銃夢(木城ゆきと)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『銃夢(がんむ)』とは木城ゆきと原作のSFサイボーグ格闘漫画。集英社の雑誌「ビジネスジャンプ」で1991年3号から連載された。その独特な世界観が人気となり、OVA化、そして続編や前日譚も描かれた。作品の人気は衰えず、ゲームや小説化もされ、2019年にはハリウッドで実写映画化された。全身サイボーグの少女ガリィが、「機甲術(パンツァークンスト)」と呼ばれる格闘術を駆使して、様々な敵と戦う姿が描かれている。

ドラグノフ

モーターボールチーム「スパンダウ」のエース。本編でエスドッグが使用していた神経加速薬「アクセル」の投与により成績を上げていく。

『銃夢』の用語

クズ鉄町(くずてつまち)

空中都市ザレムから廃棄される物資によってできた、クズ山の周辺にできた町。ザレムからのゴミを再生・利用して、独特の工業地帯を形成している。またサイボーグ改造手術が、一般化していてさまざまなサイボーグが存在する。国籍のわからない雑多なゴミゴミした街並みである。

ザレム

巨大なパイプラインでクズ鉄町の上空につなぎ留められた空中都市。実は軌道エレベーターでその先端の高度は衛星軌道にまで達している。
衛星軌道上にある都市は「イエール」と呼ばれている。
クズ鉄町とその周辺からあらゆる物資・製品を吸い上げて、その余剰物資をクズ鉄町に廃棄している。
そこに居住するザレム人は成人する時に「イニシエーション」という儀式を受ける。実はその儀式では、市民の行動をデータ化して管理するために脳をバイオチップに置き換えられている。その事実が明るみにならないよう、真実は隠蔽されている。
また自殺も権利のひとつとして認められていて、公衆自殺施設「最終喜械(エンド・ジョイ)」が設置されている。

サイボーグ

サイボーグとは脳以外の身体の一部またはすべてを機械化したもののこと。本作には多種多様なサイボーグが登場する。また装飾を施した高級サイボーグやモーターボール・戦闘に特化したサイボーグなど目的別にパーツや手術に違いがある。しかしクズ鉄町では、ある部品で間に合わせたり代用したりする。非常に雑に工学部品を生物組織に結合しているが、実はナノマシン技術が浸透していてナノマシン接着剤などがそれを可能にしている。そのことが巻末の解説などに記載されている。

サイバネ医師

サイバネティクス医師の略。サイバネティクス技術を利用してサイボーグ化手術や義手・義肢・義体のメンテナンスなどを生業としている。ナノマシン技術もある程度習得していて生体と工学部品が拒否反応を起こさないように結合させることができる。

ハンターウォーリア

賞金稼ぎ。クズ鉄町には警察が存在しないため、ファクトリーに登録して賞金制で治安維持を行っている。ファクトリー法違反の犯罪者の取り締まりや刑の執行を行う。またハンターは賞金を自らのサイボーグパーツに使うことで戦闘力を向上することができる。登録は脳のグリア細胞にバーコード方法を刻印して行う。

ファクトリー

ザレムで消費されるあらゆる物資の調達・生産を行う施設。人間を部品としたデッキマンというサイボーグのようなものを使い、完全自動設備化されている。ザレムのために地上から富を吸い上げ、そのゴミをクズ鉄町に流通させる。これを円滑に行うための法がファクトリー法である。地上からザレムに近づくことは禁止事項であり、飛行機械の作成・保持・使用は即死刑である。非常に厳格な法で鳥類ですら処分の対象となる。

機甲術(パンツァークンスト)

火星古武術で近接戦闘に特化したサイボーグ戦闘術。身体の小さい者が大きな者にいかにして勝利するかを突き詰めたもので、「奥義」(ゲハイオニムス)が存在する。構えのポーズや基本的な戦闘理論などから、ブルース・リーが創始したジークンドーをモチーフにしている。技の名称などは漢字表記にドイツ語となっている。

チップ

クズ鉄町で流通する貨幣。集積回路チップであるが作中では現金のように扱われる。ハンターに対する賞金もチップで支払われる。

バーサーカーボディ

かつての大戦で使用され、死ぬまで殺戮と破壊をまき散らしたといわれる戦闘用ボディ。イドがクズ鉄町郊外を探索した折に墜落して朽ちた宇宙船内で発見。マカクとの戦闘でボディを破損させてしまったガリィに与えられた。強力な磁気を発生する機能とその制御を行うことができる。そのため指先にプラズマを発生させることもできる。
全体がナノマシンで構成されているが、ディスティ・ノヴァ博士にバーサーカーボディを与えられたザパンは、この機体制御プロテクトを解除してしまい暴走。クズ鉄町に大災害をもたらしてしまう。

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@manayume12

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