナー領へ

「聖女」として扱われることが増えたセイだったが、普段はこれまで通り研究所で研究員として過ごしている。
多くの魔力を持つセイは次々にポーションを作っていたが、魔力より先に薬草のほうが不足してしまった。実は薬草の聖地で一大産地のクラウスナー領に魔物が発生した為に、薬草不足になっているというのだ。魔物討伐のために第三騎士団がクラウスナー領へ遠征することになり、セイも討伐に同行することとなった。危険な任務にはなるが、セイは新たな薬草との出会いに期待して遠征を楽しみにしていた。
クラウスナー領主のダニエルは第三騎士団とセイをあたたかく迎え、セイにはクラウスナー領の薬師コリンナを紹介した。コリンナは何かのヒントになればと、クラウスナー領で「製薬の祖」と呼ばれた薬師で当時の聖女の日記をセイに読ませてくれた。日記には大切な愛する弟のために奮闘する当時の聖女の心情が綴られていた。

セイが日記を読んでいたとき、クラウスナー領の傭兵団たちが傷だらけで帰還してきた。森に魔物が現れたのだ。第三騎士団でも怪我人が出たと聞いたセイは、以前大怪我したアルベルトのことを心配し、第三騎士団がいる場所へと駆け出した。血まみれのアルベルトを見つけたセイは、再び「聖女の術」を発動させる。アルベルトは怪我をしていなかったのだが、セイは「聖女の術」の発動条件が"アルベルトを思うこと"だと確信する。

第三騎士団とクラウスナー領の傭兵団と共に部隊を組み、魔物討伐のために森に入ったセイたちは、スライムの大群の襲撃を受ける。この世界のスライムは厄介な魔物の1つで、物理攻撃がほとんど効かず、魔法で攻撃する必要がある。スライムに囲まれたセイたちは窮地に陥るが、王都から支援のために駆けつけた宮廷魔道師団のユーリやアイラらの加勢のおかげで、無事に森から撤退することができた。

森の再生

スライムに襲撃を受けた後、魔物討伐のために部隊を再編成し、セイたちは再び森へと向かった。今回は過去に魔物討伐で一帯を燃やし尽くした経歴を持つユーリも参加するため、クラウスナー領傭兵団団長のレオンハルトは故郷の森を心配していた。できるだけ森を守りながら進んでいたセイたちだったが、スライムが再び行く手を阻む。目的地は森の奥地に発生した瘴気が渦巻く"黒い沼"である。魔法を使える者達が魔法でスライムを倒しながら、奥へと進み沼へと近づいた。セイは「聖女の術」を放ち、黒い沼を浄化したのだった。

しかしその後に残ったのは、立ち枯れた木とむき出しの地面だけだった。美しかった森が無くなり、セイは落ち込んでしまう。
翌日、セイたちは少人数で再び森を訪れた。セイは持っている魔力を最大限使い「聖女の術」で森を復活させようというのだ。アルベルトを思いセイが発動させた「聖女の術」は森全体を包み、再び木々や草花を芽吹かせた。魔力を使い切ったセイはその場で倒れてしまう。セイが目覚めると、セイはアルベルトに抱えられていた。しばらくお姫様抱っこで運ばれていたセイだったが、耐えられずに必死にアルベルトにお願いして下ろしてもらったのだった。

その後無事に討伐完了したセイたち一行は、クラウスナー領を後にして王都へと帰っていった。
セイの「聖女」としての異世界生活は続いてゆく。

『聖女の魔力は万能です』の登場人物・キャラクター

聖女召喚の儀

小鳥遊聖(たかなしせい)

CV:石川由依

「聖女召還の儀」で異世界のスランタニア王国に召還された、日本に住む20代のOLである。
召還された時点での年齢は推定23~24才で、仕事中毒気味だった。残業からひとり暮らしの部屋に帰宅したところで、突然光に包まれて召還された。「聖女」として召還されたが、儀式を取り仕切っていた第一王子カイルが同時に召還された女子高生・アイラが「聖女」だと判断したため、セイは完全に無視されその場に放置されてしまった。セイは突然召還された上に放置されたことに怒り、そのまま国を出ようとしたが生活する術が無いため踏みとどまった。召還後のある日「薬物植物研究所」の研究員ジュードと出会ったことがきっかけとなり、趣味のハーブ栽培の延長のつもりで薬物植物研究所で研究員として働き始める。

徐々に規格外の能力が明らかとなり、自身が「聖女」だという自覚をしてゆく。テレビアニメ版ではステータス表示が存在していないが、web小説版などではステータス表示が有り、そこには当初から「聖女」と明記されている。召還時のわだかまりやあまり目立ちたくない思いから、召還直後は「聖女」ではなく一般人として振舞い、研究員として生活していた。しかし仲の良い騎士たちが重傷になった際に、彼らを救いたいという思いから失った手足を再生するほどの強力な回復魔法を使う。それがきっかけとなり周囲から「聖女」として扱われ、一部の熱心な騎士たちからは崇められるようになった。

容姿は細身でやや長身、腰までの黒髪ストレートロングで、いわゆる地味なタイプの美人である。召還当初はメガネをかけており、日本で暮らしていたころの日々の残業・過労により顔色も悪く病人扱いされていた。召還後の生活で適度な睡眠で顔色は改善され、健康的になった。さらに自作した化粧品の高すぎる効果により視力が回復し、メガネを卒業した。
日本で暮らしていた頃も含めて恋愛経験が無く、異世界で次々に知り合うイケメンたちに戸惑う。第三騎士団の団長アルベルト・ホークとは互いに惹かれあうが、セイが恋愛初心者であるため恋人未満の初々しい関係が長く続いた。その後、セイの婚約者最有力候補としてもアルベルトの名が挙がっていた。セイの事を思うアルベルトはゆっくりと事を進めていたが、セイがユーリと舞台観劇に行きユーリとの噂が流れたことがきっかけとなり、アルベルトから求婚し婚約に至った。
当初は「聖女の術」を意図して使うことが出来なかったが、クラウスナー領での出来事がきっかけとなり「アルベルトを思うこと」が発動条件であると判明する。

「聖女」であるため、非常に高いレベルの聖属性魔法を使用することが出来る。通常の聖属性魔法と異なり、発動時に通常の魔法光の他に黄金の粒子が出現する。
また、物に魔法付与を行えばその性能は伝説級となる。
ポーションを作ると、他の人と同じレシピ・同じ材料で作成しても通常より性能が5割高くなる。当初はその理由が分からなかったため「5割増しの呪い」と称していた。
自作の化粧品も高い性能が付与されており、知人・友人に配った際には酷い肌荒れが改善した、長年の火傷の痕が無くなった等、女性の悩みを改善してきた。自作化粧品が話題となり、セイのレシピの化粧品を取り扱う専用商会ができたほどである。

同時に召還されたアイラとは、召還当初はお互いに会う機会が無かったが、共通の友人エリザベスが間を取り持ったことがきっかけとなり交流が始まった。「セイさん」「アイラちゃん」と呼び合う仲である。日本人同士ということもあり、日本にあった食材が入手できた際にはセイがアイラに手料理を振舞っている。
スランタニア王国の料理は全体的に淡白なものが多かったため、セイの手料理は周囲から絶賛されるレベルで好評である。

御園愛良(みそのあいら)

CV:市ノ瀬加那

「聖女召還の儀」でセイと同時に異世界のスランタニア王国に召還された、16歳の日本の女子高生である。

見た目は肩にとどく長さのゆるくウェーブかかったふわふわとした茶色の髪で、透明感のある白い肌に薔薇色の頬、少したれ目の守ってあげたくなるような可憐な容姿を持つ"ゆるふわ系女子"だ。同時に召還されたセイが地味なスーツ姿で一纏めに括ったぼさぼさ髪に不健康な見た目をしていたため、その見た目から第一王子カイルにアイラが「聖女」であると断定され、カイルの保護下におかれた。魔法などについて学ぶため、カイルが通う王立学園にアイラも通うこととなった。

内気で大人しい性格で、カイルとカイルの側近達以外に頼れる相手がいなかった事もあり、召還後は自然とカイル達に依存してしまった。婚約者がいる彼らと行動を共にしていたため、彼らの婚約者達から反感をかい、学園で孤立してしまう。カイルの婚約者であるエリザベスと第二王子レイン・スランタニアが気にかけ、アイラに話しかけようと努力していたが、カイルらにより阻まれてしまった。

セイが正式に「聖女」であると判明した後、アイラを聖女と信じるカイルのセイを聖女だと認めない否定的な発言で騒動に巻き込まれてしまう。その騒動がきっかけとなりアイラはカイルの元から離れることになり、新たにアイラのことを担当することになったエリザベスやレインと共に過ごすようになる。エリザベスのフォローにより、学園での誤解も徐々に解け、同性の友人を作ることも出来た。学園の女生徒たちとガールズトークを楽しめるほどになった。共通の友人であるエリザベスが間を取り持ったのがきっかけとなり、それまで交流する機会が無かったセイとも年の離れた友人のような関係性になる。

王立学園を卒業後は、得意な魔法を生かして宮廷魔導師団に入団する。性格も以前より明るくなった。

スランタニア王国王宮

ジークフリート・スランタニア

ジークフリート・スランタニア(画像中央)

CV:山野井仁

セイとアイラが召還された異世界・スランタニア王国の国王である。

「聖女召還の儀」とその関連事項については、息子で第一王子のカイルに任せていた。
カイルが召還直後からセイのことを完全に無視している件を気にかけており、図書館で会ったセイに自ら話しかけ「息子が大変な失礼を働いたと聞いている。愚息のしたこと、大変申し訳ない」と頭を下げている。その後、改めて設けた正式な場で「突然我が国にお呼びしたこと、そして息子の非礼をお詫びする」と謝罪している。
カイルが大勢の前でセイのことを「偽聖女」と否定した際には、自らその場に出向きその場の混乱を収拾した。

爵位も領地も屋敷も欲しがらない無欲なセイが喜ぶ報酬を与えようとセイの周辺人物(主に研究所所長のヨハン)に相談している。

カイル・スランタニア

t-tkkr
t-tkkr
@t-tkkr

目次 - Contents