伝説のオウガバトル(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『伝説のオウガバトル』とは、1993年3月12日、クエストよりスーパーファミコンで発売されたシミュレーションRPGである。全8章からなるとされる『オウガバトルサーガ』の5章にあたる。大陸全土を支配する神聖ゼテギネア帝国に対し、主人公が反乱軍を率いて挑む戦いを描く。
大部隊同士の臨場感のある戦闘が特徴である。
また、民衆の支持率によってゲームの展開が大きく変わるのも魅力である。
『伝説のオウガバトル』の概要
『伝説のオウガバトル』は1993年にクエストより発売されたスーパーファミコンのゲーム。
1996年には本作の移植版がプレイステーションとセガサターンでも発売された。
シミュレーションRPGのジャンルに分類されるが、リアルタイムにユニットが動く「リアルタイムストラテジー」という手法を採用している。
プレイヤーは主人公のオピニオンリーダーを中心に最大100体のキャラクターを操作することができ、キャラクターを組み合わせてユニットを編成し、編成したユニットを戦局に応じて動かして進行していく。
これまでにないジャンルのシミュレーションRPGであったことから難易度が非常に高く、システムに慣れないと効率よく進めなかったり、本拠地を奪われて撤退を余儀なくされることもある。
特に、民衆の支持率によってゲームの展開が大きく変わり、進み方によってグッドエンディングにもバッドエンディングにもなるというシステムは、ただ単にキャラのレベルを上げて力技で攻略することが可能だったこれまでのシミュレーションRPGとは一線を画するものとなっており、作品最大の魅力ともいえる。
最高のエンディングを見るためには相当の熟練を要する。
続編として、『タクティクスオウガ』『オウガバトル64』がある。
『伝説のオウガバトル』のあらすじ・ストーリー
オープニング
はるか昔、剣と魔法が支配するゼテギネアと呼ばれる時代があった。
大陸の東に位置するゼノビア王国で、かつて戦乱をおさめた5人の勇者の1人である賢者ラシュディが王子を殺害し、それと同時に、女王エンドラ率いる北方のハイランドがゼノビアに侵攻し、瞬く間に大陸全土を制圧。自らを神と崇めさせる神聖ゼテギネア帝国を創り上げた。
帝国の圧政により、絶望がゼテギネアを支配した帝国暦24年、シャロームの辺境で1人の勇者が立ち上がるところから物語が始まる。
反乱軍の決起
シャロームの辺境で反旗を翻した主人公は、彼を見出した占星術師ウォーレンや騎士ランスロットらとともに、ゼテギネア帝国を打倒するため軍を進めていく。
帝国打倒を期待され、ロシュフォル教会から勇者の証である「ティンクルスター」を託された主人公は、途中、同じく帝国に不満を持つゼノビア魔獣軍団に所属していた有翼人カノープスや、元ゼノビア魔獣軍団長ギルバルドなどの仲間を加えながら進軍を続け、帝国の手に落ちたゼノビア城を奪還することに成功した。
トリスタン皇子との出会い
反乱軍を率いる主人公の元には法皇ノルン、聖騎士ラウニィー、妖術士サラディンといった同じように帝国打倒の志を持つ者が次々と集う。
そして、仲間を集めながらマラノの都を訪れた主人公は、ゼノビア王家最後の生き残りであるトリスタン皇子と出会う。トリスタン皇子は主人公を勇者と認め、共に戦うことを誓い合うのであった。
聖剣ブリュンヒルドと天空の三騎士
民衆の支持を集め、勇者の証であるティンクルスターを所持していた主人公は、カストラート海の隠れ教会で、聖剣ブリュンヒルドを託される。この剣はカオスゲートという天界や異世界への入り口を開くことができる力を持っている伝説の剣だという。
主人公は伝説のとおりにカオスゲートを発見し、カオスゲートを通じ、天空に浮かぶ3つの島を訪れる。
島にはそれぞれ伝説の三騎士と呼ばれる騎士たちがいるが、魔術師ラシュディの魔法によって操られていた。
主人公は三騎士との戦いに勝利し、ラシュディの魔法を解き、伝説の三騎士を仲間にすることに成功する。
ゼテギネア帝国へ
仲間を集め、ついに敵地ゼテギネア帝国へと向かう主人公たち。途中、帝国四天王のプレヴィアやルバロン、悪名高いランドルス枢機卿らが支配する地域を解放し、ついにゼテギネア帝国の中心部であるハイランドに入る。
だが、ハイランド側からは主人公ら反乱軍は解放軍ではなく侵略者とみなされ、扱いは冷たい。
主人公たちはそんなハイランドを率いるヒカシュー大将軍を苦難の末撃破し、ハイランドの民をラシュディらの洗脳から解くことに成功するのだった。
最終決戦へ
ゼテギネアでは女帝エンドラと雌雄を決し、戦いはいよいよ佳境を迎える。
だが、ゼテギネアのさらに奥にある魔宮シャリーアでは、魔術師ラシュディが暗黒神ディアブロを蘇らせようとしていた。
苦闘の末、ラシュディを倒した主人公たちだが、ラシュディは自らの命を犠牲にし、暗黒神ディアブロを蘇らせてしまった。
世界に真の平和を取り戻すため、主人公たちは、暗黒神ディアブロとの戦いに挑み、見事勝利をおさめ、長き戦いに幕を下ろした。
『伝説のオウガバトル』のゲームシステム
ユニットの編成
本作は様々な種族・クラスからなる自軍のキャラクターを最大5人1組のユニットに編成し、それを最大10チーム派遣して各マップのクリアを目指していく。マップごとに敵の拠点があり、ボスユニットがいるので、ボスを倒し、拠点を制圧することでマップクリアとなる。
キャラクターにはそれぞれクラスが設定されており、クラスは、SサイズクラスとLサイズクラスに分かれる。
Sサイズクラスは人間タイプのクラス(ファイター、アマゾネスなど)、亜人間タイプのクラス(ホークマン、マーメイドなど)に分かれる。
Lサイズクラスは、ドラゴン、グリフォンなど魔獣タイプのクラスで、総じて攻撃力が高いものが多い。
ユニット編成にあたっての注意点として、LサイズクラスはSサイズクラス2体分として扱われる。
つまり、ユニットにLサイズクラスが1体入ると、残りはSサイズクラス3体までしか入れられなくなる。2体だと残りはSサイズクラス1体となる。
ユニットにはユニットリーダーを1人置かなければならない。Sサイズクラスでないとクラスリーダーになることができないが、Sサイズクラスの中にもユニットリーダーになれるクラスとそうでないクラスがいるのでそのあたりの編成にも頭を悩ませる必要がある。
ユニットには前衛と後衛があり、クラスによって攻撃回数や攻撃方法が異なる。
肉弾攻撃を得意とするクラスや守備力の高いクラスが前衛を務め、魔法攻撃を得意とするクラスや守備力の低いクラスを後衛に置くのが基本。
また、後述するが、ユニットをマップに派遣する場合、派遣コストとしてお金が必要になる。
クラスについて
クラスにはそれぞれレベルとHP(ヒットポイント)などのステータスが設定されている。
戦闘でレベルアップするとステータスがアップし、一定程度のレベルになり、基準を満たせばクラスチェンジすることができる。
ステータスの中で、特徴的なのはCHA(カリスマ)とALI(アライメント)というステータスで、いずれもクラスチェンジにあたっての基準となる。
CHAは統率力を意味する数値であり、自分より強い敵を倒せば上がり、弱い敵を倒せば下がる。
ALIは善悪を意味する数値であり、自分より強い敵を倒せば上がり、弱い敵を倒せば下がる。また、自分よりALIの高い敵を倒せば下がり、低い敵を倒せば上がる。
ALIが高ければ神聖系、低ければ暗黒系にクラスチェンジしていくことになるが、CHAが高くないとクラスチェンジできないことも多いので、キャラのレベルが上がりすぎてしまうとクラスチェンジできないということもありうる。
特に主人公のCHAやALIが低いと後述のカオスフレームの上下に大きく影響するため、できるだけ高い数値を維持することが攻略への鍵となる。
昼と夜
このゲームはリアルタイムに進行していくため、ゲームの進行とともに時間も昼から夜、夜から昼へと変わっていく。
昼と夜とでユニットの能力に違いがあり、
基本的にALIの高いキャラは昼間に能力が上昇し、ALIの低いキャラは夜間に能力が上昇する。
クラスによっては、昼間と夜間とで姿や行動パターンが変わるものもいる。
カオスフレーム
Related Articles関連記事
北欧神話徹底解説・考察まとめ!おもしろくて分かりやすい!
北欧神話(ほくおうしんわ)とは、キリスト教が広まる以前にノルド人(ノース人)が信仰していた神話体系。ノルド人がスカンジナビア半島を勢力圏としていたため、スカンジナビア神話とも呼ばれている。口伝によって伝えられていたが、13世紀頃、アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンによって『エッダ』という書物にまとめられた。 「滅亡の運命」が定められた神々の隆盛と終焉を描いており、全体的に暗い印象のエピソードが多い。物語全体の完成度が高く、漫画などの現代の創作物においてもたびたび題材として用いられる。
Read Article
タクティクスオウガ(TO)のネタバレ解説・考察まとめ
『タクティクスオウガ』は1995年にクエストから発売された、スーパーファミコン用シミュレーションロールプレイングゲームである。 『オウガバトルサーガ』シリーズの2作品目であり、ランスロットやウォーレンなど、前作である『伝説のオウガバトル』と共通するキャラクターも多く見受けられる。 ヴァレリア大陸の民族紛争で親を亡くした少年である、「デニム・パウエル」が様々な政治的思惑や信条に触れ、戦いを通じて成長していく物語である。
Read Article
【これだけはやっておきたい】スーパーファミコンのおすすめ名作ソフトまとめ
SFCの名作ソフトを、ジャンル別でシリーズの中でも特に面白い・高評価のものをまとめていきます。今プレイしても色あせないスーファミ。バーチャルコンソールで登場しているものもあります。
Read Article
【名作】死ぬまでにもう一度やりたい!スーパーファミコンゲーム【オススメ】
死ぬまでにもう一度やりたい!スーパーファミコンのゲームタイトルをまとめています。スーファミのゲームソフトは、1000タイトル以上あるので、時間をかけてまとめました。大体、後ろにいくほど発売が古くなっています。
Read Article
目次 - Contents
- 『伝説のオウガバトル』の概要
- 『伝説のオウガバトル』のあらすじ・ストーリー
- オープニング
- 反乱軍の決起
- トリスタン皇子との出会い
- 聖剣ブリュンヒルドと天空の三騎士
- ゼテギネア帝国へ
- 最終決戦へ
- 『伝説のオウガバトル』のゲームシステム
- ユニットの編成
- クラスについて
- 昼と夜
- カオスフレーム
- タロットカード
- タロットカードを引いたときの主な効果
- タロットカードを使用したときの効果
- 属性
- ゴート
- 『伝説のオウガバトル』の登場人物・キャラクター
- 仲間になるキャラクター
- オピニオンリーダー(主人公)
- 騎士ランスロット(ランスロット・ハミルトン)
- 占星術師ウォーレン(ウォーレン・ムーン)
- 風使いカノープス(カノープス・ウォルフ)
- 天空のギルバルド(ギルバルド・オブライエン)
- 魔女デネブ(デネブ・ローブ)
- 狂戦士アッシュ
- 獣王ライアン
- 聖母アイーシャ(アイーシャ・クヌーデル)
- 法皇ノルン
- 聖騎士ラウニィー(ラウニィー・ウィンザルフ)
- 妖術士サラディン(サラディン・カーム)
- トリスタン皇子(フィクス・トリシュトラム・ゼノビア)
- 天使長ユーシス
- デボネア将軍(クァス・デボネア)
- 赤炎のスルスト
- 氷のフェンリル
- 竜牙のフォーゲル
- 暗黒のガルフ
- 主な敵キャラクター
- 黒騎士ガレス
- フィガロ将軍(カラム・フィガロ)
- プレヴィア将軍(アルフィン・プレヴィア)
- ルバロン将軍(デニス・ルバロン)
- ヒカシュー大将軍(ヒカシュー・ウィンザルフ)
- 女帝エンドラ
- 魔術師ラシュディ
- ディアブロ
- 妖術士アルビレオ
- 堕天使ミザール
- 魔女ババロア
- 『伝説のオウガバトル』のアイテム
- キュアポーション・キュアストーン・キュアアンク
- ソウルコール
- 7リーグブーツ
- ひかりのささやき・やみのかおり
- ブラッドスペル
- ししゃのつえ
- ししゃのゆびわ
- ドリームクラウン
- ドラゴストーン
- ブリュンヒルド
- 『伝説のオウガバトル』の用語
- クラス
- ロード
- ファイター
- アマゾネス
- ナイト
- サムライ
- ビーストテイマー
- バーサーカー
- ニンジャ
- ドールマスター
- ウィザード
- ウェアウルフ
- ウェアタイガー
- クレリック
- ヴァルキリー
- ウィッチ
- プリンセス
- パラディン
- ヴァンパイア
- サムライマスター
- ビーストマスター
- ブラックナイト
- ニンジャマスター
- エンチャンター
- ゴエティック
- プリースト
- フレイア
- ドラゴンテイマー
- ドラゴンマスター
- ネクロマンサー
- リッチ
- ビショップ
- ホークマン
- マーメイド
- エンジェル
- デビル
- フェアリー
- パンプキンヘッド
- スケルトン
- ゴースト
- バルタン
- レイブン
- ニクシー
- スローンズ
- デーモン
- ピクシー
- マッドハロウィン
- スケルトンナイト
- ファントム
- セラフィム
- サタン
- シルフ
- ゴーレム
- ジャイアント
- オクトパス
- ヘルハウンド
- グリフォン
- ワイアーム
- ドラゴン
- ストーンゴーレム
- フィボルグ
- ギガンテス
- タイタン
- クラーケン
- ケルベロス
- コッカトリス
- ワイバーン
- プラチナドラゴン
- レッドドラゴン
- ブラックドラゴン
- タロス
- バハムート
- サラマンダー
- ティアマット
- デスバハムート
- フレアブラス
- ドラゴンゾンビ
- ジェネラル
- ドラグーン
- ダークプリンス
- バニティ
- ジェミニ
- ハイランダー
- ブラッククイーン
- ワイズマン
- 主なマップ
- ウォーレンの城
- シャロームの辺境
- シャローム地方
- ポグロムの森
- ジャンセニア湖
- デネブの庭
- スラム・ゼノビア
- アヴァロン島
- カストラート海
- ディアスポラ
- ガルビア半島
- カストロ峡谷
- バルモア遺跡
- マラノの都
- 永久凍土
- アンタリア大地
- 天宮シャングリラ
- アラムートの城塞
- ダルムード砂漠
- ライの海
- シュラマナ要塞
- クリューヌ神殿
- 上都ザナドュ
- ゼテギネア
- 魔宮シャリーア
- 隠しマップ
- ムスペルム
- オルガナ
- アンタンジル
- 滅びの都シグルド
- ドラゴンズヘヴン
- 『伝説のオウガバトル』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「笑え、笑えよカノープス。笑顔で俺を見送ってくれ」
- 天使長ユーシスと堕天使ミザール
- ガルフに支配される世界
- 『伝説のオウガバトル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ゲームの進め方のコツ
- BGMを聴けるミュージックモード
- 隠しマップのプレイ
- 暗黒系ユニットの神聖耐性アップ