オランピアソワレ(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『オランピアソワレ』とは、2020年にアイディアファクトリーより発売されたNintendo Switch用ゲームソフトである。舞台は、人々がそれぞれ【色】を持つ世界。ただ一人の【白】である少女オランピアが夫を探す使命の元に、世界の理不尽な仕組みに立ち向かいながら「魂の半身」と結ばれるまでを描く乙女ゲームである。鮮やかな色彩と神秘的な世界観、その裏に根付く差別や悲劇に悩みながら立ち向かう登場人物たちの間に生まれる愛情と絆の輝きが美しい作品である。

璃空バッドエンド2

璃空はオランピアを攫おうとする賊に向かって拔を使ってしまう。
オランピアは意識を失って4日後に目覚めると、璃空が拔で人を殺した贖いに死刑執行人の任に就いたと知らされた。
璃空はオランピアへの変わらぬ愛を胸に秘めながら、罪人を殺め続けていった。

時貞ルート

屋敷を訪ねてきた時貞は、自分をオランピアの婿にしてほしいと申し入れた。何度かデートを重ねる中で惹かれ合う2人。
時貞は【緑】の長・常穂(つねほ)からマレビトとして奇跡を起こすようにプレッシャーをかけられ、柑南や薙草に吹き込まれてクーデターに加担し、道摩に刀を向けてしまう。オランピアの母を殺した道摩を斬り彼女を自由にすると言う時貞を、オランピアは必死に止めた。

海へ入り慟哭する彼を後ろから抱きしめるオランピア。2人は隠れ家に行き、2人きりで祝言を挙げることにした。全てが終わった時、オランピアの髪は緑色になっていた。
翌朝、時貞はもう一度常穂と話すと言って出立する。そこへ常穂が喀血したと知らせが入った。

時貞ハッピーエンド

常穂は毒を盛られていた。時貞は自分の過ちを語り、黒幕だと推測した柑南の元へ向かう。銃を手に己の絶望と終焉への望みを語る柑南の首に、刀を突きつける時貞。生きてほしいと言う彼の説得に、柑南は力無く銃口を下ろした。

常穂から長の座を譲られた時貞は、その第一歩として処刑廃止を訴える。慈眼大師(じげんだいし)にもらった桃の種を隠れ家の庭に植えた時貞は改めてオランピアに感謝を述べ、共に歩んでゆくと誓った。

時貞バッドエンド1

常穂の命に危機が迫った次の日、刈稲は今日地上に行けることになったと嬉しそうに語る。言いようのない不安に駆られたオランピアは朱砂に報告に行こうと馬車に乗るが、いつの間にか知らない場所へと進んでいた。必死に人を呼ぶも気絶させられたオランピアは、一言時貞の名前を呼んだ。

【橙】の長しか知らない、離れ島の地下倉庫。薬によって互いの想い人の幻覚を見ながら交わるオランピアと刈稲。
柑南はそんな2人を見つめて暗い笑みを浮かべた。

時貞バッドエンド2

道摩殺害に失敗し、処刑を恐れる時貞の元へ柑南と薙草が現れ嘲りを口にする。時貞は刀を抜き、薙草を斬りつけてしまった。
オランピアは海の向こうへ行くという時貞に同行を申し出た。2人はクルスで手を結んで小さな舟に横たわり、祝言の話をしながら眠りについた。

縁ルート

縁が婚姻しなくていいとされている理由を月黄泉に確かめると、彼は15年前の事件を語る。【紫】の長・師縁(しえん)とその娘・絢雨(あやめ)に発症した剥が居住区中に広がり、別所にいた縁を除いた【紫】全員が感染してしまった。感染拡大を防ぐため居住区は焼き払われ、長の息子である縁はその咎を背負って黄泉に落とされ、生涯婚姻を禁じられたのだった。
縁はその事件について、珠藍大姉と叉梗が姉を自死に追い込んだと推測。かつて焼け跡となった自宅を訪れた彼は、姉の遺体の顔の上にかけられた【青】の色紋が刺繍されたハンカチと「私は【青】に殺された」と書かれた手紙を見つけたと語った。

オランピアは珠藍大姉に15年前のハンカチのことを聞く。彼女は顔色を変え、そこに現れた縁を絢雨と呼んだ。彼女を殺したのかと問うと、大姉は肯定する。詰め寄る縁を躱して大姉は去って行った。

縁ハッピーエンド

大姉は叉梗を人質に脅され、縁に真実を話す。彼女の夫・吾紺(あこん)に幾度も手籠めにされた絢雨が耐えかねて自死し、悲劇が起こった。その後大姉と叉梗が吾紺を剥に罹患させ謀殺したと言う。
衝撃を受ける縁を叉梗が拘束し、証拠を消すよう脅す。オランピアは取引を持ちかけ、その代わりに真実を封印することを約束する。2人を見送った後、縁とオランピアは桜の下で泣いた。

オランピアはある男の子に貝を贈った話をした。縁は螺鈿の物入れから白い貝殻を取り出してずっと大事にしていたと話す。正式に夫にしてほしいと言う縁と、オランピアは結ばれた。髪が葡萄色に染まったオランピアに、縁は月光貝の細工のある指輪を贈った。

オランピアは15年ぶりに地上を訪れた縁と海辺を歩きながら、共に天供島を変えていこうと誓い合った。

縁バッドエンド1

縁は叉梗を殺したと告白し、処刑される前にオランピアの手で殺してくれと頼んでくる。オランピアは葛藤の末に「その代わりに全てを捧げて」と返す。2人は互いに求め合いながら、本心と逆の言葉をかけ合った。

数ヶ月後、オランピアは月のものが来ていないことに気づく。美しい紫色の晶を胸に抱き、オランピアは天女島に帰ることを決意した。

縁バッドエンド2

珠藍大姉を問い詰めた翌朝、オランピアが散歩に出かけると、軍の者たちが縁を連行しようと湯屋に向かっていた。引き止めようとするオランピアに叉梗が声をかけてきた。

数ヶ月後、オランピアは湯屋で様々な男たちの相手をしていた。【白】の子を何人か産んでくれれば離れ島に幽閉した縁を解放するという叉梗との取引に応じ、必ず縁を助けると誓ったのだった。

ヒムカルート

オランピアはハズシのカップルの心中に遭遇する。2人の弔いを見守るオランピアに、ヒムカは遠い昔に舟でずっと彷徨っていた記憶を語った。
その後も交流を重ねる2人だったが、ヒムカはオランピアの向こうに別の者を見ているようだった。

各所で失踪事件が多発する中、ヒムカは自分が卑流呼だと正体を明かし、黄泉出身の少年・海浬(はいり)が世界を呪う女神イザナミの気配を纏っていたと言った。オランピアが死ねば太陽は失われ、闇の世界に死に水が溢れ人々は死に絶える。それこそがイザナミの望みだった。

太陽の光が弱まり、黄泉の者たちは地上へと避難してきていた。海浬はカメリアに憑依したイザナミに追い詰められ、オランピアへ拔を向けようとした。

ヒムカハッピーエンド

ヒムカがその力全てを使い、イザナミを死に水ごと消し去った。そしてヒムカ自身も体が崩れていく。彼の体はツクヨミの作った人形だった。
彼は自ら生み出した世界に背を向けてしまった懺悔と共に消えた。

オランピアは天女島に赴きアマテラスを呼び出す。オランピアの願いを聞き届けたアマテラスが再び姿を消すと、そこには人間の体を得たヒムカが立っていた。

ヒムカは、これからは人としてオランピアと共にこの世界を守っていくと宣言した。2人は誓いの口づけをした。

ヒムカバッドエンド1

海浬の拔によって、オランピアは晶になってしまった。世界は闇に包まれ、滅んだ。
ヒムカは新しい小さな世界を創り、ツクヨミに作ってもらったオランピアの人形を抱きしめる。彼女の魂は常世虫(とこよむし)となって舞う。これでたった2人きりの世界で永遠を生きられると、ヒムカは笑った。

Tyber1142
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