天穂のサクナヒメ(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天穂のサクナヒメ』とは、同人ゲームサークル「えーでるわいす」が制作し、マーベラスから発売されたアクションRPG。PS4、Nintendo Switch、PC版が発売されている。戦神であり豊穣神でもある主人公・サクナヒメが鬼の蔓延る島「ヒノエ島」で稲作に従事しながら鬼を退治し、島の秘密を解き明かしていく物語。ゲームは稲作とアクションの2つのパートに分かれて進行する。稲作パートの本格的な作りこみから「農林水産省のHPが攻略wikiになる」と話題になった。

『天穂のサクナヒメ』の舞台となる島。頂の世の都から遠く離れた離島で、鬼が無尽蔵に湧いて出る。頂の世にありながら、都の支配下には入っていない。
サクナヒメは人間たちと起こした騒動の罰として都から追放され、ヒノエ島に島流しにされる。島を開墾しながら鬼を退治し、鬼が生まれる原因を調べるのがサクナヒメに下された勅命だ。
サクナヒメの父母、タケリビとトヨハナが出会ったのもこの島であることから、サクナヒメにとっては縁深い土地でもある。
サクナヒメたちが島にやってきた当初は都での呼び方に倣って「鬼島」と呼んでいたが、アシグモが「ヒノエ島」と呼ぶのを聞いて以降は、他の神々の前でも「ヒノエ島」で通している。ヒノエは漢字で「日恵」と書く。

鬼島(おにじま)

鬼島の開墾と調査を命じるカムヒツキ。

ヒノエ島の都での呼び方。島に住むアシグモ族が都に服従しないことに業を煮やした先代のカムヒツキが「鬼島」と呼んで以降、都での通名となる。

星魂剣(ほしだまのつるぎ)

自分が消えてしまうと知っていながら打ち直しを進言するタマ爺。

サクナヒメの父タケリビが振るった神剣。大龍と戦った際にとどめの一撃で折れてしまい、柄だけが残った。
サクナヒメの世話役であり育ての親でもあるタマ爺は星魂剣の精霊。折れる前は虎ほどの大きさがあったらしい。
蘇った大龍と戦うため、サクナヒメの武器となる農具に打ち直すよう進言するが、他の鉄と混ぜ合わせて打ち直してしまえばタマ爺は消えてしまう。サクナヒメはこの提案を拒絶するが、後に自分が大龍に勝たなければヒノエ島を守れないと悟り、タマ爺との別れを受け入れる。その後、ヨモツホムスビを退治した際に折れた刀身が発見され、タマ爺は消滅を免れた。
以後、星魂の農具としてサクナヒメに仕え続ける。

異世渡りの領巾(いせわたりのひれ)

サクナヒメは母から譲り受けた羽衣をいつも身に着けている。

サクナヒメの母トヨハナが「訪れしもの」から授けられた羽衣。どのような経緯で受け取ったのかは不明だが、トヨハナはこの羽衣の力で二つ世の境界を越え、頂の世のヒノエ島に家ごと飛んできた。
トヨハナ亡き後はサクナヒメが受け継ぎ、主に鬼との戦闘に役立てていた。壁や敵に張り付けてワイヤーアクションのように移動したり、敵を転ばせたり、攻撃したりと、使い道は多い。
大龍との決戦において真の力を発揮した羽衣は、大龍の攻撃を吸収して溜め込み、サクナヒメの攻撃として打ち返すという機能を見せた。

木魄(こはく)

緑色に光っているものが木魄。鬼を倒すと手に入る。

神の力の結晶で、神の元でもある。鬼も神の一種であるため、退治された後には木魄が残る。都では通貨にもなっている。
シナリオ内ではきんたが鉄に木魄を混ぜて刀を作った結果、刀の神が生まれてしまい、ひとりでに動きまわる妖刀と化してしまった。

『天穂のサクナヒメ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

主要開発メンバーは同人サークル「えーでるわいす」の2人だけ

「BitSummit 7 Spirits」に出展された『天穂のサクナヒメ』。

本作を開発したのは同人ゲームサークル「えーでるわいす」。
インディーゲームイベント「BitSummit」に出展していたえーでるわいすが、マーベラスUSAから次回作の制作協力を持ち掛けられたことが本作の企画のきっかけとなった。当初はえーでるわいすが過去に制作したゲーム『花咲か妖精フリージア』の続編『花咲か妖精フリージア2』を制作する予定だった。攻撃で吹き飛ばした敵キャラクターを別の敵キャラクターにぶつける、というアクションは『花咲か妖精フリージア』から引き継いでいる。
開発当初はえーでるわいすの「なる」と「こいち」の2人だけで開発を行っていたが、終盤では他のゲームサークルから10人以上のメンバーが参加した。
また、本作のアクション部分は既存のゲームエンジンは使われておらず、えーでるわいすが独自開発したエンジンに別の同人ゲームサークル「にゃっほい屋」が開発した「ラグナロクエンジン」を足す形で採用されている。

制作者は稲作を理解するため実際に稲を育てた

こいちとなるが稲作キットで稲を育てる様子。

えーでるわいすの「こいち」と「なる」は、日本人にとって身近だがほとんどの人が詳細を知らない「稲作」をゲーム上で再現するため、実際に稲を育てることを試みた。小学生向けの教材として販売されている稲作キットを購入し、自宅のベランダで半年かけて稲を育てた結果、バケツふたつ分の稲から茶碗半分ほどの米ができたという。味は微妙だったそうだが、特別な体験になったとインタビューで語っている。
また、稲作に関する論文を読み漁ることで美味しい米を作る環境について理解を深めた、とも両氏は語っている。土壌の養分の変化や各種雑草が生える条件など、稲作に関するあらゆる情報を集めてゲームに落とし込んだことで、他に類を見ない「稲作ゲーム」が実現したのだ。

えーでるわいすの前作『花咲か妖精フリージア』の話題がサクナヒメ作中の会話に出てくる

『花咲か妖精フリージア』のパッケージ。

宣教師のミルテはヤナトに辿りつくまでに様々な国を訪れており、その中で「ダルカ王国」という国に立ち寄ったこと、リスティンという若い王がいたこと、可愛らしい妖精がいたこと等を話している。
これらの設定はえーでるわいすの前作『花咲か妖精フリージア』のもので、サクナヒメの世界観と繋がっていることがわかる。
また、本作中のミニゲーム「花咲かサクナ」で一定のレベルに達した報酬としてもらえる「神霊樹の面」は『花咲か妖精フリージア』の主人公フリージアの顔。

『天穂のサクナヒメ』の主題歌・挿入歌

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