それでも世界は美しい(それセカ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『それでも世界は美しい』は、椎名橙が花とゆめコミックスで連載していた少女漫画およびそれを原作としたアニメ作品。ファンタジーで晴れや氷、雨や砂など自然からとられた国名が出てくる。雨の公国の末娘ニケと晴れの大国を統治するリヴィウスとの歳の差ラブストーリー。リヴィウスの好奇心から物語が始まるがニケの優しい性格が荒んでいたリヴィウスや他の人々の心も溶かしていくことになる。リヴィウスはニケに心を惹かれていくが自分の過去を受け入れてくれるのか不安に思う。またニケ自身の能力の秘密についても明らかにされる。

アルターリアは幼少期に助けられた悪霊に再び出会うため北の最奥に向かうが、アルターリアが接していたものは悪霊の分身で、北の最奥にいた本体はアルターリアのことを全く覚えていなかった。それを知らされて、絶望するアルターリア。悪霊とまた会おう、という約束があったから今まで辛いことがあっても乗り越えていけたが、その約束も果たされることはなかった。アルターリアは、自分が生まれてきてはいけなかったという事は知っている、とリヴィウスに語る。
ニケはそれを否定するが、アルターリアはそんな綺麗事を言うなら証明してくれ、と言い「力を貸してくれ。そのかわり必ず証明する。お前がいてもいい世界だって、何度でも。約束だ。」とアルターリアと約束し悪霊を封印することに成功する。
このニケの言葉から、約束を破られた直後にも関わらずアルターリアと新たな約束を交わしたことから、アルターリアがこの世にいていい存在だとニケ自身が確信していたことがわかる。

リヴィウス「俺はお前が憎い。でも俺の中の絶望を行使しない。あいつとの時間を無意味にしない。お前を許せない自分を手放すことでニケと出会えた意味に替える。そうやって俺はお前を超える。」

リヴィウスがアルターリアの真意を聞こうと思い、アルターリアの部屋へ向かう。アルターリアは、命を絶とうとしてみたがニケが見せてくれる雨や虹が自分を見ているような気がして、なかなか出来なかった。以前のアルターリアなら何も感じはしなかったが、生きることで苦しんでいるアルターリアを見て、リヴィウスはニケのしたことが無駄ではなかったと感じる。
また、アルターリアの今の状態はニケに会わなかった場合の自分だと考え、リヴィウスは「俺はお前が憎い。でも俺の中の絶望を行使しない。あいつとの時間を無意味にしない。お前を許せない自分を手放すことでニケと出会えた意味に替える。そうやって俺はお前を超える。」と言い、アルターリアの件を終えたのだった。

また、アルターリアは以前より雨の感触や以前の悪霊との思い出を鮮明に思い出す。幼い頃、リヴィウスとどこかに逃げたいと思っていたが、ここがそのどこかなのかもしれないと考え、生きていく事を決心するのだった。
このリヴィウスがアルターリアに言った言葉から、ニケといた時間を無駄にしたくない、という想いと同時にリヴィウスが今のアルターリアと同じように生きることに悲しむのではなく、ニケが教えてくれた生きる喜びを味わいたい、と思っていたことがわかる。

『それでも世界は美しい』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者椎名橙さんにインタビュー

初めは、ファンタジーものには詳しくなく「それセカ」を書くのには勇気がいった。
それでも世界は美しい、ではなく最初は「政略結婚物語」という題にしようと思ったが固いのでやめた。
キャラを描くにあたって、意識した点はリヴィウスがニケに母を求めない事。年下だが、ニケを引っ張っていくというギャップも意識した。しかし、1番動かしにくかったキャラは、砂の皇国太子様で無口で何を考えているのか自分でも分からなかった。
また、漫画を描く際「雨の降らない世界」に理由をつけたかった。ファンタジーだから、と雨が降らないことに理由をつけなくても良かったが、昔子供の頃に読んだファンタジーやSFには魔法を理屈付けようとする先人の考え方があり、それに倣った。

と、インタビューに答えている。

『それセカ』 リヴィウス役(島崎信長)とニケ役(前田玲奈)へのインタビュー

ニケ役とリヴィウス役、島崎信長と前田玲奈の『それセカ』についてのインタビュー。
島崎は、「毎回「生きる」ということをテーマにしていて、今までリヴィウスは人が生きてくれている事を尊いと思っていなかったが、ニケに『生きてくれていてありがとう』とアニメ内でいうところは自分を肯定してもらえたように感じました。」と言っている。
前田は、「アニメ内でのアメフラシの歌を最後まで歌いたい」という想いを公にしている。
また、「それでも生きよう」と前向きにさせてくれるような話だとも2人で声を合わせて言っている。

本編その後が描かれた書き下ろし漫画

椎名橙は、本編だけではニケとリヴィウスのことしか描けず、ほかのキャラクターがその後どのような人生を歩んだのか記載できなかったので、31ページに渡るキャラクター達のその後が描かれている。

また、シーラについての新しい思い出話もバルドからされ、またシーラへのイメージが一新するような作品になっている。

『それでも世界は美しい』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):小池ジョアンナ「BEAUTIFUL WORLD」

作詞 - 小池ジョアンナ、SpiralS / 作曲 - hirao(SpiralS)

ED(エンディング):前田玲奈「PROMISE」

作詞 - YUKAKO / 作曲・編曲 - 瀬川浩平 / 歌 - 前田玲奈

挿入歌:ニケ・ルメルシエ(前田玲奈)「アメフラシの歌〜Beautiful Rain〜」(第2話 - 第11話)

作詞 - 渡辺なつみ / 作曲・編曲 - 坂本裕介 / 歌 - ニケ・ルメルシエ(前田玲奈)

挿入歌:ニケ・ルメルシエ(前田玲奈) 「アメフラシの歌〜Beautiful Rain〜(orchestra version)」(第6話、第12話)

アメフラシの歌〜Beautiful Rain〜【Orchestra ver】

挿入歌:トハラ・ルメルシエ(横山智佐)「雨おくりの歌」(第12話)

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