ハートの国のアリス(ハトアリ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハートの国のアリス』とは、QuinRoseから発売された童話『不思議の国のアリス』がモデルの恋愛アドベンチャーゲーム。QuinRoseの看板作品の1つ。不思議な「白ウサギ」によって、ある日、銃弾飛び交う物騒な世界「ハートの国」に連れ去られてしまったアリス。アリスは非現実過ぎるこの出来事を「夢」だと受け入れ、夢から目覚めるまでの間、ここでの暮らしや住人達との交流を楽しむことにする。

帽子屋屋敷

ディー&ダム BESTEND

アリスに抱きつくディー&ダム(画像右の青い服の少年がディー、画像左の赤い服の少年がダム)。

共有ルートを見終えた後に発生する滞在先を選ぶイベントで「帽子屋屋敷」を選ぶ事で、発生可能となるルート。滞在先決定後に発生するフリータイムに、幾度となくディー&ダムのもとに足を運び、特定の回数の時に特定の時間帯で彼らと会う事ができれば物語が進行する。
帽子屋ファミリーのに客人として、帽子屋屋敷に滞在する事になったアリス。帽子屋屋敷の住人の1人として暮らしを続けていく内に、彼女は次第に帽子屋ファミリーのメンバーと仲良くなっていく。もちろん、そこには帽子屋屋敷の門番を務める双子のディー&ダムも含まれている。ブラッドツインズという物騒な肩書のついているディー&ダムだが、余所者であるアリスには簡単に懐き、無邪気な子どもらしい好意を彼女に向けてくる。そんな双子の様子にアリスも絆されるようにして仲良くなるが、ある時、彼らがアリスを恋愛的な意味で「好き」だと言って取り合いを始めた事をきっかけに、3人の関係は一変する。
激しい喧嘩の結果、これまでもそうしてきたようにアリスを2人で分けっ子すればいい、という結論に至ったディー&ダム。しかしアリスは物ではない為、「分け合いなんてできるわけがない」と彼らの結論に呆れる。同時にそのような結論に至った彼らの様子から、自分の事をそういう意味で好きだと言ったのは子ども特有の勘違いだったのだろうと考える。さらに、その事にショックを受けている自分に気づき、アリスはいつの間にかディー&ダムの事を自分が考える以上に好きになっていたのだと気づく。
だがそんなアリスの心情などディー&ダムが気づく事はなく、2人はアリスに好きになって貰おうと迫る。時には自分達が子どもである事も利用して、アリスの事を2人で口説いていく。そんな2人の強い押しに戸惑うアリスだったが、最終的に押し負ける形で彼らと恋人になる。
そうして2人と付き合い始めてしばらくが経った頃、アリスは2人の相手と一気に恋人になる現状に疑問を抱きはじめる。本当にこのような付き合い方でいいのかと困惑するアリスだったが、ディー&ダムは「アリスが自分達の事を好きであれば良いのだ」と彼女に返す。さらにディー&ダムは、実は今まで何度か入れ替わった状態でアリスに会いに来ていた事をアリスに明かす。予想外の事実に驚くアリス。そんなアリスに双子達は「自分達の事を好きなら、見分けられなくても別にいい」と告げる。それを聞いたアリスは、彼ら本当に2人で一緒に自分の事を恋人として愛してくれているのだと気付く。そうしてこのままの現状でもなんら問題ない事を知る。
そんなある日、ついに小瓶の中身が満杯になる。それを見たアリスは自分が元の世界に帰らなければいけない事に気づくも、恋人であるディー&ダムの事を思うとその決断に踏み切れない。そこでアリスはディー&ダム達自身に、どうするべきか相談する。だが、アリスが居なくなると知ったディー&ダムは、彼女を元の世界に帰らないように引き止め始める。2人から必死に止められたアリスは、自分が思う以上に彼らが自分を好きだと思っていてくれる事実に嬉しくなる。そうして、そんなディー&ダムの思いに押されたアリスは、彼らの為にハートの国に残る事を決意。双子の恋人として、ハートの国での暮らしを続けていく事にするのだった。

エリオット BESTEND

仕事で疲れて眠るエリオット(兎耳の男性)に抱きしめられているアリスと、それを見てしまったディー(青服の少年)&ダム(赤服の少年)。

共有ルートを見終えた後に発生する滞在先を選ぶイベントで「帽子屋屋敷」を選ぶ事で、発生可能となるルート。滞在先決定後に発生するフリータイムに、幾度となくエリオットのもとに足を運び、特定の回数の時に特定の時間帯でエリオットと会う事ができれば物語が進行する。
帽子屋屋敷に滞在する事になったアリスは、帽子屋ファミリーの客人としてもてなされるようになる。ある日、暇を持て余したアリスが帽子屋屋敷をうろついていると、エリオットと遭遇する。アリスと同じく暇だというエリオットは、「一緒にでかけないか」とアリスに提案する。アリスとしては、帽子屋屋敷で暮らしていく以上、帽子屋ファミリーのメンバーであるエリオットとはつかず離れずの適度な距離を保っておきたかった。だがエリオットからの純粋な誘いを断る事もできずに悩んでいると、彼の耳に目がいく。茶色い兎耳の可愛さにやられたアリスは、思わずその耳を掴み触ってしまう。エリオットの耳を触り出すアリスに戦慄するエリオット。結局アリスとのお出かけはうやむやなまま終わってしまう。アリスが自分の事を嫌いだからあんな暴挙に出たのだと勘違いしたエリオットはショックを受けるが、アリスと仲良くはしたいらしく、自らアリスに声をかけていく。そんなエリオットの様子に、アリスは自分が悪かったと反省し、彼に謝る。と同時に、「自分がエリオットの事を嫌いになる筈がない」とエリオットに告げるが、それは全く無意識の言葉であり、アリスはそこで初めて自分がエリオットをなんだかんだ気に入っている事を自覚する。アリスに嫌われていない事を知ったエリオットは嬉しくなり、彼女に「今度一緒に遠くへ出かけよう」と告げる。アリスもそれを受け入れ、出かける事を約束する。だが約束してからどれだけ時間帯が変わろうとも、エリオットの仕事が忙しいせいで、なかなか出かける事が叶わない。落ち込むエリオットだが、アリスが自分との約束をしっかり覚えて待っていてくれる事を知り、嬉しくなる。そんなエリオットの様子にアリスの方も微笑ましくなりながらも、どこか甘酸っぱい空気を感じて恥ずかしくなってしまう。

しかしそれからしばらくしても一向に2人が出かけられる気配はなく、アリスを待たせている事に申し訳なくなったエリオットは、代案で彼女を自分の部屋へ招待する事にする。エリオットの部屋に訪れたアリスは、その日以降、度々彼の部屋へ足を運ぶ事になる。主にそれは、仕事で忙しいエリオットの貴重な休みのタイミングで、アリスは彼とダラダラ話をするだけの時間を過ごす。そうして2人っきりの時間を過ごす事に、次第にエリオットは幸せを見出していく。そんなエリオットに感化されてか、アリスもエリオットと過ごす時間を当たり前の日常として受け入れていくようになる。だが反面、いつもどこか疲れた様子で休憩に入るエリオットの姿に、アリスは不安を抱くようになる。仕事で無理をしているんじゃないかと思い、他の帽子屋ファミリーに話を聞くが、そもそもアリスと居る時以外はいつも通りで疲れた様子など微塵も見られないという。疑問をいだいたアリスは、最終的に彼の上司でありファミリーのリーダーであるブラッドのもとへ直談判に行く。だがブラッド曰く、彼に無理な量の仕事は押し付けていないとのこと。それどころか、アリスと出かけたい為に自主的にエリオットが仕事を詰めていた事が判明する。そこでアリスは、エリオットが思った以上に自分の事を気に入ってくれている事、そして自分がそんな彼の事を思った以上に好きになっていた事実に気づく。
後日、再びエリオットと2人っきりの時間を過ごすアリス。そこでアリスは、エリオットがアリスに話しかけるブラッドに無自覚で嫉妬していた事を知る。それどころか、その事がきっかけでエリオットがアリスへの恋心を自覚し、彼女に想いを告げてくる。アリスの方も少なからず彼の事を想っていたが、過去のトラウマから恋に臆病になっていた事やいつか元の世界へ帰るという理由から、エリオットの告白を一度断る。だが、結局は彼に押されるままに恋人となってしまう。それでもアリスの元の世界へ帰るという願いが潰えたわけではない。その事を察したエリオットがアリスを引き留めようとするが、アリスは「絶対に戻ってくるから」とだけ告げ、頑なに意志を曲げない。
そうしてある日、ついに小瓶の中身が溜まり、アリスが元の世界に帰れる機会がやってくる。しかしそのタイミングでエリオットが「アリスが帰ったら寂しくて死ぬ」と兎らしい事を言い出す。それを聞いたアリスは、兎らしいエリオットの予想以上の可愛さに心奪われ、この世界に残ると決意する。

ブラッド BESTEND

元の世界に帰ろうとするアリスを引き止めるブラッド(画像左の男性)

共有ルートを見終えた後に発生する滞在先を選ぶイベントで「帽子屋屋敷」を選ぶ事で、発生可能となるルート。滞在先決定後に発生するフリータイムに、幾度となくブラッドのもとに足を運び、特定の回数の時に特定の時間帯でブラッドと会う事ができれば物語が進行する。
帽子屋屋敷に滞在する事になったアリスは、帽子屋ファミリーの客人としてもてなされる。しかしそうして過ごしている内に、アリスは日々の生活に「暇」を感じるようになる。そこでせっかくなので帽子屋屋敷で何か手伝える仕事はないかと、ブラッドに頼んでみる。仕事をしたがるアリスをブラッドは理解できなかったが、彼女が今の現状を退屈に感じている事は理解できた為、「退屈潰しに自分の部屋へ来ないか」とアリスを誘う。驚くアリスだったが、彼の部屋に自分の好きな本がたくさんある事が判明すると、その誘いに乗る事にする。以来、アリスはブラッドから本を借りる為、彼の部屋へよく訪れるようになる。またブラッドが融通をきかせてくれた事で、アリスにでもできる仕事が回されるようになり、アリスは退屈な日々と別れる事に成功する。

ブラッドの優しさに触れたアリスは、この事をきっかけに彼に少しだけ心を開く。ブラッドが帽子屋ファミリーというマフィアのボスとして非情な人物である事も理解しながらも、彼なりの情や不器用な優しさを前に、アリスは徐々に彼に惹かれていくようになる。だがある時、「気が変わった」と言い出したブラッドにより、アリスは彼と体だけの関係を持ってしまう。そんな自分の事を汚いもののように感じるアリス。また、ブラッドが実は元恋人と顔がそっくりだったという事実もあり、それがより彼女のマイナス思考に拍車をかける。結果、彼女はブラッドと2人っきりのタイミングで泣いてしまう。だがそれを見たブラッドが焦った事から、彼が思った以上に自分に執着している事に気づく。いつもの余裕ある態度とはまるっきり違うブラッドの姿に、アリスは不覚にも彼の事を可愛いと思ってしまう。だがアリスの中にあった惨めさが完全になくなったわけではなく、ブラッドが優しさを見せる度にアリスはそれを辛く思うようになる。そんなアリスの様子に訝しんだブラッドは、ある時アリスに態度の理由を問い詰める。彼に問い詰められたアリスは、かつてブラッドにそっくりな男と恋仲であった事を告げる。するとその会話以降、ブラッドはアリスの元恋人に嫉妬するような態度をアリスに見せるようになる。そんなブラッドが見せる素の姿に、アリスは徐々に彼自身に心惹かれるようになっていく。だが元恋人とあまりいい別れ方をしなかった事がトラウマとなっていたアリスは、ブラッドに自身の思いを告げる事はできないまま、体だけの関係を続けてしまう。ブラッドの方はそんなアリスの内心に気づいていない。だが、アリスへの思いを自覚したのか彼女に「好きだ」という言葉をよく告げるようになる。ブラッドからの告白を信じきれないアリスはそれを拒絶するが、ブラッドはアリスを口説いていく。

そんなある日、ついに小瓶の中身が溜まり、アリスが現実世界へ帰れる機会がやってくる。しかし、帰らなくてはいけないと思うのに何故か帰る事を拒みたい気持ちにかられるアリス。戸惑っているとそこへブラッドがやってきて、アリスが帰るのを引き止める。強引に引き止めようとする彼にアリスは怒るが、ブラッドが「結婚しよう」と言い出した為、怒りが驚きに変わってしまう。しかしそれでも帰らなくてはいけないという気持ちで、ブラッドのプロポーズを断ろうとすると風が吹き、小瓶がどこかへ飛ばされていく。帰る為の鍵となる小瓶を失ったアリスは、唖然とするがブラッドが強引に結婚の話を進めようとする為、慌てて我に返る。しかし帰る方法を失ったアリスには、もう彼のもとに残るという選択肢しかなく、伝える筈のなかったブラッドへの思いと共に彼のプロポーズを受け入れる。そうしてハートの国に戻ったアリスは、ブラッドとの結婚式を開き、帽子屋ファミリーのメンバーに祝福される中、正式にブラッドの妻となるのだった。

時計塔(ユリウス BESTEND)

時計塔の屋上でユリウス(画像左の男性)と話をするアリス。

ハートの城の攻略キャラ・エースをクリア後に発生させる事ができるようになるルート。エースクリア後、もう一度最初からゲームを始め、共有ルートを後に発生する滞在先を選ぶイベントにて「時計塔」を選ぶ事で、正式に発生させられる。さらにその後に滞在先決定後に発生するフリータイムに、幾度となくユリウスのもとに足を運び、特定の回数の時に特定の時間帯で彼と会う事ができれば物語を進行させる事が可能。
全ての領地に足を運んだ後、時計塔に滞在する事を選んだアリス。時計塔は領地争いをしているハートの国の中で唯一中立立場にある領地だった。時計塔の住人はユリウス1人で、アリスは彼と2人暮らしを始める事になる。とはいえ、ユリウスはアリスが身を投じているゲームに干渉するつもりはないらしく、日がな一日ずっと仕事を続けている。アリスの方も積極的に他人と仲良くなるタイプではないので、ユリウスとの生活は気楽で良いと感じる。しかし元来、暇をする事が苦手で自立心が強いアリスは、その内彼の仕事を自ら手伝うようになる。ユリウスも最初は面倒そうにしていたが、次第にアリスの手伝いを受け入れていくようになる。
徐々に仕事を通して親しくなっていく2人。そんなある日、時計塔に血まみれの男が現れる。それはハートの城の騎士・エースだった。エースは友人としてユリウスの仕事の手伝いをしているだというが、それは本来は「ハートの城の騎士」という役割を持つ「役持ち」の立場のエースがしてはならない行動だった。だがエースは自身の役割から逃げたいと考えていた。その為、隠れてユリウスの手伝いをしているのだという。そこでアリスはエースからユリウスのしている仕事の内容を教えて貰う。実はハートの国の住人は全員「時計」を命に動いており、死んだ場合は死体の代わりにその時計が壊れた状態で残る仕組みとなっている。ユリウスはこの壊れた時計を直すのが仕事なのだそう。時計を直せば、別人ではあるものの、もう一度この国に生まれる事が出来る。だが世界にはエースのように自らの役割から離れたい、時計を直してもう一度同じ役割を担う生を歩む事を嫌う者もおり、エースの仕事はそんな彼らから時計を奪ってくる事にあった。
以降、この世界の仕組みやユリウスの仕事内容について考えるようになるアリス。しかし、ユリウスの仕事の手伝いを辞めるという選択肢は彼女にはなく、表面上はいつも通り彼の手伝いをして暮らす。するとそんな変わらずに自身の友人と接してくれているアリスをエースは気に入ったのか、度々仕事の事を抜きにしてアリスのもとに遊びに来るようになる。もちろんそこにはユリウスもいて、アリス達は自然と3人で一緒にいる事が増える。だが、ユリウスの方はアリスがエースと仲良くなっていく事に無自覚に嫉妬する。そうしてついにある日、我慢の限界がきたユリウスがアリスを押し倒す事件が起こる。その事件がきっかけでユリウスは自分がアリスの事をそういう意味で好いていると気づく。以降、少しずつだがユリウスはアリスに自身の愛情を伝えるようになる。だが元来人付き合いが上手くないユリウスは、上手く気持ちを表現できない。しかしそんなユリウスの不器用なまでに一途な愛情表現に、アリスは心惹かれていくようになる。そうして彼の思いを受け入れ、彼と恋人になる。
だが恋人になったところで、アリスがゲームに身を投じている事実は何も変わらない。ある日、ついに小瓶の中身が溜まり、アリスが元の世界へ帰れる機会がやってくる。アリスが参加しているゲームがどんなものであるのかをよく理解しているらしいユリウスは、彼女に元の世界へ帰るようにと勧める。その方がよいのだと自分の恋心を押し殺そうとしているユリウスに、アリスは怒り、この世界に残ると彼に告げ返す。それを聞いたユリウスは、アリスを元の世界へ帰るよう説得し始めるが、アリスの意志は曲がらない。そんなアリスの選択を愚かだと言いながらも、ユリウスはアリスが自分を選んでくれた事に喜びを覚える。こうしてハートの国に残ったアリスは、ユリウスと2人、仕事をしながら恋人として暮らす日々に戻っていくのだった。

その他のEND

ナイトメア BESTEND

夢の中でナイトメア(画像右の男性)の眼帯を外してみるアリス。

ユリウスEND後に発生させる事ができるようになるルート。ユリウスクリア後、もう一度最初からゲームを始める事で発生させられる。共有ルート後に選ぶ滞在先はどこの領地でも良い。ほとんどのイベントが自動発生のものである為、特段特別な事をする必要はない。強いて気をつける点をあげるとすれば、他のキャラクターとの好感度をあまりあげておかない事のみである。
白兎のペーターにより、無理やりハートの国に連れて来られたアリス。ペーターから渡された小瓶の中身が溜まるまでは元の世界に帰れない為、仕方なくハートの国の領地の1つに滞在させて貰う事にする。そうしてハートの国で暮らし始めてからしばらく経ったある日、アリスは夢の中でナイトメアと名乗るミステリアスな雰囲気の男性と出会う。アリスが参加しているゲームに関して何かを知っている風な男にアリスは最初は警戒するが、しかし接していく内にミステリアスな雰囲気は彼がわざと作ったものである事が発覚する。素の彼は、出不精で夢の中に引きこもっている夢魔で、病弱なくせに病院が大の嫌いという小さな子どものようなわがままな人物だった。予想外の彼のギャップに呆気に取られるアリス。しかしだからか、どこか見捨てきれない小さな子どもを相手にするような気持ちでナイトメアに接するようになる。
一度目に出会って以降、度々アリスの夢の中に現れるようになるナイトメア。夢魔らしくアリスの日々を引っ掻き回すような事を言ったり、吐血しては病院には行きたくないと駄々をこねてアリスを困らせたりする。だがその中で、時折、異世界で暮らすアリスを優しく見守るような大人な態度を見せる事もあり、アリスは次第にナイトメアに心惹かれていくようになる。そしてそれはナイトメアの方も同じで、彼女の日々を見守り、夢の中で接していく内にアリス自身に好意を寄せ始める。
ナイトメアの事を好きになればなるほど、夢でしか会えない事にやきもきするアリス。だがアリスの認識では、今自分がいるハートの国そのものが「夢」であり、自分はそれから覚めようと必死になっている状態にあった為、その「夢の中で見る『夢(ナイトメアと出会う夢)』」というおかしな状況に、内心混乱が生じてしまう。
本当にハートの国は夢なのか、それとも何かもっと違う別次元の場所なのか。それについて悩み葛藤するようになるアリス。そんなある日、ハートの城で舞踏会が開かれる事になる。アリスはハートの国に滞在する余所者として舞踏会に参加する。だが、特定の踊る相手もいないアリスは暇を持て余す。そんな彼女の前にナイトメアが現れる。夢から出てきたナイトメアに驚きつつも、アリスは彼と共に一緒に踊り明かす。まるで夢のような一夜の出来事にアリスは感動しながらも、自分がナイトメアと過ごすこのハートの国の事を次第にただの夢の産物だとは思えない程に愛着がわいている事に気づく。
後日、ついに小瓶の中身が溜まり、アリスが現実世界へ帰れる機会が訪れる。だがハートの国とナイトメアに愛着がわいてしまっていたアリスは、この国に残る事を決める。この時、ナイトメアの方はアリスが誰ともくっつかなかった事もあり、元の世界へ戻るのだろうと考えていた。その為、アリスの予想外の選択に驚く。そんなナイトメアに、アリスは「ナイトメアが大好きだ」と自分の思いを告げる。アリスの思いを知ったナイトメアはそれを喜び受け入れ、2人は恋人同士になるのだった。

薔薇園END1

帽子屋屋敷滞在時のみに発生するEND。ブラッドルートに入る事で解放されるイベント「薔薇園1~9」を全て見た上で、イベント内のある選択肢を選ぶことで解放される。このイベントを解放することで、ブラッドとビバルディが実は姉弟であることが判明する。普段は領地争いをし、互いの命を奪い合おうとする仲の2人。だが、この薔薇園だけではそのことを忘れ、姉弟として過ごしているとのことだった。
ハートの小瓶の中が満杯になり、いつでも帰れるようになったアリス。しかし不思議な空間を前に、アリスが向かったのは空間の先ではなく帽子屋屋敷内の薔薇園だった。すると、そこにはアリスが元の世界に帰ることを察したブラッドとビバルディが、彼女が自分達のところに別れの挨拶にくるのを待っていた。
しかし実は、2人にはアリスを元に世界に帰らせるつもりは一切なかった。2人は協力してアリスを捕まえ、再び小瓶の中の薬を飲ませてしまう。小瓶も割れ、粉々に砕かれてしまい、アリスは元の世界に帰る方法を決定的に失ってしまう。だがその時点ではアリスは、薬の効果にくわえ、2人の生み出す倒錯的な雰囲気にすでに魅了されており、この世界に残ることを自らの意思で選ぶ。
そして改めて薬を飲んだアリスに、新たな「ゲーム」の内容を2人は告げる。それは領地争いと共に、ブラッドとビバルディがアリスを巡って争うとのこと。そして勝った方がアリスを手に入れることができる、といった内容だった。負けた方は命も含め何もかもを失うが、代わりに残った相手とアリスにその死を悲しんで貰える。そのことがブラッドとビバルディには、アリスを手に入れることと同じくらいに魅力的なものなのだという。
この薔薇園にいる間は互いを愛し合い、外では憎しみ殺し合う。そんな倒錯する世界で、アリスは2人ともに生きていく為にこの国に残ることを選択するのであった。

薔薇園END2

薔薇園で口づけをしあう、ブラッドとアリス。

薔薇園END1と同条件で発生するEND。イベント内のある選択肢にて、薔薇園END1の時とはと違う選択肢を選ぶことで解放される。
このENDでもハートの小瓶が満杯になったことをきっかけに、元の世界に帰る前にとアリスが薔薇園に向かうシチュエーションとなっている。しかし薔薇園END1とは違い、ハートの小瓶の中身はアリスに飲ませるのではなく地に流し捨てられる形となる。小瓶も破壊されることなく、アリスは薬の効力に頼ることなく自身の意思のみで、本当はこの世界に残りたいと願っている自分を自覚することになる。ブラッドとビバルディがアリスを巡って争うといったゲームが行われることもなく、ブラッドとビバルディの2人に共有される形で囲まれるようなENDとなっている。その為か展開の雰囲気も薔薇園END1の時より明るく、平和的なものとなっている。

帽子屋END

帽子屋ファミリー(攻略対象キャラのみ)とアリス。

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