佐々木異三郎(銀魂)の徹底解説・考察まとめ

佐々木異三郎(ささきいさぶろう)は、空知英秋作画の漫画「銀魂」に登場する特殊武装警察・見廻組の局長。名家に生まれ、文武両道、隙のない人物ですが、冷たく傲慢な性格で威圧感を漂わせています。真選組創立に深くかかわった人物であり、実は心に癒しがたい傷を負っていることがわかってくると印象がぐっと変化するキャラクターです。

生年月日/見た目/特徴

長身、ということだけで、生年月日や身長などについての情報はありません。
面長の顔、薄いグレイブラウンの髪、モノクル(片目だけのメガネ)が特徴です。

名門佐々木家の嫡男。「剣をとれば二天、筆をとれば天神」という文武両道な生粋のエリートで、通称「三天の怪物」と呼ばれています。
剣だけでなく、ピストルも同じように巧みに操ります。

感情の動きをあまり表情に出しません。登場時は冷徹な面が目立ちましたが、「さらば真選組編」で彼の過去に焦点が当てられると、良き侍・良き人間でありたいという気持ちが強く、愛妻との間に生まれてくる子供の名付けに悩む、心優しい一面も持っていることがわかってきます。

登場時は「エリート」という言葉を頻発していましたが、次第にそういう言動は減っていきました。

「バラガキ編」で、真選組に入隊し土方の小姓となった佐々木鉄之介は彼の異母弟です。
母が正妻ではなかったため、鉄之介はずっと肩身の狭い思いをしてきました。その過程で彼は次第にグレ始め、服装や態度もチャラチャラしたものに。
真選組には、素行の悪さを矯正させるため半ば無理やり入隊させられてきましたが、しばらくの間はやりたい放題で周囲を困惑させていました。
しかし、兄の異三郎から「名門佐々木家の名を汚すような者は、斬ってもらって結構ですよ」と言われた時、土方が毅然とした態度で佐々木を遮ってくれたのを見て感激。
その一件で鉄之介はすっかり改心します。

右が真選組に入隊した直後の顔。左が「改心」した後の顔。

佐々木異三郎は名門佐々木家の長男であり、真選組とはライバル関係にあたる見廻組(みまわりぐみ)の局長でもあります。
見廻組は、佐々木同様名門・良家から選りすぐられた人材で構成された警察組織のこと。
「将軍暗殺編」で、徳川茂茂が亡くなり真選組が解散になった後は、松平片栗虎に代わって警察庁長官に任命されました。

見廻組の隊服は、真選組の隊服を参考に作ったとのことです。(その見た目は、ベタを塗り忘れた真選組の隊服のよう)。

史実上のモデルは佐々木只三郎

佐々木 只三郎(ささき たださぶろう)は、幕末期の幕臣で京都見廻組の隊士です。
会津藩士の家に生まれ、江戸において浪士組を募集しました。浪士組は新撰組の前身となった組織で、時の将軍、徳川家茂が上洛するのにあわせて将軍警護のために結成されたものです。
この浪士組が京都に到着後、清河八郎(きよかわはちろう)らが率いる一団は江戸に帰還。一方で近藤勇や芹沢鴨らはそのまま京都に残り「壬生浪士隊」を名乗りました。
佐々木は、近藤らを京都守護職・会津松平家の支配下に置くよう取り計らい、攘夷思想を強く打ち出した清河八郎を江戸で暗殺。その翌年には京都で見廻組の局長となり、新撰組とともに攘夷志士らを厳しく取り締まるようになりました。
一説では、1867年に起きた坂本龍馬・中岡慎太郎の暗殺は佐々木によるものだったとも言われています。
1868年の鳥羽伏見の戦いで、幕府軍として参戦。同年に35歳で戦没しました。

出自

名門・佐々木家の長男として生まれた佐々木は、「三天の怪物」と異名をとる切れ者でした。

松平片栗虎とともに、江戸に新しい治安維持組織として「浪士組」を作る算段をしたのが彼でした。この「浪士組」が後の「真選組」です。
また佐々木は真選組が結成される以前から近藤のことを高く評価していました。

この時の将軍は徳川定々。彼は政敵の一角・一橋家の斉々(なりなり)公とその息子喜々(のぶのぶ)の粛清を密かに企んでおり、近藤達を「真選組」という正式な警察組織にするにあたって、彼らにこの二人の護衛を任じました。
そして定々が放つ賊に斉々公らを暗殺させ、真選組にはその責任を取って切腹をさせる、という筋書きが出来上がっていたのです。定々にとって、近藤達はただの捨て駒に過ぎなかったのでした。

そして、その暗殺を行うために奈落が送り込んできたのが、奈落の子供達。中でも最も暗殺者としての資質が高かったのが、骸(むくろ)と呼ばれていた少女でした(徳川定々と奈落の頭領・朧は結託していたので、定々にとって邪魔な存在の一橋派の排除に奈落が動いたのです)。

佐々木と初めて会ったころの骸。

奈落に育てられたとはいえ、まだ幼い子供達に暗殺を行わせることにためらいを覚えた佐々木は、松平方栗虎と示し合わせ、本来なら一橋斉々と喜々が乗るはずだった籠に松平を乗せ、一方で攘夷浪士たちに一橋親子が遠征する情報をわざと流して襲わせました。
こうすることで「予期せぬ攘夷志士の襲撃で遠征、暗殺共に失敗した」ということにしたのです。

出典: anicobin.ldblog.jp

しかし、佐々木のこの目論見は奈落の頭領・朧に見抜かれます。
その制裁として、佐々木の妻と生まれたばかりの娘は惨殺され、その場にひとり生き残っていた骸が殺戮を行ったものと当初は思われました。

しかし、佐々木の妻子を襲って殺したのは奈落の手下達で、骸は佐々木の妻子達を救おうとしていたのです。しかし彼らを救うことはできず、彼女は奈落の手下達を殺した。それが真実でした。

このことから、家族を護れなかった自分自身と国を憎むようになった佐々木。
彼は心の奥底に「すべてを更地に戻し、最後には自分をも消す」という決意を秘め、一橋派に取り入って表向きは喜々を守るかのように振る舞い始めます。
その過程であえて冷酷に反勢力(幕府に対抗する勢力。具体的には攘夷志士)を弾圧、そうすることで反幕府勢力の決起を促し、いずれはすべての勢力を一気に衝突させて国ごと滅ぼすというシナリオを思い描いていたのです。
(すべての勢力とは、幕府、その背後にいる天導衆、それと結託した宇宙海賊春雨、真選組、見廻組、桂をトップとした攘夷派、高杉が率いる鬼兵隊、そして銀時たち)

妻子惨殺に対する復讐の道具として骸を奈落から引き抜いた佐々木は、自分が描いたシナリオ通りに殺しを続けるよう骸に命じ、それらがすべて終わったら自分を斬るようにと言いつけました。
彼女が自分の妻子を殺した張本人ではないことは佐々木もわかっており、もともとは自分の娘につけるはずだった名前「信女(のぶめ)」を骸に与えたことなどから、ただの復讐の道具としてだけではなく骸を見ていたのが伝わってきます。見廻組の局長、副長となった二人の間には次第に父娘にも似た絆が芽生えていったのでした。

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