RAIDEN-18(荒川弘)のネタバレ解説・考察まとめ

『RAIDEN-18』とは『鋼の錬金術師』で有名な荒川弘によるコメディ漫画である。『月刊サンデーGX』2005年6月号にて読み切りとして1話目が掲載。好評を博したため、読み切り形式の3本が2021年まで掲載された。1話目掲載から単行本化まで15年かかった作品である。ストーリーは死体改造愛好家のタチバナ博士によって様々な死体を基に作られた「フランケンシュタイン」ライデン18号が、倫理観が崩壊したマッドサイエンティストたちに振り回される様子が描かれている。

ラッセル

大英博物館で学芸員をしている男性。角刈り風の頭に大きい体が特徴。見た目が「フランケンシュタイン」のように見えるが生身の人間である。死体にも人権があると博物館の上の人間に認めさせるための活動を行っており、博物館の地下にて「フランケンシュタイン」と過ごしている。牛のミイラに足をつけたり、猫のミイラの脳を文豪の脳と取り換えるなど、倫理観の欠片もない性格をしている。そのため、ライデン18号からは「最悪だ」と評された。死体保護を目的としてライデン18号を誘拐した。ライデン18号を箱詰めするときに昔の陶磁器のように茶葉を詰めて運ぶなど、どこか抜けている面がある。

博物館からの頼みでタチバナが鎮圧しに来た時に、神として崇めている創造主メアリー ・ シェリーを「フランケンシュタイン」として蘇らせたが、メアリーから「フィクションと現実を混ぜるな」というむねの言葉にショックを受けて、「神は死んだ」と叫び、さらに今から自身が神であると宣言したところでタチバナに敗北。最後は地下で一緒に過ごしていた「フランケンシュタイン」たちはタチバナの元へ行き、ラッセルは学芸員をクビになるという散々な目にあった。唯一残った「フランケンシュタイン」は遺体を動かした者を呪うと墓石に刻んでいたシェイクスピアであり、「苦しめてやるぞ。責めさいなんでやるぞ」と言われて呪われた。

フランケンシュタイン

ドクダミ大学フランケンシュタインの怪物研究部部長

ドクダミ大学フランケンシュタインの怪物研究部に所属する男性。作中で名前はまだないと明記されているため、タチバナからは「ドクダミの」と呼ばれている。ガリガリの体におかっぱ頭が特徴。タチバナに執着しており、クリーチャー選手権では勝ったらタチバナの死体が欲しいと持ち掛けた。しかし、出場登録の際にドクダミ大学フランケンシュタインの怪物研究部(略称フラ研)ではなくフラダンス研究会(略称フラ研)と間違ってしまっていたために大会に出ることもできずに負けるなどドジな面がある。

実はクリーチャー選手権に出る前に過労死している。その後、遺言に沿って死体を「フランケンシュタイン」にしてもらった。自らも実験体にするのは愛故であると語っている。偽タチバナが出た際にはタチバナについて行き一緒に偽タチバナを懲らしめた。身体はソーラーシステムを搭載しているため24時間稼働可能となっている。

ジュテーム2号

ヤブラコウジの助手で、「フランケンシュタイン」の女性。本名はツバキ。ナース服と腕から飛び出た鋭い刃が特徴。クリーチャー選手権にヤブラコウジと参加した。ヤブラコウジの死体の尊厳を守るという信念に同調して涙を流すなどヤブラコウジに心酔している。クリーチャー選手権に参加するために自身の体を「フランケンシュタイン」にしようとしてるヤブラコウジを止めて、代わりに自身の体を提供した。

ヤブラコウジとは恋人関係にある。しかし、実は名前の通り2号さん、つまり愛人でありヤブラコウジには他に本命がいた。ジュテーム2号は自身が愛人であるとは知らず、クリーチャー選手権中に判明した際には動揺していたが、慰謝料を払ってやるというヤブラコウジの言葉に正気を取り戻した。ナース服を着ているのはヤブラコウジの趣味である。

タチバナ秋男(たちばなあきお)

タチバナ研究地下に収納されていた「フランケンシュタイン」の老人。頭に「押」と書かれたボタンがついているのが特徴。タチバナ一族の男性で収納箱にはタチバナ壱号と書かれていた。老人であるためボケており、会話の合間にボケてしまった老人の定番のセリフの「飯は食ったか?」などを話す。また、生前の記憶のせいで戦時中に撃沈した戦艦の数を叫ぶ。タチバナのことを自身の娘の常葉(とこは)だと思い込んでいる。

ライデン18號

ライデン18号の偽物の「フランケンシュタイン」。本物のライデン18号とは違い、ガリガリの体と尖った口が特徴。中国産であるためなのか喋り方が怪しく、所々片言で中国漢字混じる。パワーは瓦3枚を割る程度のものしかない。ライデン18号を偽り動画サイトにて偽タチバナの宣伝をしていた。ライデン18号と対峙した際には余裕ぶっていたが、ライデン18号の張り手1発でダウンしたあげくに、破損。身体の中身には段ボールが混じっていた。

毛沢東(けざわ ひがし)

偽タチバナによってキョンシーにされた男性。顔につけられたお札が特徴。偽タチバナからは毛沢東(けざわ ひがし)と呼ばれているが、タチバナたちの反応から毛沢東(もうたくとう)であることは間違いない。「フランケンシュタイン」とは違いキョンシーであるため。自我が薄く、製作者の偽タチバナに殴りかかった。身体のパーツにモンゴル相撲のチャンピオンが使われているため相撲技を仕掛けてくる。

偽タチバナが倒されたあとは、偽タチバナに捕まっていた人たちと共に農村へと帰っていった。

メアリー ・ シェリー

イギリス出身の小説家の女性。上品な雰囲気の婦人で肩に刺さっているネジが特徴。『フランケンシュタインの怪物あるいは現代のプロメシュース』という本を書いたことが有名であり、その本の中に描かれた「フランケンシュタインの怪物」が「フランケンシュタイン」の原型となっている。作中ではすでに故人であったが、ラッセルによって「フランケンシュタイン」として蘇った。死体を繋ぎ合わせて造る「フランケンシュタイン」が後世にて実現したことにドン引きしていた。本人はフィクションと現実の区別くらいつけてと語った。ラッセルの元を去ったあとはタチバナの元で捜索活動をしている。パソコンで書いた小説をwebサイトで発表したところ、大ヒットした。

自身の名前を検索すると勝手に自身の気持ちを代弁されていることに怒るなど、本作の否定ともとれるメタ発言をした。また、死んでから作品が評価されたことにも憤慨していた。

1791年から1851年に実在していた人物で、小説家として活動しようとしていたが女性というだけで出版拒否をされるなど苦労した人物であった。

『RAIDEN-18』の用語

タチバナ研究所

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