天穂のサクナヒメ(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天穂のサクナヒメ』とは、同人ゲームサークル「えーでるわいす」が制作し、マーベラスから発売されたアクションRPG。PS4、Nintendo Switch、PC版が発売されている。戦神であり豊穣神でもある主人公・サクナヒメが鬼の蔓延る島「ヒノエ島」で稲作に従事しながら鬼を退治し、島の秘密を解き明かしていく物語。ゲームは稲作とアクションの2つのパートに分かれて進行する。稲作パートの本格的な作りこみから「農林水産省のHPが攻略wikiになる」と話題になった。

田植えの様子。サクナヒメを少しずつ動かしながら苗をひとつずつ植えていく地道な作業だ。

まず、冬の間に固まった土を掘り起こして田植えの準備をする「田起こし」を行う。田起こしの前に肥料を撒いておくと「元肥あり」の状態になり、土に養分が多くなる。
苗を作る前に、よい種籾と悪い種籾をより分ける「種籾選別」を行う。水を張った桶に種籾を入れた後、水に泥を入れてかき混ぜると水が重くなり、軽い種籾が浮いてくる。軽い種籾は中身が詰まっていない悪い種籾なので取り除き、沈んだ種籾のみで芽出しを行う。泥をたくさん混ぜるほど厳しく選別出来てその年の稲の質がよくなるが、収量は下がる。ゲームの後半に進むと泥ではなく塩でも種籾選別ができるようになる。塩は貴重品だが、塩で種籾選別をすると稲を病気に強くすることができる。
種籾が発芽して苗になったら「田植え」を行う。最初は一本ずつしか植えられないが、稲作を続けていくと複数本を同時に植えたり、苗を植える位置の目安となるマス目が見える等、便利なスキルを色々と覚えられる。また、苗どうしを密集させて植えれば「密植」、離して植えれば「疎植」になり、米の質や収量に影響するので、どんな米を育てたいかによって植え方を変える必要がある。

田んぼには2か所の樋があり、水が入る樋と出ていく樋がある。両方開けると「かけ流し」になる。

田植えが済んだら、雑草を取ったり水の量を調整しながら稲の成長を見守っていく。
雨が降れば水が増えるので、増やしたくない場合は水を抜く。晴れているときは少しずつ水が蒸発するので、適宜水を足す。また、水の量によって水温が上下するので、水量を調整することで上がりすぎ・下がりすぎを防ぐ必要もある。
稲が成長すると、苗から伸びた茎が増える「分けつ」という段階に入る。茎が増えすぎるとかえって成長の悪影響となるので、「三次分けつ」では田んぼの水を抜いて伸びすぎを防いでやる必要がある。これを「中干し」といい、中干しの度合いは田んぼのステータス画面から確認できる。
三次分けつを終えるといよいよ穂が出る。この時期の稲には多くの水がいる。

その年の稲作の結果画面。水の温度や深さや日照量や元肥の有無に中干しの有無など、細かく振り返ることができる。

稲が成熟すると通知が入るので、そうなるといよいよ収穫を迎える。刈り取りの前に田んぼの水を抜いておくと、「稲架掛け(はさがけ)」の際に乾きやすくなる。
収穫後は、「稲架掛け」で稲を乾かす。この時期に雨が続くと乾ききらないこともあるが、冬までには稲架掛けを終える必要がある。
稲が乾いたら「脱穀」を行う。最初は「こき箸」という原始的な道具を使うが、ゲームを進めるときんたが「千歯こき」を作ってくれて作業が楽になる。さらに進めるとココロワヒメの設計で「足踏み脱穀機」が完成し、あっという間に脱穀が終わる。
脱穀を済ませたら「籾摺り」に移る。稲作としては最後の段階だ。最初は杵と臼を使うが、ゲームを進めるときんたとアシグモが「踏み臼」を作ってくれて、作業が早くなる。ゲームの後半になるとココロワヒメの主導で峠に「水車」ができ、何もしなくとも半日ほど放っておけば籾摺りが終わるようになる。籾摺りの度合いは調整可能で、玄米、分搗き、白米、好きな段階で止められる。さらに分搗米は一分から九分まで段階がある。
籾摺りが終わるとその年の稲作が完了し、成果画面が見られる。米のステータスやその年の稲作の細かい様子などを確認できる。サクナヒメのステータスが上昇するのはこのタイミング。

稲作のオフシーズン。特にやることはないが、冬の最終日には田起こしを始めるように促す通知が入り、田起こしと種籾選別を行えるようになる。

肥料

肥料の作成画面。三角のグラフが土壌の養分の状態。塩を含む素材を入れすぎると塩害を起こしたり、肉を入れると虫が湧いたりする。

厠で中身を汲み取り、肥溜めに持っていくと肥料を作れる。混ぜる素材によって土の状態が変わる。
病気や害虫に対する薬を使いたいときは肥料の素材として混ぜる必要がある。
土壌の養分は「葉肥」「根肥」「穂肥」の3つのステータスがあり、肥料を与えることで伸ばすことができるが、ステータスが高ければよいということはなく、過剰な養分は病気に繋がる。土壌の状態は肥料の作成画面や田んぼで確認できる。

病気、害虫、益虫

虫と草の状態。稲作中は益虫を探して峠をうろつく生活になる。

稲は様々な病気にかかる。それぞれ原因があり、合った薬がある。薬の使い過ぎもまた病気の原因となるため、使い方を見極める必要がある。また、防虫の薬は益虫にも効いてしまうため、使いどころを考える必要がある。
稲の生育過程に応じて様々な害虫がつく。害虫がつきすぎると病気の原因になったり、米のステータスや収量が下がる等、様々な悪影響がある。薬や益虫、鴨を活用することで対応する。
峠には「蛙」「田螺」「蜘蛛」の3種類の益虫がおり、田んぼの周り、家や納屋の中、建物の裏など様々なところにランダムで出現する。捕まえると田んぼに放すことができ、害虫を抑えてくれる。益虫ごとに食べる害虫が異なるので、例えば蛙ばかり増やしていてもすべての害虫は防げない。
田んぼに鴨を放すと虫を食べてくれるが、益虫の蜘蛛まで食べてしまう上に、すべての害虫を食べてくれるわけでもない。あらゆる要素のバランスを取って米を育てるのだ。

稲作会議

稲作会議の様子。

サクナヒメ、タマ爺、田右衛門で稲作に関する会議を開く。
数日間の天気と気温の予報、米の状態、農書を確認したり、カムヒツキに木魄を奉納して天候変えを申請できる。
農書は持ち物からも確認できる。

農書

農書の一部。すべてを頭に入れなくとも、必要に応じて参照できるようになっている。

サクナヒメの母トヨハナが家に残した、稲作のハウツー本。ストーリーの進行に応じて解放される。解放後は稲作会議や持ち物から確認できる。
稲の生育段階の解説、米のステータスに応じた育て方、土壌や肥料の解説、病気や害虫の対策、益虫や薬について等、情報は多岐にわたる。米を作る上で欠かせない指標となるので、プレイ中は農書を参照しながら稲作に従事することになる。

米のステータス

田んぼから確認できる米のステータス画面。

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