可不/KAFU(VOCALOID)の徹底解説まとめ

可不(カフ、KAFU)とは、クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」が企画を行い、名古屋の複数の企業からなる会社「CeVIO」が自社の音声合成ソフト『CeVIO AI』を用いて制作した音声合成ソフト・デスクトップミュージック(DTM)用のボーカル音源の1種およびキャラクターである。正式名称は「音楽的同位体 可不(KAFU)」。KAMITSUBAKI STUDIO所属の人気バーチャルYouTuber「花譜」の声をもとに制作された事で話題となった。

可不(KAFU)自身を題材にしたものや、可不(KAFU)の楽曲を聴いてイメージしたイラストを応募テーマに行われたイラストコンテスト。『発売記念RTキャンペーン』のRT数が3000を達した事を記念し、開催されたコンテストでもある。開催期間は2021年7月22日〜2021年8月5日。
可不(KAFU)自身や可不(KAFU)の楽曲に関わるものであれば、その他のテーマは自由となっており、制作したものはハッシュタグ「#KAFU_イラスト」をつけてTwitterにて投稿する事で、コンテストに参加することが出来た。なお、受賞者には可不(KAFU)の公式Twitterアカウント『音楽的同位体「可不(KAFU)」』からDMで結果が送られてくる為、参加の際は公式Twitterのフォローが必須条件ともなっている。
大賞、入賞、PALOW.賞の3種類の賞が存在しており、大賞と入賞を獲得した者には賞金が、PALOW.賞を獲得した者には花譜のサイン入りアルバムのプレゼントが行われた。また賞に選ばれた作品は、公式グッズ化するという特典もついてきた。

可不(KAFU)のプロフィール・人物像

性別:女
年齢:不明
身長:不明
体重:不明
発売日:2021年7月7日
ボイス:花譜

名古屋の複数の企業からなる会社「CeVIO」が自社の音声合成ソフト『CeVIO AI』を用いて制作した音声合成ソフト。企画元はクリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」。ボイスのもととなっているのは、バーチャルYouTuberの花譜である。

キャラクターデザインを担当したのは、バーチャルYouTuberである花譜のデザインも手掛けたイラストレーター兼キャラクターデザイナーのPALOW。音声提供者である花譜と瓜二つの姿をしており、ピンクと青色系が基調となっている花譜とは異なり白を基調とした少女になっている。フードのついた上着や黒の膝丈ワンピース風の衣装なども、花譜を模して制作されたものだと思われる。しかしベースとなっている花譜よりも、全体的にSFチックで近未来チックな雰囲気のあるデザインが取られており、少女というよりは人型の機械のような冷たさも感じる見た目となっている。なお、瞳のピンクと青は花譜のモチーフカラーである。

身長・体重・年齢・生年月日などの細かいプロフィールは存在しない。この理由について公式からの発言は存在しない。だが、初音ミク等の他のボカロ達も細かいプロフィールがない為、その風潮に合わせての制作かと推測される。なお初音ミク等のボカロ達のプロフィールが存在しない事に関しては、キャラクターを色付けしすぎないことを考慮されている事から、このような設定になったといわれている。ボカロはあくまでもDTMソフトの1種である為、楽曲を作るプロデューサー(ボカロP)の作風に合わせて歌い方にも差が出たりする。それを考慮した上での設定だと考えられる。
また可不(KAFU)の場合、声と姿のもととなっている花譜が「日本の何処かに棲む、何処にでもいる、何処にもいない17才。」という情報以外詳細が不明な謎のバーチャルアーティストな為、花譜を意識しての設定である可能性も推測できる。

可不(KAFU)のディスコグラフィー

KAF+YOU KAFU COMPILATION ALBUM

1. 朝日 feat.花譜(カンザキイオリ)
2. めめしぃ(すりぃ)
3. ホログラム(一二三)
4. 不埒な喝采(ポリスピカデリー)
5. ジェラシス(Chinozo)
6. レトロポリス(R Sound Design)
7. ナイトルール(煮ル果実)
8. アイスクリーム(Guiano)
9. 花となれ(雄之助)
10. キュートなカノジョ(syudou)

『音楽的同位体 可不(KAFU) スターターパッケージ』に同梱された可不(KAFU)の公式コンピレーションアルバム。発売日は、2021年7月7日である。
可不(KAFU)の声のベースとなったアーティスト花譜に楽曲提供を行っているボカロP兼作曲家のカンザキイオリによる「feat.花譜」の楽曲を筆頭に、すりぃや一二三、Chinozoなど、2010年代後半からその頭角をボカロ界に現し始めたボカロP達が多く参加している。収録曲数は全10曲。全て可不(KAFU)の為に描き下ろされた楽曲である。

可不(KAFU)の代表曲

キュートなカノジョ

ボカロP syudouによる可不(KAFU)歌唱楽曲。公開日は2021年2月20日である。
可不(KAFU)のデモソングとして制作された楽曲。制作者であるsyudouは、2020年にアーティスト・Adoの楽曲として人気を博した「うっせぇわ」の制作を行ったボカロPである。ダークでやさぐれた、感情を吐き捨てるような歌詞が特徴的な楽曲を多く制作しており、本作は「キュート」な見た目の奥に隠された恋人の狂気的な心情について歌ったものとなっている。より人間らしい声として制作された筈の可不(KAFU)の声が、機械的な無感情な声に仕上げられている調整技術の見事さに感嘆させられるものがある。そんな機械的で淡々とした歌声で歌われる、狂気で満ち満ちた歌詞のギャップに頭が侵される1曲である。どこか物語音楽風にも感じられる歌詞展開には、多くの視聴者からその歌詞に隠された物語背景に関する考察も行なわれている。
なお、本楽曲を公開するまではsyudouは初音ミクのみを使っての楽曲公開を行っていた。その為、本作が初音ミクではなく、可不(KAFU)の楽曲であると公開された時は多くのファンから「(可不(KAFU)へ)浮気か!?」といったコメントが寄せられた。

社会距離

ボカロP 40mPによる可不(KAFU)歌唱楽曲。公開日は2021年5月5日である。
可不のデモソングとして制作された楽曲。曲名の「社会距離」とは、「社会的距離」という社会学において用いられている専門用語に関連するものだと推測される。自分とそれ以外の社会の人々との距離の取り方、人付き合いの仕方、といった人間関係をテーマに歌った楽曲となっている。日常的に誰もが感じる身近な感覚の歌詞が綴られており、多くの視聴者がその内容に共感。可不(KAFU)自身が、17歳という「学生」である花譜に寄せて作られたソフトおよびキャラクターである為、その点がまた本楽曲の持つ「リアルさ」を増幅させてもいる模様。リアルさと共感性の2つに心打たれる1曲である。

ノスタルジック・ブルー

ボカロP Aqu3raによる可不(KAFU)歌唱楽曲。公開日は2021年5月29日である。
可不(KAFU)=花譜の声、というイメージが強い為か、多くのボカロPが花譜の楽曲に近しい仄暗い雰囲気・題材を持った楽曲を公開していく中、本楽曲は珍しい爽やかな印象を受ける電子音楽+バンドサウンドな楽曲となっている。この爽やかさはAqu3ra自身の作風であり、Aqu3raファンの間にとってはお馴染みのものである。だが爽やかなイメージのない可不(KAFU)は果たしてAqu3raの作風とマッチする事ができるのかと、楽曲公開当初は不安の声があげられていた。しかし実際に視聴してみると、可不(KAFU)の可愛らしい声が綺麗に響き渡る爽やかな1曲に仕上がっており、その作風に多くのファンが脱帽させられる事となった。

可不(KAFU)のミュージックビデオ(MV/PV)

フォニイ

ボカロP ツミキによる可不(KAFU)歌唱楽曲。公開日は2021年6月5日である。
可不(KAFU)のデモソングとして制作された楽曲。ハイセンスな楽曲を制作する事に定評があるツミキの作風が活きた楽曲となっており、疾走感溢れる楽曲にあわせて歌われる可不(KAFU)のパワフルな歌声に胸掴まれる1曲となっている。また歌い出しや楽曲の最中に、息を吸ったり吐いたりといった息継ぎのボイスがわざと取り入れられており、それがまた可不(KAFU)の歌声をさらに人間らしいものに聞こえさせる要素となっている。多くの視聴者から「機械が歌ってるなんて信じられない」といったコメントも寄せられている。
またMVに登場する少女の意味深なポーズや、ピクトグラム、傘や花、マネキン等のアイテムも楽曲の世界観を深めているキーとして注目が集まっている。曲名の「フォニイ」は「偽物」という意味を持つ単語であり、楽曲自体も「この世で造花より綺麗な花は無いわ 何故ならば総ては嘘で出来ている」と「偽物」という単語を連想させる歌詞から始まっている。「偽物」を題材にしていると思われる歌詞とMVの内容に、視聴者からは楽曲に込められた「偽物」の意味について様々な考察が行なわれている。

私のドッペルゲンガー

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