ハートの国のアリス(ハトアリ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハートの国のアリス』とは、QuinRoseから発売された童話『不思議の国のアリス』がモデルの恋愛アドベンチャーゲーム。QuinRoseの看板作品の1つ。不思議な「白ウサギ」によって、ある日、銃弾飛び交う物騒な世界「ハートの国」に連れ去られてしまったアリス。アリスは非現実過ぎるこの出来事を「夢」だと受け入れ、夢から目覚めるまでの間、ここでの暮らしや住人達との交流を楽しむことにする。

ペーター=ホワイト

CV:宮田幸季
ハートの城の宰相である白ウサギ。アリスをこの国に連れてきて張本人でもある。キャラのモチーフは『不思議の国のアリス』に登場する、白ウサギ。武器は拳銃。懐中時計に擬態させて所有している。
極度の潔癖症。他者は全て雑菌扱いで、触れてくることは決して許さない。しかしアリスだけは特別に触れることを許している。他者に対しては常に殺意がむきだしであるのに、アリスに対してはやや夢見がちな乙女思考になるといった一面を持っており、攻略キャラ達の中でも特出した無償の愛を彼女に捧げている。しかしそんな他者との対応の差が逆にアリスに不信感を抱かせる理由となっているようで、「ストーカーウサギ」「電波ウサギ」とよく呼ばれている。
真っ赤な瞳に、雪のように真っ白な髪や肌と、ウサギ耳があることを抜かせば非常に美しい容姿の青年でもあり、その口調も敬語と美しい見目に見合ったものとなっている。だが本人を前にして悪口や愚痴をこぼすなど、その態度は褒められたものではない。上司である女王相手にすらも容赦がない。そんな外見とは対照的な本性故、陰では「黒ウサギ」と呼ばれていたりするらしい。
なお白いウサギ耳が生えてはいるも、本人曰く一応人間であるとのこと。しかし動物としてのウサギ姿になることも可能。その姿は、普段彼から距離を取りがちなアリスですらも魅了するものとなっている。

エース

CV:平川大輔
ハートの城の騎士。所有武器は大剣。ただし銃器に変化させることもできる。キャラのモチーフは、トランプ「ハートのA」。『不思議の国のアリス』に登場するトランプ兵ハートのジャックが見本だと思われている。
騎士であると同時に城の軍事責任者でもあるのだが、本人は重度の迷子と責任者にあるまじき性質を持つ。その度合いは、目的地が見えている距離に居るのにいつまでも辿りつけない上、歩き慣れてる筈の城内でも迷子になり、自室にすらたどり着くこともままならない程である。そのくせ、アウトドアが好きという困った趣味の持ち主ともなっている。別領地に迷い込むことも多く、その度に何かしらの問題を起こしてくる。本人に反省の意思はなく、「俺ってツイてないんだ」「騎士だから」といった理由で片付けようとする、ハートの国随一のトラブルメーカーである。ただし、騎士としての実力は申し分のないもので、ディー&ダムですらも彼から申し込まれる手合わせは嫌がる程だ。
爽やかな好青年風の外見通りの性格をしており、非常に明るく前向きな人間。だがそれ故に裏表のない性格となっており、素で毒を吐くことが度々ある。口調が爽やかなだけで、腹の中そのものは真っ黒であるとうかがわれる。
中立立場である時計塔の住人ユリウスとは友人関係にある。しかしその理由も、「自分より不幸っぽくて安心する」と仄暗いものだったりする。

キング( ハートの王)

画像左の男性がキング。

ハートの城の王。ハートの城内における、唯一の非攻略対象キャラ。
人の良い初老の男性であり、実際その気性は女王のビバルディとは真反対に穏やかなものとなっている。ただし、穏やかが過ぎて気が弱くなっているとも言える。それ故か影が薄く、度々周囲から存在を忘れられる。部下である筈のペーターとエースにさえ、適当な扱いをされている。さらに城の実権はビバルディにある等しい為、彼が城の事に口だしをすることはできない状況となってすらいる。だが、ビバルディ達上役がサボった仕事のほとんど肩代わりしているのも事実であり、あまり深くは語られないものの実は有能な王であることがわかる。
ビバルディとは対になる役職だが、婚姻はしていないらしい。それどころか、お互い幾人かの愛人がいることも明らかにされており、ビバルディとの関係はあまり良好ではないようだ。

遊園地

メリー=ゴーランド

CV:堀内賢雄
遊園地のオーナーであり、その領地を治める侯爵。武器はライフル銃。普段はバイオリンに擬態させている。バイオリンは演奏が可能となっているが、本人の腕前が酷い為に周囲からは「騒音公害・超音波兵器」と銃器に対する以上の恐怖を持たれていたりする。しかしゴーランド自身は自分の腕前を素晴らしいものだと思っており、その腕前が上達する気配はない。
性格は温厚穏やか。包容力もあり、その度合いはアリスから「実の父親よりも父親らしい」と評価されるほどのもの。だが、自分のフルネームが洒落になっていることを気にしており、それについて突っ込まれたりいじられたりすると、態度を一変し、ライフル銃で周囲を撃ちまくる危険人物となる。が、それも短い時間のことで、すぐにいつも通りの気さくな人物に戻る。なお名前に関しては、昔は「ゴーランド」とのみ名乗っていたが、本名を知ったブラッドが国中に言いふらしてしまい全国民に知られてしまった、という経緯を持つ。故に、領地争いの件とは別に、ブラッドの事を憎んでいる節がある。

ボリス=エレイ

CV:杉山紀彰
遊園地に居候している、「チェシャ猫」の通り名を持つ青年。キャラのモチーフは『不思議の国のアリス』に登場する、チェシャ猫。
武器は拳銃。紫がかったショッキングピンクの拳銃であり、猫耳にしっぽ、はてには着ている服やファーもその色となっている。首輪やピアス、指輪などのアクセサリーをつけており、ヘソ周りや目の下にはタトゥーも彫られている。左目は常に閉じられており、開かれることはない。
基本的に人当たりの良い青年だが、猫らしく自由奔放で気まぐれな一面ももつ。ナゾナゾが大好きで、アリスに対してよく出題するが答えを教えるのはその時の気分次第となっている。また銃オタクな一面もあり、大量の銃を自室にコレクションしている。その全てが全く原型をとどめていない、改造銃だ。同じく武器オタクである帽子屋のディー&ダムとは気が合う友人である。さらに「遊び」と称して命がけの銃撃戦に挑みに行くこともあり、アリスを大いに心配させる理由となっている。
他の住人達と違い、扉を媒介にして空間の切り貼りができる、特殊な能力をもつ住人でもある。物事に固執しない性格故、「引っ越し」の度には度々弾かれて様々な場所へ行くが、その際はこの力を使ってお気に入りの遊園地の自室へ行き来可能にする為に、時々空間を繋げていたりする。が、本来ならば、領地の主に許可を取って行わなけれなならないことだったりする。

時計塔

ユリウス=モンレー

CV:子安武人
中立立場にあたる時計塔の主。所有武器は小銃。ただし戦闘を行うことは不得意な為、基本的にはスパナに擬態させ、「時計屋」としての仕事道具として使用している事が多い模様。
ハートの国全住人の命である「時計」の修理と時間の管理を行う役割をもつ。それ故、この国において唯一、アリス同様に自由に時間帯を変えられる力を持つ。前者の仕事内容から「葬儀屋」と揶揄されることもある。仕事の最中はメガネをかけており、一度没頭すると食事や睡眠をとることも忘れて仕事をし続ける仕事人間と化してしまう。
根暗で人間嫌いな為、仕事以外で塔から外出することはほぼない。アリスに対しても、出会ったばかりの頃は関わることを嫌がっていた。ハートの城の騎士であるエースが唯一の友。時折、「時計」を修理されたくない国民達が隠し持っている「時計」の回収を頼んでいたりもする。
好物はコーヒーと、ハートの国における数少ないコーヒー党。アリスの時計塔滞在ルートでは、アリスの淹れたコーヒーの味を採点する姿を見ることもできる。

その他のキャラクター

ナイトメア=ゴットシャルク

CV:杉田智和
夢をつかさどる「夢魔」アリスが眠っている時にのみ、夢の中へ現れる。
モチーフは『不思議の国のアリス』に登場する芋虫。この世界での通り名も「芋虫」なようだが、それで呼ばれることを嫌がり「蓑虫」を自称している。夢を自在に変化させる力に加え心を読む力を持っている。本編内では、アリスの心のモノローグを読み取っては、意味深な言葉をよく投げかけている。
実はとても病弱体質。吐血をくり返す程に病弱なのだが、注射や薬が嫌いな為に病院へ行くことを拒んでいる。シリアスなシーンでも、彼が吐血をすることによって壊れることが度々ある。結果、アリスから「ダメ男」認定をくらっているが、本人は自分のこと「神秘的でカッコイイ」「偉い」と自己陶酔している。
初代PC版『ハートの国のアリス ~Wonderful Wonder World~』では攻略対象にあたらないキャラであったが、続編の同じくPC版『クローバーの国のアリス ~Wonderful Wonder World~』にて、攻略対象となる。以降のシリーズでは全て、攻略対象として登場。同様に、このソフト以降度々発売される『ハートの国のアリス』のアニバーサリー版やファンディスク版等においてもルートが追加され、攻略対象の1人となる。

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