青春の記録(韓国ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『青春の記録』とは、韓国で2020年9月に放映を開始したロマンティックヒューマンドラマである。芸能界を舞台にそれぞれの夢を抱える若者の成長を描いている。家柄が重視される業界で自分だけの力で成功しようと努力する主人公やヒロイン達が厳しい現実に直面しながらも挑み続ける日々はまさに青春の記録である。多くの若者が夢を諦めざるを得ない韓国社会の現実を描いている。主演のパク・ボゴムがドラマの役柄と同様に撮影入隊することが決まっており話題を呼んだ。

『青春の記録』の概要

『青春の記録』とは、2020年下半期に韓国tvNで放送された全16話のロマンティックヒューマンドラマシリーズである。2020年10月27日にシリーズ最終回第16話が放映された。韓国国内での放映後日本では同日中にNetflixを通じて配信された。制作会社パン・エンターテイメントによると今後アジアおよび英語圏地域を皮切りに約190か国に配信を予定。放送前に全世界公開を決定したことから、Netflixを通じて大ヒットしたドラマ『愛の不時着』、『梨泰院クラス』に続く海外市場での期待値の高さが伺えた。このドラマは家柄や学歴が重視される社会でも現実の壁に絶望することなく、夢と愛を叶えるため努力する若者たちの成長が描かれる。脚本は『ドクターズ』、『愛の温度』を手掛けたハ・ミョンヒ、監督は『秘密の森』、『アルハンブラ宮殿の思い出』等人気作品を手掛けたアン・ギルホが担当した。制作会社は第4次韓流ブームの立役者と言われているスタジオドラゴンである。スタジオドラゴンはサムスングループから分離した総合エンターテイメント企業でその資金力の高さを武器に数々のヒットドラマを手掛けている。『パラサイト』の配給や『愛の不時着』の制作、Netflixとの提携と最近の勢いは目覚ましく、最近の話題作はほぼスタジオドラゴンが関わっている。
ドラマの内容はよくある「夢を追いかける若者のロマンティックヒューマンドラマ」だが、主演のパク・ボゴムが兵役のための入隊前最後のドラマという事で放映前から話題になっていた。さらに相手役のパク・ソダムが『パラサイト 半地下の家族』に出演した新鋭女優であることでも注目を集めた。

舞台は2018年。主人公は俳優を目指すモデル歴7年のサ・ヘジュン。未だにモデルの仕事だけでは食べていけず、実家暮らしでバイトを掛け持ちする毎日。幼馴染で裕福な家庭に育ったヘヒョとの差に落ち込むこともあるが、良きライバルとして友情を育んできた。まだ兵役を済ませていない26歳のヘジュンを父親や兄は心配しながらも厳しい態度で諭す。一方、ヘジュンの夢を応援する祖父と母親の存在もある。ある日、ヘジュンはメイクアップアーティストを目指すアン・ジョンハと出演するファッションショーで出会う。同じショーに出演したヘヒョもジョンハと仲良くなり、その人柄に惹かれてゆく。良くも悪くも家族と親密なヘジュンは父の干渉、兄へのコンプレックス、母や祖父の応援へのプレッシャーで挫けそうになっていた。さらにヘジュンはモデルデビュー時代からの事務所社長とは賃金未払いで決裂して契約解除し俳優への夢を諦めざるを得ない状況になる。俳優になる夢とジョンハへの愛にまっすぐに向き合うヘジュンの青春の記録である。

『青春の記録』のあらすじ・ストーリー

第1話

サ・ヘジュンは俳優を目指すモデル歴7年目。芸能界は家柄や親の資産がものを言うため、普通の家庭で育ったヘジュンは中々芽が出ない。
人気俳優のパク・ドハは俳優としてのキャリアがないヘジュンを見下す。

メイクアップアーティストを目指すアン・ジョンハは、大企業を辞めてサロンへと転職したが、批判を受ける。そんな時ジョンハは、以前からファンであるヘジュンの写真を見ながら「あなたのおかげで頑張れる」と自分を慰める。

ヘジュンの幼馴染のヘヒョもヘジュンと同じモデルで俳優志望だが、裕福な家庭に生まれていた。
ヘジュンの大親友でもありライバルでもあるヘヒョだが、ヘジュンの母親が家計を助けるために家政婦として雇われているのがヘヒョの家であり、複雑な思いを抱いている。

ヘジュンの実家では兄キョンジュンの就職祝いでヘジュン以外が食卓を囲んでいた。そんな中、ヘジュン宛に兵役の通知が届く。
ジョンハはファッションショーへの同行を社長から依頼され、ヘジュンと会える事に喜ぶ。幼馴染のジヌはヘヒョの妹と付き合っているがヘヒョには言えずにいる。

第2話

ショーの後片付けをするジョンハを手伝ったヘジュンは、お互いの連絡先を交換する。
オーディションに落ちたヘジュンは、ヘヒョとジヌと会い酒を呑んでストレスを発散する。帰宅すると父親と兄にこれからの事を問い詰められるヘジュン。

一方、オーディションに合格し役を得たヘヒョは「ヘジュンと一緒でないと断る」とマネージャーに伝える。ヘジュンを口説き落としマネージャーになったミンジェは、事務所「チャンポン・エンターテイメント」を立ち上げる。
ミンジェは、ヘジュンに「ヘヒョがオーディションに合格したのは演技力でなく、SNSのフォロワーが多かったからだ」と伝える。ヘヒョのフォロワー数はヘヒョの母キム・イヨンがヘヒョに黙ってお金で買ったものだった。

第3話

ジョンハはついに本当はヘジュンのファンだという事を告白する

ある日ヘジュンが落ち込んだ時に来る大きな書店でジョンハと待ち合わせをする。お金の価値観など他人にはしづらい話をして、お互いの距離が縮まっていく。

雨が降り始めヘジュンの買った傘を二人で差しながらバス停に向かう。ヘジュンはこれまで一人の女性としか付き合った事がないと真剣に話す。真剣な恋愛を避けてきたジョンハは、ヘジュンの告白にいたたまれず走ってバス停へ向かう。
ある日ジョンハは、ヘジュンのファンだという事を告白する。

第4話

ジョンハの休日に、意地悪な先輩から「研修があるから出勤するように」と電話連絡がくる。納得のいかないジョンハは前もって連絡すべきだと抗議し電話を切った。
ジヌはアシスタントをしているカメラスタジオで雑用ばかりさせられることに腹を立て、カメラマンである上司に告訴すると言って辞めようとする。しかし、ヘヒョの撮影を任されていることもあり、引き留められる。

ジヌはヘヒョの妹ヘナとの関係を進めるため、ヘナの希望どおり子宮頸がんワクチンの予防注射を受けることにする。一人で予防接種を受けるのが恥ずかしいジヌは、ヘジュンとヘヒョを道連れにする。

第5話

ジョンハはヘヒョのメイク担当として依頼を受け、撮影に同行するようになる。
ヘジュンの兄ギョンジュンは、職場の近くにアパートを借りて一人暮らしをすると宣言する。母親は就職したばかりで結婚資金の貯金ができないからと反対する。兄ギョンジュンが家を出る件で家族会議が開かれる。

ヘヒョの妹ヘナは無事に大学に受かり、家政婦として居合わせたヘジュンの母も祝福する。

映画の撮影ではヘジュンが額にケガをして、ジョンハが薬局に走り手当をする。ヘジュンがジョンハを家に送る途中で突然雨が降り出した。「あなたといると、なぜか雨が降る」とジョンハに言われたヘジュンは、思わず「好きだ」と告白する。

第6話

土砂降りの雨の中、告白されたジョンハは走り出す。追いかけるヘジュンはコンビニで追いつく。
濡れたヘジュンに対しジョンハは自分の部屋で乾かすよう提案する。服や髪を乾かしたヘジュンはジョンハに「告白の返事を聞いていない」と言う。ジョンハは照れつつも「私も好き」と言う。

ジョンハは勤める美容院でもデザイナーに昇進する。それを知ったヘヒョは花束をプレゼントする。ジョンハがヘジュンを好きなことをしりつつ想いを募らせていく。

ヘジュンは新しいドラマへのキャスティングが決まった事をマネージャーから知らされる。早速報告するヘジュンに家族も喜ぶ。しかし、監督からマネージャーにキャスティングを取り消すと連絡が入る。前の事務所の社長とのトラブルが原因だった。
ヘジュンの胸にはドラマの役を逃した悔しさがこみ上げてきた。そこにジョンハから電話がかかってくる。

泣いていたことを隠してヘジュンはジョンハに会いに行き、夜の公園のピアノで弾き語りをしてジョンハにキスをする。

第7話

ジョンハの勤務する美容院にヘジュンのマネージャーミンジェが現れる。
ミンジェは「ドラマの役を逃して落ち込んでいるヘジュンを慰めてほしい」とジョンハに頼む。ジョンハは『プレゼント』というタイトルの本をヘジュンに贈ることにした。ヘジュンに電話をすると泣いているのがわかったが、気づかないふりをして「一緒に遊ばない?」と誘う。ヘジュンは泣くのをこらえながら「いいよ」と返事をした。
公園でのデートで二人の仲はさらに深まる。

兄ギョンジュンは引っ越しの当日を迎えヘジュンの運転で新居へ向かう。部屋のキーロックのパスコードが何度入れてもエラーになり困っていると、部屋の中から男性が出てきて自分が住人だと言う。男は「もう5人目だ」と言った。
詐欺に遭ったことを確信したヘジュンとギョンジュンは警察に被害届を出した。

ジョンハはメイクのYouTubeチャンネルが好評で大手の事務所から提携の話が来る。一方で、トップ女優が主演する『ゲートウェイ』の出演が決まったヘジュン。嬉しさのあまりジョンハに報告しに行く。

第8話

ヘジュンが医者役をするため黒髪にしたいと言うとジョンハは自分がやると言う。
ヘジュンの母親は仕事中に、ヘヒョの母親からヘジュンのドラマ出演と彼女の存在を聞かされる。なにも聞いていなかったヘジュンの母親は、息子が何も言ってくれなかったことに落ち込む。

パク・ドハとヘジュンの前事務所の社長は、ホステスがヘジュンを褒めるのを聞き気分を悪くする。
ヘジュンの人気は急上昇し、ロケ場所の病院ではサインを求める人だかりができる程になる。ついにヘジュンはパク・ドハからCMを奪う。

ジョンハは職場で新しい顧客に自分の提案するメイクを施すが、その客は気に入らないと大騒ぎする。しかし、いじわるな先輩がクレームをつけてきたお客とグルと知ったジョンハは、怒って先輩に水をかけ「誤解をといてから辞める」と宣言する。

ジョンハの母親は娘が大企業を辞めて美容院に転職したことを知らずに、以前の職場にジョンハを訪ねる。会社を辞めた事を知ったジョンハの母親は家までおしかけてジョンハを責める。
これまでの母親への不満を思わずぶつけるジョンハ。母親は怒って帰っていく。

第9話

主演男優賞受賞のスピーチで祖父と母親に感謝するヘジュン

ヘジュンの人気は日に日に高まり、父親もスマホでヘジュンの出演シーンを何度も見ては満足そうにしている。ヘヒョの母親はヘジュンの活躍が気に入らず、ますますヘヒョのために営業活動をする。

以前撮影した映画の製作発表会でドハ、ヘヒョ、ヘジュンがインタビューに応える。司会者がヘジュンのドラマを観ていて決め台詞を言ってほしいと頼む。
ドラマの影響でヘジュンの注目度が高まり、主演のドハやヘヒョより多くの声援を受ける。

演技大賞受賞式当日、家族が見守る中、司会を務めるヘジュン。主演男優賞候補はドハとヘジュンを含む4人。主演男優賞はサ・ヘジュンと発表される。受賞のスピーチで祖父と母親に感謝するヘジュン。父親はスピーチで触れられず気まずい表情である。

第10話

2sS_Nakamura
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