デンジ(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
デンジとは、藤本タツキによるアクションスリラー漫画『チェンソーマン』の主人公でデビルハンター。「チェンソーの悪魔」ポチタと契約したことで、頭部がチェンソーの怪人に変身できるようになった。
極貧の暮らしから救ってくれたマキマに好意を抱いており、彼女と付き合いたいという目的のために公安のデビルハンターとして働くことになる。同僚の早川アキや「血の魔人」パワーらと共に常識外れのはちゃめちゃな大活躍を繰り広げ、いつしか「チェンソーマン」の名は世界中の人に知られることになった。
岸辺に連れてこられた隠れ家で、デンジは自分の本当の願いが「普通の生活」以上のものだったことに気づく。そして民衆から称賛を得るため、再度チェンソーマンになりマキマと決着を付けることを決意する。
そして翌朝、チェンソーマンは墓地でマキマとその軍勢と対峙する。武器人間や公安職員相手に善戦するチェンソーマンに、マキマは一対一の闘いを申し出る。支配した公安職員の命を使い捨てながら、マキマはチェンソーマンを圧倒し、ついにその心臓を引きちぎった。
チェンソーマンを手中に収めて油断していたマキマは、その背後にチェンソーを持ったデンジが迫っていることに気づかなかった。
実はさっきまで戦っていたチェンソーマンは、デンジの心臓であるポチタが擬態したものだったのだ。「マキマは人間を匂いで識別するが、興味のない人間の匂いは覚えない」という習性を突いたデンジの作戦だった。マキマはパワーの血で造ったチェンソーで切り裂かれ膝をつく。
そして岸辺の手を借りながらマキマをバラバラに解体したデンジは、愛情をもってマキマを全て平らげ、彼女を完全に消滅させた。
新たな物語の始まり
数日後、マキマを食べ終えたデンジは公園で岸辺と対面する。そこでデンジはマキマ(支配の悪魔)の生まれ変わりである少女ナユタと出会った。岸辺にナユタを託されたデンジは、一緒のアパートで暮らすことになる。
ある晩、デンジの夢の中にポチタが現れる。ポチタは「支配の悪魔の願いを叶えてあげてほしい」とデンジに伝えた。支配の悪魔はその性質上恐怖の力でしか他者との関係を築けなかったが、本当は家族のような関係に憧れていたのだと言う。ポチタの言葉を受け、デンジはナユタを力いっぱい抱きしめる。
その後は高校に入学し、ナユタの面倒を見ながら生活。成長はしても性格は変わらず、「自分がチェンソーマンであることを劇的に世間に明かすことで女にモテたい」というのが目下最大の目的だった。
そのために実質無給で暴れる悪魔を狩り続けており、チェンソーマンの存在自体は“悪魔と戦うヒーロー”として世間に受け入られる。政府や公安はこの傾向を好ましく思わず、ヒロフミを雇ってデンジに「あまり世間を騒がせるな」と釘を刺すが、「自分の勝手だ」とこれを拒否する。
アサとの出会い
デンジの通う学校の後輩である三鷹アサ(みたか アサ)は、悪魔絡みの事件の中で1度命を落とすも、ヨルこと戦争の悪魔に憑依されて魔人として復活。ヨルはかつてチェンソーマンに奪われた己の力を取り戻すことを目的としており、「人間社会で活動するなら、人間社会の知識を持つ者を利用するのがベター」との判断からアサの自我も奪わずに彼女の体を2人で共有する状態となっていた。「逆らえば自我を消す」と脅されたアサは、渋々ヨルのチェンソーマン探しに協力し、時に戦争の悪魔としての力を借りて悪魔と戦うようになる。
デンジは「自分が最高に目立つ形での正体の暴露」にこだわる余り、その機会を逸し続けている状態にあり、生活圏が重なるにも関わらずアサとの擦れ違いを繰り返す。やがて「自分の悪魔としての力であの男を強力な武器にしてしまおう」と考えたヨルの指示で、アサはデンジと交流するようになるが、彼こそがチェンソーマンであることは気付かないままだった。
ある時、落下の悪魔という強力な悪魔が市街地を襲い、アサは窮地に陥る。デンジはこの場に駆け付け、アサが狙われていることなどまったく知らないまま、落下の悪魔を相手に死闘を繰り広げる。しかし大切な仲間たちを奪われた記憶を想起させられたことでデンジは苦戦し、大きなダメージを負い、落下の悪魔を捕食することで回復しようとするもなお相手の再生能力が上回る。
デンジは地に倒れ伏し、落下の悪魔はいよいよアサを仕留めんとその場を後にしていった。そこに何者かが現れ、悪魔にとって活力となる人の血をデンジに与える。これにより復活したデンジは、アサが落下の悪魔によって“上空へと叩き落された”瞬間にその手を取って彼女を救出。「もう苦しみたくない」と死を受け入れようとする彼女を必死に励ます。「どんなに苦しいことがあっても、自分はやりたいことがあるから乗り越えられる」と説得を続けるデンジは、「女の子とセックスをしてみたい」という赤裸々な野望を語ってアサをドン引きさせる。「頭からチェンソーが生えるような男とセックスしたがる女はいない」と告げられると、デンジもあっさり生きる気力を無くし、2人はそろって地獄へと続く門の中に落ちていく。
地獄に落とされたデンジは、気を失ったアサを抱えて、襲い来る悪魔を退けつつ現世への帰還を目指す。ようやく見つけた現世へと続く扉の先には落下の悪魔が待ち構えており、「アサを置いていけばお前は見逃す」と提案。デンジがこれを拒否し、両者が身構えたその時、チェンソーを持つ何者かが落下の悪魔を背後から貫く。
この隙に現世へと帰還するアサとデンジ。「今なら倒せる」と意気込むヨルを制し、アサは傷ついたデンジに自分の血を与えて回復させる。これまで何度も助けてくれた恩と、「こんなくだらないヤツが生きていていいなら、私も生きていいと思える」というのが理由だった。アサが武器化したバイクに一緒に乗り込み、デンジは地獄から迫り来る悪魔の攻撃をかわし続ける。
落下の悪魔の妨害もあり、ついには大型の悪魔に一飲みにされてしまうデンジとアサだったが、間一髪ナユタが「人間を糞の味に感じる」ようその悪魔の脳を“支配”したため吐き出されることとなり、窮地を脱する。「自分がせっかく念入りに心を折った(本人的には“調理した”)人間を吐き出すなんて」と激昂した落下の悪魔によって大型の悪魔は倒され、デンジたちはからくも生き延びるのだった。
公安の要求
落下の悪魔の力は世界規模で影響があり、日本だけでも確認できるだけで2000人以上の死者が出ていた。この大惨事に恐慌した人々からチェンソーマンの助けを求める声が上がる中、デンジは吉田によって捕らえられ、ナユタを人質に「2度とチェンソーマンにはならないと約束しろ」と要求されていた。
チェンソーマンを崇める人々はますます増加し、政治的にも無視できないほどの規模となっていた。デンジの行動1つで彼らは暴徒化し、この国の在り方にも影響を与え、場合によっては無数の死者を生み出しかねない。
吉田は理路整然と理屈を並べて「君が欲しがっている普通の生活を手に入れたいなら、自分の雇い主である公安に従え」と要求するも、デンジは「ナユタを殺されるのは嫌だが、チェンソーマンになってチヤホヤされたい」という理由からこれを拒否。手違いで解放されたナユタと合流すると、呆れる吉田を残して意気揚々と自宅に帰る。
吉田の説得自体はデンジの耳にしっかり届いており、彼は「今後もチェンソーマンになって戦うことは正しいのか、今の生活で満足すべきなのか」と思い悩む。そんなデンジの与り知らぬところで世間の“チェンソーマン熱”はさらに高まっていき、ついには世界平和チェンソーマン協会の手によって「自分こそ本物のチェンソーマンだ」と語る人物がテレビに登場。それを見たデンジは、「チェンソーマンは俺なのに」と大いに嘆く。
その頃、アサは悪魔たちの中でも特に強力なキガこと飢餓の悪魔の訪問を受けていた。彼女によれば、チェンソーマンはデンジ以外にも存在しており、ヨルから力を奪ったのはデンジではないというのだ。これまでにも様々な事件の裏で暗躍してきたキガのことを「信用できない」と警戒するアサだったが、「チェンソーマンは普通の人間になりたがっている」と吹き込まれ、何度も助けてくれた彼を助けたい一心でキガの“世界平和チェンソーマン協会に参加する”という提案を承諾してしまう。
かくしてアサは、“チェンソーマンから戦う力を奪う”ために積極的に悪魔を狩り始める。自分に代わる形で人気者になっていくアサをテレビ越しに見たデンジは、苦い顔で唸ることしかできなかった。
公安の使者とチェンソーマン協会の勧誘
自身とナユタの生活を守るため、やむなくチェンソーマンになることをやめたデンジだったが、自分の過去の活躍すら「本当はアサがやったことなのではないか」と世間で受け止められたことで気力を失っていく。吉田に誘われて映画館に向かったデンジは、彼の紹介で「自分とデートがしたい」という女生徒と引き合わされる。「自分が何をしたいのか分からない、今は1人になりたい」とこぼすデンジだったが、その女生徒にいきなり下半身をまさぐられ、大いに驚く。過去にマキマに苦しめられた経験から「自分に優しくする女は怪しい」と警戒するデンジだったが、前々からセックスに興味津々だったこともあって逆らえず、彼女に提案されるままカラオケボックスに向かう。
「始める前に」と歌い出す女生徒を見て、「罠ではなさそうだし、普通のデートみたいだ」とデンジは安堵。しかし突然何人もの暴漢が入れ代わり立ち代わり部屋に踏み込んできてはデンジに襲い掛かり、咄嗟に反撃してこれを返り討ちにすることを繰り返す。デンジが暴漢たちを全員叩きのめすと、女生徒は「こっちの方が楽しそう」と言いつつバットを構え、デンジの背後で拳銃を構えていた男を殴り倒す。
彼女は三船フミコ(みふね フミコ)という名で、れっきとした公安対魔特異7課のデビルハンターだった。デンジの護衛のために派遣された人材ではあったが、「歌を邪魔されるのが嫌だ」という理由から歌唱している間は加勢に入らなかったのだった。デンジはこれに呆れるが、「あなたに好意を持っているのは本当だ」と言われて怒る気を無くす。
アサはその後も世界平和チェンソーマン協会のために戦い続け、デンジは「チェンソーマン」としての居場所を奪われていく。アサの活躍を宣伝するポスターを眺め、「これで本当にいいのだろうか」と思案するデンジに、見知らぬ男子学生が「この女はチェンソーマンの活躍を奪っている、ムカつく」と話しかけてくる。彼は「俺はお前を知らないが、お前は俺を知っている」と言葉を続け、須郷ミリ(すごう ミリ)という名でデンジの学校に転入してくる。
須郷は“ソードマン”を名乗り、かつて支配の悪魔に操られるままチェンソーマンと戦ったことがあると打ち明ける。人間でありながら悪魔の力を使えるウェポンズという存在であり、現在は世界平和チェンソーマン協会に所属しているという須郷は、支配の悪魔から解放してくれたことに恩義を感じて「チェンソーマンと友達になりたい」と考えており、協会に指示されるままデンジを勧誘しにやってきたのだった。「金も使い放題、女も抱き放題」だと聞いて、デンジは協会に加わることに興味を持ち始める。
しかし須郷に案内されて訪れた世界平和チェンソーマン協会は、デタラメな宣伝文句で一般会員の人生を弄ぶいかがわしい新興宗教も同然の組織だった。デンジはこれに呆れると同時に危険を感じて早々に立ち去ろうとするも、この時須郷と同じくウェポンズの一員であるバルエムという男と遭遇。「最近チェンソーマンの活躍が無くて寂しい。アサを殺せばチェンソーマンは再び現れてくれるのか」と真顔で語り、デンジを動揺させるのだった。
幸せと栄光
「自分が何をしたいのか、今の自分が幸せなのか」分からず無気力に迷走していくデンジだったが、チェンソーマンにならずともナユタと暮らす日々に安息を感じているのも間違いのない事実ではあった。そんな彼の知らないところで、バルエムは“チェンソーマンを再び人前で活躍させる”ための大量殺人の計画を進めていく。
世界平和チェンソーマン協会の礼拝の日、ナユタと共にデパートの屋上遊園地に出掛けたデンジは、フミコから「チェンソーマンが銃の魔人と戦った現場の近くに住んでいた」という思いがけない過去を告げられる。この時フミコは戦闘の余波で両親を失うも、“チェンソーマンはヒーローではなく、涙を流しながら戦う普通の子供である”ことに気付き、彼を守りたいと考えるようになったという。
謝るべきなのか感謝するべきなのかデンジが戸惑う中、唐突にバルエムが現れ、「これからデパートの1階に悪魔が現れる」と言い出す。これはミリたちを暴れさせる自作自演のテロだったが、公安は事前にこの動きをつかんでおり、先んじて1階に派遣していたミリたちは一網打尽にされる。バルエムも呆気なく捕らえられ、世界平和チェンソーマン協会は壊滅するのだった。
キガの真意
かくして世界平和チェンソーマン協会は壊滅し、バルエムたちウェポンズは逮捕され、信者の大半は保護という名目で確保される。
そんな中、デンジが少し前に倒した悪魔がユウコを始めに何人もの人々の運命を狂わせた正義の悪魔であることが判明。「正義の悪魔と契約したと思われる者は、世界平和チェンソーマン協会の制圧作戦中にも現れた」と公安のデビルハンターたちが首を傾げていると、保護した世界平和チェンソーマン協会の信者たちの顔と両手に突如チェンソーが生えて暴れ出す。
実はこれまで「正義の悪魔」と呼ばれて多くの人々に力を貸してきたのは、「火の悪魔」という名の悪魔だった。世界平和チェンソーマン協会とは「契約者が増えれば増えるほど力を増して制御不能になっていく火の悪魔を、1人でも多くの者と契約させる」ことを目的に結成された団体だったのだ。
チェンソーマンに憧れる信者たちは次々とチェンソーマンに似た姿となり、世界各地で襲撃事件を巻き起こす。「とんでもないことになった」とデンジが頭を抱える中、ナユタはキガたちの真意が「世界中でチェンソーマンによる事件と戦争を巻き起こし、それによってデンジと戦争の悪魔を強化し、恐怖の大王こと“死の悪魔”を撃退することにある」と見抜く。バルエムはこれを肯定し、「だからデンジに腑抜けてもらっていちゃ困る」とチェンソーマンもどきたちをけしかける。しかし駆け付けたクァンシによってチェンソーマンモドキたちは蹴散らされ、デンジたちは混戦の中から脱出する。
次なる夢
フミコに「きっと待ち伏せされている」と止められ、ナユタに「人間は面倒なことが多すぎる、一緒に悪魔になって全部忘れて暴れよう」と唆されつつ、デンジは自宅のアパートに急ぐ。かつて焦がれるほどに望み、ようやくにして手に入れた平穏な生活が、そこでデンジを待っているはずだった。しかしナユタと共に帰路を進む中、デンジは不意にポチタことチェンソーの悪魔と白昼夢のような形で邂逅し、「かつて求めた夢は叶った。“次”はどうするのか」と尋ねられ、自分が心のどこかでチェンソーマンになりたがっていることに気付く。
戸惑いながらも辿り着いたアパートは、留守番させている愛犬たちごと炎に包まれていた。火をつけた本人であるバルエムは「燃やすなら家族だ、犬猫の方がよく燃える」と語り、チェンソーマンになって自分を殺せとデンジを挑発。大切なペットを焼き殺されたデンジが思わずスターターロープに手を伸ばしたその時、フミコたち公安のデビルハンターと新手の悪魔が現れ、状況は混沌としていく。全ては死の悪魔を倒すため、デンジにチェンソーマンとしての力を使わせるための策略だった。
フミコは取り押さえられ、ナユタにも危害を加えられ、追い詰められたデンジは「他に手はない」とチェンソーマンへと変身。このピンチを切り抜けるための苦渋の決断のように見えて、デンジは内心では再びチェンソーマンとして力を振るえる喜びに打ち震えていた。
襲い来る須郷たちを相手に、自分ごと相手を切り刻んで食い散らかすようなすさまじい戦い方を見せつけるデンジを見たナユタは、「様子がおかしい」と察して彼に一緒に逃げるよう提案。しかしデンジは「チェンソーマンになって戦えることがものすごく楽しい、もう一緒にいない方がいい」と言ってナユタを突き放すのだった。
力に酔い痴れるデンジを待っていたのは、「事情を知らない人々から“チェンソーマンもどき”扱いされて攻撃される」という皮肉な現実だった。フミコが「彼は敵ではない、安全だ」と説明するも聞き入れられず、リンチされそうになったデンジはやむなく反撃。これに反応した人々がさらに敵意を燃え上がらせる中、ナユタが悪魔としての能力を使ってデンジを助けようとする。「もはや自分たちの手には負えない」とフミコたちが撤収し、ナユタに操られた人間がデンジを連れて逃げる一方、ナユタ自身は怒り狂う群衆の中に取り残されてしまう。
家族への渇望
ナユタを家族として大切にしていたデンジは、「自分たちの平穏な生活が失われることを承知の上で、どうしてあの時チェンソーマンになることを受け入れ、それを喜んでしまったのか」との疑念に囚われていた。夢の形でこの謎と向き合ったデンジは、それは自分が「心の底では家族というものを信じられない」こと、さらには「自分の手で父親を殺したからこそ“家族”が理解できない」ことが原因であることに気付く。
目覚めたデンジを待っていたのは、自分があの世界的な暴動が起きた日から1週間も眠り続けていたという事実と、ナユタが行方不明であるという報せだった。デンジにこれを教えた吉田は、「君が“チェンソーマンにならない”という約束を破った以上、もう何もしてあげられることはない」と冷徹に告げて、彼を麻薬で失神させる。この時点でデンジは東京の悪魔収容センターで解体処分されることが確定しており、もはや誰もその決定を覆すことができない状態にあった。
しかし、そんな彼を救うためにアサが悪魔収容センターに突入。キガに「チェンソーマンを救うには、あなたがチェンソーマンを倒すしかない」と唆された上での行動だったが、彼女は「打倒チェンソーマン」という目的を同じくするサムライソードたちを味方につけつつ、首尾よくデンジを救出。悪魔収容センターを脱出し、キガの隠れ家へと彼を連れていく。
目覚めたデンジは、ヨルやサムライソードから勝負を挑まれるが、状況を理解するなり「ナユタを保護する方が先だ」と主張していったん彼女たちの要求を退ける。しかしナユタと別れた場所に戻ったデンジが見たものは、完全に燃え尽きたアパートだった。ナユタの行方どころか安否も分からず、デンジは愕然とする。そんなデンジを見たサムライソードは、「今のお前を倒しても自分の復讐は果たせない」と考え、彼に気合いを入れるためにソープに行こうと言い出す。しかし連れていかれた先にあった店も暴動で焼け落ちており、ここに至ってようやくデンジは「チェンソーマンになってもてたいだの人気者になりたいだのと、結局自分は性欲に踊らされていただけだった」と気づいて愕然とする。
そうやっていつも酷い目に遭うことを繰り返し、ナユタも巻き込んだとデンジが嘆いていると、業を煮やしたヨルが「だったら去勢してやる」と彼を裏路地に連れ出す。「本当にやるつもりなのか」とデンジがうろたえる中、ヨルは不意に彼にキスをする。驚きながらも拒むこともできずにキスを受け入れたデンジは、その心地よさと性的興奮に抗えず、思わず射精してしまう。困惑しつつヨルに「俺のことが好きなのか」と問うデンジだったが、彼女は「私の中の私に引っ張られた」と不思議なことを言い残してそそくさとその場を立ち去っていった。
ナユタとの再会
改めて腹ごしらえをするために、デンジたちは寿司屋に来店。そこに突如バルエムが現れ、激昂して襲い掛かろうとするデンジに「ナユタに会わせてやる」と告げる。バルエムの目的は“完璧なチェンソーマン”の力を少しだけ借りることにあるらしく、そのためには人々の恐怖とデンジの不幸が必要だと説明。その上で、バルエムはデンジにナユタの生首を見せつけるのだった。
デンジの戦術・使役した悪魔
チェンソーの怪人
デンジが胸のスターターロープを引っ張り変身した姿。頭と両腕からチェンソーが生え、敵を切り刻む。車を持ち上げるほどの怪力のほか、首の骨を折られたり体をちぎられたりしてもスターターロープを引けば回復するなど人間離れした能力を持つ。ただし血が足らないと変身が解かれたり、スターターロープを引かないと変身できなかったりという弱点も存在する。
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マキマ/支配の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
マキマとは『チェンソーマン』の登場人物で、内閣府直属のデビルハンター。公安退魔特異4課を取り仕切るリーダーでもある。長い髪を三つ編みに束ねるミステリアスな美女で、主人公・デンジにとっては憧れの存在。基本的に物腰柔らかいが時折シビアで残忍な言動を見せ、空恐ろしさを感じさせる。 人間の姿をしているが、正体は作中最強クラスの能力を持つ「支配の悪魔」。終盤では「チェンソーマンの力でより良い世界を作る」という本当の思惑が判明し、黒幕としてデンジを利用していたことが明らかとなった。
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銃の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
銃の悪魔とは『チェンソーマン』に登場する悪魔。非常に強大な悪魔として知られており、13年前初めて出現した際は7分ほどの内に世界各国で120万人弱を殺害した。その後銃の悪魔は姿を消したものの、その事件で悪魔そのものへの恐怖が高まり悪魔全体がパワーアップするなど世界に大きな影響を与えている。その姿は山にも匹敵する巨体で、頭が拳銃を模した形になっているほか背中と腕に大量のマシンガンが生え、胸部には無数の人の頭が付いている。
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早川アキ(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
早川アキとは、『チェンソーマン』の登場人物で公安退魔特異4課所属のデビルハンター。主人公デンジの先輩でもあり、最初は反発しあっていたものの徐々にかけがえのない仲間となっていく。銃の悪魔に家族を殺された過去があり、復讐を果たすため公安に入る。性格は温厚で常識的だが、内に強い信念を抱く激情家。家族の仇を追い求めて、自分の命を削りながら悪魔との死闘を繰り広げる。
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沢渡アカネ(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
沢渡アカネとは『チェンソーマン』の登場人物でヘビの悪魔の契約者。元々は民間デビルハンターだったが、なんらかのきっかけで「銃の悪魔」と契約し、チェンソーの悪魔であるデンジの心臓を狙うようになる。金髪のショートカットが特徴の少女で、常に冷静沈着にふるまう。自身の爪などを代償に契約しているヘビの悪魔を呼び出し、対象を丸呑みにさせたり呑んだものを吐き出させたりすることができる。最終的に公安に捕縛されたが情報を聞き出す前にヘビの悪魔に首をはねられ死亡した。
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東山コベニ(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
東山コベニとは、チェンソーマンの登場人物で、公安退魔特異4課のデビルハンターである。 主人公デンジとはほぼ同期の関係になる。引っ込み思案な性格で、いつもオドオドしているが、先輩である姫野からは「かなり動ける」と評されている。実際ヤクザグループが襲撃した際には、コベニの活躍によりデンジを救い出した。家族との関係はあまり良くない。 作中最後まで生き残る数少ない登場人物である。
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パワー/血の魔人(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
パワーとは『チェンソーマン』の登場人物で、主人公デンジのバディとなる血の魔人。人間と敵対する魔人ではあるが、知能が高いため公安特異4課所属のデビルハンターとして働いている。利己的な言動で周囲を振り回すが、本質的には臆病で憎めない性格。最終的に初めての友達であるデンジを助けるため、圧倒的な力を持つマキマに逆らい命を落とした。
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クァンシ/弓矢の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
クァンシとは『チェンソーマン』の登場人物で凄腕のデビルハンター。中国政府からの依頼でデンジを捕らえるため来日する。右目の眼帯と銀髪が特徴の美女で、傍らには常に4人の魔人達を愛人として侍らせている。デンジ捕獲の指令を受けたのも魔人達に人権と義務教育を与えるため。常に気だるげな雰囲気を漂わせているが戦闘能力は非常に高く、かつてのバディだった岸辺からは「素手で殴り合いをさせたら人類最強」と評されている。また、弓矢の悪魔に変身する能力を持つ。
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闇の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
闇の悪魔とは、藤本タツキの漫画『チェンソーマン』に登場した地獄に住む最強の悪魔。悪魔は現世で死ぬと地獄に生まれ、地獄で死ぬと現世に生まれるという輪廻転生を繰り返しているが、地獄に生まれてから一度も死なずに生き続けている悪魔が存在する。闇の悪魔はそんな悪魔の1体で、「超越者」「根源的恐怖の名前を持つ悪魔」などと呼ばれてあらゆる悪魔から恐れられている。 アーティスティックでおぞましい登場シーンは読者の心に大きなインパクトを残した。
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ナユタ/支配の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
ナユタ/支配の悪魔とは、藤本タツキの漫画『チェンソーマン』第一部の最終回に登場した支配の悪魔。デンジとの戦いの末にマキマが死亡し、新たに人間界に転生した。生まれる前のマキマとしての記憶は一切ない。中国にいたところを岸辺がさらってきた。日本政府に預けるとマキマのようにすべてを意のままに支配する悪魔になってしまうため、デンジが預かって面倒を見ることになった。食べたいものを聞かれたナユタが答えたのは「食パン」だった。
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岸辺(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
岸辺とは『チェンソーマン』の登場人物で、公安に所属するベテランのデビルハンター。初登場時は退魔特異1課だったが、後に人員不足のため1、2、3課が特異4課に合併されると、4課の隊長に就任した。生身の人間としては作中最強クラスの戦闘能力を持ち、デビルハンターとしての戦い方をデンジやパワーに指導する。「悪魔が恐れるデビルハンターは頭のネジがぶっ飛んでるヤツ」という持論を持ち、自身も酒の力で頭のネジを外してエキセントリックにふるまっているが、根は人情家であり教え子に深い愛情を抱いている。
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落下の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
落下の悪魔(らっかのあくま)とは、『チェンソーマン(第二部)』の登場人物で、落下する恐怖を司る強大な悪魔。 キガこと飢餓の悪魔をして「世界を最悪の恐怖に導く1人目の悪魔」と評価されるほどの実力者。物理的な意味での“落下”だけでなく、気分が“沈む”、“落ち込む”といった精神的な働きも権能の一部として操ることができる。周囲の人間たちに「思い出したくもない最悪の記憶」を蘇らせて落ち込ませ、上空に向かって落下させるという不可思議な力を使う。
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レゼ/爆弾の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
レゼとはチェンソーマンの登場人物で、とある雨の日主人公デンジが電話ボックスの中で出会った女性。カフェ「二道」でバイトをしている。きゃしゃで物腰穏やかな美少女であり、右側にリングの付いたチョーカーを首につけている。デンジとレゼは夜の学校に忍び込んだり一緒にお祭りに行ったりしながら徐々に距離を縮めていく。しかしレゼの正体はデンジの心臓を狙うソ連の工作員で、「爆弾の悪魔」と融合し頭部を爆弾に変えられる武器人間だった。
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吉田ヒロフミ(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
吉田ヒロフミとは『チェンソーマン』の登場人物で民間デビルハンター。デンジが各国の刺客から狙われた際、護衛としてマキマに雇われる。作中では珍しい民間のデビルハンターながらその戦闘力は非常に高く、作中最強キャラクターの1人であるクァンシの攻撃も素手で受け止めている。契約悪魔は「蛸の悪魔」で、蛸足による攻撃のほか墨での攪乱や索敵など様々な用途に使用可能。色気のある顔立ちで風格も十分だが、実は現役高校生である。
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天使の悪魔/エンジェル(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
天使の悪魔(エンジェル)とは『チェンソーマン』の登場人物で、公安退魔特異4課に所属する悪魔。「天使」という名前の通り、背中に翼を持ち頭の上には天使の輪が浮かんでいる。中性的な見た目だが男性で、人間の寿命を吸い取るという特殊能力を持つ。姫川の死後、後任として早川アキのバディとなるが、「働くくらいなら死んだ方がマシ」と公言するほどの怠け癖から当初は不仲であった。しかしレゼや台風の悪魔との戦いを通して、徐々にアキとバディとしての絆を深めていく。
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永遠の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
永遠の悪魔(えいえんのあくま)とは、藤本タツキの漫画『チェンソーマン』に登場するチェンソーマンの心臓を狙う悪魔。空間を捻じ曲げ、外部と完全に遮断された脱出不可能な領域とすることができる。デンジの中にあるチェンソーの悪魔の心臓を狙って公安4課の面々をホテルのフロアに閉じ込め、デンジを差し出すように要求する。対処不可能な状況にコベニが錯乱し、荒井がデンジを差し出そうとする中、「永遠の悪魔が死にたくなるまで痛めつける」という作戦を思いついたデンジによって殺される。
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サムライソード/刀の悪魔(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
サムライソードとは『チェンソーマン』の登場人物で主人公デンジに敵対する敵役。デンジと同様に刀の悪魔の心臓を移植されており、左手首から刀を抜くことで悪魔の姿に変身できる。自分の正当性を疑わない独善的な性格で、かつてデンジに祖父のヤクザを殺されたことを恨み、沢渡アカネと組んで公安特異課襲撃事件を計画した。初めての対決では目にもとまらぬ居合斬りでデンジを圧倒したが、再戦時には修行を経てパワーアップしたデンジによって体を真っ二つにされ敗北した。
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暴力の魔人/ガルガリ(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
暴力の魔人(ガルガリ)とはチェンソーマンの登場人物で、公安退魔特異4課所属の魔人。ガスマスクとペストマスクを合わせたような仮面を装着し、パーカーを被っている男性。魔人でありながら強すぎるため、常に毒の出る仮面で力を制御されている。他の魔人と比べて人間の脳が多く残っていることから理性が高く、争いを嫌う気さくな性格。バディである東山コベニとの仲も良好で、「自分はマスクで食べられないからコベニが幸せそうに食べてる姿を見たい」とよく食べ物をおごっている。
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荒井ヒロカズ(チェンソーマン)の徹底解説・考察まとめ
荒井ヒロカズとは『チェンソーマン』の登場人物で公安退魔特異4課に所属する新人デビルハンター。契約悪魔は狐の悪魔。堅物で面倒見のいい性格で、趣味は俳句である。指導役である先輩デビルハンターの姫野は「実力不足だけどやる気は十分」と彼を評している。当初デンジに対して反感を抱いていたが、「永遠の悪魔」との戦いを通してデンジの実力を認めるようになる。テロリストグループによる特異課襲撃の際、同僚でバディの東山コベニを庇って銃撃され死亡した。
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目次 - Contents
- デンジの概要
- デンジのプロフィール・人物像
- デンジの来歴・活躍
- チェンソーの怪人として覚醒
- 公安退魔特異4課に配属
- ホテル事件
- 公安退魔特異課襲撃事件
- レゼとの出会い
- デンジ包囲網
- 日常の終わり
- マキマの本当の狙い
- マキマとの決着
- 新たな物語の始まり
- アサとの出会い
- 公安の要求
- 公安の使者とチェンソーマン協会の勧誘
- 幸せと栄光
- キガの真意
- 次なる夢
- 家族への渇望
- ナユタとの再会
- デンジの戦術・使役した悪魔
- チェンソーの怪人
- サメ騎乗
- 「光の力」
- チェンソーマン
- デンジの関連人物・キャラクター
- ポチタ
- マキマ
- 早川アキ
- パワー
- 岸辺
- ビーム
- レゼ
- デンジの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「俺は軽~い気持ちでデビルハンターなったけどよぉ この生活続けるためだったら死んでもいいぜ」
- 「テメエが俺に切られて血ィ流して!俺がテメエの血ィ飲んで回復…!永久機関が完成しちまったなアア~!!これでノーベル賞は俺んモンだぜ~!!」
- 「一緒に逃げねえ?」
- 「マキマさんってこんな味か……」
- デンジの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- デンジの命名の由来は「天使」
- デンジのキャラクター造形は虐待児のドキュメンタリーから
- 第1回人気投票の結果は5位