オランピアソワレ(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『オランピアソワレ』とは、2020年にアイディアファクトリーより発売されたNintendo Switch用ゲームソフトである。舞台は、人々がそれぞれ【色】を持つ世界。ただ一人の【白】である少女オランピアが夫を探す使命の元に、世界の理不尽な仕組みに立ち向かいながら「魂の半身」と結ばれるまでを描く乙女ゲームである。鮮やかな色彩と神秘的な世界観、その裏に根付く差別や悲劇に悩みながら立ち向かう登場人物たちの間に生まれる愛情と絆の輝きが美しい作品である。
魂の結晶と病
晶(しょう)
人の魂の結晶とも言うべきもの。それぞれの【色】や健康状態などによって個人差がある。
地上の人々の晶は天三柱の材料となり、黄泉の人々の晶は太陽を輝かせる糧となる。大きさが足りないものは粉末状にして薬の材料に使ったり、死に水に溶くことで絵の具にもなる。
拔(ばつ)
人の身体から晶を抜き出す力。晶を抜かれた体は灰のようになって消える。
人が死んだ際に亡骸を放置すると剥が発生するので、速やかに拔によって晶を抜かなければならない。そのために存在する職業が「弔い屋」で、職務のために地上と黄泉を行き来することが許されている。
【青】の者たちが卑流呼から授かった力であり、拔が使える者を絶やすと社会問題になるということから、【青】は特に【色】を残すための交配を重んじる。
また【白】の女たちも、自分の身に危険が迫った時のみ使うことができる。
生きた人間にも使うことができるが法で禁じられており、重罪人を処刑する時のみ使用が許可される。
剥(はく)
この世界の人々を蝕む病。前触れもなく発症する他、死体から発生することが知られている。また奈落にある死に水を浴びると発症するとも言われている。
発症すると体の一部が白く変色し、脆く崩れていく。治療には晶を生成して作る「非時丹(ときじくたん)」と呼ばれる薬が特効薬だが、初期の物の成功率は5割ほど。後継の「非時丹・涅(ときじくたん・ね)」なら9割で治るが、【色】が黒くなるという副作用があった。
伝承・事件
魂の半身
唯一無二の愛で結ばれた運命の相手。人が皆探し求める存在であり、出会うと恋しさのあまり片時も離れられなくなると言われている。
卑流呼が世界にかけた呪いであり、誰もが誰かと出会えるように、誰も寂しくないように、そして卑流呼自身の半身もどこかにいて欲しいという願いが元になっている。
【白】の女は魂の半身と愛し愛された時相手の【色】をその身に宿し、舞を以てアマテラスに捧げることで太陽を輝かせる。だが赤渦の災で5歳のオランピアを残して【白】の女がいなくなってしまったので、道摩が作った「道」を通じて黄泉の者たちの晶を捧げることでその代替としている。
月の舟
天女島に花婿を招くしきたり。満月の夜に白鼠が選んだ男の元へイロハバナを届け、選ばれた男はイロハバナを持って海岸へ行くとツクヨミの漕ぐ舟で天女島に運ばれる。到着すると薬酒を飲まされ、【白】の女に気に入られれば夢心地で交わり朝には天供島に返されるが、天女島での記憶は消えている。逆に、狼藉を働けば拔によって消される。
稀に、【白】の女と深く愛し合った者は記憶が残ることもある。
赤渦の災(せきかのさい)
本編の13年前に起こった事件。当時の【黄】の長である葉金(はがね)が正式な花婿から奪ったイロハバナを使って天女島に渡り、道摩の妻である白亜(はくあ)を害そうとするも拒まれ殺害。他の女たちは潔白を貫くため次々に自害した。道摩が駆けつけるも間に合わず、かろうじて当時5歳の白夜(オランピア)を助け出すことができたのみであった。
アマテラスの怒りと悲しみで海と月は赤く染まり、舞手がいなくなったことで太陽の光が失われる寸前となった。道摩が自身の法力を使って「道」を創り、黄泉の者たちの晶を糧にオランピアが舞うことで太陽を輝かせることができるようにした。下手人である葉金は道摩の手で剥にかかり病死した。
創世の神々
卑流呼(ひるこ)
ヒムカの正体。
イザナギとイザナミの間に生まれた初めての子だったが、「不出来」であったために葦の船に乗せて流された。彼が流れついた先で生み出したのが二つ目の世界であり、自らの血を使って【青】を創った。天供島の言い伝えにおいては世界と三つの【原色】、そして男女の別を創った神として崇められている。
月黄泉に用意してもらった人形の身体で暮らしながら、妹神であるアマテラスの復活を待ち侘びている。
アマテラス
イザナギの禊によって生まれた、太陽を生み出した女神。弟神であるスサノオの好意を拒み斬り殺されてしまったため一つ目の世界が闇に閉ざされ、二つ目の世界には卑流呼が仮初の太陽を創った。天女島にある生き水の泉に眠り、彼女の涙が生み出した【白】の女たちによって崇められている。
オランピアが18歳になった時、彼女を依代に復活すると予言されていた。アマテラスが目覚める時、世界に真の太陽が戻るとされる。
ツクヨミ
月黄泉の正体。アマテラスの弟。
卑流呼の国産みに手を貸し、自身の右目から月を、血から【黄】を創った。やがて再臨するアマテラスのために天女島で【白】の女たちを見守り、その血の存続のために天供島から花婿を運ぶ「月の舟」の漕ぎ手を務めた。
スサノオ
アマテラスとツクヨミの弟。アマテラスに恋慕し強引に迫ったが拒否され、激昂のあまり斬り殺してしまう。その後悔によって自害した彼の血がこの世界の海と【赤】を創った。彼の「アマテラスを護りたい」という懺悔の心が天女島の周囲にいくつもの渦を生み出し、【白】の女の許しがなければ超えられない壁となった。
イザナミ
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目次 - Contents
- 『オランピアソワレ』の概要
- 『オランピアソワレ』のあらすじ・ストーリー
- 夫探しの使命
- 黄泉という世界
- 地上と黄泉を繋ぐ手紙の配達人
- 玄葉ルート
- 玄葉ハッピーエンド
- 玄葉バッドエンド1
- 玄葉バッドエンド2
- 璃空ルート
- 璃空ハッピーエンド
- 璃空バッドエンド1
- 璃空バッドエンド2
- 時貞ルート
- 時貞ハッピーエンド
- 時貞バッドエンド1
- 時貞バッドエンド2
- 縁ルート
- 縁ハッピーエンド
- 縁バッドエンド1
- 縁バッドエンド2
- ヒムカルート
- ヒムカハッピーエンド
- ヒムカバッドエンド1
- ヒムカバッドエンド2
- 朱砂ルート
- 朱砂ハッピーエンド
- 朱砂バッドエンド1
- 朱砂バッドエンド2
- 『オランピアソワレ』のゲームシステム
- 基本情報
- ご褒美ボイス・陰陽ボイス・システムボイス
- 『オランピアソワレ』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- オランピア
- 攻略対象キャラクター
- 朱砂(あかざ)
- 玄葉(くろば)
- 璃空(りくう)
- 天草四郎時貞(あまくさ しろう ときさだ)
- 縁(よすが)
- ヒムカ
- 【原色】(げんしき)の長たち
- 道摩大師(どうまだいし)
- 慈眼大師(じげんだいし)
- 珠藍大姉(しゅらだいし)
- 白鼠の兄弟
- だいふく
- パリス
- ジュリエット
- 黄泉に住む人々
- 月黄泉(つくよみ)
- カメリア
- 刈稲(かいな)
- 海浬(はいり)
- 明日羽(あすは)
- 【独色】(どくしき)の者たち
- 柑南(かなん)
- 薙草(なぐさ)
- 叉梗(さきょう)
- 『オランピアソワレ』の用語
- 物語の舞台
- 天供島(てんぐうとう)
- 天女島(てんにょとう)
- 黄泉(よみ)
- コトワリ
- 二つ目の世界
- 果ての大渦
- マレビト
- 色層
- 【原色】(げんしき)
- 【独色】(どくしき)
- 【有色】(ゆうしき)
- 【無色】(むじ)
- 【化色】(あだしき)
- 【白】(はく)
- 交配
- ハズシ
- 魂の結晶と病
- 晶(しょう)
- 拔(ばつ)
- 剥(はく)
- 伝承・事件
- 魂の半身
- 月の舟
- 赤渦の災(せきかのさい)
- 創世の神々
- 卑流呼(ひるこ)
- アマテラス
- ツクヨミ
- スサノオ
- イザナミ
- 『オランピアソワレ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 日本神話のifを描くストーリー
- 各ルートに仕込まれた日本神話の物語
- 主人公の名前の由来はオペラ『ホフマン物語』から
- 『オランピアソワレ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):ENA「たとえともに」
- ED(エンディング):ENA「誰よりも」
- ED(エンディング):ENA「ひとこと」