赤木剛憲(SLAM DUNK)の徹底解説・考察まとめ
赤木剛憲(あかぎ たけのり)とは、『SLAM DUNK』(スラムダンク)の登場人物で、湘北高校バスケットボール部の主将。
強靭なフィジカルと精神力に加えて高い技術力を持ち、ゴール下では無類の力を発揮するチームの大黒柱。全国クラスの実力者で、全国制覇を夢に掲げていたが、チームメイトに恵まれず神奈川予選での敗退を繰り返していた。バスケへの情熱はすさまじく、それゆえに熱くなることもしばしばだが、基本的には剛毅で実直な優等生。妹の晴子とはまったく似ておらず、作中でもたびたびツッコまれている。
インターハイ地区予選、神奈川県最強ともいわれる海南高校との試合中、赤木は相手選手との接触が原因で足首を捻挫してしまう。医務室に運び込まれた彼は、思いの外怪我の具合が悪いことからこのまま交代するよう勧められるが、「テーピングで応急処置してくれればいい」と言い出す。
足が折れてもいい、歩けなくなってもいい。ここで試合に戻れなければ意味がないのに、どうして今こんな怪我を負ってしまったのか。悔しそうに呻く彼の言葉に、付き添いでやってきたバスケ部のマネージャーの彩子(あやこ)もかける言葉を失う。
小学生の頃から思い描いていた"全国制覇"という夢に懸ける赤木の想いと、それを目前にしながら負傷してしまった悔しさが溢れる名セリフ。その情熱は花道にも伝わり、彼に「赤木の分まで俺が戦ってやる」という覚悟をもたらすこととなる。
「泣くな」
足首の怪我を押して試合に戻り、力の限り奮戦し、しかし海南高校との試合は花道のパスミスにより湘北高校の敗北に終わる。
初めて「チームの仲間のために、内心ではその実力を認めていた赤木のために勝ちたい」と心に思い決めて死力を尽くした花道は、"自分のせいで負けた"との自責の念のあまりコート上で涙を流す。もっとも悔しいであろう赤木は、しかしそんな素振りを微塵も見せず、花道に近づいて見出しの言葉をかける。
赤木の強靭なキャプテンシーが溢れる名セリフ。これほど頼もしい先輩が欲しい、あるいは欲しかったと思ってしまった読者も少なくない。
「悪いが皆さんの期待通りにはならん…」
インターハイ全国大会2回戦。優勝候補筆頭の山王工業との試合前、観客が入る前の座席をコートから眺めながら、赤木は見出しの言葉を吐く。「絶対王者」たる山王工業の名にひるまず、気負わず、自然体で試合に臨む赤木の姿を見た安西は、彼に「さすがだ」との賛辞を胸中で送っている。
「湘北は負けんぞ」
山王工業との試合の中、河田に手も足も出ず完封される赤木。焦り、慌て、なんとか状況を打開しようとして空回りした末に、ライバル魚住の激励を受けて赤木は「俺は河田に勝てない」と認めた上で「勝てなくていい」と結論する。
個人として河田に勝てなくても、チームで勝てれば問題ない。そして今の自分の仲間たちは、問題児ぞろいではあっても間違いなく最強のチームメイトだ。"俺"は勝てない、だが"俺たち"は負けない。そんな気付きを得た赤木は、河田に「勝つ」のではなく「可能な限り自分に引き付けて仲間を活かす」スタイルで反撃を開始する。
これまで強烈なキャプテンシーで仲間たちを引っ張ってきた赤木が、河田の前に完封されて足掻く様は、湘北高校バスケ部のメンバーたちどころか読者にとっても衝撃で絶望感を与えるものだった。その赤木がこの言葉と共に復活し、反撃に転じていく様は、爽快かつ劇的な印象を読む者にもたらした。
「オレたちゃ別に仲良しじゃねえし お前らには腹が立ってばかりだ だが…(このチームは…最高だ……)」
キャプテン赤木がインターハイ2回戦の対戦相手山王との試合中、タイムアウト中の円陣で赤木がチームメイトの前でポロっと本音が漏れてしまうシーン。
最高のチームメイトを求めて、折れずにひたむきにバスケットを続けてきた赤木が、心から自分の仲間を誇らしく思った、喉から手が出るほど欲しかったものがやっと手に入り、みんなが最高のプレイをしていることに感極まり、つい気が緩んでしまう。
しかし、チームのみんなは嬉しいと思いつつも「まだ勝ってもいないのにそんなことを言うな」とよってたかって赤木にツッコむ。紆余曲折してここまで来たことを伝える名シーンである。
赤木剛憲の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
宙に浮いたままの深体大学推薦入学
インターハイ後に受験勉強に励むこととなった赤木だが、読者の多くが首を傾げた話題がある。「深体大学への推薦入学の話はどうなったんだろう」という点である。
確かに赤木は推薦入学の条件としてベスト8入りを言い渡されており、それを達成できていない。しかし深体大学の監督は、「いくら赤木でも山王工業に勝つのは難しい」と判断しており、「ここで敗退するとしても組み合わせの不運というだけだから、赤木は必ず推薦入学させる」と作中で言い切っている。
赤木が受験勉強を始めたところからして、推薦入学の話は白紙に戻ったのは事実だと思われる。どういう経緯でそうなったのか、深体大学の監督が自分の言葉を翻したのかどうかは不明だが、ファンの間では「律儀な性格の赤木が"ベスト8は達成できなかったのだから"と推薦入学の話を断ったのではないか」とする説が有力視されている。
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目次 - Contents
- 赤木剛憲の概要
- 赤木剛憲のプロフィール・人物像
- 赤木剛憲の能力・プレイスタイル
- フィジカルに秀でるゴール下の巨人
- 強烈なキャプテンシー
- 赤木剛憲の来歴・活躍
- 高校入学まで
- 木暮と三井
- 新たなるチームメイト
- インターハイ神奈川予選
- インターハイ全国大会
- 受験勉強と高校バスケ界への未練
- 赤木剛憲の関連人物・キャラクター
- 赤木晴子(あかぎ はるこ)
- 桜木花道(さくらぎ はなみち)
- 木暮公延(こぐれ きみのぶ)
- 三井寿(みつい ひさし)
- 魚住純(うおずみ じゅん)
- 赤木剛憲の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「いいからテーピングだ!!」
- 「泣くな」
- 「悪いが皆さんの期待通りにはならん…」
- 「湘北は負けんぞ」
- 「オレたちゃ別に仲良しじゃねえし お前らには腹が立ってばかりだ だが…(このチームは…最高だ……)」
- 赤木剛憲の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 宙に浮いたままの深体大学推薦入学