バタフライ・エフェクト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『バタフライ・エフェクト』とは、2004年に公開されたアメリカ映画。
「バタフライ・エフェクト」とはカオス理論の一つで「小さな蝶の羽ばたきが、地球の裏側で台風を起こすこともある」と表現される。
幼い頃の悪戯に運命を狂わされたエヴァンとケイリー。愛するケイリーを救うためエヴァンは何度も過去に戻るが、必ず悲劇的な運命を辿ってしまう。まさに小さな羽ばたきが台風に変わるように。人生を操るという神にも許されない行為をしたエヴァンがたどり着いた最後の人生とは。全米映画史上最も切ないハッピーエンド。

ジェイソン(演:カラム・キース・レニー)

面談に来たエヴァンと話す父ジェイソン

エヴァンの父であり、アンドレアの夫。
エヴァンが幼い頃から精神病院に入院していた。
エヴァンと同じように過去に戻れる能力があったが、何度も繰り返すうちに妻アンドレアの人生を不幸にしてしまうことに気付く。
そして過去に戻れる道具としていたアルバムがそもそもなかったという人生にたどり着き、精神病患者として過ごすようになる。
自分と同じような不幸な運命を辿っているエヴァンを止めようと、首を絞めて殺そうとするが、警備員に殴られそのまま亡くなってしまう。

ドクターレッドフィールド(演:ナサニエル・デヴォー)

ドクター・レッドフィールド(左)から検査結果を聞くアンドレア

エヴァンの故郷、プライアヴィルにある精神病院の医師。
エヴァンの父とエヴァンの担当医でもある。
エヴァンの母であるアンドレアに寄り添いながら、心理療法を施したり、高度な医療機器を利用しながら、エヴァンの治療に尽力する。
エヴァンの不思議な脳の現象に疑問を感じていたが、エヴァンが過去に戻れる能力があることに気付くことはなかった。

サンパー(演:イーサン・サプリー)

最初の人生でのエヴァンの大学時代のルームメイトで親友。
巨体でパンクファッションという目立ついでたちで、マリファナを吸い、女の子を寮に連れ込むという悪友。
キレやすい性格だが、過去から戻って鼻血を出して倒れていたエヴァンを心配したりと優しい性格でもある。

カルロス(演:ケヴィン・デュランド)

刑務所でエヴァンと同じ檻で一緒に寝起きしていた収監者。
一見冷たくそっけないが、悪党グループに食事を奪われてしまったエヴァンに自分の食べ物を分け与えたりと心優しい面もある。
腕にキリストの刺青が掘ってあり、とても信心深い。
エヴァンは過去に戻りわざと傷を負い、現代の自分に傷がいきなり現れるように演出する。
カルロスはその傷を聖痕だと思い込み、エヴァンを神の申し子として信じるようになる。
エヴァンはカルロスの信心深さを利用して、悪党グループから日記を奪う作戦を手伝わせた。

『バタフライ・エフェクト』の用語

バタフライ・エフェクト

カオス理論の一つで、もともと小さな出来事が回りまわって大きな影響を及ぼしてしまう現象のこと。
よく「小さな蝶の羽ばたきが、地球の裏側で台風を起こすこともある」と表現される。
この映画では、エヴァンが過去に戻り今までとは違う行動を取ることで、将来が大きく変わっていく様子を表している。

飼い犬クロケット

麻袋に入れられたクロケット

エヴァンが可愛がり、大事に飼っていた犬。
最初の人生で、妹をエヴァンに取られると嫉妬したトミーが、クロケットを麻袋に閉じ込め、火を放って焼き殺してしまう。
3度目の人生ではクロケットを救うことには成功したが、レニーがトミーを殺してしまう流れになる。
そしてレニーは精神病院のベットに繋がれた空虚な人生を送ることになってしまうという新たな悲劇が生まれてしまった。

エヴァンの日記

ガタガタと文字が揺れ動く日記

7歳の頃から時折記憶を失くし、問題行動を取るようになったエヴァン。
心配した母・アンドレアは精神病院にエヴァンを連れていき検査をする。
何の異状も見つからなかったが、ドクターは経過観察が必要だと言う。
そこでドクターは、記憶力を高めるため一日の行動を日記に付けさせることをアンドレアに提案する。
こうしてエヴァンは毎日日記を書くようになるのだが、この日記が後々過去に戻るための大事なツールとなる。

聖痕

エヴァンの手に突然現れた傷跡

聖痕(せいこん)は、イエス・キリストが磔刑となった時についた傷のこと。科学的に説明できない身体に現れる傷も聖痕とされる。
奇跡の顕現と見なされているため、カルロスはいきなり現れたエヴァンの手の傷を見て、聖痕だと勘違いする。
その傷はエヴァンが過去に戻りわざと手を傷つけた演出であったのだが、このトリックのおかげでカルロスはエヴァンを信奉し、日記を奪う手伝いをする。
エヴァンの頭の良さを表すと共に、自分を傷つけてでもケイリーを助けたいという強い思いが感じられる場面である。

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