観た後に不思議な余韻を残す映画まとめ!『鑑定士と顔のない依頼人』など

ここでは観た後に不思議な余韻を残したり、何かモヤモヤするものが残る映画をまとめた。美術品の鑑定士と決して姿を現さない依頼人の交流を描く『鑑定士と顔のない依頼人』、自伝を出版してスターとなった殺人犯と彼を憎み続ける遺族の攻防を描いた『殺人の告白』などを紹介している。

旧ユーゴスラビアのサラエヴォ出身のエミール・クストリッツァ。映画監督であり、音楽家、俳優としても活動している。『パパは、出張中!』と今作『アンダーグラウンド』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞。痛烈な社会的メッセージを盛り込んだ本作で激しく賛否両論が巻き起こった。その後は一見すると陽気なコメディ作品だが、色々な社会的メタファーを含む作品を発表する、異才の映像作家である。

映画『アンダーグラウンド』予告編

圧巻のエンディングである!命の大切さや戦争という行為の愚かさを百の言葉で説くよりも、「生きたい!」という肉体の叫びをストレートにぶつけてくる本作品こそ極上の反戦映画である。

出典: www.capedaisee.com

、この映画にはマトモな人間が1人ぐらいは登場したのか?なんて考えたりするのも楽しいアンダーグラウンドは、かつて存在した国について興味が湧いてくる映画です

出典: blog.goo.ne.jp

奇想天外な展開に当惑しながらも、金管楽器の土着的な音のノリにだんだんのせられて、心躍らせ、笑い、そして涙が止まらない!
唯一無二の映画体験でした♪

出典: arekamie.exblog.jp

▼『過去のない男』

出典: voidhair.exblog.jp

”ペーソスに満ちた淡々としたお話であるが、不思議で心地良い余韻が残る!”

アキ・カウリスマキ監督・脚本・製作、マルク・ペルトラ、カティ・オウティネン主演による2003年の作品。暴漢に襲われて負傷を負い、ヘルシンキに流れ着いた謎の男。彼は、全ての記憶を失っていた。全てを失って絶望していた男だったが、救世軍の女性イルマと運命的に出会い、互いに惹かれていく。彼女と会ったおかげで、どんどん行動的になる男だったが、その行動がきっかけで、彼の過去が明らかになっていく。そして、彼は人生の選択をしなければならなかった...。

今作でヒロインのイルマを演じたのはカティ・オウティネン。『浮き雲』『白い花びら』『過去のない男』『街のあかり』『ル・アーヴルの靴みがき』など、カウリスマキ作品の殆どに顔を出す常連女優。淡々とした中に味のある個性的なキャラを演じ、カウリスマキ作品には欠かせないどころか、作品のイメージを決定づける程の存在感を放つ人。今作でカンヌ国際映画祭女優賞を獲得している。

出典: eiga.com

フィンランドの映画作家アキ・カウリスマキ。『レニングラード・カウボーイズ』の諸作が有名ではあるが、その後の人情ドラマ作品こそが彼の独自の作風を味わえる真髄と言える。登場人物達を一旦はドツボに落とすが、さりげなく救い出す様は、彼が描き続ける弱者や貧困者や労働者への慈愛に溢れている。淡々とした独自のタッチも大きな魅力。今作は『浮き雲』『街のあかり』と共に敗者三部作と言われる中の一作。2002年のカンヌ国際映画祭グランプリを受賞している!

『過去のない男』予告編

何の変哲もないごく平凡な生活の中でも、ポジティブに生きることで幸せになれることを伝えています。しかし、決して強く訴えるようにではなく、さりげなく伝えている、やさしく語りかけているような作品でした。

出典: hidemovieblog.blog89.fc2.com

それでも、“生きてればなんとかなるさ”とでも言いたげなカウリスマキの前向きな人生論を見れたようで、ラストはなんとも幸福な感じさえする。

出典: members.jcom.home.ne.jp

ほのかに温かい印象を残してラスト・クレジットが流れる。私がこんな風に記憶をなくしたら、彼のように堂々と地に足をつけて暮らしていけるだろうか?

出典: plaza.rakuten.co.jp

jyuka1225r2
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@jyuka1225r2

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