宮園かをり（四月は君の嘘）とは【徹底解説・考察まとめ】

宮園かをりの概要

宮園かをり（みやぞの かをり）とは、新川直司のピアノを題材にした漫画作品『四月は君の嘘』の登場人物である。5歳からヴァイオリンを始める。楽譜に忠実に弾くことよりも、自由に表現することに重きを置くヴァイオリニスト。その圧倒的な個性に、多くの聴衆は魅了される。常にポジティブで笑顔を絶やさない彼女だが、実は幼少期から重い病気を患っている。後悔の無い人生を送るために、叶えたい夢や好きな事に対して全力で取り組むようになる。叶えたい夢の一つに、本作品の主人公である有馬公生（ありま こうせい）と一緒に演奏することが含まれており、ピアノをやめた公生を無理やり音楽の世界に引き戻して実現させる。公生はかをりに振り回されながらも、彼女の明るさに少しずつ恋心を抱くようになる。

宮園かをりのプロフィール・人物像

愛称：かをちゃん
学校：市立墨谷（すみたに）中学校
学年：3年生
誕生日：7月4日
特技：ヴァイオリン
好きな食べ物：スイーツ全般（特にカヌレ）
CV：種田梨沙
実写版キャスト：広瀬すず

市立墨谷中学校に通う中学3年生。幼少期はピアノを習っていた。ピアノ教室の発表会で天才ピアニスト有馬公生（ありま こうせい）の演奏を聴き、いつか公生に伴奏を弾いて欲しいという気持ちが芽生えてヴァイオリニストに転向した。小さなころに病気を患い、中学1年生の時点で自分の命が長くないことに気づく。そこで、悔いのない人生を歩むために、自由に生きようと決意する。公生曰く、傍若無人で唯我独尊だが、好きな人に見せる笑顔は天使のように可愛い。

宮園かをりの来歴・活躍

幼少期

5歳の頃、通っていたピアノ教室の発表会で初めて公生のピアノを聴く。その素敵な演奏に心を打たれて、ヴァイオリニストとしていつか公生と共演したいという夢を持つ。

中学1年生

市立墨谷中学校に入学。当時はメガネをかけ、髪を2つに結った大人しい雰囲気の女の子だった。公生も同じ学校だと知って話しかけようとしたが、幼馴染の澤部椿（さわべ つばき）や渡亮太（わたり りょうた）との絆が深いことから、なかなか近づくことができなかった。幼少期に手術をして以来、定期的に通院していたが、中学1年生の時に倒れてしまう。入退院を繰り返していたため、学校にはほとんど通うことができなかった。悔いのない人生を送るために、メガネからコンタクトレンズに変え、ケーキをホールで食べ、譜面に捉われず自由に演奏するなど好きに生きること決意する。そして、長年の夢だった公生との演奏を叶えるために、「渡亮太が好き」と嘘をついて、公生と仲良くなる作戦を思いつく。

藤和音楽コンクール

一次予選

中学3年生の4月。かをりは同じクラスの椿に渡を紹介して欲しいとお願いすると、案の定公生も含めた4人で会うことが決まった。約束の土曜日。早めに集合場所に到着したかをりは、小さな子供たちとピアニカを演奏していた。ピアニカのメロディーに誘われた公生は音のする方へ歩き、その先にいたかをりの演奏姿に見惚れる。その後、椿と渡も合流し、4人はかをりが出場する「藤和（とうわ）音楽コンクール」に向かう。課題曲は、ベートーヴェンヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」。かをりの演奏はテンポも強弱も出鱈目で、ピアノの伴奏にも合わせないものだった。だが、その圧倒的な個性に、多くの聴衆は心を惹きつけられていた。本来、コンクールは楽譜への忠実性が評価されるため、審査員からは厳しい評価が与えられた。しかし結果として、かをりは聴衆推薦枠で二次予選に進むことになった。

二次予選

一次予選から数日後。かをりと公生は学校帰りにカフェへ行く。そのカフェにはピアノが置いてあり、公生が元天才ピアニストだと知っているかをりは、ピアノを弾くよう勧める。公生は「キラキラ星」を流暢に奏でるが、途中で演奏をやめてしまった。実は、公生は母親の死をきっかけに、自分のピアノの音が聴こえなくなっていた。公生をもう一度ピアノの世界に連れ戻すために、かをりは二次予選の伴奏者に公生を任命した。公生は断固として拒否し続けるが、かをりは椿と協力して、二次予選の課題曲であるサン＝サーンス「序奏とロンド・カプリチョーソ」を常に公生の耳と目に入るよう仕向ける。

二次予選当日。会場に向かわず学校で昼食を食べている公生を見つけると、かをりはもう一度伴奏をお願いする。だが、公生はピアノを弾くことが怖いと下を向く。かをりは「私がいるじゃん」と笑顔で声をかけ、涙を溢しながら最後に伴奏を弾いて欲しいとお願いする。本当は公生と同じように、かをりも演奏することが怖い。舞台での演奏とは、これまで自分が音楽と向き合ってきたものを全て曝け出すことに等しいからだ。それでも恐怖を受け入れてコンクールに出ようとするかをりを見て、ようやく公生は承諾する。

会場に着くと、公生は譜面を懸命にさらい始める。話しかけても一切反応しないので、かをりは公生に思い切り頭突きをし、「私を見て。顔を上げて私を見て。下ばかり向いているから五線譜の檻に閉じ込められちゃうんだ」と、焦る公生を落ち着かせる。そして2人の出番が回ってくる。弾き始めの調子は良かったが、曲が進むにつれて公生はいつものごとくピアノの音を失い、完璧だった伴奏が崩れ始めた。乱れた伴奏はかをりに迷惑をかけると判断し、公生は演奏を中断すると、かをりまでヴァイオリンの演奏を中止した。コンクールにおいて、中断された演奏は評価の対象外になるため会場がどよめく。しかし、かをりは「アゲイン」と笑顔で弾き直し始めた。公生もかをりに続いて弾き直すが、暫くは乱れたままだった。けれども、音が聴こえない代わりに音をイメージしながら弾くことによって、自身の演奏を取り戻していく。個性をぶつけ合った2人のメロディーに会場は魅了され、演奏終了後は大歓声に包まれた。かをりは涙を浮かべながら伴奏を引き受けてくれたことの感謝を伝える。だが、舞台袖へ戻った瞬間、かをりはその場に倒れてしまった。

毎報音楽コンクール

練習

二次予選後、かをりは検査のため入院することになった。お見舞いにきた公生たちには、病気のことを隠していた。無事に退院できたかをりは、退院祝いとして公生に「毎報（まいほう）音楽コンクール」に出るようお願いする。全国規模のコンクールで、名だたる演奏家を何人も輩出した実績があり、優勝者は海外進出のチャンスを掴める。ちなみに公生は小学生の部で優勝した経験がある。毎報コンに向けて、かをりと公生は特訓を始めた。コンクールは、単に楽譜の指示通り弾けば良いものではない。その曲を自分なりに解釈し、そのイメージを音で表現することで深みのある演奏になる。公生は曲のイメージ作りに苦戦しており、毎日夜遅くまで練習を続けていた。コンクール直前になっても、イメージ形成に難航している公生に、かをりは「君の人生でありったけの君で真摯に弾けばいいんだよ」とアドバイスする。

一次予選

毎報音楽コンクール一次予選。当日の朝、かをりは公生のエントリーナンバー「265」がモーツァルトの「きらきら星変奏曲」のケッヘル番号と同じことに気づき、「星は君の頭上に輝くよ」と笑顔でエールを送る。

公生の出番がやって来る。出だしは正確無比だったが、やはり音が聴こえなくなる現象に陥る。心が折れ、途中で演奏をやめようとした時に、「星は君の頭上に輝くよ」というかをりの言葉が頭上に響く。公生は諦めたのではなく、気持ちを切り替えるという意味で演奏を中断し、もう一度弾き直した。仕切り直してもなお演奏は乱れていたが、かをりのために弾こうと決意すると、奏でる音が色づき始め、会場が公生のかをりに対する優しいイメージに包まれる。公生の一途な思いを込めた音を受け取ったかをりは、大粒の涙を流す。結果は予選落ちだったが、公生はすっきりした顔で会場を後にする。

ガラコンサート

練習