HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)のネタバレ解説・考察まとめ
『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』とは、お笑いコンビのダウンタウン・松本人志が企画、構成した映像作品である。構成は、「システムキッチン」、「げんこつ」、「古賀」、「都‥」、「ミックス」、「ZURU ZURU」、「マイクロフィルム」、「む゙ん」、「いきなりダイヤモンド」、「ゲッタマン」、「診察室にて…」、「寿司」、「巨人殺人」、「荒城の月」、「園子」である。テレビでは表現できない、そして松本人志が魂込めて作ったコント作品である。
『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の用語
ビジュアルバム
『ダウンタウンのごっつええ感じ』以降、コント制作から遠ざかっていたダウンタウン松本人志がミュージシャンがアルバムを出すように定期的にコントを発表したいという思いで制作された。ビジュアルバムではテレビではやらないため本当に松本人志がやりたかったコントに全力を注げられたとのこと。
漫才
滑稽なことを言って笑いを誘うボケと、そのボケを正していくツッコミによって成り立つ。2人組が一般的だが、3人組や5人組といった多人数での漫才が披露されることもある。
今作では、「いきなりダイヤモンド」が漫才をテーマにした作品となっている。今田と松本がコンビを組んで漫才をする姿が唯一見られることから、非常に貴重な作品として知られている。
システムキッチン
ガスコンロやIHコンロが組み込まれて一体型になっているもの。シンク、調理台、天板と呼ばれる一枚板を乗せてキッチンが一続きになっている。
今作には、コント「システムキッチン」で登場。タイトルに名を冠している通り、この作品ではシステムキッチンが笑い要素として非常に重要な役割を果たしている。
『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
古賀が家から出てきた時
『Vol. りんご「約束」』(1998年)の「古賀」で、スカイダイビングした後、消息不明になった古賀を心配して古賀の家族に説明しにいった時である。松本がインターホンを押すと家から出てきたのは古賀本人であった。一緒にスカイダイビングをした松本、東野、今田は驚き呆れていた。古賀の「え、なんで?降りた後どっかに集まるとか言ってなかったから帰った」というと撮影中というのにも関わらず松本、今田、東野は笑いを堪えていた。後のインタビューで「古賀が家から出てきたときの板尾さんの顔が面白すぎて何回も笑ってしまい何度も撮影ストップしてしまった」と今田耕司が話している。古賀を演じる板尾創路の顔から滲み出る面白さに思わず見ている側もハマってしまう名場面である。
割り箸が目に突き刺さった女
『Vol. ぶどう「安心」』(1999年)の「寿司」で最後の場面でタバコを買いに行った大将の横で握ったお寿司を全て叩き潰す謎の女を横目に大将に「クビにしちゃえば?」と言った瞬間、謎の女が帰ってきてその女の目に割り箸を突き刺すというシーン。大将のネタを全て叩き潰したり、割り箸で悪口を言われた客の目に突き刺したりといった謎の女の謎の行動が面白い。そして少しホラー要素も感じられるオチである。松本人志が「ビジュアルバムの中でもお気に入りコントの1つに入る」と明言するくらい「寿司」は気に入っているとのこと。コント自体も短めの内容なのに、寿司屋の大将の横にいる謎のおばちゃんの寿司を叩き潰すシーンがシュールで面白い。そしてじわじわと不気味笑いが続くと思いきや最後、客の女性の目に割り箸が突き刺さったシュールから一気にホラーに切り替わっているので、シュールな笑いとホラーな笑いをふたつ楽しめる名場面である。
太一「板東、丸見え」
『Vol. ぶどう「安心」』(1999年)の「巨人殺人」で殺した巨人の板東を池に沈めた次の日に、飼い犬を探していた太一が発した一言。巨人な板東は池から顔半分出ていたので、あまりの驚きに大きな声で「板東丸見え…」と叫んだ。そして急いで関に電話で来てもらうよう焦りながら急かしていた。奈良の大仏と同じくらいの大きさの板東を殺すことに奇跡的に成功したが故に、その後の遺体の後始末を深く考えなかった人間の滑稽さを表しているかのようなセリフである。また、今田が演じる太一の驚き顔も非常に滑稽で、見つけても自分で解決しようと考えず、すぐに関を読呼んでいたので実に情けない。
『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
制作費は1億円
『Vol. ぶどう「安心」』(1999年)の「巨人殺人」で出てくる巨人の板東はおよそ1億円もかかったと、後に松本人志がインタビューで話している。板東は他にも大きな手を作ったりもしているため全部わせて1億円という計算である。たった1つのコントのために1億円もかけて松本人志のこだわりを再現したことに驚きである。
もともと浜田が演じる予定だった「いきなりダイヤモンド」の新人ツッコミ役
『Vol. バナナ「親切」』(1998年)の「いきなりダイヤモンド」で出てくる新人のツッコミを担当する役はもともと浜田が担当するはずだった。しかし当時同じ時期に浜田がドラマをやっていたためどうしても時間が合わず、急遽今田が担当することになったとのこと。今田はのちのインタビューで「急に呼ばれたことはびっくりしたけど、なんかスターみたいな感じでうれしかった。もうどうしよう他に誰がおるか…そや今田しかない!ってなったんでしょ?なんかスターみたいな扱いで嬉しいじゃないですか」と地味に嬉しがっていた。
松本のお気に入りのコントは「寿司」
松本人志は以前、自分が作ったコントを見返す機会があった時、「『Vol. ぶどう「安心」』(1999年)の「寿司」はやっぱり何回見ても笑ってしまう」と発言していた。短いコントでもあるし、謎の女が寿司を叩き潰してそれに文句を言う客の目に割り箸を刺すと言った謎の行動するコントだがホラー要素もあり松本人志のビジュアルバムの中でもお気に入りのコントであった。
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目次 - Contents
- 『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の概要
- 『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』のあらすじ・ストーリー
- 『Vol. りんご「約束」』
- システムキッチン
- げんこつ
- 古賀
- 都…
- ミックス
- 『Vol. バナナ「親切」』
- ZURU ZURU
- マイクロフィルム
- む゙ん
- いきなりダイヤモンド
- ゲッタマン
- 『Vol. ぶどう「安心」』
- 診察室にて…
- 寿司
- 巨人殺人
- 荒城の月
- 園子
- 「完成」
- 『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の登場人物・キャラクター
- システムキッチン
- 家を探しにきた男(演:浜田雅功)
- 不動産屋の男(演:松本人志)
- げんこつ
- 常連の客(演:蔵野孝洋)
- 常連の客(演:木村裕一)
- オサム(演:今田耕司)
- 常連の客(演:東野幸治)
- 田中(演:田中直樹)
- 大将(演:松本人志)
- 古賀
- 松本(演:松本人志)
- 今田(演:今田耕司)
- 東野(演:東野幸治)
- 古賀(演:板尾創路)
- 都…
- ポン太(演:木村裕一)
- 鶴一(演:蔵野孝洋)
- 円馬(演:板尾創路)
- 菊助(演:松本人志)
- プロデューサー(演:今田耕司)
- 作家(演:田中直樹)
- 新人アナウンサー(演:遠藤章造)
- ミックス
- よっちゃん(演:遠藤章造)
- 嫁(演:松本人志)
- 旦那(演:浜田雅功)
- おばちゃん(演:板尾創路)
- おじちゃん(演:東野幸治)
- ZURU ZURU
- コジロウ(演:松本人志)
- 獣医(演:今田耕司)
- ミーコちゃん(演:木村祐一)
- マイクロフィルム
- ウーチンガイ(演:東野幸治)
- チョウビアオ(演:田中直樹)
- ヤンジャンユ(演:板尾創路)
- ロウターロン(演:松本人志)
- リンチされている男(演:遠藤章造)
- む゙ん
- 園児(演:木村祐一)
- 園児(演:今田耕司)
- 園児(演:東野幸治)
- 園児(演:蔵野孝洋)
- 先生(演:板尾創路)
- 謎の生物(演:松本人志)
- いきなりダイヤモンド
- 新人(演:今田耕司)
- 老人(演:松本人志)
- ゲッタマン
- ゲッタマン(演:東野幸治)
- 毒アゲハ人間(演:田中直樹)
- 石ノ森(演:松本人志)
- 監督(演:今田耕司)
- クライアント(演:板尾創路)
- 助監督(演:木村裕一)
- メイク(演:遠藤章造)
- 診察室にて…
- 医者(演:松本人志)
- 患者(演:浜田雅功)
- 寿司
- 大将(演:板尾創路)
- お客のサラリーマン(演:今田耕司)
- お客の女性(演:木村裕一)
- お客の年のいった男性(演:東野幸治)
- 謎の女(演:松本人志)
- 巨人殺人
- 関(演:松本人志)
- 稲葉(演:板尾創路)
- アキ(演:木村祐一)
- 太一(演:今田耕司)
- シン(演:東野幸治)
- 板東
- 荒城の月
- 旦那(演:浜田雅功)
- 嫁(演:松本人志)
- 園子
- 京丸(演:松本人志)
- 一京(演:板尾創路)
- 二京(演:今田耕司)
- 三京(演:東野幸治)
- 四京(演:遠藤章造)
- 牧野(演:木村祐一)
- 宇野(演:田中直樹)
- 『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の用語
- ビジュアルバム
- 漫才
- システムキッチン
- 『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 古賀が家から出てきた時
- 割り箸が目に突き刺さった女
- 太一「板東、丸見え」
- 『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 制作費は1億円
- もともと浜田が演じる予定だった「いきなりダイヤモンド」の新人ツッコミ役
- 松本のお気に入りのコントは「寿司」
- 『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM(ビジュアルバム)』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:滝廉太郎「荒城の月」