六転舞蔵(銀魂)の徹底解説・考察まとめ

六転舞蔵(ろってん まいぞう)とは、SF時代劇風少年漫画『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、第14代征夷大将軍徳川茂茂とその妹そよ姫の世話係をしている老侍。
マゾ的な性癖を持つが、それを別にすれば清廉で誠実な人物。もともとは前将軍徳川定定に仕え、嫌々ながら彼の謀略の片棒を担がされてきた。その中で鈴蘭太夫という遊女と愛し合うようになったが、「あの女はもはや用済み」と判断した定定によって強引に引き裂かれ、忠義と愛情の間で苦悩しながらも未だに彼女を想い続けている。

六転舞蔵(銀魂)の概要

六転舞蔵(ろってん まいぞう)とは、SF時代劇風少年漫画『銀魂』(ぎんたま)の登場人物で、第14代征夷大将軍徳川茂茂(とくがわ しげしげ)とその妹であるそよ姫(そよひめ)の世話係をしている老侍。
もともとは前将軍徳川定定(とくがわ さださだ)に仕え、嫌々ながら彼の謀略の片棒を担がされてきた。その中で鈴蘭太夫(すずらん だゆう)という遊女を利用するよう命じられ、彼女を通して様々な情報を集めていく。

やがて鈴蘭と本気で愛し合うようになったが、「あの女はもはや用済み」と判断した定定によって強引に引き裂かれてしまう。「必ず吉原から連れ出す」と鈴蘭に約束したものの、「会えば殺す」と定定に脅されてそれを果たすこともできず、忠義と愛情の間で苦悩する。
やがて幼い頃の茂茂とそよ姫の従者となるよう命じられ、以降は彼らに仕えていく。ある時、「寿命の尽きかけた鈴蘭を想い人に会わせたい」という理由で万事屋の坂田銀時(さかた ぎんとき)らが幕府に正面から弓を引き、これに乗じて茂茂が定定の排除に乗り出す。かくして定定の支配から逃れた舞蔵は、一連の事件の中で傷ついた体を押して吉原へと駆け付け、鈴蘭との再会を果たした。

六転舞蔵(銀魂)のプロフィール・人物像

CV:千葉繁、徳本英一郎(若い頃)

マゾ的な性癖の持ち主であることを別にすれば、清廉で誠実な人物。良くも悪くも忠誠心が強く、定定の謀略が悪辣なものであることを知りつつ拒むこともできずに加担し続けた。
幼い頃から世話係として尽くしてきた茂茂とそよ姫からは信頼されているが、特に後者からはマゾ趣味について呆れられている。茂茂亡き後もそよ姫に仕え、彼女の活動を支え続けた。

六転舞蔵(銀魂)の来歴・活躍

心中立て

鈴蘭(左)と愛し合うようになった舞蔵は、彼女と「次の満月の晩、必ずお前を迎えに来る」との心中立て(約束)を交わす。

徳川家第13代将軍の徳川定定(とくがわ さださだ)に仕え、彼が政敵を排除するための謀略に加担する。本人は悪辣なその手法には嫌気が差していたが、有能かつ忠実な部下として定定の側からは重宝されていた。
やがて多くの政敵が通う吉原に目を付けた定定は、ここに舞蔵を送り込み、鈴蘭太夫(すずらんだゆう)という遊女と懇意にさせる。彼女を通して集めた情報を定定が謀略の材料として活用する一方、舞蔵は健気に自分たちに尽くす鈴蘭を次第に愛するようになっていった。やがて舞蔵は「次の満月の晩、必ずあなたを迎えに来る」と彼女に約束し、鈴蘭はこれを信じて彼を待ち続ける。

しかし、この頃には定定は「十分情報を集めた、鈴蘭はもはや用済み」だとして、彼女から自分に関する情報が政敵に漏れることを嫌い、鈴蘭を殺すよう舞蔵に命じる。鈴蘭を愛する舞蔵がこれを拒むと、約束の証に小指に髪の毛を結わえた彼の左腕を斬り落とし、「今後鈴蘭に1度でも会えば彼女を殺す」と告げる。
これは舞蔵の忠誠心を試すものでもあったが、それ以上に自分に逆らった彼に定定が下した罰でもあった。「逆らえば鈴蘭が殺される」と理解した舞蔵は、いつか彼女と再会する時が来ることを信じて定定に仕え続ける。

徳川茂茂という大器

御庭番衆の里での療養生活の中、茂茂(左)は全蔵(右)と親友の間柄になっていった。

定定は将軍職を退いた後も自身の権力を維持するため、自身に都合のよい人間を次の代の将軍に据えて傀儡にしようと考える。そのために白羽の矢が立てられたのが、徳川茂茂(とくがわ しげしげ)という少年だった。定定に命じられ、舞蔵は茂茂とその妹のそよ姫の世話役となる。
茂茂は幼い頃から聡明な少年だった。ある時、定定の政敵が放った刺客に襲われるも、あらかじめ用意されていた影武者が犠牲となることで暗殺の危機を回避する。しかし「自分と同じ顔をした同年代の子供が殺された」という事実は彼に衝撃を与え、その正体について舞蔵にしつこく尋ねるようになる。

根負けした舞蔵が徳川家の護衛を任されている御庭番衆と、彼らが用意する影武者について教えると、茂茂は自ら御庭番衆の下へと赴き、刺客に捕まったままの別の影武者を彼らと共に救出する。この時茂茂は大怪我を負うも、救出したばかりの影武者にしばらく自分のふりをして過ごすよう依頼し、傷が癒えるまでの間を御庭番衆の里で過ごす。
この事実は茂茂と御庭番衆の他には舞蔵しか知らず、彼が頭を抱える一方で、茂茂は同年代の御庭番衆の中では随一の使い手である服部全蔵(はっとり ぜんぞう)と親友の間柄となる。茂茂はその後定定の画策で徳川第14代征夷大将軍となるも、「定定の治世は問題が多過ぎる。国のためにも民のためにも、彼とその後ろ盾となっている天人(うちゅうじん)の秘密結社天導衆(てんどうしゅう)は排除しなければならない」と判断し、少しずつ独自の勢力を集めていった。

鈴蘭との再会

満月の下、桜舞い散る中、息絶える寸前の鈴蘭が幻視したのは、ついに再開の約束を果たしてくれたあの頃のままの舞蔵の姿だった。

約束してから数十年の時が経過しても、鈴蘭は舞蔵のことを信じて待ち続けていた。その事情と、彼女が命尽きようとしていることを知った万事屋(よろずや)の坂田銀時(さかた ぎんとき)は、仲間たちと共に「鈴蘭と恋人を再会させてやりたい」という一心で幕府に正面からケンカを売る。
銀時たちは当初“鈴蘭の恋人は定定”だと考えており、首に縄をつけてでも彼を吉原まで連れていくつもりだった。定定はこの勘違いを利用してあちこちに手を回し、もはや用済みと判断した舞蔵を捕らえてその右腕を斬り落とす。

天導衆に仕える暗殺組織「天照院奈落」(てんしょういんならく)まで持ち出して確実に銀時を討ち取ろうとする定定だったが、この騒ぎを好機と捉えた茂茂が自身の味方を総動員して事態を鎮圧。同時に定定の悪事を証拠付きで糾弾し、彼を失脚させる。銀時の奮戦によって撤退した天照院奈落は、“後始末”として取り調べを受ける前に定定を始末していった。
定定の呪縛から解き放たれる代わりに両腕を失った舞蔵は、絶対安静を申し付けられる中密かに屋敷を抜け出して吉原へと急ぐ。重傷を負った彼がここで無理をすれば命にも関わることではあったが、茂茂も銀時も彼らの仲間たちも、事情を知る者たち全てがこれを黙認。満月の夜、舞い散る桜の下で鈴蘭と再会した舞蔵は、痛烈な後悔と共に遅くなったことを詫びる。愛する者が会いに来てくれた、約束を守ってくれたことを知った鈴蘭は、喜びの涙を流しながら息を引き取るのだった。

茂茂の最期

死んでもおかしくない無理をした舞蔵だったがなんとか持ち直し、その後も茂茂に仕えていく。しかし定定という後ろ盾を失った彼は政治的に立場が弱く、幕府を裏で操る天導衆からその命を狙われる。対抗して茂茂を江戸から避難させる計画が進む中、護衛を買って出た全蔵によって茂茂は暗殺されてしまう。
実はこれは「茂茂は暗殺された」という事実を作ることで、先んじて別の場所に匿われた茂茂の安全を確保するための偽装工作だった。“全蔵が茂茂を討ち取る”様を目の当たりにして驚愕した舞蔵だったが、茂茂の遺体の傷跡の有無からこれが影武者であることに気付き、全蔵たちの計画の全貌を察する。

銀時たちも加わり、大立ち回りの末になんとか舞蔵たちは茂茂を守り切る。しかしこの騒動とは別のところからも刺客の魔の手は伸びており、結局茂茂は毒殺されてしまう。
これにより茂茂に与していた勢力は、一気に政治的な立場を失うが、そよ姫が中心となって体制を立て直していく。舞蔵は老骨に鞭打ってそよ姫に仕え、兄の後を継ぐように政治家としての道を歩み始めた彼女を支えていくのだった。

六転舞蔵(銀魂)の関連人物・キャラクター

鈴蘭太夫(すずらんだゆう)

吉原の遊女。伝説の花魁として知られる人物だが、老いと病で余命いくばくもない状態。かつて定定に踊らされるまま幕府高官相手のスパイとしても活動し、その中で舞蔵と心通わせ、彼を愛するようになっていった。
「満月の晩に必ず迎えに来る」という舞蔵の言葉を今もなお信じ、彼との再会を待ち続ける。息を引き取る寸前にその念願が叶い、満月の下、桜舞い散る中で刹那の逢瀬を楽しむ。

徳川定定(とくがわ さださだ)

徳川幕府第13代征夷大将軍。謀略を駆使して将軍の座についた野心家で、幕府を裏で操る天人たちの秘密結社天導衆とも結託している。
舞蔵を有能な人材として重用する一方で、“鈴蘭との約束を守れず、彼女を裏切り続ける”ことに苦しむ様を見て楽しむなど、サディスティックな一面を持つ。

徳川茂茂(とくがわ しげしげ)

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