徳川定定(銀魂)の徹底解説・考察まとめ

徳川定定(とくがわ さださだ)とは、SF時代劇風少年漫画『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、江戸幕府第13代征夷大将軍。現在は甥の茂茂に将軍職を譲り、引退の身である。
謀略の限りを尽くして将軍に就任した、残忍、狡猾、悪辣な傑物。茂茂も後継者ではなく傀儡に過ぎず、今も幕府を牛耳っている。主人公坂田銀時とその仲間たちにとっては間接的な師の仇であり、特に高杉晋助からは「この男だけは自分が直接殺さないと気が済まない」というほど強い憎悪を向けられている。

徳川定定(銀魂)の概要

徳川定定(とくがわ さださだ)とは、SF時代劇風少年漫画『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、江戸幕府第13代征夷大将軍。
現在は甥の徳川茂茂(とくがわ しげしげ)に将軍職を譲り引退の身にあるが、実際は茂茂はただの傀儡であり今も幕府の権力を握っている。若い頃から数々の謀略を主導して今の立場を手に入れており、政敵の情報収集のために利用していた吉原の遊女鈴蘭太夫(すずらんだゆう)を用済みだとして処分しようとした際には、これに反抗して彼女と逃げようとした部下の六転舞蔵(ろってん まいぞう)の腕を斬り落とした上で「鈴蘭に1度でも会ったらあの女を殺す」と脅している。

自身が成り上がるために、天人と呼ばれる宇宙人たちの開国要求を利用して思想家に対する大弾圧を強行。主人公坂田銀時(さかた ぎんとき)の師である吉田松陽(よしだ しょうよう)も、この弾圧の中で捕らえられて死罪とされている。
幕府直属の暗殺組織「天照院奈落」(てんしょういんならく)を私兵のごとく扱い、自身の敵は常に彼らに始末させてきた。最終的には天照院奈落に見捨てられ、松陽の弟子の1人である高杉晋助(たかすぎ しんすけ)によって暗殺される。

徳川定定(銀魂)のプロフィール・人物像

CV:土師孝也

残忍にして狡猾、悪辣にして非道な人物。「他人の苦しむ様を見るのがとても楽しい」というサディスティックな嗜好を持ち、数々の謀略に手を染めたのは「将軍という地位」を手に入れる以外に「単純に趣味」という部分も大きい。
他者を蹂躙することを好み、それは時として部下に向けられることもある。舞蔵の腕を斬り落としたのも、彼への罰や忠誠心を試すという以上に「愛する者と引き裂かれてなお自分にかしずくしかない人間の絶望と屈辱に満ちた顔を楽しみたい」という歪んだ欲望からである。

銀時とその仲間たちにとっては間接的な師の仇。特に高杉晋助からは「この男だけは自分が直接殺さないと気が済まない」というほど強い憎悪を向けられている。
甥の茂茂もまたおとなしく従っているように見えて「定定のやり方では民が苦しみ、国が衰えていくだけだ」とはっきり反感を抱かれている。定定は「自分の権力無しでは将軍を勤めることもできない小僧」と茂茂を軽んじており、最終的に足元をすくわれることとなった。

徳川定定(銀魂)の来歴・活躍

謀略の将軍

徳川家に連なる、地位の高い家に生まれる。若い頃から残忍な性格で、「他人の苦しむ顔が見たい」という欲求のまま数々の謀略を推し進め、次期将軍の候補に選出。ここで野心を剥き出しにして政敵を追い詰め、これを破滅させていく。
この際に利用したのが吉原の遊女である鈴蘭太夫(すずらんだゆう)という女性だった。吉原を訪れる政敵の情報を彼女に集めさせ、腹心の部下である六転舞蔵(ろってん まいぞう)にそれを受け取らせて自分に報告させる。この方法で有益な情報を多く手に入れるが、「もはや十分」と判断し、鈴蘭から自分たちの情報が漏れることを警戒して彼女を殺すよう舞蔵に命じる。

しかしこの時には舞蔵は鈴蘭と本気で愛し合うようになっており、2人で逃げようと約束を交わしていた。これを知った定定は舞蔵の左腕を斬り落とし、「鈴蘭に1度でも会えばあの女を殺す」と脅迫。これは自分に逆らった舞蔵への罰であり、彼の忠誠心を試すための行為でもあり、同時に「愛する者と引き裂かれてもなお自分にかしずくしかない人間の顔が見たい」という歪んだ欲望を満たすためのものだった。
愛する女のために引き続き自分に従い続ける舞蔵と共に、自身の地位固めのためにさらなる謀略に着手。当時幕府に開国を強要していた天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人たちの外圧を利用して自身にとって不都合な勢力の力を削ぎ落とす一方、国内に対しては思想家たちの大規模な弾圧を展開。主人公坂田銀時(さかた ぎんとき)の恩師吉田松陽(よしだ しょうよう)もこれによって捕らえられ、処刑されることとなる。

傀儡の跡継ぎ

将軍として存分に欲を満たした定定は、「そろそろ引退しよう、次の将軍には自分の操り人形になる人間を据えよう」と考える。このために目を付けたのが甥の徳川茂茂だった。
定定の謀略により、茂茂は首尾よく14代目の徳川幕府征夷大将軍に就任。その権力基盤は意図的に弱められ、幕府の実権は定定が握る状態が長く続く。

しかし茂茂は、「定定のやり方では民が苦しみ、国が衰えるだけだ。なんとかして彼を排除しなければならない」と考え、自身のカリスマだけを頼りに少しずつ味方を増やしていく。定定はこれを「しょせん自分の後ろ盾がなければ何もできない男」と軽視していたが、茂茂の器は彼の想定を超えるほど大きいもので、これに惹かれた者たちが少しずつ集まっていった。

茂茂の反逆と復讐の刃

鈴蘭が老い先短い身であることを知った銀時は、「彼女を愛する男と一目会わせてやりたい」と考え、それだけを理由に仲間と共に江戸城に殴り込む。定定は彼らの目的が舞蔵であることを察して、「賊を招き入れた罰」として彼の右腕を斬断。同時に幕府直属の暗殺組織「天照院奈落」(てんしょういんならく)を動員して、銀時たちを鎮圧しようとする。
しかしこれを好機と見た茂茂が自ら集めた味方勢力を動かし、定定の罪を証拠と共に糾弾。銀時たちをいたぶっている間に完全に裏をかかれた定定は、天照院奈落と共になんとか逃げようとするも失敗。天照院奈落は銀時たちによって撤退に追い込まれ、自身も茂茂の手の者たちに捕まってしまう。

牢獄につながれてなお、幕府内部に張り巡らせた自分の味方が助けに来ると踏んでいた茂茂だったが、彼の前にやってきたのは銀時の旧友で松陽の弟子の1人である高杉晋助という男だった。高杉は「お前だけは俺が殺さないと気が済まない、お前を裁くのはこの俺だ」と言って定定に刃を突き立て、相手が何者かも分からぬまま絶命。暗殺によって今の地位を得た定定は、暗殺によって命を失うこととなったのだった。

徳川定定(銀魂)の関連人物・キャラクター

徳川茂茂(とくがわ しげしげ)

徳川幕府第14代征夷大将軍。聡明にして高潔、将軍たるにふさわしい器の持ち主。
定定からすると甥で、幼い頃から傀儡の将軍にするために育ててきた存在。このため茂茂の権力基盤は意図的に脆弱なものにされているが、それでも彼は「組と民のためには定定を排除するしかない」と考えており、そのために少しずつ味方を増やしていった。

renote.net

六転舞蔵(ろってん まいぞう)

かつては定定に、現在は茂茂に仕える侍。マゾ的な趣味があることを別にすれば気骨に溢れる忠義者で、周囲から信頼されている。
若い頃に鈴蘭太夫と恋仲になり、彼女を吉原からも定定からも守ることを誓う。しかし2人で逃げる前に定定に感づかれ、左腕を断たれた上で「鈴蘭に一度でも会えばあの女ごと殺す」と脅され、愛する者のために定定に仕え続ける屈辱を味わわされ続けた。

renote.net

鈴蘭太夫(すずらんだゆう)

吉原の遊女。定定の謀略の片棒を担がされ、数々の情報を彼に提供するが、「そろそろ十分、もはや用済み」として始末されそうになる。
この頃には連絡役としてたびたび会いに来るようになった舞蔵と本気で愛し合うようになっており、一緒に逃げようと約束を交わしていた。定定に脅されて舞蔵が約束を果たせない中、それでもいつかは彼が迎えに来てくれると信じ、健気に待ち続ける。彼女が甥と病で余命いくばくもない状態であることを銀時が知ったことが、定定が失脚する大きなきっかけとなった。

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