東京放置食堂(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『東京放置食堂』とは、2021年にテレビ東京で放送されたテレビドラマである。ゲームアプリ『放置少女~百花繚乱の萌姫たち~』を題材に制作された。元裁判官の主人公が伊豆大島に渡り、居酒屋の寡黙な女店主と名物のくさやに出会い、第2の人生を始める。壮大な自然や名物グルメをテレビ画面越しに楽しめ、主人公が悩みを抱える客に説教をする姿を見ると、癒やされた気分になれるところが魅力だ。連続ドラマで初主演を務める片桐はいりをはじめ、主要キャストや各話のゲスト出演者にも、個性的な俳優陣が出演したことで話題となった。

伊豆大島に関する用語

伊豆大島

本作の舞台となる伊豆諸島最大の島。都心から南に120km離れた太平洋に位置し、船で1時間45分で行ける。住所は東京都大島町。自然豊かな島で、ショッピングモールやコンビニはない。ドラマの中では本土から来る登場人物が、活火山の三原山、日本唯一の砂漠「裏砂漠」などの観光地を周り、くさやなどの名物料理を食べるシーンが必ず登場した。

波浮港

大島町にある港。この波浮地区に日出子や渚など主要な登場人物が暮らし、風待屋もこの地区にある。実在する港で、日出子と渚が第2話のエンディングで「恋の着払い」ダンスを踊った場所でもある。沖合漁業の中継港として栄えていたこともあり、旅館など当時を思わせる町並みが今でも残っている。昔から「風待ちの港」と呼ばれていた。

くさやに関する用語

くさや

伊豆諸島の名産で、魚の干物の一種。
日出子と渚の出会いのシーンでも登場するなど、ドラマを象徴する食べ物である。
物語のなかでは、日出子が風待屋を訪れた登場人物たちのために、くさやを焼くお決まりのシーンに登場する。これは悩みや問題を抱える登場人物たちに、問題と正面から向き合わせるための行動である。強烈な匂いを嗅ぐことにより感情的になっている客が一度、冷静さを取り戻す役目も果たしている。

くさいものにフタをする

物語のなかで、日出子がくさやを焼いた際に度々、発するセリフ。
登場人物たちが抱える、悩み、問題の本質、苦手なこと、忘れたい過去を「くさいもの」として表現している。問題から目を背けたり、見て見ぬふりをしたりする状態を「くさいものにフタをする」と表現していた。くさいものにフタをするのはやめて、問題と正面から向き合おうというメッセージが込められている。

風待屋に関する用語

風待屋(かぜまちや)

渚が女将を務める居酒屋。本作は、風待屋にやって来る客との交流が描かれている。
渚が1年前に亡くなった祖父から店を継ぎ、日出子が手伝っている。1階が店舗スペースで2階に居住スペースがあり、1階の奥には、漁協が以前使っていた貯氷庫がある。
第7話で登場する女子高生・日高真琴など女性の登場人物が2階に泊まっていった。
渚が魚を釣り、調理まで担当する。生きた魚に触れない日出子は、接客やその他雑用をメインで担当しているが、名物のくさやは日出子が焼いている。北野、南波、西浦が店の常連。

貯氷庫

風待屋の1階の奥にある漁協が以前使っていた氷を貯めるための倉庫。日出子が、悩みを抱える登場人物を度々、この貯氷庫に連れて行き説教をした。渚が有名アイドル・小松原美織に喝を入れるシーンでも使用されるなど、人間の内面に関する悩みを抱えた人物を説教する際に登場した。第3話では説教ではなく、酔っぱらった山中を一晩泊めるために布団を敷いた。
この貯氷庫はセットで作られたものではなく、撮影場所の古民家カフェに実在する本物の貯氷庫を使っていた。

『東京放置食堂』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

日出子と渚が「恋の着払い」を踊るシーン

アイドル・小松原美織の大ヒット曲「恋の着払い」を踊る日出子と渚。

「恋の着払い」は、第2話で登場するアイドル・小松原美織の大ヒット曲として紹介されている。美織が本土に帰ったあと、この曲のダンスを練習していた日出子は、渚から美織がサイン会をやり直したと知らされる。美織が今後アイドルとしてやっていけるのか心配しながらも、日出子の美織を応援したい気持ちが分かるシーンだった。
日出子がダンスを教えてほしいと、渚に頼んだあと「ダメだな、これ」という日出子のセリフでドラマ本編が終了する。
すると、エンディングの冒頭部分で日出子と渚が「恋の着払い」を完璧に踊るシーンが放送された。渚はいつも通り仏頂面のままキレのあるダンスを披露し、日出子は笑顔でノリノリのダンスを披露した。30秒程度のシーンだが、制作陣の遊び心が伝わる演出だった。

真野日出子「シャバはそんなに甘くないよ」

日出子がくさやを差し出し、山中に世間の厳しさを教える。

日出子が、「大道芸人」の仕事を始めるヤクザの元親分・山中正平に言ったセリフ。山中が披露したバルーンアートは、不出来で商売として成立していないレベルだった。北野を脅し、山中が作りたいものを押し付けるやり方は、弱い人を脅すヤクザの親分をしていた時と変わっていなかった。
日出子は、人生をやり直すと語りながらも根本的な姿勢が変わっていない山中を叱り「シャバはそんなに甘くないよ」と伝える。山中には本音を言ってくれる人がいない。このままだと、誰からも相手にしてもらえず苦労することが分かっている日出子が、山中のためを思って世間の厳しさを教えるセリフ。

真琴が裏砂漠で火山の噴火を想像するシーン

出典: x.com

女子高生・真琴が三原山で噴火を想像し、カウントダウンする。

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