『マネーの拳』とは2005年から2009年にかけ『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載された三田紀房による漫画である。元ボクシング世界フェザー級王者の主人公が引退後、会社を興すもののそれを手放し、新たに会社を立上げ、様々な障壁を乗り越え、やがて東証一部上場を果たすというサクセスストーリーである。東証一部上場に昇り詰めるまでの過程での主人公や従業員の仲間達、ライバル、その他の利害関係者らの描写はリアリティを感じさせ生き生きとしており、経営に関する名言やヒントが満載の作品である。
      
    
  第1巻1話から登場する。
ケンの幼なじみ。元々漫画家を目指しており、ケンと共に上京する。ケンがプロボクサーを引退、起業してからはケンの片腕として共に経営に携わる。
保守的でありながら突発的な行動に出やすいというところから塚原に「彼は商売に向いていない」と指摘される。
塚原為之介(つかはらためのすけ)
      
    
  第1巻1話から登場する。
通信教育事業、通信教育アイドウの創業者であり、様々な事業を手掛ける実業家。要所要所で主人公のケンにヒントを与え結果的に主人公を成功に導く。立場としてはあくまで中立を貫く。外資ファンドのサンデーキャピタルによる株式会社T-BOXの買収劇では相対する両者を煽るような場面も見られる。塚原には「私は神になりたい」という考えを持ち「神を楽しませた者、喜ばせた者が勝つ」と言う。実際にケンがサンデーキャピタルを見事退けた際は「十分楽しませてもらった」と神の立場のような言葉を心の中で放ち、不敵な笑みを浮かべる。
そこそこ利益が上げられそうな事業を3分で十は思いつくという根っからのアイデアマンでもあり、更に「商売で一度も失敗したことがない」とも言う。
井川泰子(いがわやすこ)
      
    
  第2巻12話から登場する。
商社最大手の一ツ橋物産の社員で主人公のケンの宿敵。ケンに対し異常な執着を見せる。もはや私情で商売をし、主人公の会社を徹底的に苛め抜くサディスティック性格の持ち主。とにかく女性が強い家系で曾祖母、祖母とも大の肉好きであるという。そのかわり男は皆早死にだともいう。宿敵ではあったものの最終的にはT-BOX社の専務取締役、更にはケンが代表を退いてからの後任に指名されT-BOX社の社長にまで昇り詰める。ケンへの執念は結果的にT-BOX社乗っ取るような形になる。
元ホームレスの従業員
大林隆二(おおばやしりゅうじ)
      
    
  第1巻7話から登場する。
元建設作業員のホームレスでありながらケンの片腕として貢献し、やがて会社役員まで昇り詰める。お山の大将気質で会社が大きくなるにつれ自分の立場、影響力に陰りが見え始めると子分を集めケンに対し謀反を企てようとする。その際にはライバルの井川に会社を売るような行為などなりふり構わないような様子すをみせる。しかしいずれも頓挫してしまう。
鶴田貴志(つるたたかし)
  第1巻7話に登場する。
元ホームレスで大林の舎弟のような存在。
日高功(ひだかいさお)
      
    
  第1巻7話から登場する。
元自衛官のホームレス。ケンの元で働くようになあってからは出店担当を任されディベロッパーなど不動産関係との折衝を主に任されるまでに昇り詰める。衝動的な行動に出てしまうところがある。
榎本文也(えのもとふみや)
  第1巻7話から登場する。
榎本は元ホストのホームレスであった。ゲイで元ゲイバーの店長を勤めていた経歴も持つ。客のあしらい方が上手く店舗での接客を任されている。
小池定吉(こいけさだきち)
  第1巻7話から登場する。
小池は元建設のホームレスであった。ケンの会社へ入社後は清掃業務を任されている。会社の運転資金800万円を持ち出し行方をくらます。
菅原雅弘(すがわらまさひろ)
  第1巻7話から登場する。
菅原雅弘は元商店店主をしていたホームレスであった。店をたたむことになった理由は運転資金を持ち逃げされたことだった。菅原はケンの会社でも持ち逃げされてしまう失態をやらかす。しかしそれでも財務管理を任される。自信のない性格で周囲に流されやすい。
菅原久子(すがわらひさこ)
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目次 - Contents
- 『マネーの拳』の概要
 - 『マネーの拳』のあらすじ・ストーリー
 - 塚原為之介からの1億円融資
 - 塚原からの1億投資を受けて
 - ケンの新事業立ち上げ
 - 株式会社ハナオカの株式公開
 - 株式会社T-BOXの上場
 - ライバルの入閣
 - ケンの代表取締役退任と新たなスタート
 - 『マネーの拳』の登場人物・キャラクター
 - 主要人物
 - 花岡健(はなおかけん)
 - 木村ノブオ(きむらのぶお)
 - 塚原為之介(つかはらためのすけ)
 - 井川泰子(いがわやすこ)
 - 元ホームレスの従業員
 - 大林隆二(おおばやしりゅうじ)
 - 鶴田貴志(つるたたかし)
 - 日高功(ひだかいさお)
 - 榎本文也(えのもとふみや)
 - 小池定吉(こいけさだきち)
 - 菅原雅弘(すがわらまさひろ)
 - 菅原久子(すがわらひさこ)
 - 西野浩樹(にしのひろき)
 - 緒方優(おがたまさる)
 - 加藤薫(かとうかおる)
 - ケンのライバル側
 - 高野(たかの)
 - 西田(にしだ)
 - 福沢ウィリアム太郎(ふくざわうぃりあむたろう)
 - ダイニングBAR拳の従業員
 - 佐伯真理子(さえきまりこ)
 - 鈴木孝伸(すずきたかのぶ)
 - 松島桂一(まつしまけいいち)
 - 石貫(いしぬき)
 - 西野の縫製工場の元従業員
 - 片岩八重子(かたいわやえこ)
 - 工藤陽子(くどうようこ)
 - 花岡拳としてのボクサー時代の仲間
 - 丸蟹(まるがに)
 - 坂東(ばんどう)
 - 大田原幸三(おおだわらこうぞう)
 - 片桐二郎(かたぎりじろう)
 - 株式会社T-BOXの中途採用者
 - 矢野(やの)
 - 岡田(おかだ)
 - 小島和枝(こじまかずえ)
 - その他
 - 牧信一郎(まきしんいちろう)
 - 木村タマコ(きむらたまこ)
 - 中原綾名(なかはらあやな)
 - 中谷(なかたに)
 - 弥生(やよい)
 - 笠原(かさはら)
 - 『マネーの拳』の用語
 - 会社・店舗
 - 花岡企画
 - 一ツ橋物産
 - 電光堂
 - 株式会社ハナオカ
 - 株式会社T-BOX
 - サンデーキャピタル
 - 通信教育アイドウ
 - ダイムジーンズ
 - R&M
 - 用語
 - 儲かる商売の三原則
 - 上代
 - 持ち株会
 - ストックオプション
 - PER(株価収益率)
 - IPOディスカウント
 - 敵対的TOB
 - 友好的TOB
 - ゴールデンパラシュート
 - シャークリペラント
 - クラウンジュエル
 - 焦土作戦(スコーチドアースディフェンス)
 - ホワイトナイト
 - マネジメントバイアウト
 - 飲食店
 - 和食ダイニング拳
 - らーめんふくいち
 - 居酒屋てっちゃん
 - TOP ICE
 - 中華料理和楼閣
 - やきぐし参番鶏
 - やまもと
 - 格闘技関連
 - 丸蟹ボクシングジム
 - 格闘技世界一決定戦 豪腕 GOWAN
 - 豪腕プロジェクト内覧会
 - 機関紙
 - 月刊トレンド経済
 - 週刊ポイズン
 - その他
 - サンプル
 - 渋谷店増収強化大作戦
 - テナント募集説明会
 - 牧証券投資研究所
 - 株式会社T-BOX臨時株主総会
 - 『マネーの拳』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
 - 塚原為ノ介「起業家として自分にとって必要な素質は何か?それは…一生衰えないカンとセンスだ」
 - 花岡健「生きる価値てめえで作れねえんなら今すぐ死ね。」
 - 塚原為ノ介「楽して儲けるのが本当の商売だ。」
 - 井川泰子「ビジネスなんてバリバリ私情…個人的感情でやるものよ。」
 - 花岡健「だいたい…知り合いから金を借りて、人の心という利息ほど高いものはねえ。」
 - 花岡健「商売というのは…心を売って金にかえるってことなんだよ。」
 - 塚原為ノ介「だいたい経済というものは合法的戦争なのだよ。」
 - 花岡健「株価の高騰維持。これこそが最強の買収防衛策なんだ。」
 - 福沢ウィリアム太郎「教えてやる。相手をいかに支配するか…まず脅す!恐怖心を抱かせる。そして、与えて、甘やかして、骨抜きにする!これが侵略の第一歩なのさ!」
 - 花岡健「社長から信用されていない。これを誇りに思わなきゃダメだ。」
 - 花岡健「俺は誰も信用しない。そのかわり責任は取る!」
 - 『マネーの拳』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
 - ストーリーの一部は作者の原体験
 - ケンの成長ぶりを物語る居酒屋シーン
 - 作者が漫画家になった理由はお金
 
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