パラサイト 半地下の家族(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パラサイト 半地下の家族』とは、2019年のスリラー、ブラックコメディー韓国映画。『殺人の追憶』『母なる証明』で知られるポン・ジュノ監督と主演ソン・ガンホが再度タッグを組み第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞。アカデミー賞では4部門で受賞と世界的に注目を集めた作品。韓国の貧しい地域の半地下のアパートで生活するキム一家は全員が失業中で貧困だが結束の固い家族。一方、豪邸で裕福な暮らしをするIT企業社長のパク一家。境遇の異なる二つの家族が思いもよらない衝撃の結末を迎える。
監督からのネタバレ禁止のお願い
事前に監督自らがネタバレしないようにお願いする程に、クライマックスはこの映画のカギとなっている。シナリオでは事実の描写をもっとあいまいに表現していたのだが、「現実社会はより残酷なものだ」というソン・ガンホの意見もあり実際の撮影ではより詳しく描写し現実味を帯びたものとして強烈な印象を与えることにした。大ヒットの裏には、監督自らお願いしたネタバレ禁止作戦があるのではないかともいわれている。
パク家の豪邸
監督ボン・ジュノによるとパラサイトの舞台に欠かすことができない豪邸は他の何よりも大切な要素で隅々まで監督の要望を折り込み建てられたものだ。豪邸だけではなく町が映画のセットとして作り上げられた。豪邸内もしかりで、小道具として置かれたゴミ箱は2,300ドル、ギジョンとヨンギョが家庭教師の初日に話をしたテーブルは22,300ドルの価値がある。
韓国の格差社会
2015年の調査では36万4000世帯がまさに映画にでてくるキム家のような半地下のアパートで生活している。兄弟がWifiを探しているシーンではトイレが一段高いところにあるのが見えるが、一般的に半地下アパートでは下水が逆流しないようトイレは一番高いところにある。家賃が高いソウルでは半地下のアパートは一般的な選択肢の一つとなっている。20代の平均月収は200万ウォン(約18万5000円)だが家賃は月額54万ウォン(約5万円)となっている。半地下アパートだと3LDKでも月20万ウォン(約1万8000円)で借りられる。
映画の舞台は90%がセット
空間配置こそがドラマだという監督。実際に一つの街を再現したかのような大掛かりなセットで精巧に作られていた。すべてがリアルで、半地下アパートがある近辺には生ごみなどを持ち込み道にばらまきハエや蚊も実際に飛ばした。壁に臭いをしみこませ、古着を衣装として使用。一方豪邸のほうはすっきりと清潔感がありかつ高級、食器やごみ箱といった小道具にお金を惜しまず使い配置されている。
『パラサイト 半地下の家族』の主題歌・挿入歌
同映画で音楽を手掛けるのは、坂本龍一もその実力を認める気鋭の音楽家“チョン・ジェイル”だ。前作オクジャでもボン監督と一緒に作品を仕上げている。エンディング曲「Soju One Glass(焼酎一杯)」は作詞がボン監督、キム一家の長男を演じるチェ・ウシクが歌唱を担当した。
ED(エンディング):Jung Jae-il『Soju One Glass(焼酎一杯)』
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目次 - Contents
- 『パラサイト 半地下の家族』の概要
- 『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- 富豪パク一家との関わり
- 「寄生」パラサイトの始まり
- 地下室の存在
- 貧乏臭
- 誕生日の悲劇
- 悲劇の後
- 『パラサイト 半地下の家族』の登場人物・キャラクター
- キム家
- キム・ギテク(演:ソン・ガンホ)
- キム・ギウ(演:チェ・ウシク)
- キム・ギジョン(演:パク・ソダム)
- チュンスク(演:チャン・ヘジン)
- パク家
- パク・ドンイク(演:イ・ソンギュン)
- パク・ヨンギョ(演:チョ・ヨジョン)
- パク・ダヘ(演:チョン・ジソ)
- パク・ダソン(演:チョン・ヒョンジュン)
- ムングァン(演:イ・ジョンウン)
- オ・グンセ(演:パク・ミョンフン)
- ミニョク(演:パク・ソジュン)
- 『パラサイト 半地下の家族』の用語
- 台湾カステラ
- チャパグリ
- 『パラサイト 半地下の家族』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- キム・ギウ「父さん、僕はこれを偽造や犯罪とは思いません。来年、この大学に入るから」
- キム・ギテク「絶対に失敗しない計画はわかるか?無計画だよ、無計画。ノープランだ」
- 『パラサイト 半地下の家族』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アメリカ トランプ大統領のコメント
- キム家の象徴となった山水景石
- 監督からのネタバレ禁止のお願い
- パク家の豪邸
- 韓国の格差社会
- 映画の舞台は90%がセット
- 『パラサイト 半地下の家族』の主題歌・挿入歌
- ED(エンディング):Jung Jae-il『Soju One Glass(焼酎一杯)』