蜘蛛ですが、なにか？（小説・漫画・アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ

2023.09.08

『蜘蛛ですが、なにか？』とは、馬場翁が『小説家になろう』に投稿したweb小説である。KADOKAWAからライトノベルが発売、その後、漫画化・アニメ化された。2021年8月にはシリーズ累計発行部数が430万部を突破している。女子高生だった前世の記憶を持って、蜘蛛に転生した主人公が成長していく過程を描く。作中に張り巡らされた多くの伏線の謎が解き明かされていく展開は、非常に魅力的である。

魔族

CV：上坂すみれ
当代の魔王。「オリジンタラテクト」という種族で、全ての蜘蛛系魔物の祖に当たる存在。システムが稼働する以前から生き続けている。
眷属であるクイーンタラテクトから「子供に食われそうになっている」というSOSを受けて、主人公の「私」を処理しにきた。しかし、何度倒しても「私」は死なず、「私」の並列意思と融合してしまったことで戦意を喪失した。その後、エルフを倒し、世界を救うための戦力として「私」を仲間に勧誘する。
「私」の並列意思の影響で、若葉姫色の記憶を知るだけでなく、性格も明るく楽観的なものに変化してしまう。以前のアリエルを知るポティマスは、変化したアリエルを見て偽物ではないかと疑ったほどだった。
「私」、ソフィア、メラゾフィスと共に魔族領へと向かう旅では、無口な「私」とソフィアやメラゾフィスの間を取り持つ。また、食事の調理担当も務めていた。
神になった白織と共に、人類の大半を犠牲にしてシステムを破壊し、世界とサリエルを救う計画を立てる。そのために人魔大戦を引き起こした。その後、レングザント帝国軍を利用し、魔族軍を率いてエルフの里を襲撃した。
アリエルは、ポティマスの遺伝子と様々な生物を掛け合わせて生み出された。特に蜘蛛の特徴が色濃く出たが、体内で作られる蜘蛛の毒を分解することができず、寝たきりの生活を送っていた。いつかはポティマスに殺される運命だったところを、サリエルに救い出される。以降、サリエルの孤児院で生活し、徐々に健康な体になっていった。そのため、サリエルを「お母さん」と慕い、ポティマスを憎んでいる。また、サリエルの犠牲で成り立っている現在の世界や、人類に対して強い憤りを感じている。

メラゾフィス

ソフィアの眷属。かつては、サリエーラ国のケレン伯爵家に使える従者だった。真面目で忠誠心が強いため、伯爵夫妻に信頼されていた。エルフが伯爵家の屋敷を襲撃した際には、伯爵家の娘であるソフィアを託されたが、瀕死の重傷を負ってしまう。その時、メラゾフィスを助けようとしたソフィアに血を吸われ、吸血鬼化する。その後、アリエルに保護され、ソフィアや「私」と共に魔族領への旅に出る。仕えていた主人を亡くし、吸血鬼になったことで葛藤を抱えていたが、酒に酔った「私」のアドバイスで立ち直る。
ソフィアに対して強い忠誠心を持っており、ソフィアもまたメラゾフィスに全幅の信頼を置いている。
人魔大戦では、魔族軍の一員として参戦。クニヒコやアサカと激闘を繰り広げた。

アエル

アリエルの眷属であるパペットタラテクトの内の1人。
とても行動力があり、アリエルの補佐を務めることが多い。
同じパペットタラテクトたちの中でも姉のような存在で、遊びたがる妹たちの相手役を他者に押し付ける。

サエル

アリエルの眷属であるパペットタラテクトの内の1人。
自分に自信がなく、気弱な性格。そのため、命令されなければ動けない、という欠点があるが、実力自体は他のパペットタラテクトたちと同等。
普段は部屋の隅などで、小さく丸まっている。「私」やソフィアの護衛を務めることが多い。

リエル

アリエルの眷属であるパペットタラテクトの内の1人。
常に微笑んでおり、何を考えているのかわからない。
「私」やソフィアの護衛を務めることが多い。

フィエル

アリエルの眷属であるパペットタラテクトの内の1人。
やんちゃな子供のような性格で、イタズラ好き。護衛をすることの多い「私」を振り回すこともしばしば。

バルト・フィサロ

CV：梅原裕一郎
魔族軍第4軍団長。アリエルに代わり、実務を担当している。先代魔王の頃から統治を任されていた。
人魔大戦が開戦して以降、アリエルの采配で魔族に多くの犠牲が出ることを苦々しく思っている。しかし、アリエルの圧倒的な実力を知り、自分では敵わないと思っているため、アリエルに従う。

アーグナー・ライセップ

CV：桐本拓哉
魔族軍第1軍団長。人族の領土と接する土地を治めている。バルトと同じく、先代の魔王の頃から仕えており、魔族軍を率いてきた。
表向きにはアリエルに従いながらも、エルフと内通し、反乱を企てていた。白織が分身体を使って情報収集を行なったことで叛意が明らかになり、アリエルに従わなければならない状況に陥る。その後、人魔大戦に参戦させられ、ユリウスたち勇者一行との戦いで戦死する。