エア・ギア(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『エア・ギア』とは大暮維人の作品で2002年から2012年にかけて『週刊少年マガジン』で連載された。単行本は全37巻。2006年にはアニメ化もされた。物語は超小型モーター搭載の「インラインスケートエアトレック」を駆使したアクションを描いている。主人公の南樹はエア・トレックを履いて街を疾走する暴風族に襲われ敗北を経験する。しかし、幼馴染の野山野林檎ら三姉妹からエアトレックを託され、樹は暴風族に立ち向かいバトルを繰り広げる。

CV: 鎌苅健太(幼少期)、寺田はるひ、岡本信彦(OAD)
本作の主人公で、「南のおじさん」に預けられて幼少より野山野家で暮らしていた。髪の中に「クゥ」というカラスを飼っており、本人も「カラス」というあだ名で呼ばれる。野山野家の姉妹とは喧嘩ばかりだが、家庭に負担がかかるとしてバイトをしたり、修学旅行に行かなかったりなど家族のことは心の奥で思ってる。"翼の道(ウイング・ロード)"を走り「『空の王』に最も近い男」と呼ばれ、武内空から"翼の道"風を掴む力を教わり、A・Tを始めて間もないが王レベルの力を持つ。「ジェネシス」の総長として「眠りの森」総長である林檎と戦い、駆け付けた枢によって風の玉璽を得て引き分ける。そのバトルで自分が空を目指す理由を見つめ直し、自らの翼で飛ぶために居心地の良い野山野家を去った。武内空が枢の作った風の玉璽と石和を奪い、実の兄のように慕っていた空に裏切られたことで絶望し無気力になるも、スピット・ファイアがA・Tのメモリースティックに残した最期のメッセージにより気力を取り戻す。この際、コロ爺より新たに“凱嵐の道(ハリケーン・ロード)”(嵐の字は「嵐」が2つ)「嵐の王」の名を貰い受け、これまでは一部しか見えていなかった技影(シャドウ)が無数の翼を携えた剣の巨鳥に跨る漆黒の剣士の姿としてはっきりと出現した。白狼会との一戦で今まで不要と思っていた玉璽と調律者の重要性に気付き、枢に"嵐の玉璽"の制作を依頼する。
カズ戦での空気の壁や無機ネット戦で空と同じ技を使っていることから、風を掴む力は完璧に仕上がっていると言える。また、カズ、ブッチャ、咢と協力して"無風の結界"と呼ばれる技を編み出しており、咢はこれが武内空に対する切り札になると見ている。
空母での戦いでは仲間たちを先へ進ませ妙子とともに甲板に残り、待ち受けていたチーム「ブラック・クロウ」と交戦。後にミツルやファルコを筆頭に、アイオーンによって集められたかつての強敵たちと合流、正体を明かした首吊り男=ブラック・バーンの助けもあり、激しいタイマン勝負の末に鵺に勝利する。鵺から雷の玉璽の核を譲り受けて宙(ニケ)と戦うカズの下へと現れ、既に所持していた轟、雷のほかに牙、炎、石の玉璽をそれぞれ咢、カズ、シムカから託され、林檎に嵐の玉璽を作成するための調律を依頼する。
空の玉璽を持った空との最終決戦では林檎との2対2のタッグを組み、中盤まで互角の戦いを繰り広げるも、本気になった空に圧倒される。
その後、風を完全に掴む事に成功し対等に戦える様になり、最終的には空の予想を遥かに超える成長速度により勝利した。

美鞍 葛馬(みくら かずま)

CV:KENN、入野自由(OAD)
樹の幼馴染みで親友。ニット帽がトレードマークだが本気になると脱ぐ。美少年で女子に人気があり、樹に影響されてA・Tを始める。小烏丸では珍しく誠実な性格のためか超個性的な他のメンバーに比べて存在感が薄く、「ウスィーの」などという不名誉なあだ名を付けられている。両親は海外に出張しているため、美人の姉と二人暮らし。幼い頃から樹と林檎の関係を知っているため、2人が対立していくことに心を痛めている。当の本人はかなりの朴念仁で、エミリの熱烈なラブコールには一切気が付かない。「イッキとは違う道を走る」と決意し、スピードタイプのライダーとして活躍するようになる。その俊敏な動きは姿を捉えるのも難しいほどで、物語序盤からすでにFクラスのレベルをはるかに超越するスピードを誇っている。そのスピードは咢やアイオーン、宙も認めるほど。技影(シャドウ)名は「ステルス(戦闘機)」。ネットでの通称もこれと同じ「ステルス」だが、宙(ニケ)との戦いでは新たに燃え盛る蹄を持つペガサスの技影(シャドウ)が現れる。スピットファイアから重力子と空の玉璽の話を聞かされ「炎の王」の後継者として指名を受けるも、突如現れた武内兄弟と敵対し、スピットファイア、アイオーンと共に彼らと戦うがその圧倒的な力に敗れる。炎の玉璽を託されて1人逃がされ、海人とアキラに保護された。その後、スピットファイアが遺した玉璽に隠されたメモリースティックから彼の最期のメッセージを発見する。
力量不足なカズが玉璽の力で自滅しないため、アイオーンが隠していたことを炎の玉璽を「奪われた」と思い、ショックで新興宗教に一時入団するが、そこで教祖役のアルバイトをしていた樹とバトルを行い、足元にも及ばないと思っていた樹と対等に戦ったことで活気を取り戻す。この一戦以降時の技を使えるようになる。

オニギリ

CV:菊池正美、大畑伸太郎(OAD)
"腐臭の道(スメル・ロード)→腐海の道(スメラード)"を走る、樹の幼馴染みのデブ。物語序盤から登場しているが本名は不明。分厚い壁を隔てても風呂などの内側をリアルにイメージすることが可能で、さらにそのイメージを他人に伝えるという超能力まがいのこともできる。女子のスカートの中を見るために生み出した、頭上にA・Tを乗せて、逆さになった状態で走る走法をとる。"腐臭の道(スメル・ロード)"は自らの汗の余りの臭さで、相手の中枢神経を侵し、一種の催眠状態にしてしまうというもの。技影ではないが、汗の蒸気が鎧などで武装したブタを形どる。ほとんどのバトルで悪ふざけをして負けているが、対戦相手が女性だと力を発揮し、容赦なく自分のペースに持ち込もうとする。小烏丸の中では最弱だが、エロの鉄人でスイッチが入った際の力は凄まじく、宙に「危険」と言わしめるほどの戦闘力を発揮する。

御仏 一茶 (みほとけ いっさ )

CV:上別府仁資、三宅健太(OAD)
元「夜王」のリーダーで4駆のA・Tを使用しており、学校を影で支配していた。オニギリと合わせてブタ兄弟などと呼ばれ、のちに咢からは肌の色から「コーヒー豚」とあだ名がつけられる。寺の住職の息子で金持ち。折原の妹とは現在もチームに内緒で交際しているらしい。お色気に弱く、女性の裸を見ると必ず鼻血を出す。持ち味のパワーを生かし特攻隊長(兼食料大臣)を務めるが、同時に冷静な分析能力も備え参謀的な役割もこなす。その巨体の腹部には脂肪ではなく大量の血液が貯まっており、見かけとは裏腹に体脂肪率は10%前後しかない。血液が酸素ボンベの役割を果たすことで、長時間水中にいても最大で20分ほど息が切れることはない。また、腹に溜まった血液を上半身に送り込むことで、一時的に筋力を強化し上半身のマッチョ化する、「バンプアップ」が得意技。ただし脳が酸欠状態となるため連続での使用はできず、筋肉への負担も大きい。後にスピードの無さを補うためにバンプアップを反転させた下半身のマッチョ化、上半身のスリム化した「軽戦車モード」を編み出し、これによって重力子すら感知出来ないスピードを得た。特訓の成果から水の中の走り方を知っており、さらに腕のみをバンプアップすることで潜水能力を強化することもできる。体格に恵まれ、常に相手より優位に立って生きてきたためメンタル面が弱く、バトルの重要な局面で些細なミスを犯し、バトルにおいての白星はEランクの無名チームメンバーから奪った2つだけであり、重要なバトルでは常に僅差で敗れている。後にその弱点を克服するため滝に打たれる苦行を乗り越えて鋼の精神力を手に入れた。「石の王」の資質を見せつける

鰐島 亜紀人(わにじま あきと)/咢(アギト)/凛鱗人(リンド)

咢(アギト)

CV:菊池こころ、白石涼子(OAD)
眼帯の位置を移動させる事によって人格が変わる多重人格者。妊娠していた初代荊の王ガゼルの自殺遺体を回収した南博士が、海人との間に宿った胎児に脳基移植させ成長させて作った人物。右目を隠す時が亜紀人、左目を隠す時が咢であり、2人の力を合わせる際は眼帯を外す。記憶を共有し会話も可能で、どちらも英語が堪能。美少年で女子からの人気も高い。また、この2人とは別に凛鱗人という人格も持つ。現在は海人から離れ、樹らと行動を共にする。
亜紀人は女性のようにおしとやかで優しく、自分を「檻」から解放してくれた樹に並々ならぬ好意を寄せている。林檎に比べて行動的かつ積極的で、樹から何度もキスを奪ったり、一緒に眠る際に「やっぱりパンツは穿いてない方がそそる?」と挑発的な発言をしたりと、いつも樹を困惑させている。チームの窮地に諺を引用して助け舟を出す。普段は大人しいが、それでも鰐島の血を持つ者なので、怒り出すと手がつけられなくなるらしい。枢を恋敵として認識している。
咢は"血痕の道"を走る現「牙の王」である。「FUCK!」が口癖で凶暴かつ挑発的だが、冷静な判断力を持ち合わせ、林檎やウェルに、戦いの天才(ジーニアス・ファイター)と呼ばれる。この体の3人目の人格で子供っぽく、アイスをよく食べている。凛鱗人は脳基移植(ブレインチャージャー)によって移植された1人目の人格。"はじまりの翼"ガゼルの能力と記憶を受け継いでいる。この移植が原因で亜紀人の人格が生まれ凛鱗人は眠ったが、ウェルとの戦いで目を覚まし覚醒。咢よりも牙の玉璽を使いこなし、咢では考えられないほどの怪力を発揮する。覚醒時には髪型がオールバックになり、対戦相手のことを「ウンコクズ」と呼ぶなど、容貌や性格が海人を連想させるものになる。瞳には斜めの十字が浮かび上がり、他の重力子とは形状が異なる。好戦的で女好き。亜紀人は海人の厳しい練習で「牙の王」となるが、教わった走りで人を傷つけ、その時から兄にペットとして檻に閉じ込められてしまう。A・Tで走れなくなった亜紀人を守るために咢の人格が生まれ、互いに特別な存在となっている。

安達 絵美理(あだち えみり)

CV: 石井翔子、 小林ゆう(OAD)
東雲東中学女子陸上部員(ヒガチューリクジョ(東中陸女))で、「小烏丸」のサポーターから正式メンバーとなる。弥生の親友。中学生にしては胸がかなり大きい。登場時は「夜王」に怯える平凡な少女だったが、現在ではその頃からは考えられないほど攻撃的な性格になっている。自分を犠牲にしてでも仲間のために戦う姿を見てからカズに好意を持ち、「カズ様」と慕っている。カズに熱烈なラブコールを送っているが、気付いてもらえない。中盤からA・Tを始め、チームの戦力になる。通称根性系ライダー。外見からは想像も出来ないが、パワー型の蛾媚刺を押さえつけるほどの怪力を持つ。
家は果物店。「大会ではいつも(順位が)真ん中のスーパー凡人」と言っていたが、中山いわく、実は500mを1分切るほどの速さで走る脚力の持ち主。高所恐怖症。

中山 弥生(なかやま やよい)

CV: 吉本理江子 、早見沙織(OAD)
東中陸上部員で「小烏丸」のサポーター。絵美理の親友。普段は長髪を下の方で2つに結び、髪を下ろすと咢には認識されない。最初は樹に恋心を抱いていたが、自分よりも林檎の恋を応援するうちにその気持ちは消滅していき、亜紀人(咢)に好意を持つようになる。"閃律の道"の素質を持ち、時計を見ずに時刻を答えたり、「トゥール・トゥール・トゥ」が奏でた歌がただの歌ではなく「裏の周波数」を持つ「鳥の声」であることも見抜く。亜紀人により調律者としての才能を見出され、咢の調律者となる。

眠りの森(スリーピング・フォレスト)

野山野 林檎(のやまの りんご)

CV: 伊瀬茉莉也、戸松遥(OAD)
リカとは血のつながりがなく、ミカン、ウメとともに「南のおじさん」からリカのもとに預けられている第二世代の"重力子"。樹の同居人にして幼馴染み。赤毛でツインテールのメガネっ娘。とても真面目な性格。「眠りの森」の正統後継者であり、現総長。眠りの森での通り名は「クレイジーアップル」。キリクと共にトロパイオンの塔の頂点に位置する現在の"荊棘の道(ソニア・ロード)"を駆ける「荊の王」。技影名は「禁断の果実(クレイジーアップル)」で、荊を纏った女神が浮かび上がる。塾に通っており、成績はかなり優秀。樹に好意を抱いているが、当の樹は全く気付いていない。やきもちを焼いているときは、信じられないほどの怪力を発揮する。ただし、嫉妬深いというわけではないらしい。樹と敵同士となった後も以前と同じように好意を持ち続いている。A・Tライダーとしては暴風族の抗争といったしがらみより自分の力で積み上げた「自由」を好んでいる。
最初は「小烏丸」を応援する立場だったが、ジェネシスの総長となり風の玉璽を手にした樹を「風の王」と認め、完全に敵と認識。シムカを襲撃した事に端を発し樹とは死闘を繰り広げ、戦いは互いの玉璽が壊れて引き分けに終わる。この時の樹の玉璽は、はこが作った試作品であり、林檎もまた樹とその"無限の空"に巻き込まれそうになった新聞配達人を庇うために「守り」に徹した結果であるため、互いに本当の力でぶつかっていた場合、どうなっていたかはわからない。
"トロパイオンの塔"の気密が解除された超高気圧空間(森の中)で、地上と同じように走れるただ1人のライダー。彼女の"荊の道"は常に肺に高気圧の負荷をかけるため、周りが超高気圧状態に陥っても普段と変わらない感覚で走り、荊棘の道は超高気圧空間内でこそ真価を発揮する道である。それこそが「眠りの森」を率いている最大の理由で、キリクからは「森の女王」と呼ばれる。最終戦では樹を1番知っていると、枢に代わりに樹に調律を依頼される。
樹と共に空&梨花との2対2に参戦し互角の戦いを繰り広げる。

野山野 樒柑(のやまの みかん)

kacooo5
kacooo5
@kacooo5

Related Articles関連記事

天上天下(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

天上天下(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『天上天下』とは、大暮維人が『ウルトラジャンプ』で1997年11号から2010年9号まで連載していた漫画。2004年にアニメ化された。学園バトル漫画で、特殊な力(異能)を持った不良少年、凪宗一郎(なぎ そういちろう)と生真面目で勤勉な性格の常人、高柳雅孝(たかやなぎ まさたか)の二人の主人公が様々な相手と戦い、時には敵対し、人間として武人として成長していく様子を描いている。戦闘などでの過激な描写も魅力の一つである。

Read Article

ウルトラマンG(グレート)のネタバレ解説・考察まとめ

ウルトラマンG(グレート)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウルトラマンG』とは、円谷プロダクションによる特撮作品。平成に入って初めて作られた『ウルトラシリーズ』で、撮影はオーストラリアで行われた。往年の特撮作品で活躍した俳優を日本語版声優にする一方、映像作品として新しい演出を積極的に取り入れるなど、昭和と平成の『ウルトラシリーズ』をつなぐ作品だとされている。「グレート」と略されることが多い。 邪悪生命体ゴーデスが地球に降り注ぎ、これを討つためにやってきたウルトラマングレートは地球人のジャック・シンドーと融合。2人は力を合わせてゴーデスに立ち向かう。

Read Article

ウルトラマンを倒した怪獣・宇宙人たち!

ウルトラマンを倒した怪獣・宇宙人たち!

子供たちから憧れを持たれ、圧倒的な国民的ヒーローであるウルトラマン。そんなウルトラマンは、実は結構敗北しています。初代ウルトラマンを倒して、その後、シリーズ最大の敵となるゼットン、4人のウルトラマンを相手にしても勝利してしまうヒッポリト星人など、強力な怪獣・宇宙人が登場します。 歴代のウルトラマンを打ち倒し、視聴者に衝撃を与えた怪獣・宇宙人をまとめました。

Read Article

目次 - Contents