百姓貴族（漫画・アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ

荒川農園では酪農と畑作が行われている。特に牛は荒川が愛してやまない動物で、自画像に牛人間が描かれるほど。そのため『百姓貴族』では荒川家の人間は皆、牛人間の姿で描かれている。
牛のエサは草と水と岩塩があれば充分である。人懐こいので飼いやすい。あとは土地が2～3ヘクタールあれば、十分牛を飼うことができる。

犬

荒川家の犬は出自バラバラ雑種一筋である。番犬として一生懸命働くが、時には野生動物を追いかけて畑中を走り回り、野生動物以上の被害をおよぼすこともある。なかなかの個性派ぞろいで、教えられたことを一発で覚える犬もいれば、痛い目にあってようやく学習する犬もいる。時にはネズミ捕りにかかる犬もいたりする。

猫

荒川農園の牛舎のネズミ捕り担当。搾乳の際、飛んでくる牛乳を口でキャッチする特技が連綿と受け継がれている。口でキャッチするのが間に合わないときは手でキャッチする姿はまさに鉄壁の三遊間を思わせる。その特技ゆえに時折テレビのペット番組に取り上げられては自分たちのキャットフード代を稼いだりすることもある。

『百姓貴族』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

荒川「銀座でベコ飼え！！ヒルズを耕せ！！」

生産調整によって「牛乳捨てろ」と言われた2年後に、今度は「バター用牛乳がないからもっと搾れ」という政策が出され、荒川は怒る。
そこで荒川とイシイは北海道が独立して北海道国になったらどうなるかを想像してみる。結論は北海道が独立した場合、日本（北海道抜き）の食料自給率は約20％ということになった。
「我々に飢えて死ねと！？」と叫ぶイシイに、荒川は「銀座でベコ飼え！！ヒルズを耕せ！！」と言い返すのだった。

荒川「誰かこの親父をハリウッドへ連れて行け！！」

大雨が降った翌日に営農用水の水源を見に行った親父殿。軽トラのアクセルをふかして土手をのぼりきってみたところ、橋が大雨で落ちてしまっている。ブレーキを踏んでも間に合わないと判断した親父殿は、アクセルを思い切り踏み込んでむこう岸に着地したのだった。
荒川は内心で「誰かこの親父をハリウッドへ連れて行け！！」と叫んだのであった。

荒川「ハイジ逃げてー！！！」

ハイジのふかふかの干し草のベッドに憧れるイシイ。しかし現代の酪農では干し草もがちがちコンパクトにして保存するのだった。
もしアルプスにロール牧草があったら、ハイジは牧草に追いかけられ、荒川は「ハイジ逃げてー！！！」と叫ぶ事態になったかもしれない。

『百姓貴族』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

『百姓貴族』と『銀の匙 Silver Spoon』の共通性

本作を掲載時、荒川は『週刊少年サンデー』において北海道の農業高校を舞台とした『銀の匙 Silver Spoon』を連載していたので本作と共通する話題が描かれている。

東京農業大学で『百姓貴族』の複製原画展を開催

2021年秋、東京農業大学内にある「食と農」の博物館にて『百姓貴族』の複製原画展が開催された。
2022年秋にも、同じ会場で展示イベント「荒川弘〈百姓貴族〉×TOKYO NODAI 2022」がよりパワーアップされて開催されている。
「百姓貴族」の複製原画や荒川の秘蔵コレクションのほか、漫画を元に、農業の今と未来について大学教授が解説したパネルや、迫力満点の剥製、ドローンやトラクター、クイズコーナーなど楽しい展示が盛りだくさんの内容となった。

農林水産省と東京農業大学が『百姓貴族』とコラボしたイベント

2023年5月、『百姓貴族』と東京農業大学と農林水産省がコラボレートし、農林水産省の北別館1階の「消費者の部屋」にてイベント「荒川弘（百姓貴族）×TOKYO NODAI×農林水産省」が開催された。
パワフルエピソード満載の漫画と、東京農業大学教員の解説による「捨てられる作物」「牛の話」「うんこは宝！」など、様々なコーナーを設置し、持続可能な農業や環境、いのちについて紹介された。