観た後に不思議な余韻を残す映画まとめ!『鑑定士と顔のない依頼人』など

ここでは観た後に不思議な余韻を残したり、何かモヤモヤするものが残る映画をまとめた。美術品の鑑定士と決して姿を現さない依頼人の交流を描く『鑑定士と顔のない依頼人』、自伝を出版してスターとなった殺人犯と彼を憎み続ける遺族の攻防を描いた『殺人の告白』などを紹介している。

▼『イル・ポスティーノ』

”不思議な運命による美しいストーリーは、悲しいが清々しい余韻が残る!”

マイケル・ラドフォード監督、マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ主演による1996年の作品。南イタリアの小さな小島を舞台に、貧しく学はないが純粋な地元の青年と、亡命のため島に滞在する事になったチリの外交官で偉大なる詩人である男という、身分の全く異なるふたりに芽生えた奇妙な友情と、その出会いにより起こった奇跡を、イタリアの壮大な自然風景と共に描く。美しい風景、美しい言葉、美しい友情に彩られた抒情的でユーモラスで切なくて悲しい感動のストーリー。

出典: ooomisa.exblog.jp

チリを追放されてイタリアに亡命し、この島に滞在することになった詩人は、実在したチリの偉大な詩人パブロ・ネルーダがモデルになっている。彼に届く山ほどのファンレターを配達するために配達人として雇われた青年マリオ。詩を通じて、ふたりの間には友情が芽生えていくのだった...。

マリオを演じたのは、イタリアでテレビや演劇、喜劇映画などで活躍したマッシモ・トロイージ。今作の脚本も手がけ、彼にとって意欲作だった。心臓病を患っていた彼は、危険な体の状態であったが、撮影を優先した。そして、撮影終了から12時間後に41歳の若さで亡くなった。彼の情熱と魂の全てが込められた作品と言っても過言ではない。

『イル・ポスティーノ』予告編

マッシモ・トロイージさん演じる静かで不器用な男、マリオとネルーダさんの貫禄があって包容力のある雰囲気も素晴らしいです。疲れたなぁ、と思うときに見るとちょっぴり元気になれるそんな映画です。

出典: michischili.hatenablog.com

感動のシーンで涙が出るのは普通だけれどもエンドロールになるころからじわじわじわっと涙が出てきて、映画が終わってから号泣となっていた。

出典: sinobell.blog89.fc2.com

静かなトーンですが、情熱的な目に惹かれていくマリオが愛おしいくらいです。ラストもせつな過ぎますなあ。でもいい余韻に何日も浸っております、映画はいいですね!いや、かなりよかったです。

出典: www.jtnews.jp

▼『マグノリア』

出典: www.allcinema.net

”あのラストは意味が分からないという向きもあるが、見事な余韻を残す!”

鬼才ポール・トーマス・アンダーソン監督・脚本、ジェレミー・ブラックマン、トム・クルーズ、ジョン・C・ライリーなどが出演した1999年の作品。ロサンゼルスのマグノリア・ストリート周辺に住む全く関わりのない男女12人の物語を、それぞれに淡々としたタッチで描いた群像劇。全く関わる事の無かったそれぞれの人間模様が、ある信じられない不条理とも言える出来事と共に結束していく様は、この上ない感動と深い余韻を残すのだ!

トム・クルーズ、ジュリアン・ムーア、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H・メイシー、ジョン・C・ライリー...といった豪華俳優陣による12人もの群像劇。中でも、新興宗教の教祖まがいのSEX伝道師を演じたトム・クルーズの演技は特筆もの。伝道師のキレ気味の演技もイイが、父親との確執による微妙な心の葛藤を見事に表現した。

今作を監督した鬼才ポール・トーマス・アンダーソン。『ブギーナイツ』『パンチドランク・ラブ』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』といった作品で知られる。あまりにも深い人間描写と数々の示唆を込めた作品で、娯楽作監督とは明らかに異なる志向を持つ。最新作『ザ・マスター』も、そのテーマとはあまりにも事なった深淵な意味を持った映像芸術であった!

ja.wikipedia.org

出典: atmatome.jp

元ティル・チューズデイのヴォーカリストで、その後はソロ・シンガーとなったエイミー・マン。今作は、彼女の曲からインスパイアされたものだと監督自身が公言している。名曲「Wise Up」やニルソンのカヴァー「One」などが本編で使用され、中でも印象的なラストで流れる「Save Me」には感動の嵐!

『マグノリア』予告編

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@jyuka1225r2

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