スラムダンク名勝負「湘北 vs. 山王工業」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「湘北 vs. 山王工業」とは、高校バスケットボールを題材とした『SLAM DUNK』で描かれた同作最後の試合で、インターハイ全国大会2回戦の1つ。
主人公桜木花道が所属する湘北高校と、“高校最強”の名をほしいままにする優勝候補筆頭の山王工業高校が対決するという内容で、熱く清々しくも壮絶な展開で知られる。スポーツ漫画史上に残る名勝負として名高く、作者井上雄彦も「これ以上のものは描けない」と断言している。2022年にはこの試合部分のみがアニメ映画化され、その高いクオリティが改めて注目された。
河田美紀男(SLAM DUNK)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
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河田美紀男(かわた みきお)とは、『SLAM DUNK』(スラムダンク)の登場人物で、秋田県代表にしてインターハイ優勝候補筆頭とされる山王工業高校バスケットボール部の1年生。
高校バスケ界屈指のオールラウンダーである河田雅史の弟で、この歳にして210cmという巨体の持ち主。その将来性に期待されてベンチ入りするも、バスケ選手とすればまだ未熟で、ゴール下で戦うための技術しか修得していない。インターハイで自身と同じく素人同然の選手だった桜木花道と対戦し、その技術の拙さを見抜かれ、翻弄される。
堂本五郎(どうもと ごろう)
山王工業高校の監督。選手たちの力を信頼しており、「ストイックに勝利を追求する」よりも「高校最強の選手たちが存分に力を発揮する」ような戦い方を好む。
湘北高校に勢いをもたらしているのが花道であることを見抜くなど、確かな戦術眼を持つ。
堂本五郎(SLAM DUNK)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
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堂本五郎(どうもと ごろう)とは、『SLAM DUNK』(スラムダンク)の登場人物で、秋田県代表にしてインターハイ優勝候補筆頭とされる山王工業高校バスケットボール部の監督。
技術指導もさることながら、試合に臨む際の心構えなど精神にも重きを置いた指導をしている。試合自体もただ勝敗に固執するのではなく、あくまで選手たちの力を十二分に発揮させることを目的とし、その結果としての勝利こそ重要だと考える。強豪校の監督としてはまだ若いが、その手腕は高く評価され、全国に名を轟かせている。
インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合における名言・名セリフ/名シーン・名場面
沢北「1on1じゃオレには勝てねえよ 流川」
湘北高校との試合中、流川は自身が目指す「日本一の高校生」になるため、今その座にいる沢北への挑戦を繰り返す。しかし沢北は流川の攻撃をことごとく読み切って防ぎ、攻めに転じれば流川を軽々と突破していく。自分の力がまるで通じない強敵を前に愕然とする流川に向けて、沢北が発したのが見出しのセリフである。
「自分こそ日本一の選手である」というすさまじい自負が感じられる、沢北の底知れない実力がうかがえる名セリフ。これまでいかなる相手を前にしても最後には勝利してきた流川が歯が立たないという現実に、読者は恐怖と戦慄を突きつけられることとなった。
花道「ヤマオーは俺が倒す!!By桜木!!」
安西から秘策を授けられ、チームの仲間たちから「勝ってくれ」との願いを託されてコートに戻った花道は、その前に突如審判団の机の上に飛び乗って「ヤマオーは俺が倒す!!By桜木!!」と宣言する。
当然これは物議をかもすが、安西らの取り成しで事無きを得る。何を考えているんだと叱責する赤木たちに対し、花道は不敵な笑みと共に「これで勝つしかなくなったぜ」と語り掛ける。
とことんまでやってやろうという意志が感じられる、荒っぽくも華々しい花道なりの激励である。唖然とするチームの仲間たちに対し、「俺はシロウトだから、理屈で勝てないとか有名だから勝てるわけないなんてのは通じない」と言い切る彼の顔を見ていると、もしかしたら本当に勝ててしまうのではないかという気も湧いてくるから不思議である。
赤木「湘北は負けんぞ」
山王工業高校との試合の中、河田に手も足も出ず完封される赤木。焦り、慌て、なんとか状況を打開しようとして空回りした末に、ライバル魚住の激励を受けて赤木は「俺は河田に勝てない」と認めた上で「勝てなくていい」と結論する。
個人として河田に勝てなくても、チームで勝てれば問題ない。そして今の自分の仲間たちは、問題児ぞろいではあっても間違いなく最強のチームメイトだ。"俺"は勝てない、だが"俺たち"は負けない。
「湘北は負けんぞ」
そんな気付きを得た赤木は、河田に「勝つ」のではなく「可能な限り自分に引き付けて仲間を活かす」スタイルで反撃を開始する。
これまで強烈なキャプテンシーで仲間たちを引っ張ってきた赤木が、河田の前に完封されて足掻く様は、湘北高校バスケ部のメンバーたちどころか読者にとっても衝撃で絶望感を与えるものだった。その赤木がこの言葉と共に復活し、反撃に転じていく様は、爽快かつ劇的な印象を読む者にもたらした。
流川「オレもアメリカに行くよ 今日… ここでお前を倒していく」
山王工業高校のエース沢北に翻弄され、「これまでの自分のプレイに固執しているだけでは勝てない」と思い知らされた流川は、彼こそが自分の目指す“日本一の選手”であることを認める。その沢北が「インターハイ後はアメリカに行く」と口にしたのを聞いた流川は、見出しの言葉を口にして、仙道ですら手も足も出なかった沢北を打倒して自分が日本一になり、そのままアメリカに向かうと宣言する。
流川の傲慢さ、自分の能力への自負、そして夢へ向かうひたむきな意志の全てがこもった名セリフ。果たして流川は宣言通りに沢北を倒せるのか、読者は手に汗握りながらページをめくることとなった。
安西「おい……見てるか谷沢……お前を超える逸材がここにいるのだ……!!」
ホワイトヘアードデビルと呼ばれるほどの鬼監督だった安西。谷沢という選手は、その当時に目をかけていた大学生プレイヤーだった。才能に溢れた良い選手であったが、それ故に基礎を徹底させ、厳しく指導した結果、谷沢は安西から逃れるようにアメリカへ留学。安西に案じられる谷沢だったが、アメリカでのバスケットに自分をうまくアジャストできずに、薬物使用の疑いもあって交通事故で帰らぬ人になってしまう。
谷沢が残した手紙には、本当は安西や日本の仲間たちに頼りたかった気持ちが綴られていた。そんな苦い記憶がありながらも、谷沢への思いを忘れずに安西もまた真摯にバスケと向き合っている。
そんな中現れた、谷沢を超える逸材である流川と桜木。山王工業高校との試合で、才能を爆発させる2人を見て安西は体が沸き立つような、得も言われぬ思いに駆り立てられ谷沢のことを思い出す名シーンである。
赤木「オレたちゃ別に仲良しじゃねえし お前らには腹が立ってばかりだ だが…(このチームは…最高だ……)」
キャプテン赤木がインターハイ2回戦の対戦相手山王工業高校との試合中、タイムアウト中の円陣で赤木がチームメイトの前でポロっと本音が漏れてしまうシーン。
最高のチームメイトを求めて、折れずにひたむきにバスケットを続けてきた赤木が、心から自分の仲間を誇らしく思った、喉から手が出るほど欲しかったものがやっと手に入り、みんなが最高のプレイをしていることに感極まり、つい気が緩んでしまう。
しかし、チームのみんなは嬉しいと思いつつも「まだ勝ってもいないのにそんなことを言うな」とよってたかって赤木にツッコむ。紆余曲折してここまで来たことを伝える名シーンである。
三井「おうオレは三井 諦めの悪い男…」
インターハイ2回戦での山王戦は湘北メンバーが経験したことが無いほどの、死闘で日本トッププレイヤーとの戦いは、精神面でももちろん肉体的にも疲労が激しい。やはりブランクのある三井はボロボロになってしまう。ディフェンスは棒立ち同然で、マッチアップしている山王工業高校の松本は三井が機能停止状態であることに気づく。三井は息も絶え絶えになりながらも、松本に「オレは誰だ」と尋ねる。それは限界寸前で今にも倒れそうな自分への問いかけでもあった。ギリギリの中で、三井は赤木との連携でスペースを作り起死回生の3Pシュートを決める。諦めの悪さとバスケのセンスを同時に感じさせる名セリフである。
河田「無理はいかんぞ赤坊主…お前には将来がある むかってくるなら手加減はできねえ男だ 俺は」
湘北とインターハイ2回戦で戦った山王工業高校のエース河田。高校生の今大学バスケ界に入ったらベスト3には入るセンターと言われている。河田は高校入学時、165センチというバスケ選手としては小柄な選手であった。しかし1年間で25センチも身長が伸び、3年生時点で194センチに到達。身長が伸びるごとに様々なポジションを経験し、その都度血のにじむような努力をして来た選手。センターとして活躍する今も、シュートレンジ、スピード、パワーすべてを兼ね備えた完成形のような選手である。湘北高校との試合では、赤木そして桜木とマッチアップしその圧倒的な実力を見せつける。冷静に試合を見る力も長けており、桜木の異常な身体能力もいち早く察知し、認めた上で対応するクレバーな選手でもある。このセリフは、怪我を押してプレイをする桜木に向けての言葉であり、桜木の能力を評価した上で、あくまでも手を抜かない意思が垣間見える名セリフである。
花道「大好きです、今度は嘘じゃないっす」
湘北高校の反撃が始まる中、花道はコートの外に出たボールを追って背骨を負傷。痛みのあまりに動けなくなってその場に倒れ、ベンチに移される。
そこで「このままでは選手生命に関わる」と安西と彩子が語っているのを聞き、もう2度とバスケできなくなるのかと絶望。そんなの嫌だ、やっと楽しくなってきたのに、勝ち目が見えてきたのに、仲間たちとまだまだコートを走り続けたいのに。どうして自分がそんなことを考えているのか、混濁した意識の中でバスケと共に駆け抜けた数か月の記憶を辿る中、花道が最後に思い出したのは全てのきっかけだった晴子の言葉だった。
「バスケットはお好きですか?」
それが全てのきっかけだった。その言葉が自分を変え、ここまで連れてきてくれた。怪我と痛みを推しておもむろに立ち上がると、花道は心配でベンチまで様子を見に来た晴子に肩を抱いて「大好きです、今度は嘘じゃないっす」との言葉を口にする。
花道が走り続けてきたバスケ人生の全てが詰まったようなセリフである。ここでいう「大好きです」はもちろんバスケのことで、選手生命にも関わる怪我を負った彼がどのような気持ちでこれを口にしているのか、これからどうなってしまうのか、様々な感情に心揺さぶられて胸が熱くなる。作品全体で見ても屈指の名シーンである。
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牧紳一(まき しんいち)とは、『SLAM DUNK』(スラムダンク)の登場人物で、「神奈川の王者」の異名で知られる海南大学附属高校バスケットボール部の主将。 貪欲に勝利を求め、「怪物」とも称される神奈川最強のプレイヤー。コートの中ではそのカリスマとリーダーシップを発揮して王者のごとく振る舞うが、試合を離れれば意外と面倒見の良いところを発揮する。趣味はサーフィンで、肌が浅黒いのはそれが理由。老け顔であることを気にしており、作中でそれを指摘された時はムキになって反論していた。
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宮城カオル(SLAM DUNK)の徹底解説・考察まとめ
宮城カオル(みやぎ カオル)とは、『THE FIRST SLAM DUNK』(ザ・ファーストスラムダンク)の登場人物で、同作の主人公である宮城リョータの母親。 沖縄で家族と共に暮らしていたが、夫に先立たれ、その心痛から完全に立ち直れない中で海難事故により長男も失う。相次ぐ家族の死を受け止められず、逃げるように神奈川へと引っ越した。兄のことを決して忘れまいとするリョータを疎ましく感じるも、母としての愛情も持ち続け、バスケに熱中する彼を距離を置きながらも見守り続けた。
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彩子(SLAM DUNK)の徹底解説・考察まとめ
彩子(あやこ)とは、『SLAM DUNK』(スラムダンク)の登場人物で、湘北高校バスケットボール部のマネージャーを務める2年生。名字は不明。 サバサバとした気風の良い少女で、自分より遥かに背の高いバスケ部の部員たちを相手にしても臆することなく指示を出す。素人同然の桜木花道に対しては、別メニューでの基礎的な練習に付き合い、その成長をもっとも近くで見届けた1人となる。バスケ部2年の宮城リョータに惚れられており、本人も彼の想いを知らないわけでもないように振る舞うが、作中でそれに応えることはなかった。
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目次 - Contents
- 『SLAM DUNK』(スラムダンク)の概要
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合について
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合までの経緯・因縁
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合展開・流れ
- 試合序盤の展開
- 大黒柱と未完の大器
- 山王工業高校の猛攻と素人の決意
- 赤木への助っ人と花道のアクシデント
- 最後の攻防
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合結果・結末
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合による影響
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合戦術
- リバウンド
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合における重要人物・キャラクター
- 湘北高校
- 桜木花道(さくらぎ はなみち)
- 赤木剛憲(あかぎ たけのり)
- 流川楓(るかわ かえで)
- 宮城リョータ(みやぎ リョータ)
- 三井寿(みつい ひさし)
- 安西光義(あんざい みつよし)
- 山王工業高校
- 河田雅史(かわた まさし)
- 深津一成(ふかつ かずなり)
- 沢北栄治(さわきた えいじ)
- 一之倉聡(いちのくら さとし)
- 河田美紀男(かわた みきお)
- 堂本五郎(どうもと ごろう)
- インターハイ2回戦「湘北高校 vs. 山王工業高校」の試合における名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 沢北「1on1じゃオレには勝てねえよ 流川」
- 花道「ヤマオーは俺が倒す!!By桜木!!」
- 赤木「湘北は負けんぞ」
- 流川「オレもアメリカに行くよ 今日… ここでお前を倒していく」
- 安西「おい……見てるか谷沢……お前を超える逸材がここにいるのだ……!!」
- 赤木「オレたちゃ別に仲良しじゃねえし お前らには腹が立ってばかりだ だが…(このチームは…最高だ……)」
- 三井「おうオレは三井 諦めの悪い男…」
- 河田「無理はいかんぞ赤坊主…お前には将来がある むかってくるなら手加減はできねえ男だ 俺は」
- 花道「大好きです、今度は嘘じゃないっす」
- 花道「左手は添えるだけ…」
- 花道と流川のハイタッチ
- 堂本「“負けたことがある”というのが いつか大きな財産になる」
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