ハートの国のアリス(ハトアリ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハートの国のアリス』とは、QuinRoseから発売された童話『不思議の国のアリス』がモデルの恋愛アドベンチャーゲーム。QuinRoseの看板作品の1つ。不思議な「白ウサギ」によって、ある日、銃弾飛び交う物騒な世界「ハートの国」に連れ去られてしまったアリス。アリスは非現実過ぎるこの出来事を「夢」だと受け入れ、夢から目覚めるまでの間、ここでの暮らしや住人達との交流を楽しむことにする。

ゴーランド リサイタルEND

リサイタルをボリスに邪魔されたと勘違いしてキレるゴーランドと、そんなゴーランドとボリスの追いかけっこ(銃撃戦)を眺めながら呆れるアリス。

ゴーランドルートにて発生する選択肢で、一部の選択肢を「ミュージカルEND」と異なるものを選んだ際にのみ発生するEND。ペーターのミュージカル乱入からアリスとゴーランドが遊園地外へ逃亡するところまでは、ストーリー展開は「ミュージカルEND」と同じ。その後日から、展開が異なるようになる。
ペーターからの逃亡を図った後日、遊園地にてミュージカル公演延期の代案として、ゴーランドのリサイタルが行われる事になる。今しか聴けないゴーランドの素晴らしいヴァイオリンに、たくさんのお客が集まる遊園地。しかしリサイタルの途中で嵐の期間が終わり、演奏会は一気に地獄と化す。だが、自分の世界に浸っているゴーランドは、自らの演奏がひどいものになっている事も気づかずに演奏を続ける。その間にもお客は次々と逃げていく。アリスは、お客が居なくなった事にゴーランドに気づいたら悲しむんじゃないかと思い、ただ1人その場に残る。そんな彼女を見たボリスは、仕方なく銃を使い、ゴーランドのヴァイオリンを破壊して彼の演奏を止める。自分の演奏を邪魔した犯人がボリスだと気づいたゴーランドは、周りに客が居ない理由もボリスのせいだと勘違いし、怒りから彼に銃で攻撃を始める。
慌てて逃げるボリス。それを追いかけるように銃を乱射するゴーランド。そんな光景を前に、アリスはようやくいつもの遊園地の光景が戻ってきたと安堵しながらも、呆れたような目で2人の追いかけっこを眺め続けるのだった。

帽子屋屋敷

エリオット 男らしくEND

「男らしく」なれない事に落ち込むエリオットと、彼を励ますアリス。

滞在先に帽子屋屋敷を選び、なおかつエリオットを選択した場合に発生するルート。
マフィアである帽子屋ファミリーのNo.2であるエリオットと恋人になったアリス。「三月うさぎ」である彼の可愛さに虜になり、ハートの国に残る事を選んだ彼女だったが、その事がエリオット自身の悩みとなってしまっていた。アリスに「可愛い」と言われるのが嫌なエリオット。そこで彼は「男らしく」なろうと決意する。理想の自分を手に入れる為、筋トレや運動に取り組み始めるエリオットの姿に呆れるアリス。また筋トレや運動に夢中になって自分の事をかまってくれないエリオットに寂しさも覚えるようになるが、自分の言動が原因である事に気づいていた為、ひとまずは彼の行動を見守る事にする。しかし「嵐」という非日常の訪れを前に、エリオットの行動が少しずつ暴走し始める。ある時間帯のお出かけ中、一向にアリスに認められる「男らしい」自分になれている気配がないと唐突に焦り出したエリオットは、アリスに「アリスの思う男らしい」とは何かを問い詰める。考えた事もなかった質問にアリスは答えを窮するが、エリオットの気迫に負け、「強いて言うなら」とハートの城の騎士・エースと遊園地のオーナー・ゴーランドの名前をあげる。すると後日、エリオットはアリスを連れて2人のもとに訪れる。そうして彼らの「男らしさ」を見極める為、彼らに攻撃を仕掛ける。エリオットの突然の攻撃にエースもゴーランドも驚くが、最終的には「理由も言わずに攻撃をしてくるのは男らしくない」と言うエースの言葉と、ゴーランドによる怒りの演奏(ただし、ゴーランド自身の演奏技術がひどい為、非常に音痴で聴くに耐えない楽曲となっている)に気圧され、エリオットは2人から「男らしさ」を学べないまま負けてしまう。

後日、帽子屋ファミリーのボス・ブラッドのもとに、ゴーランドからエリオットの一件に対する苦情が綴られた書状が届く。それを知ったアリスは、エリオットの行動がこれ以上ひどくなる前にと、彼と改めて話をしようと決意。エリオットの部屋で、彼と話をする。結果アリスは、エリオットが「男らしさ」を求めているのは、アリスをハートの国に繋ぎおく為だった事を知る。可愛いだけの自分では、いつかアリスが飽きて元の世界に戻ってしまうのではないのかと不安になっていたエリオット。そんな彼の姿にアリスは改めて自分の中にあるエリオットへの想いを彼に伝える。結果、エリオットは「男らしさ」に拘りすぎる必要がないという事に気づく事になる。またさらに後日、アリスがエリオットと共にボルダリングをした事で、アリスはボルダリング初心者である自分の手助けようとする経験者のエリオットから「男らしさ」を感じる。その事をエリオットに伝えると、彼としては当然の事をしたまでで、それを「男らしい」と感じていなかった。そこでアリスは、かつて「可愛い」と述べた時のように、「男らしい」と感じた時はその事を彼に伝えようと決める。
しかしそうして2人の間のわだかまりがなくなった次は、「嵐」が来る事をエリオットが不安がり始める。曰く、「嵐」期間中の住人は自分で気づかないままにどこかが「狂ってしまう」ので、アリスにかっこ悪い自分を見せたらどうしようとのこと。そんな彼の不安をアリスは汲み取るも、解決策は見つからないままに嵐が到来してしまう。
「嵐」の到来の結果、エリオットには「兎になれる能力が備わっていた」という「狂い」が発生。普段は決して見れないエリオットの可愛い兎姿に心奪われたアリスは、出来る限りの時間、この兎姿のエリオットと共に過ごそうと躍起になる。結果、「嵐」期間は大きな問題は起きなかったものの、「嵐」が終わった直後、自分の身に起きていた「狂い」を知ったエリオットがショックを受けてしまう。普段、自らが兎である事を頑なに認めないエリオットにとって自分が兎になったという事実は絶望的で、混乱しながらアリスに「兎の自分はどうだったか」と訊ねる。アリスは彼を傷つけない為に「かっこよかった」「立派な兎だった」と教える。そうしてその事に安堵し、落ち着きを取り戻したエリオットに、アリスも安堵する。

後日、アリスはエリオットに誘われて、帽子屋屋敷の門番の双子とテニスをする事になる。しかしアリスを除く全員が「役持ち」という特殊な人物達だった為、彼らの驚異的な運動神経、体力についていけずへばってしまう。するとそんなアリスを見兼ねた双子から「ルールなしの試合をしよう」「無限に打ち合い続け、最後まで勝ち残った者が、アリスを一晩自由にできる」と提案される。自分を出しにしないで欲しいと嫌がるアリス。恋人であるエリオットも、もちろんそれを拒否する。だが、双子は2人の意見を無視して試合を始めてしまう。結果、アリスを除く3人が体力が尽きるギリギリまで戦い、試合は引き分けとなる。疲労から地面に伏している双子を横目にアリスのもとにやってきたエリオットは、彼らの目を盗んでアリスにキスをする。驚くアリス。だが「どうせ見ていない」というエリオットの言葉に押され、深くなる彼の口づけを受け入れる。突然恋人らしい「男らしさ」で溢れた顔つきになったエリオットを前に、アリスは自分が思った以上に彼に振り回されている事に気づく。そうして、こんな風に自分を困らせてくるエリオットが、改めて愛おしい相手である事を認識し直すのだった。

エリオット 今すぐデートEND

アリスを連れてデートに繰り出すエリオット。

エリオットルートにて発生する選択肢で、一部の選択肢を「男らしくEND」と異なるものを選んだ際にのみ発生するEND。「嵐」が去るまでの物語の展開は同じ。去った直後から展開が異なるようになる。
「嵐」期間が終わった後、自分が兎になれるようになっていた事実を知りショックを受ける、エリオット。混乱しながら「兎の自分はどうだったか」と訊ねてくるエリオットに、アリスは「可愛かった」と本音を返す。すると、なんだかんだ「可愛い」と評価される事を引きずっていたらしいエリオットがショックを受けてしまう。後日、アリスはエリオットへのお詫びとして、彼の好物である人参料理を作る事にする。そこでアリスはエリオットが「『嵐』期間中の自分の方がよかったと思っているんじゃないか」と考えている事を知る。確かに兎姿のエリオットに会えない事は寂しいが、だからと言ってそちらのエリオットの方がいいというわけではなかったアリスは、その事を告げて彼の誤解を解く。
後日、アリスはエリオットと共に先日の件を詫びる為にゴーランドの元へ向かう。その帰り道、ふいにエリオットはアリスと「今すぐデートがしたい」と言い出す。その理由は、彼が筋トレ等に奮闘している間、アリスが寂しい想いをしていたという事実をエリオットが知った事にあった。「今まで構ってあげられなかった時間を取り戻す為、たくさんデートがしたい」というエリオットに引っ張られ、デートへ向かうアリス。時間という概念が狂ったハートの国で時間を気にするエリオットに笑いつつ、大事な恋人と過ごす時間を満喫する為、デートの行き先を考えるのだった。

ブラッド いい夢をEND

アリスの首に痕をつけようとしているブラッド。

滞在先に帽子屋屋敷を選び、なおかつブラッドを選択した場合に発生するルート。なお前提として、ブラッドが関わるエンディングが複数存在していた前作『ハートの国のアリス』にて、アリスがブラッドの妻になった場合のルートをもとに話が展開される。ハートの女王・ビバルディとブラッドが姉弟関係にある事も、アリスはすでに知っている状態にある。
ナイトメアから「嵐」について教えて貰ったアリスは、目を覚ました後、今度はブラッドとエリオットから「嵐」が近々やってくる事を告げられる。しかしブラッドが気分でなかったという事もあり、アリスは「嵐」についての詳細を教えて貰えないまま彼らのもとを去る事になる。だがやはり「嵐」について気になった彼女は、詳しい話を教えて貰う為、再び自らの夫であるブラッドのところへ向かう。そこでアリスはブラッドから、「嵐」期間中はハートの国の住人の誰もが「狂う事」、そしてそれに関して自分自身では気づけない(第三者は気づく事ができる)事を教えられる。それを知った彼女は、ブラッドも今までどう「狂った」のかを知りたがる。だが嵐による変化を好んでいないブラッドは、自分の「狂い」に関する話は一切知らずにいた。仕方なく、アリスはブラッド以外の人物から彼の身に起きた「狂い」について聞きに行く事にする。

それからしばらくしたある日、アリスはブラッドから「別宅を購入するので、『嵐』の期間中はそちらに居て欲しい」と言われる。そうまでして自分が狂うところをアリスに見られたくないのかとブラッドに驚くアリス。しかし、だからといってそこまでするのはどうなのかと考えたアリスは、なんとか彼を言いくるめる形でその話を終わらせる。だがブラッドの方は完全には納得していなかったようで、後日「別宅の候補を見繕ったから一緒に選別して欲しい」とアリスに迫る。その勝手な提案に怒ったアリスは、ブラッドと口論になる。結局、別宅を見には行かずに済んだが、ブラッドを納得させる事はできず、以降ブラッドとの間には気まずい空気が流れるようになってしまう。
喧嘩以降、ブラッドを避けるようになったアリス。だがある時間帯、自分が避けられている事に気づいたブラッドがアリスを探してやってきた為、2人は改めて別宅の話をする。するとそこでアリスは、ブラッドが「無理やり別宅にアリスを住まわせよう」と考えているわけではなかった事を知る。ブラッドはあくまでも最終決断はアリスに任せるつもりでおり、別宅を見てもアリスが帽子屋屋敷に居たいというのならそれで構わないと考えていたという。またブラッドには以前から、「嵐」で狂った影響でアリスに手を出してくる住人達が現れるのではないかと危惧していた。そんな彼らからも守りたいという思いで、彼女を別宅にやりたいと考えていた。そしてその「彼ら」の中には、ブラッド自身も含まれていた。嵐が連れてくる狂いは自分では認知できない。さらに場合によっては、「もしかしたらあり得たかもしれない」別の可能性を秘めた世界線の自分が、嵐によって連れて来られる可能性もあり、故にブラッドは嵐の期間中の自分は「自分であって自分ではない」と考えていた。だからそんな自分をアリスに見られたくないと思っていたのである。そんな彼の考えを知ったアリスは、「自分が見ているのは『ブラッド』だけだ」とはっきりと彼に宣言する。それを聞いたブラッドは、「それならいい」とアリスを別宅にやる事は止めにする。だが別宅の購入そのものは「ある理由」からずっと考えていた事だった為、購入するとアリスに告げる。

2人の仲が元通りになってからしばらくが経った時間帯、ついに「嵐」がやってくる。だが「嵐」は、わかりやすい変化を帽子屋屋敷のメンバーにつれてくる事はなかった。ブラッドの何が変わったのかわからないまま過ごすアリス。そんな時、アリスの前でブラッドがふらつき、倒れかける事件が起こる。しかし原因を究明する事はできず、その時間帯はそのまま終わりを迎える事になる。後日、アリスは夢の中でナイトメアから「ブラッドが長らく夢を見ていない」という事を教えて貰う。アリスは、それがブラッドの様子と何か関係があるのかもしれないと考えるが、しかしやはり原因を見つける事はできなかった。そうこうしている内に「嵐」の期間が終わる。するとその直後、ブラッドが急激な眠気に襲われ倒れかける。そこでアリスは、彼の「嵐」による「狂い」が「睡眠不足」という変化であった事に気づく。
倒れる程に眠れずにいたブラッドを心配するアリス。だが、「嵐」の期間中「今の自分は自分じゃないから」という理由でアリスに触れずにいたブラッドは、その時間分を取り戻す為、寝る間も惜しんで仕事をしながら積極的にアリスとの時間を過ごそうとしていた。さらにその忙しさの最中、例の別宅も購入していたようで、ブラッドはアリスを別宅へ案内する。そこにあったのは屋敷とは全く異なる小さな一軒家で、「ここでならマフィアのボスとその女という立場を気にせず、ただの夫婦になれる」とブラッドはアリスに告げる。そこでアリスは、彼が別宅を購入したがった真の理由が、前々から事ある毎にアリスが溢していた「マフィアのボスの女という立場に慣れない」という愚痴を組んでのものだった事に気づく。
ブラッドから大事にされている事を自覚したアリスは、自分にとっても大切な相手であるブラッドを「睡眠不足」という状態から助ける為、後日、薬を作る事に長けているダンプティに頼んで睡眠導入剤を貰う。その後、ブラッドの不意を突く形でアリスは睡眠導入剤を彼に飲ます。その事に驚くブラッドだったが、薬の威力に負けて眠りについてしまう。ようやく眠りについたブラッドにアリスは膝枕をしてあげる。そうして彼がいい夢を見られるようにと願いながら、その寝顔を眺めるのだった。

ブラッド おやすみEND

睡眠不足の改善の為にブラッドへ様々な道具を勧めるエリオットとアリスと、そんな2人から逃げようとしているブラッド。

ブラッドルートにて発生する選択肢で、一部の選択肢を「いい夢をEND」と異なるものを選んだ際にのみ発生するEND。「嵐」が去るまでの物語展開は同じである。
ブラッドに起きていた「狂い」が「睡眠不足」であった事が発覚した為、彼に寝てもらいたいと願うアリス。だがそんな彼女の思いを無視するように、ブラッドは暇があるとアリスに触れようと迫ってくる。そんな時、突然エリオットが2人のもとにやってくる。2人が驚きながらもエリオットを迎え入れれば、エリオットはブラッドの睡眠不足改善の為に購入してきた様々な道具を彼女達の前に並べ始める。しかしそれらは、漢方薬や錠剤、酒に枕など、形は全て違うが、その生産材料は全て人参という驚きの共通点を持っていた。エリオットの驚異的な人参好きを知っていたブラッドは、「人参は嫌だ」とそれらを断る。だが、ブラッドの事を真摯に思っているエリオットは持ってきた道具をブラッドに推し勧める。それを見たアリスは、彼女自身もブラッドを心配していた事にくわえ、いつも自分を無理やり追い詰めてくるブラッドを追い詰め返せるチャンスだと、エリオットに便乗する。そうして逃げようとするブラッドを、エリオットと2人で追い詰めるのだった。

ブラッド ビバルディEND

薔薇園で眠りにつくブラッドとアリスと、アリスの頭を撫でるビバルディの手。

ブラッドルートにて発生する選択肢で、一部の選択肢を「いい夢をEND」「おやすみEND」と異なるものを選んだ際にのみ発生するEND。「嵐」が去るまでの物語の展開は、「いい夢をEND」「おやすみEND」とほぼ同じだが、「嵐」が去る直前にこの2つのエンドにはなかったストーリーが挟まれる。それが、アリスがブラッドの過去を垣間見るという展開である。
「嵐」期間中のとある夜の時間帯。アリスは1人、ブラッドとビバルディの秘密の薔薇園へと向かう。すると突然彼女の体が空へと浮かぶ事態が発生する。驚くアリスの前に現れたのは、卵のハンプティ&ダンプティだった。彼らはアリスに、彼女が今いる場所がブラッドの「心の隙間」である事を告げる。普段なら潜れない場所らしいが、「嵐」と余所者という特別な存在であるアリス自身が影響してか、今ならブラッドの心の隙間に潜り込めるようになっていると語るハンプティダンプティ。「嵐」期間中のブラッドの様子がおかしい事を気にしていたアリスは、その理由を探る為、そして彼自身が抱えているものへの興味からその「心」の中に潜り込む事にする。その結果アリスは、ブラッドの過去を通して彼が元余所者であったという衝撃の事実を知る。実はブラッドはアリスが居た元の世界と似たような「どこかの世界」の住人で、没落寸前の貴族の息子であった。ある日、姉のビバルディが家の繁栄の為に両親に売られた事をきっかけに、彼の中に激しい憎悪が生まれる。同時に姉を助けられなかった自分の無力さを嘆き、「(姉が売られた先の家に連れて行かれないように)時間が止まればいい」と願う。するとその願いがきっかけとなったのか、ブラッドは時間感覚が狂っているハートの国にやってくる事になる。
同じようにブラッドの過去を見ていたハンプティ&ダンプティは、彼がこの世界にやってきた理由はわからないが、代わりに彼がこの国で暮らし続けた結果「時間に組み込まれた(これは役持ち全員が、「時間」という役割を担っている事に起因する台詞だと思われるが、時間に関してはファンの考察の域にある設定でもある為、詳細は不明)」為、余所者としての記憶ももう忘れている可能性が高い事、この世界にいるビバルディがブラッドの後悔の念が作り出した幻想である事に気づいた為、その事をアリスに告げる。衝撃の事実にショックを受けたアリスは、以降、ブラッドを見る度に彼の過去について考えるようになってしまう。すると次第に、勝手に過去を覗き見してしまった事に対する罪悪感がアリスの中に募りだす。結果、罪悪感に耐えられなくなったアリスは嵐が去った後、ブラッドに過去を見た事を告げる。自分の知られたくない部分をアリスに知られた事を知ったブラッドは、アリスを殺そうと考える。アリスもそうなる可能性を考えていた為、ブラッドの行為を受け入れようとする。だがアリスの存在がかけがえのないものになっていたブラッドは、最終的に彼女を殺す事をやめる。
その後、2人で薔薇園を巡っているとビバルディが姿を現す。いつも通りアリスを巻き込みながら言い争い紛いの事をするブラッドとビバルディのやり取りを見ながら、アリスは2人の複雑な関係性を思って暗い気持ちになる。しかし同時に、ブラッドがこの世界のビバルディの事を、そしてビバルディ自身もブラッドの事を姉弟として大事に思っているのだと、彼らのやり取りから感じる。その後、いつの間にやり取りが終了したのか、アリスが気づいた時は彼女はブラッドと共に薔薇園の芝生の上で眠りについている最中だった。微睡む思考の中、アリスは自分の頭をビバルディが優しく撫でてくれている事に気づく。健やかに眠るブラッドの様子に安堵しつつ、自分とブラッドに慈愛の眼差しを向けきてくれているビバルディを感じながら、この穏やかな空気のまま時間が止まってくれればいいのに、と願いつつ再び眠りにつくのだった。

ハンプティ&ダンプティ 共通ルート

帽子屋屋敷の門の上に無理やり乗せられビビるアリスと、そんな彼女を見るハンプティ(画面右の男性)&ダンプティ(画面左の少年)。

滞在先に帽子屋屋敷を選び、なおかつハンプティ&ダンプティを選択した場合に発生するルート。ハンプティ&ダンプティは、今作の世界観に深く関わってくるキャラクターである事もあってか、エンド数が多いキャラクター達となっている。また2人で一緒である事を好んだディー&ダムと異なり、2人別々の存在である事を好む性質がある。その為、同じような内容のエンドを2キャラ分分けて描き出されている。この事も彼らのエンド数が今作一である事の理由だと推測できる。この「共通ルート」は、そんな彼らの複数のエンドに辿り着くまでに共通で描かれているストーリーの事を指す。
ナイトメアに「嵐」について教えられたアリスは、その後、帽子屋屋敷のボス・ブラッドとNo.2のエリオットからも「嵐」がやってくる事を教えられる。だが2人の説明だけでは「嵐」の全体像が掴めなかった為、アリスは帽子屋屋敷門番のハンプティ&ダンプティにも話を聞いてみる。この時、アリスにはハンプティ&ダンプティに関する記憶が曖昧となっていた。門番が双子であった事は確かな筈なのだが、ハンプティ&ダンプティではない別の誰かだった気がしていたのだ。だがそれが誰なのかも思い出せない。それどころか、周囲は最初から門番はハンプティ&ダンプティだったという。ハンプティ&ダンプティもアリスとは旧知の仲であったかのように話しかけてくる。そんな光景に違和感を抱いたアリスは彼らの事をよく知る為、嵐の話をきっかけに以降、彼らと関わっていくようになる。すると、彼らと交流を深めれば深める程、アリスは記憶の有無よりも彼ら自身に興味を持つようになっていく。その内、アリスは彼らが自分と元の世界に残してきた姉・ロリーナの関係に似ている事に気づく。だが異なる個性を持つ互いを認め合い、受け入れているハンプティ&ダンプティと違い、アリスと姉の関係はもっと歪なものだった。淑女として完璧な人物だったロリーナ。そんな彼女とは全く違う自らを出来損ないと考えているアリス。しかしそんなアリスにハンプティ&ダンプティは「姉と同じなんてつまらない」「兄弟とはいえ、別々の存在なのだから同じになる必要はない」と述べる。予想外の言葉にアリスは驚くが、2人の言葉が自分の中に響いたのも事実だった。
この出来事を機に、2人への興味が確かな好意へと変わり始めていくアリス。ハンプティ&ダンプティの方も、自分達兄弟のあり方を肯定的に見てくれるアリスに心惹かれていくようになる。しかしその傍らで、アリスにはもう1つハンプティ&ダンプティに関わる悩みがあった。時折見る、不思議な「卵の夢」。夢の中でアリスは、自らをハンプティ&ダンプティだと名乗る卵達に連れられ、謎の「王座」を目指す事になる。王座にたどり着けば、アリスの中に秘められている何かが卵から孵り解放されるという卵のハンプティ&ダンプティ。だがそんなわけのわからない理由で王座になど行きたくなかったアリスはそれを拒む。しかし登場するのがハンプティ&ダンプティである為か、この夢は彼女の中に印象深く残る事になる。
現実と夢の中のハンプティ&ダンプティに振り回され続ける。そうしたある時間帯、ついに「嵐」がやってくる。だがハートの国の住人のどこかを狂わせる「嵐」が到来しても、ハンプティ&ダンプティに変化は起きなかった。その事に疑問を覚えたアリスは、先に「嵐」が到来していた時計塔領地に住まう友人・ユリウスにこの謎について訊ねてみる。ユリウスはアリスに「元から『間違っている時間』だった場合は、この国に到来した『嵐』に影響を受けない可能性がある」と教える。ユリウスの言う「間違っている時間」というのが、アリスにはよくわからなかったが、その文脈から「もしかしたらハンプティ&ダンプティは本来なら、ここに居るべき存在ではないのかもしれない」という考えに至る。だが2人と過ごす時間を大事に思うようになっていたアリスは、その事を深く考えないようにする。
後日、アリスのもとにハンプティ&ダンプティがプレゼントを贈りにくる。アリスの事を好きだから贈り物をするのだという2人に驚くアリス。だが、自分がそういう意味で2人に好意を寄せていた事を自覚していたアリスは、彼らの好意を受け入れる。

ハンプティ 今はこのままEND

ハンプティとキスをするアリス。

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