それでも世界は美しい(それセカ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『それでも世界は美しい』は、椎名橙が花とゆめコミックスで連載していた少女漫画およびそれを原作としたアニメ作品。ファンタジーで晴れや氷、雨や砂など自然からとられた国名が出てくる。雨の公国の末娘ニケと晴れの大国を統治するリヴィウスとの歳の差ラブストーリー。リヴィウスの好奇心から物語が始まるがニケの優しい性格が荒んでいたリヴィウスや他の人々の心も溶かしていくことになる。リヴィウスはニケに心を惹かれていくが自分の過去を受け入れてくれるのか不安に思う。またニケ自身の能力の秘密についても明らかにされる。

1000年前大陸の全てを支配した闇の帝王、最後の闇帝シドンが支配していた。

アメフラシ

雨の公国の王族しか使えない能力アメフラシ。4姉妹の公女でそれぞれ得意分野があるのだが、ニケはオールラウンダーでありどんな能力も扱える。

遺跡

古代人は、今の人類より遥かに優れた技術を持っており、それは魔法と大差がないほどの技術だった。さらに古代人は人体改造によって気象や潮流を声や歌で操作することができ、古代文明はこの技術と魔法のような力で成り立っていた。

遺跡にある碑には災厄となったシドンが封印されている。また遺跡の力を使えば気象を操ったり、その気になれば世界を滅ぼしたりすることもできる。

『それでも世界は美しい』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

リヴィウス「私の帰りを待っている者がいる。私にその者の命がかかってる。だったら、私も命を賭して試練に打ち勝たねばいけない。」

ウルスラがリヴィウスに向けた毒によって倒れたニケのために、リヴィウスは惑いの森に住むという大魔女カッサンドラに会いに1人で向かう。途中の宿で、自分の身がバレないよう女装をして人々から様々な情報を得る。
惑いの森には瘴気があることや、勢力を伸ばしている赤い嵐という盗賊についても聞く。しかし、リヴィウスはカッサンドラに会う事を諦めず、「私の帰りを待っている者がいる。私にその者の命がかかってる。だったら、私も命を賭して試練に打ち勝たねばならない」と言い、「赤い嵐」の頭に会いに行くことにする。
リヴィウスは、初めはニケが能力者だったため興味を抱いていたに過ぎなかったが、この言葉からリヴィウスがニケ自身に惹かれていることがわかる。

ガルタ「ニケ様、どうか心の我が剣をお受け取りください。本日これよりガルタ・バイロイト、アメフラシの姫ニケ姫の騎士としていかなる時もお傍に仕えお守り申しあげます。あなたに救って頂いた命あなたのために使わせて下さい。」

ガルタとニケは、空の大公国に連れ去られる途中の洞窟内でなんとか逃げようとするが、後ろから追っ手が迫っていることに気づき、ニケに先に行くように言う。しかし、ガルタが本来なら立っていることもままならないほど殴られていた事を知っているニケは、見捨てることなどできなかった。

ニケのおかげで命が助かったガルタは、「ニケ様、どうか心の我が剣をお受け取りください。本日これよりガルタ・バイロイト、アメフラシの姫、ニケ姫の騎士としていかなる時もお傍に仕えお守り申し上げます。あなたに救って頂いた命あなたのために使わせてください。」と言いニケへのこれからの忠誠を約束する。
この言葉からガルタは、仕事としてニケのそばにいたが命を救われたことで、守るという義務感ではなくニケを守りたい、という心からの思いが現れ始めたことがわかる。

ニケ「立場を考えろって言われても立場じゃ何も見えてこなかった。だから私は自分の感じた事に従う事にしたんだ。お前達は私を無理矢理ここに連れてきた。それはやっぱり嫌な事だ。なかった事にはできない。塩田は確かに脅威だ。それに私がこうして手を貸している事はリビに対する背信なのかもしれない。お前達のやっている事はいずれ世を乱す。正しい事とは思えない。でも間違ってるとも言い切りたくない。」

ネフェロの国政事情や過去を聞いたニケ。
塩田が崩れ、マキシーン達が遭難した時ニケは霧を払いながらマキシーンたちの捜索を手伝い、見つけることができた。
ニケは連れ去られたのになぜこんなに助力してくれるのか、ネフェロが聞いた時のニケの言葉。

「立場を考えろって言われても立場じゃ何も見えてこなかった。だから私は自分の感じた事に従う事にしたんだ。お前達は私を無理矢理ここに連れてきた。それはやっぱり嫌な事だ。なかった事にはできない。塩田は確かに脅威だ。それに私がこうして手を貸している事はリビに対する背信なのかもしれない。お前達のやっている事はいずれ世を乱す。正しい事とは思えない。でも間違ってるとも言い切りたくない。」と言いマキシーン達を見捨てることはしなかった。
ニケは、大国の人間だがニケが大公国に感情移入したため、ネフェロやマキシーンもニケに惹かれていったのが分かる。

ニール「アインに死んでほしくなかったんだ。それしか考えられなかったんだ。でも理由ならちゃんとあるよ。だってアインは俺に世界を見せてくれた人だから。」

アインはセーラの治療費のため必死に働いているのだが、ある日アインが頭領を通さずに暗殺の仕事を引き受けてしまい頭の恩人を危険に遭わせてしまう。それがバレてしまったアインは、私刑のため鞭で打たれるのだがそれを見た幼少期のニールは、自分が唆した、と嘘を言い代わりに鞭で撃たれる事になる。
「アインに死んでほしくなかったんだ。それしか考えられなかったんだ。でも理由ならちゃんとあるよ。アインは俺に世界を見せてくれた人だから。」と言い、アインは涙をこぼす。
ニールはアイン達の元に売られて来たという立場だったが、アインやセーラがニールを家族として受け入れていたためニールはアインを庇い、傷を負った。しかし、家族としての絆が深まったのが分かる。

ウルスラ「いろんな感情が渦を巻いて胸が壊れそう。冷酷にも悪者にもなれない、死にかけてる敵すら殺せない。半端で揺らぎやすい、ただの弱い人間、それが私だ。父さま、母さま、リーリヤ、オリーヴァ、アーウラごめんなさい。でも私は人間でいたい。」

リヴィウスへの復讐のため古代人が用いていた遺跡を使い、ニケの力で世界を滅ぼそうとアルターリアと画策する。
しかし、気象異常で自国フィーガ・イデアール内の建物は倒壊し万年氷と呼ばれていた氷の洞窟も溶けてきてしまった。
リヴィウスは、ニケの髪で作った腕輪をしていたため崖から落ちても無傷だったが、ウルスラを庇ったネロは怪我をしてしまう。
リヴィウスはウルスラにニケの髪の腕輪を渡し、出口まで向かう。しかし、あと一歩というところでリヴィウスが波に攫われてしまう。
既にネロを1人で抱えていけるほど出口付近まで来ていた。しかし、今回リヴィウスに再会し、自分を真っ直ぐ見た以前の太陽王のものではない瞳を見て、この瞳を見捨てたら今度こそ人間ではなくなってしまう、と思いリヴィウスを助けに行く。
「いろんな感情が渦を巻いて胸が壊れそう。冷酷にも悪者にもなれない、死にかけてる敵すら殺せない。半端で揺らぎやすい、ただの弱い人間、それが私だ。父さま、母さま、リーリヤ、オリーヴァ、アーウラごめんなさい。でも私は人間でいたい。」と涙する。

ウルスラは、過去にリヴィウスにされた事への憎しみが渦巻いていたが、以前とは違うリヴィウスの人間としての目を見捨てれば自分は本当に人間ではなくなってしまう、という想いからリヴィウスを助けた。このことから、ウルスラは憎しみが渦巻いていたものの過去の純粋な自分に戻りたい、という思いがあったことがわかる。

ニケ「力を貸してくれ。そのかわり必ず証明する。お前がいてもいい世界だって、何度でも。約束だ。」

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