パワー／血の魔人（チェンソーマン）とは【徹底解説・考察まとめ】

パワーのプロフィール・人物像

CV：ファイルーズあい

パワーとは『チェンソーマン』の登場人物で、主人公デンジのバディとなるデビルハンター。
血の魔人という名の通り、血を操る能力を持つ。自分の血で刃やハンマーなどの武器を形成して戦うほか、他人の外傷を止血することもできる。
見た目は若くかわいらしい女性で、瞳孔に十字の模様があるほか、頭頂部から2本のツノが生えている。このツノは血を飲み過ぎると4本に増え、定期的に血抜きをすることによって見た目と凶暴性をキープしている。
性格はわがままでプライドが高く、見栄っ張り。虚言癖があり、自分でついた嘘を真実だと思い込む。人間を見下し高圧的な態度を取るが、マキマのことは恐れて素直に言うことを聞く。自分より弱い相手にはとことん強く出るが、臆病で生存本能に忠実なため、自分より強い相手には立ち向かおうとしない。
一人称は「ワシ」で、語尾に「じゃ」とつけるなど老人のような喋り方が特徴。偏食で野菜を食べない、たまにしか風呂に入らない、トイレを流さない、寝ているデンジの血を勝手に飲む、虫を殺すのが大好きなど厄介な性質は数えきれないが、早川家で生活するうちに多少は改善を見せる。
猫のニャーコをなによりも大事にしており、コウモリの悪魔に囚われたニャーコを助けるためにデンジを犠牲に捧げようとしたこともあった。

悪魔としては比較的知能が高いという理由で公安特異4課に配属、デンジのバディに任命された。持ち前のエキセントリックさから当初はデンジと反目しあっていたが、コウモリの悪魔退治の一連の騒動で絆を深める。
その後マキマの指示で、先輩である早川アキの家にデンジと共に転がり込むことになった。4課の任務にも参加し、はた迷惑なムードメーカーとして場をひっかき回す。
闇の悪魔との戦いの後は一時的に精神が退行するが、デンジとアキの甲斐甲斐しい世話のおかげでいつものペースを取り戻す。しかしその直後、アキが銃の魔人と化してしまいデンジがそれを殺したことで、3人の幸せな生活は崩壊する。
元気を失ったデンジを励まそうと誕生日ケーキを持ってマキマの家を訪れるが、デンジにパワー殺害に加担した罪の意識を持たせるためにマキマによって殺された。
しかし以前デンジが飲んでいたパワーの血に意識が宿り、体内のポチタと接触。ポチタを食べて肉体を再生させると、デンジを守るためマキマに反旗を翻した。最終的にマキマに殺害されるものの、「自分の血を与える代わりに自分の死後血の悪魔を探してほしい」という契約をデンジと交わす。デンジがパワーから受け取った血が、マキマ打倒に大きな役割を果たした。

パワーの来歴・活躍

ニャーコとの出会い

作中では語られていないが、何らかのきっかけで血の悪魔パワーは人間の体を乗っ取り、魔人となった。当初は手当たり次第に動物を狩り、血をすすって生き長らえていたが、ある時森で猫のニャーコと出会う。
最初はニャーコを太らせてから食うつもりだったパワーだが、世話をしているうちにニャーコへの愛情が芽生えてしまう。しかし襲ってきたコウモリの悪魔にニャーコを奪われ、「猫を殺されたくなければ人間を連れてこい」と交換条件を突きつけられる。

デンジとバディに

ニャーコを救うため、公安特異4課に入ったパワー。デンジとバディを組まされパトロールに出るが、民間デビルハンターが確保していた悪魔を殺すという失態を犯してしまう。
責任をデンジに擦り付けたせいで口論になる2人。結果を出せなければ処分されると焦るデンジに、パワーは「ニャーコを取り戻してくれたら胸を揉ませてやる」と言う。女の胸を揉みたいという不純な願いから、デンジはパワーへの協力を快諾する。
悪魔の元へ向かう道中、デンジは自分にもポチタという相棒が胸の中で生きていると話すが、パワーは「死んだ命は無じゃ」とばっさり切り捨てる。
コウモリの悪魔の隠れ家に着いた途端、パワーはデンジに襲い掛かる。パワーにとってデンジは、ニャーコを取り戻すための単なる生贄に過ぎなかった。デンジの血を飲んで復活したコウモリの悪魔は、「不味い血を持ってきた罰」としてニャーコを丸呑みにしてしまう。
それを見た瞬間、ポチタを失ったデンジの気持ちを理解したパワーは、自らもコウモリの悪魔に飲み込まれてしまった。
その後、デンジの奮闘によりニャーコと共に助け出されたパワー。一度は殺そうとした相手に助けられたことで、パワーはデンジに対する信頼を深める。
4課の先輩・早川アキがパワーの裏切りを上に報告しなかったことで、パワーが処分されることもなく事件は一段落。その後マキマの指示により、デンジとアキが暮らす家にパワーも同居することになる。
そしてかねてからの約束通り、デンジに胸を揉ませてやるパワーだが、予想していたほどの気持ち良さではないことにデンジはショックを受けるのだった。

特異4課での活躍

以降もバディであるデンジと共に、パワーは多くの任務に参加することになる。永遠の悪魔にホテルの8階に閉じ込められた時は残り少ない食料を独り占めしたり、公安特異課が襲撃された時はさっさと逃げ帰ったりと、活躍どころか状況をさらに混乱させてばかり。
そんな時、デンジとパワーはマキマから戦闘の指導者としてベテランデビルハンターの岸辺を紹介される。容赦なく殺してくる岸辺に一泡吹かせようと、デンジとパワーは「超インテリ作戦」を決行する。結局岸辺に返り討ちにされたものの、パワーは血を遠隔操作する戦い方を覚えたのだった。
そして先日の襲撃犯を確保するため、デンジとパワーはゾンビであふれるビルに乗り込む。2人の任務は「サムライソード」と呼ばれる刀の武器人間を捕まえることだったが、パワーはデンジの忠告を聞かずにゾンビの群れの中に突っ込んでいく。
そしてゾンビを思う存分殺しまくったパワーだが、ゾンビの血を飲み過ぎたせいで数日後頭のツノが4本に増えてしまう。このままでは今より恐ろしく傲慢な悪魔になってしまうということで、マキマによって血抜きされ、しばらく戦線を抜けることになった。

パワー復帰

爆弾の悪魔・レゼとの別れに打ちひしがれるデンジの元に、戦線復帰したパワーが戻ってきた。久しぶりに揃った早川家の3人に、マキマは江の島旅行を提案する。マキマを恐れて逃げようとするパワーだったが、結局3人で旅行に行くことに。
しかしそこへ、デンジの活躍を映したニュースが流れてくる。デンジの存在が知れ渡ったせいで、デンジを欲しがる各国が刺客を送り込んでくるだろうと判断したマキマは、旅行を延期しデンジに警護を付ける。
デンジとパワーを囮にして刺客たちをおびき寄せていると知ったパワーは、何か褒美をくれと騒ぎ立てる。それに対してアキは、今回のことが一段落したらデンジの血をパワーに全部吸わせてやると言うのだった。
しばらくして、デンジの警護の援軍に4課から数名が加わることになった。その中の1人、コベニが新車を買ったことを知ったパワーは、免許はあるから自分に運転させろと言い出す。パワーに脅されて仕方なくハンドルを握らせたコベニだが、次の瞬間2人の乗った車はデンジと京都公安の黒瀬を轢き飛ばした。
「ウヌの車じゃ ワシのせいじゃない」とめちゃくちゃな理論でコベニに罪を擦り付けるパワー。しかし黒瀬の正体が、変装していた殺し屋だとわかると態度を一変。得意満面に自分の手柄を主張した。
その後、襲ってきた中国からの刺客・クァンシに死んだふりで応戦。クァンシの仲間の魔人を人質に取るなどいつもの小物ぶりを披露する。
そして特異4課メンバーたちが「ドイツのサンタクロース」の策略で地獄に落とされると、現れた闇の悪魔に恐れをなし一歩も動けなくなってしまう。
マキマの力で無事生還はできたものの、その体験がしばらくパワーの精神に影響を残すこととなった。

幼児退行するパワー

闇の悪魔との戦いの後、大きなトラウマを抱えたパワーは、居もしない闇の悪魔に常におびえるようになってしまう。子供の用にデンジにべったりと甘え、入浴や着替えもデンジがいないとできなくなってしまった。
デンジのベッドで一緒に眠りながら、「ワシを嫌いにならんでくれ」と言うパワー。この前盗んだ車で轢き殺したお詫びとして、デンジに自分の血を飲ませる。
数日後、ようやく落ち着いてきたパワーは、デンジと一緒にアキの実家の北海道に行くことになる。パワーは初めて乗る新幹線や船に大はしゃぎで、世話するアキやデンジを振り回す。
そして東京に帰ってきた後、デンジとパワーが作った激マズの手料理をアキに食べさせるのだった。

銃の魔人の来襲

数日後、マキマに呼び出された早川家の3人は、銃の悪魔討伐作戦の内容を言い渡される。やる気満々のパワーとは対照的に、アキの表情は曇っていた。実は契約する未来の悪魔から、近いうちにアキとパワーはデンジに殺されると教えられていたのだ。
アキが出かけた後、デンジとパワーの住む家に訪問者がやってくる。パワーはアキが帰ってきたのだと匂いで感じ取るが、電話をかけてきたマキマはチャイムを鳴らしているのは銃の魔人だとデンジに告げる。デンジはパワーにニャーコを連れてベランダから逃げるよう指示。
デンジがドアを開けた先にいたのは、銃の魔人と化したアキだった。アキはマキマに助けを求めに行った先で銃の悪魔に殺され、体を乗っ取られたのだった。
子供の頃の幻覚を見ながら無差別に暴れまくるアキ。デンジは人々の助けてと言う声に応えて、やむなくアキを手にかけてしまう。

パワーの死

アキの死後、遺されたパワーとデンジはアキの遺産で新たな家に引っ越し、無気力な日々を過ごしていた。罪悪感で押しつぶされそうなデンジをマキマは家に招待する。
一方、パワーもマキマの家に呼び出されていた。デンジが扉を開けると、そこには誕生日ケーキを持ったパワーの姿が。しかしマキマは、パワーを指で「ぱん」と撃ち殺してしまう。
マキマがパワーを殺した理由は、デンジにパワー殺害に加担した罪悪感を植え付けるためだった。その計画通り、アキやパワーを死に追いやってしまったデンジは心を壊し、「支配の悪魔」ことマキマに服従してしまう。

デンジとの最期の契約

その後、チェンソーマンに変身して暴れまくったデンジだったが、マキマの計略によって弱体化し、とどめを刺されてしまう。その頃デンジの体内では、パワーがポチタと接触していた。以前デンジが飲んだパワーの血に、まだかすかにパワーの自我が残っていたのである。
ポチタは自分の体を食べさせる代わりにデンジを助けるようパワーに頼む。パワーは「デンジはワシのバディじゃからな！」と快諾し、チェンソーマンの口から異形の姿で復活した。
マキマやその部下の体内から血の刃を突き出し、「ワシが最強じゃああああ‼」と吠えるパワー。しかしマキマがゾンビの悪魔の能力を使用して、ゾンビにパワーを襲わせるとあっさりやられてしまう。
マキマとの圧倒的な力の差を見せつけられ、「大人しくチェンソーマンを渡しなさい そうすれば殺さないでまた飼ってあげる」と言われたパワーは、本能的な恐怖感から服従してしまう。
マキマにチェンソーマンを差し出そうとするパワーだが、今までのデンジとの生活を思い出し、とっさにマキマに逆らってしまう。ボロボロになりながらもデンジを守り切ったパワーは、ゴミ箱の中でデンジと再会する。
「パワーもいないし生きててもいい事ない」というデンジに対して、パワーは「血の悪魔を見つけに行け」と言う。地獄で蘇った血の悪魔を見つけてどうにか仲良くなり、もう一度自分をデンジのバディにしてほしいと語るパワー。最期にデンジと「ワシの血をやる かわりにワシを見つけに来てくれ」という契約を交わし、パワーは消滅するのだった。
そしてその後、マキマの動きを止める際にデンジが使った武器こそが、パワーの血で作ったチェンソーだった。

パワーの戦術・使役した悪魔