寸止め海峡(仮題)のネタバレ解説・考察まとめ
『寸止め海峡(仮題)』とは1994年に入場料1万円で行われたライブ。松本人志のほかに、今田耕司、東野幸治、板尾創路が出演している。「引っ張る男」「柳田という男」「ランジェリーヤクザの男」「大病の男」「恩返しされた男」「赤い車の男」と〇〇男シリーズで構成されている内容である。コントライブは滅多にやらない松本人志の渾身の作品である。
『寸止め海峡(仮題)』の概要
『寸止め海峡(仮題)』とは、1994年に入場料10,000円という破格の価格設定をしたコントライブである。出演者は、ダウンタウン・松本人志、今田耕司、東野幸治、板尾創路。企画・構成を松本人志が担当している。
松本人志はお笑いコンビ「ダウンタウン」のボケ担当である。相方はツッコミ・浜田雅功で、1982年に結成した。NSC大阪校の一期生として有名である。同期に、ハイヒール、トミーズがいる。1987年に帯番組『4時ですよーだ』で人気を獲得し、『夢で逢えたら』、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』、『ダウンタウンのごっつええ感じ』、『ダウンタウンDX』で全国的に人気を獲得した。
また、松本人志は、『遺書』でミリオンセラーを出し、『M-1グランプリ』、『キングオブコント』で審査員を務めることも多くなった。
1つ目のコント「引っ張る男」では、松本人志演じる男が、通行人を1人ピックアップして強引に引っ張って家の中に入れようとする非常に滑稽な内容ではあるが、強引に引っ張る松本とそれに対抗する通行人たちの動きと顔のシチュエーションがさまざまで楽しい設定である。このコントでは登場人物の全員が何も喋らず、動きだけで表現している。
2つ目のコント「柳田という男」では、東野幸治演じる高校生・柳田とその母親を演じる今田耕司と松本人志演じる担任の先生が三者面談をするという設定である。最初は柳田がたばこを吸っていたかもしれないという疑惑から始まるが、柳田はそれを否定する。母親も「うちの子はそんなことはしない」と否定する。しかし担任の先生の柳田に対する問い詰めは終わらず、次第に話の内容がむちゃくちゃになっていくという内容である。途中から体育教師を演じる板尾創路が出てくる。
3つ目のコント「ランジェリーヤクザの男」では、タクシー運転手を演じる今田が、ある車に接触事故を起こしてしまう。そこから出てきたのは事故で首を痛めた東野演じるヤクザと板尾演じるヤクザであった。しかしなぜかヤクザの2人は全身下着姿である。平謝りするタクシー運転手の今田に、ヤクザの板尾は「うちの兄貴のブラジャーのホックが今の事故で壊れた」と言い始めた。なんとか事を丸く収めようとお金で解決できたときにタクシーに乗っていたお客さん・松本がやってくる。その松本が「しょーもない事早く終わらせて早く目的地向かってや」の一言をきっかけにヤクザの2人をブチギレさせてしまうという内容である。
4つ目のコント「大病の男」では今田演じる病人が書いた日記を読んでいくという設定である。ベッドで横たわっている今田は特に普通の日常生活を送っているが、今田の頭の半分上が照明の関係で暗くてよく見えない。たまに今田が動くときにかすかに今田の体の倍近くの大きさの腫瘍が見える。謎の奇病を持った今田の入院生活という内容である。
5つ目のコント「恩返しされた男」では、自宅でひとりお酒を飲む男・板尾の前に、板尾に命を救われたという女3人(松本・今田・東野)がやってくるという設定である。女3人は板尾にどうやって恩返ししたらいいのかあくせくしながら歌を歌ったり、踊りを踊ったりして一生懸命に恩返しをしていくという内容である。
最後のコント「赤い車の男」では、制服を着たお金持ちの子供3人(板尾・今田・東野)の前に全身黒い格好した謎の男・松本が登場するという設定である。謎の男は子供3人に意味不明な話をひたすら続けていくというシュールな内容である。またシュールさを醸し出すためか、最初から最後までアフレコで撮った声で会話劇を始めている。
『寸止め海峡(仮題)』のあらすじ・ストーリー
「引っ張る男」
今田を強引に引っ張ってきた松本
松本演じる男が突然小さなコンビニ袋を持った通行人の男・今田を強引に家まで引っ張ってきた。松本の強引に引っ張る姿は滑稽で面白い。また、強引に引っ張られすぎて服等もどんどん伸びていく今田も面白い。何より2人とも必死に対抗し合うのに、終始何も言葉を発さないのが一番面白い。部屋の奥まで引っ張ってこれた松本は何やら机の引き出しからガムテープを取り出したときに、その一瞬の隙に今田に腕を振り切られ素早く家から逃げられてしまう。それをすぐに追いかける松本。
板尾を強引に引っ張ってきた松本
今度はスーツ姿の板尾を引っ張ってきた松本。強引に引っ張る最中、部屋から電話が鳴り響く。松本は電話を気にしながらも板尾を部屋の奥まで引っ張ってきたときに電話の受話器を持ってすぐに切る。そのときに大きな笑いが生まれる。ネクタイやスーツが酷くもつれながらも持っていた鞄で叩いたりして対抗する板尾はやがて体力がなくなった松本を押して部屋から出ていく。
予行練習をする松本
また逃げられてしまった松本は部屋に置いてあるカセットを動かし静かな音楽を流す。松本は何枚かのガムテープを引っ張って切り取り、事前に準備をしておくことにした。また、何枚かの切り取ったガムテープを床に貼り付け動ける距離の場ミリをつけていた。そして準備ができたと同時にすぐさま家を出て行った。
東野を引っ張ってきた松本
メガネをかけた東野を引っ張ってきた松本。用意していたガムテープで東野を縛っていこうとするが、東野も抵抗する。対抗し合う2人の決着はつかないまま暗転し、終わる。
「柳田という男」
三者面談をする担任と生徒と母親
教室の席に座っている柳田を演じる東野と柳田の母親を演じる今田。やがて教室に担任を演じる松本が入ってくる。机には灰皿とタバコが置かれている。担任は「柳田の処分はなるべく重くならないように対応する」と話す。柳田は「でも先生、なんかの間違いだと思うんです」と言う。担任は柳田がいかにいい生徒かと説明する。しかしその柳田は休憩中にトイレでタバコを14本吸っていたと説明する。それを聞いて母親はハンカチで涙を拭く。柳田はそれを聞いて「でも先生僕は吸っていない」と断言する。すると担任は「柳田が吸っていないと言うことは先生からしたら吸ってると言うことやからな」とトンチンカンな事を言い始める。怪訝な目で見る柳田。それからどんどん無茶苦茶な話をしていく担任。柳田はあわてながら「でも先生吸ってないんです」と言ったときに、担任は「実はタバコを吸っていたところを目撃した体育教師の高木先生が間も無くやってきます」と話す。
高木先生の見解
教室に入ってくる高木先生を演じる板尾。母親に挨拶をした後、柳田にメンチを切りながら「どつくぞ」と急に言う。それを聞いて驚く柳田。柳田が高木先生に「先生、本当にタバコを吸っているところ見たんですか?」を質問すると高木先生は「どつくぞ」の一点張り。担任は「高木先生はタバコを吸っているところを見たと言ってるわけや、でその高木先生を先生(私)は見とるわけや」とまた意味不明な話をして、柳田は怪訝な目で見る。それと同時に担任は母親をどんどん意味不明な話や関係のない話をして問い詰めていく。それに割って入って柳田は「でもタバコ吸ってないんです、先生」と問いかけると、担任は「今、タバコ吸っているか吸っていないかの話してないやろ!」と突然大声をあげる。それに驚く柳田。母親は「してへんやないのぉ」と言って泣き出す。意味不明な状況にいちいちリアクションをする柳田演じる東野の顔が面白い。また、意味不明な会話をする担任となぜか話の理解ができている母親とずっと拳を下ろさない高木先生の姿も面白い。
そして、担任が「お母さん、学校の方針としては、柳田を停学、そして徐々に退学の方に持っていきます」と話す。それに驚く柳田。柳田は「なんで退学なんですか?タバコ吸ってないんですよ」というと、担任は「それは僕もわからないです」と言い、また柳田は怪訝な目で見る。担任はお母さんに「柳田はたばこだけはないんです。校長室に殴り込みに行ったとか行かなかったりだとか、校長の頭らしきものを蹴ったとか蹴らなかったりとか、その噂を聞いたり聞かなかったりしとるわけです」と言ってまた意味不明な話をする。母親はまた涙を流す。柳田は頭を抱える。そして担任は次第に母親までを「ブサイクです。きったない乳首をしていて、ほんまこのボケ!」と言って攻めていく。流石にそれを静止する柳田。すると担任は「そんな話してへんやろ!」と言ってまた怒る。それからも担任の意味不明な問い詰めは続く。
やがて担任は柳田に「少し席を外してくれるか?」と言い、柳田は席を外す。
高木先生に殴られる母親
担任は高木先生に「どないしましょうか?」と聞くと高木先生は「どつきましょか」と答える。「仕方ないですね、でも柳田を帰してしまいましたからねぇ」と担任は次第に目線を目の前に座っている母親に向ける。高木先生が「お母さんをどつきましょ」と言うと、なぜか母親は素直に頷く。そしてすぐに高木先生は思いっきり母親を殴る。その音を聞いた柳田はすぐに教室に戻ってきて「お前ら何やってんねん!」と怒る。その後ろでどんどん殴る高木先生。口から血を吐く母親。すると突然、担任、高木先生、母親が声を高らかにして笑い始める。不思議な状況に理解できない柳田は「先生何をしたんですか!?」と問うと、担任は「別に」と答えて暗転する。最後のシーンで笑いながら殴られていて恐怖と笑いが混じった内容で終わる。
「ランジェリーヤクザの男」
タクシーがヤクザの車に接触事故を起こしてしまう
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目次 - Contents
- 『寸止め海峡(仮題)』の概要
- 『寸止め海峡(仮題)』のあらすじ・ストーリー
- 「引っ張る男」
- 今田を強引に引っ張ってきた松本
- 板尾を強引に引っ張ってきた松本
- 予行練習をする松本
- 東野を引っ張ってきた松本
- 「柳田という男」
- 三者面談をする担任と生徒と母親
- 高木先生の見解
- 高木先生に殴られる母親
- 「ランジェリーヤクザの男」
- タクシーがヤクザの車に接触事故を起こしてしまう
- タクシーの客とヤクザが揉め始める
- 「大病の男」
- ベッドで横になっている今田
- 出血している病人
- 「恩返しされた男」
- 男の前に恩返ししにきた女3人
- 「赤い車の男」
- 子供3人と謎の男
- 雨の中謎の男の意味不明な問いに答える子供3人
- 『寸止め海峡(仮題)』の登場人物・キャラクター
- 「引っ張る男」
- 引っ張る男(演:松本人志)
- 引っ張られるコンビニ袋を持った男(演:今田耕司)
- 引っ張られるスーツの男(演:板尾創路)
- 引っ張られたメガネの男(演:東野幸治)
- 「柳田という男」
- 柳田(演:東野幸治)
- 柳田の担任(演:松本人志)
- 高木先生(演:板尾創路)
- 柳田の母親(演:今田耕司)
- 「ランジェリーヤクザの男」
- ヤクザ(演:板尾創路)
- ヤクザ(演:東野幸治)
- タクシー運転手(演:今田耕司)
- タクシーの客(演:松本人志)
- 「大病の男」
- 大病の男(演:今田耕司)
- 「恩返しされた男」
- 恩返しされた男(演:板尾創路)
- 恩返しするきぬ(演:松本人志)
- 恩返しするラックス(演:今田耕司)
- 恩返しするエメロン(演:東野幸治)
- 「赤い車の男」
- 謎の男(演:松本人志)
- 子供(演:今田耕司)
- 子供(演:板尾創路)
- 子供(演:東野幸治)
- 『寸止め海峡(仮題)』の用語
- 『寸止め海峡(仮題)』
- 柳田
- ランジェリーヤクザ
- 『寸止め海峡(仮題)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 予行練習をする引っ張る男
- 担任「タバコを吸うたとか吸うてないとかの話を今してへんやろが!」
- 拳銃の球を避けるタクシーの客
- 『寸止め海峡(仮題)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 緊張する松本人志
- 森三中・黒沢の歓声
- 松本人志の有名な名言
- 『寸止め海峡(仮題)』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:GEISHA GIRLS『KICK&LOUD』