オランピアソワレ(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『オランピアソワレ』とは、2020年にアイディアファクトリーより発売されたNintendo Switch用ゲームソフトである。舞台は、人々がそれぞれ【色】を持つ世界。ただ一人の【白】である少女オランピアが夫を探す使命の元に、世界の理不尽な仕組みに立ち向かいながら「魂の半身」と結ばれるまでを描く乙女ゲームである。鮮やかな色彩と神秘的な世界観、その裏に根付く差別や悲劇に悩みながら立ち向かう登場人物たちの間に生まれる愛情と絆の輝きが美しい作品である。

卑流呼ら兄弟神の母。一つ目の世界の創造神。
火の神を産んだ際に命を落とし、黄泉の国へ迎えに来た夫イザナギと帰ろうとするが、その醜い姿を見たイザナギに見捨てられてしまう。以来長い眠りについていたがアマテラスの消失をきっかけに目覚め、世界を闇で包もうとするが、月黄泉によって死に水の泉に封印された。

『オランピアソワレ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

日本神話のifを描くストーリー

葦の舟で海に流されたヒルコが人形の体を得たヒムカ

『オランピアソワレ』のキャッチコピーは「これは辿り着いていたかもしれないもう1つの神話のストーリー」である。
この「神話」とは『古事記』に語られた日本神話のことで、「もしイザナギとイザナミの第一子であるヒルコが流れ着いた先で世界を作ったら」というストーリーが描かれている。知識があるプレイヤーなら卑流呼(ひるこ)や月黄泉(つくよみ)の名前を見ただけでピンとくるようになっている。

各ルートに仕込まれた日本神話の物語

オランピア(右)の髪を櫛で梳かす璃空(りくう)(左)

『オランピアソワレ』の各攻略キャラクターのストーリーにも、日本神話のキーワードが随所に仕込まれている。
璃空(りくう)ルートで重要なアイテムとなる櫛や時貞(ときさだ)ルートの最後に登場する桃は、イザナギが黄泉の国から帰還する際に追っ手に投げて時間稼ぎをした品物である。縁(よすが)ルートでは葡萄色という表現が複数回登場するが、これは同じくイザナギが黄泉の国で使用した山葡萄を示唆するものである。
また玄葉(くろば)ルートに登場する薬の名前「白妙(しろたえ)」は持統天皇の短歌「春過ぎて 夏来たるらし 白たへの 衣干したり 天香具山」を連想させる言葉であるが、天香久山にはアマテラスが隠れた天岩戸の伝承地とされる岩穴がある。

主人公の名前の由来はオペラ『ホフマン物語』から

『オランピアソワレ』主人公のオランピア

「オランピア」という主人公の名前の由来は、作中で朱砂(あかざ)が語った情報を踏まえるとフランスの幻想的オペラ『ホフマン物語』の登場人物に合致する。
このオペラは主人公のホフマンという詩人が様々な女性に失恋する様相を描いたものである。オランピアはその1人目の女性で、ゼンマイ式の歌って踊る自動人形だった。カーテンの隙間から覗き見たオランピアに恋をするホフマンだが、それが人形とは気づかない。さらに道具売りから買った不思議な眼鏡をかけるとオランピアが本当の人間のように見えてしまい、彼女と眼鏡が壊れるまで真実に気づかなかったという筋書きとなっている。
『オランピアソワレ』のカメリアもまたゼンマイ式の動く人形なので、彼女もこの元ネタを踏まえた登場人物と推測できる。

『オランピアソワレ』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):ENA「たとえともに」

作詞 :ENA☆ 作曲:横山克 編曲:内藤慎也

ED(エンディング):ENA「誰よりも」

作詞:ENA☆ 作曲:後藤康二(ck510) 編曲:内藤慎也

ハッピーエンドを迎えた際に流れるエンディング曲。

ED(エンディング):ENA「ひとこと」

作詞:ENA☆ 作曲:大西克巳 編曲:内藤慎也

バッドエンドを迎えた際に流れるエンディング曲。

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