パタリロ!(魔夜峰央)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『パタリロ!』とは1978年より魔夜峰央が『花とゆめ』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。架空の島国・マリネラを舞台に、その国王のパタリロが英国秘密情報部の凄腕エージェントであるバンコランやその愛人で殺し屋のマライヒ、側近のタマネギ部隊などとともに巻き起こす騒動を描く。同性愛を題材にした耽美的な世界観を持つギャグ漫画で、少女漫画界屈指の長寿作品である。

バンコランが所属するイギリスの情報機関。
国外の政治・経済及びその他秘密情報の収集・情報工作を任務としている。

KGB(かーげーべー)

ソ連の情報機関・秘密警察。
パタリロやバンコランの適役として初期によく登場した。

CIA(しーあいえー)

アメリカの情報機関。ヒューイットが所属する。

FBI(えふびーあい)

アメリカ司法省に属する捜査機関。作中ではCIAの下部組織といった扱いで、FBIの中から優秀な人材がCIAに転属するとされる。

国際ダイヤモンド輸出機構

世界中のダイヤモンド市場を一手に握り、ダイヤモンドの販売網を独占する悪の組織。マリネラも所属していたが、パタリロが即位した直後に脱退したため、パタリロと敵対する。
かつてマライヒが所属していた。

タランテラ

ナチスの科学者ハインリッヒ・シュゲルグを首魁とするテロ組織。実は魔界の存在が地上を支配するために作り上げた組織である。

魔界

サタンを頂点とする悪魔による世界。
四大実力者であるルキフェル、アスタロト、ベール、ベールゼブブと72人の魔王たちが君臨する。

クックロビン音頭

「だーれが殺したクックロビン♪」の詞で知られる『パタリロ!』を代表するギャグ。
萩尾望都の『ポーの一族』の一篇で、マザーグースの詩をモチーフにした「小鳥の巣」のパロディである。

もともとは魔夜峰央のアシスタントであったルカの所属していた劇団の『ポーの一族』を題材にしたパロディ劇において、ネタがスベった時に劇団員全員でおこなう一発ギャグのようなものであったとされる。

アニメ『パタリロ!』では『ぼくパタリロ!』と改題されたのにともない、21~47話のエンディングテーマとして使用された。

『パタリロ!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

タマネギ16号「パタリロ=ド=マリネール8世殿下へ 永遠の忠誠をこめて」

パリへとやってきたパタリロは、フランス革命の際に兵士の1人が国王に当てて「永遠の忠誠をこめて」とメッセージを彫ったといわれる「忠誠の木」を知り、それを小説にすることを思いつく。
パタリロは取材のためタマネギ16号を連れて革命当時のフランスにタイムワープする。

取材を進めるうちに革命軍の女性に恋をした16号は、現代に帰らず革命に身を投じることを選ぶ。人にはそれぞれちがった幸せの道があるとパタリロはその決断を許すのだった。
ひねくれた性格のパタリロだが、それだけではない懐が深さを持つ一面を見せる場面である。

パタリロたちが現代に戻ったあと、残った16号は目にとまった木に「パタリロ=ド=マリネール8世殿下へ 永遠の忠誠をこめて」と彫る。「忠誠の木」はパタリロに向けて彫られたものだったのである。

プララ「ママを嫌いだなんて言ったのはウソよ!大好きよママ!大好きよ!だから…だから…」

パタリロが作ったロボット・プラズマXは、妻のアフロ18、息子のαランダム、娘のプララと幸せな家庭を築いていた。

成長したプララは反抗期を迎え、アフロと喧嘩が絶えなくなっていた。
ある日、食事の内容でもめたアフロと揉めたプララは、アフロに「ママなんか大嫌い!死んじゃえ!」と言ってしまう。

後日、朝になっても起きてこないアフロの様子を見に行くと、アフロは原因不明のカビに犯されていた。恐ろしいカビの威力にパタリロたちはなす術がなく、アフロに死が迫る。

もはや動けるはずのないアフロは、最後の力を振り絞り、病室のガラス越しにアフロを見守るしかないプララたちのもとに歩み寄る。
プララはこれまでのことを反省し「ママを嫌いだなんて言ったのはウソよ!大好きよママ!大好きよ!だから…だから…」と泣き叫ぶ。
その声に優しく微笑みながらアフロは息を引き取った。

パタリロ、バンコラン、マライヒと主要人物はあまり家族の愛に恵まれているといえない今作で、切ない家族愛が描かれるシーン。

パタリロが生まれて初めて心の底から泣いた日

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