オランピアソワレ(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『オランピアソワレ』とは、2020年にアイディアファクトリーより発売されたNintendo Switch用ゲームソフトである。舞台は、人々がそれぞれ【色】を持つ世界。ただ一人の【白】である少女オランピアが夫を探す使命の元に、世界の理不尽な仕組みに立ち向かいながら「魂の半身」と結ばれるまでを描く乙女ゲームである。鮮やかな色彩と神秘的な世界観、その裏に根付く差別や悲劇に悩みながら立ち向かう登場人物たちの間に生まれる愛情と絆の輝きが美しい作品である。

ヒムカバッドエンド2

黄泉の者たちの避難誘導中、オランピアの腕に何か小さなものが刺さった。すると突然眩暈がして倒れそうになり、誰かが声をかけてきた。必死に抵抗するが意識が遠のく。

世界に終焉が迫る中、叉梗はオランピアと海浬を交配させようとしていた。滅びが先か、【白】の子が生まれるのが先か。海浬が見つめる前で、オランピアは眠り続けた。

朱砂ルート

朱砂に手紙の検閲をしてもらっていると婿探しの話題になり、売り言葉に買い言葉で朱砂とデートをすることになった。
共に過ごす中で朱砂の父が慈眼大師であること、母親は天女島の女であり、彼が天女島に生まれた唯一の男であることを知る。

ある朝、月黄泉がアマテラスの鏡の片割れを持ち去り空が暗くなった。オランピアを守るために、アマテラスが再臨できないように鏡を壊すことに決めたという。
月黄泉はさらに朱砂がスサノオという神に瓜二つで、腰に帯びた刀はスサノオがアマテラスを斬り殺したものだと説明した。
朱砂はこの刀を拾った経緯を語り、自分がオランピアを殺す運命など認めないと言い切った。

失われた鏡は死に水の中にあった。オランピアが死に水に潜ると水底に髑髏が沈んでおり、その上に鏡があった。鏡を手に朱砂の手を借りて水から上がるが、身体が腐り落ちていった。彼女はイザナミの呪いに触れてしまい、禍津女神(まがつめがみ)になろうとしていた。朱砂は必死に否定するが、オランピアはその刀で自分を殺すよう促した。

朱砂ハッピーエンド

朱砂は朽ちてゆく彼女に口づけ、変わらぬ愛を誓った。
するとオランピアの意識に、島に降り注ぐ虹色の雨が見えた。青空の下、女神アマテラスが立っている。彼女はオランピアの幸せを願う言葉を残して天に還った。

数日後、屋敷では朱砂が立ち会う中、道摩がオランピアの父親であると言う事実が明かされた。互いの愛を確認し、2人は抱き合って泣いた。

オランピアは「東京」に向けて瓶詰の手紙を海へ流した。朱砂は彼女が喜ぶ計画があると明かす。2人は楽しみだと言って唇を重ねた。

朱砂バッドエンド1

オランピアが愛したこの島をより良いものに変えていくと誓い、朱砂は彼女を刀で刺し貫いた。しかしイザナミの声が高らかに笑いながら運命を覆せなかったスサノオを賛美し、世界に死に水が溢れ闇に閉ざされた。

朱砂バッドエンド2

天女島へ鏡を探しに行くオランピアの前に月黄泉が姿を現す。彼は生き水に沈んでいた鏡を手にし、そして壊してしまった。

世界が終わる頃、月黄泉はオランピアを眠らせ世界の外に連れ出していた。新しい世界へ向けて舟を漕ぎながら、月黄泉はオランピアへの愛を語った。

『オランピアソワレ』のゲームシステム

基本情報

選択肢の結果を示す陰陽盤

ノベルゲーム形式で、テキストを読みながら途中の選択肢を選んでストーリーを進めていく。
共通ルート(選択肢無し)が終わったら攻略キャラクターの中から1人を選んで個別ストーリーを進めることになる。ゲーム開始時は玄葉(くろば)、璃空(りくう)、天草四郎時貞(あまくさ しろう ときさだ)、縁(よすが)の中から選択可能で、4人全てのストーリーでハッピーエンドを迎えるとヒムカを選べるようになる。さらにヒムカでハッピーエンドを迎えると朱砂(あかざ)を選べるようになる。
選択肢を選んだ際の結果は陰陽盤(おんようばん)によって確認できる。針が左に振れればグッド、右に振れればバッドである。
各キャラクターにはハッピーエンド1つとバッドエンド2つが用意されている。単純に悪い方の選択肢だけを選んでいては見られないバッドエンドもあり、コンプリートにはひと手間がかかる。

ご褒美ボイス・陰陽ボイス・システムボイス

メニュー画面

ご褒美ボイスはゲームスタート時に流れるキャラクター音声である。ゲームハードの時計に応じて24種類の音声が存在し、その中にはサブキャラクターも含まれている。
陰陽ボイスはメニュー画面にストーリーをクリアした攻略キャラクターの音声が流れるもので、各キャラクター毎に陰と陽の2種類が存在する。ハッピーエンド到達時は陽ボイスが、特定のバッドエンドに到達すると陰ボイスが必ず流れるようになっている。
システムボイスは、メニュー画面などの項目を選択するとハッピーエンドに到達した攻略キャラクターの音声が流れるというものである。

『オランピアソワレ』の登場人物・キャラクター

主人公

オランピア

CV:なし

本作の主人公。太陽を輝かせる力を持つ特別な色である【白】(はく)を持つ女性。屋敷へ迷い込んできた白鼠にだいふくと名付けて飼っている。
幼少期は母・白亜(はくあ)を含む【白】の女たちと共に天女島(てんにょとう)で暮らしていたが、5歳の時に「赤渦の災(せきかのさい)」が起きて彼女以外の【白】の女が全滅してしまう。天供島(てんぐうとう)の道摩大師(どうまだいし)に引き取られるが現実を受け入れられず逃げ出し、追ってきた道摩に無我夢中で拔(ばつ)を使い彼の左手を再起不能にしてしまう。それ以来道摩の屋敷に閉じこもり人形のように過ごし、時折太陽に捧げる舞の儀式のために外出するのみという生活を送ってきた。
18歳の誕生日、公的機関・コトワリの所長である朱砂(あかざ)から【白】の子孫を残すため1年以内に夫を見つけるようにと宣告される。反発しつつも避けられぬ使命と受け止め、初めて外に出たオランピアは天供島に根付く様々な問題に触れ、世界を変えたいと思うようになる。その第一歩として、島の地下世界である黄泉と地上を繋ぐ手紙の配達を始めた。本質的には理不尽を見過ごせない優しさと頑固さを併せ持つ芯の強い女性である。
オランピアという名前は道摩に引き取られる際につけられた偽名で、本名は白夜(びゃくや/変更可)。

攻略対象キャラクター

朱砂(あかざ)

Tyber1142
Tyber1142
@Tyber1142

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