ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国（ワンピース）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』の概要

『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』（ワンピース ちんじゅうじまのチョッパーおうこく）とは、少年漫画『ONE PIECE』を原作とした劇場版アニメ。『ONE PIECE』の劇場版第3作品目。2002年3月2日に公開された。麦わらの一味の船医トニートニー・チョッパーが初めて登場した劇場版アニメである。キャッチコピーは、「ルフィ海賊団“改め”オレたち動物王探検隊！？」、「宝を狙う大悪党バトラーいち味から、珍獣達を守るんだ！」。

『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』は、「東映アニメフェア」の内の一作品として公開された。「東映アニメフェア」は、東映が1990年から2002年7月まで実施していたアニメフェアで、毎年春休みや夏休みに合わせて、アニメーション映画を数本まとめて公開する企画である。『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』は、『ONE PIECE 夢のサッカー王！』、『デジモンテイマーズ 暴走デジモン特急』と同時上映だった。最終興行収入は20億円。

公開当時、原作漫画やTVアニメは、アラバスタ編の真っ最中。本作の時間軸も、船医トニートニー・チョッパーが仲間になるドラム島から、アラバスタ王国までの間とされている。ただし、映画本編ではアラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビやビビの友人である超カルガモのカルーは登場しない。所謂、パラレル設定となっている。同時上映の『ONE PIECE 夢のサッカー王！』には、ビビやカルーは登場した。

「王なる宝」が眠るという王冠島を訪れた麦わらの一味。1人はぐれてしまったチョッパーは、王冠島に住む少年・モバンビーと出会い、島を守る新たな動物王に選ばれてしまう。「王なる宝」を狙うバトラー一味から島を守るため、まだ臆病なチョッパーが勇気を出して戦う物語だ。

『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』のあらすじ・ストーリー

動物王になったチョッパー

主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味は、航海士ナミが手に入れた宝の地図を手に王冠島（おうかんじま）という島を探していた。すると突然ゴーイング・メリー号が海底火山の噴火に巻き込まれてしまう。噴火の水しぶきにゴーイング・メリー号は空高く打ち上げられた。空から見ると海底火山はある島を囲むように連なっている。海底火山が一斉に噴火による水しぶきに周囲を囲まれた島は、まるで王冠のようだった。その島はルフィ達が探していた王冠島だったのだ。空高く打ち上げられたゴーイング・メリー号はそのまま島のほうへと飛んでいく。その時、船医のトニートニー・チョッパーは1人空に放り出されてしまった。

王冠島は、前の動物王（どうぶつおう）・キリンライアンが亡くなったばかりだった。「島が王冠に包まれた時 天が新たな動物王を授けてくれる」という言い伝えがあり、新たな動物王は空から降ってくるとの言われていた。王冠島に住む少年・モバンビーは、親友の人語を話すカラスのような鳥・カラスケと共に次の動物王誕生に期待していた。するとそこにゴーイング・メリー号から放り出されたチョッパーが降ってきた。モバンビーとカラスケはチョッパーが新たな動物王であると祀り上げ、王冠島にはすぐにその知らせが広まった。

しかしチョッパーの仲間が海賊であることを知ったモバンビーが突然怒り出した。モバンビーには動物学者の父がいたが、2人で航海中に海賊に襲われて父が殺された過去がある。その後幼いモバンビーは、1人王冠島に流れ着き、前動物王のキリンライアンに育てられた。モバンビーは海賊を憎んでいるのだ。モバンビーは海賊の仲間と縁を切って、王冠島にずっと残って動物達を守ってほしいとチョッパーに迫る。チョッパーはそれにどう返事をすればよいかわからないでいた。

自称・世界一のウルトラ大天才バトラー伯爵との出会い

ルフィ達はチョッパーを探すために王冠島に上陸。そこで人語を話す大きなオウム・ハゲオウムに出会った。ハゲオウムはルフィ達を警戒し、問題を起こさないように見張るためにルフィ達に着いてくる。その時、島に住む珍獣の伝令が島に響き渡った。それは王冠島を治める新たな動物王誕生の知らせだった。しかしルフィ達は、チョッパーを探しているのであって、動物王は関係ない。ルフィ達は構わずチョッパー探しを続けた。

チョッパーを捜索している途中、ルフィ達は自分のことを発明家にして動物学者、そして宝探しの大天才である自称・世界一のウルトラ大天才のバトラー伯爵という人物に出会う。バトラー伯爵は、側近のヘビー総裁とホットドッグ将軍を連れて、王冠島で「王なる宝」を探していた。それはナミの宝の地図に書かれていた宝と同じだった。ナミはバトラー伯爵から情報を聞き出そうとする。バトラー伯爵は最初は情報提供を拒んだが、嘘がつけない性格のようで、自分で「王なる宝」がある動物のツノに宿るなど、秘密の情報をペラペラと喋りだす。そして自分から秘密を喋ったにも関わらず、聞いたからには生かしてはおけないというとんでもない理由でルフィ達に襲いかかった。

バトラー伯爵は自身で発明した「猛獣バイオリン」で、ツノのある動物を襲う習性があるツノクイを操り、ルフィ達を襲わせる。ルフィ達はその際に崖から落ちてしまった。崖下を川を流木に乗って下りながら、ルフィ達はチョッパー探しを再開する。そこで動物王であればチョッパーの居場所を知っているのではないかという話になり、ルフィ達はハゲオウムに動物王の元へと案内してもらった。

チョッパーとの再会

ハゲオウムに案内された場所で、ルフィ達はチョッパーと再会した。そしてチョッパーが新たな動物王になったことを知る。ルフィ達と合流できたことが嬉しいチョッパーは、ルフィ達をもてなした。するとその時、モバンビーが乗っていた船の残骸がある方向から噴煙が上がる。バトラー伯爵がモバンビーの父親の資料を探していたのだ。モバンビーの父親の資料のおかげで、バトラー伯爵は動物王のツノこそが「王なる宝」であり、動物王の死後、そのツノが新たな動物王に継承されることを知った。そこに噴煙を見て駆けつけたチョッパー、ナミ、ウソップ、珍獣達も居合わせ、その情報を知ることになる。

バトラー伯爵は、集まったチョッパー達に動物王を差し出せば、動物王以外の動物を助けてやると言い出し、ツノクイを呼び寄せた。チョッパーは震える身体を押してバトラー伯爵の前に立ち、自分が動物王だと告げる。そして自身が囮になることで珍獣達をツノクイから守ることに成功した。遅れて駆けつけたルフィ達も合流し、麦わらの一味はチョッパーを助けに向かう。しかし珍獣達はあっさりとチョッパーを見捨てた。動物王のツノを継いだものが次の動物王になることがわかったので、自分達で王を選ぶことにしたのだ。モバンビーはそれが納得できなかった。チョッパーは自分達を助けるために囮になってくれたのに、とモヤモヤした気持ちを抱える。モバンビーは誰も助けてくれない中、1人でキリンライアンの亡骸の元に向かった。そして後を追いかけてきたカラスケと共にキリンライアンのツノを持ち出すのだった。

バトラー伯爵との決着

バトラー伯爵に追い詰められたチョッパーは、ルフィ達に助けられた。しかしツノクイの妨害なども入り、チョッパーは再び孤立してしまう。バトラー伯爵はチョッパーを追い詰める。そこに現れたのは、キリンライアンのツノを持ったモバンビーとカラスケだった。本物の動物王のツノを見たバトラー伯爵はチョッパーを捨て置き、キリンライアンのツノを持つモバンビーを追いかけ始めた。

モバンビーとカラスケは必死に抵抗したが、結局動物王のツノはバトラー伯爵に奪われてしまう。そしてバトラー伯爵は黄金に輝くツノを食べた。バトラー伯爵の身体はみるみる内に変貌する。駆けつけたルフィが怪物と化したバトラー伯爵と戦いを始めた。しかしルフィはバトラー伯爵の頭に生えたツノの攻撃を受け、崖から落ちてしまう。そしてバトラー伯爵の矛先は、ナミやウソップに向いた。それを止めたのはチョッパーだった。

チョッパーはランブルボールを食べて、バトラー伯爵と戦う。しかしチョッパーの力も及ばず、バトラー伯爵に倒されてしまった。チョッパーを助けようと今度はモバンビーがバトラー伯爵の前に立ち上はだかる。そこでモバンビーは自身の父を殺したのがバトラー伯爵だったことを知った。真実を知り、過去バトラー伯爵につけられた傷が痛みだすモバンビー。それでも恐怖を乗り越え、モバンビーはバトラー伯爵に戦いを挑んだ。そこへモバンビーを助けようと島中の珍獣達も集まってくる。しかしバトラー伯爵の力は強大で、動物達は一瞬で蹴散らされてしまった。

それに怒ったのは崖を上ってきたルフィだ。ルフィは仲間を助けるために戦うチョッパーやモバンビー、珍獣達を笑うバトラー伯爵を許さなかった。ルフィはバトラー伯爵に生えたツノを砕き折り、「ゴムゴムのバズーカ」でバトラー伯爵を空のかなたに吹き飛ばした。

新たな動物王・モバンビーの誕生

バトラー伯爵の脅威が去り、モバンビーは島を出る覚悟を決める。モバンビーは島の大切な宝である動物王のツノをなくしたことに責任を感じていたのだ。しかし動物達はモバンビーを追い出すことをしなかった。モバンビーの勇気を認め、モバンビーを新たな動物王にすることを決めたのだ。

モバンビーはチョッパーに島に残ってほしいと改めて懇願する。しかしチョッパーはそれを断った。モバンビーはそれでもチョッパーを引き止めたかったが、わざと突き放すような言い方をしてチョッパーに別れを告げた。その時、再び王冠島の周囲の海底火山が噴火した。水しぶきがあがり、島が再び王冠の形を成す。その水しぶきは夕日に照らされ、黄金色に輝いていた。「島が王冠に包まれた時 天が新たな動物王を授けてくれる」という言い伝え通り、天はモバンビーという新たな動物王を授けてくれたのだった。

『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』の登場人物・キャラクター

主要人物

モンキー・D・ルフィ

CV：田中真弓

『ONE PIECE』（ワンピース）の主人公の少年。悪魔の実「ゴムゴムの実／ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」の能力者で、全身をゴムのように伸縮させることができる。海賊王ゴール・D・ロジャーが残した「ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）」を見つけて海賊王になるために、仲間達と冒険を続ける。

『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』の物語の時間軸は、船医トニートニー・チョッパーが仲間になるドラム島から、アラバスタ王国までの間とされている。この頃のルフィは17歳で、懸賞金は3000万ベリーだった。

王冠島に上陸し、バトラー伯爵と戦う。

モンキー・D・ルフィ（ONE PIECE）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

モンキー・D・ルフィとは、『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE』の登場人物であり、主人公。左目の下にある傷と麦わら帽子がトレードマーク。「麦わらのルフィ」という異名を持つ。悪魔の実「ゴムゴムの実」の能力者で、全身が伸び縮みするゴム人間である。
海賊王ゴール・D・ロジャーが残した「ひとつなぎの財宝（ワンピース）」を手に入れて海賊王になるという夢を叶えるために17歳で海に出た。そして愉快な仲間達と共に大海原を冒険するのだった。

トニートニー・チョッパー

CV：大谷育江

麦わらの一味の船医。悪魔の実「ヒトヒトの実」を食べたトナカイである。人の言葉を話すことができ、一流の医療技術を持っている。自身がどんな病気も治せる「万能薬になる」という夢を叶えるために、医学の勉強に勤しみながら旅を続ける。

『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』の物語の時間軸は、チョッパーが仲間になるドラム島から、アラバスタ王国までの間とされている。この頃のチョッパーは15歳。一味に加入したばかりということもあって、まだとても臆病。

海底火山の噴火に巻き込まれ、王冠島に上陸する際にルフィ達とはぐれてしまう。1人で島に上陸した際、王冠島に住む珍獣達に動物王に祀り上げられた。

トニートニー・チョッパー（ONE PIECE）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

トニートニー・チョッパーとは、『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE』の登場人物。主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わら海賊団の船医である。普通のトナカイだったが、悪魔の実「ヒトヒトの実」を食べて人語を解するようになった。青鼻であることから仲間のトナカイからは仲間はずれにされており、ならばと人里に降りたがそこでは化け物扱いされ迫害された。その時助けてくれたDr.ヒルルクと関わったことで、「自分自身が全ての病気を治すことができる”万能薬”になる」という夢を持ち、医学の道を志した。