ハートの国のアリス(ハトアリ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハートの国のアリス』とは、QuinRoseから発売された童話『不思議の国のアリス』がモデルの恋愛アドベンチャーゲーム。QuinRoseの看板作品の1つ。不思議な「白ウサギ」によって、ある日、銃弾飛び交う物騒な世界「ハートの国」に連れ去られてしまったアリス。アリスは非現実過ぎるこの出来事を「夢」だと受け入れ、夢から目覚めるまでの間、ここでの暮らしや住人達との交流を楽しむことにする。

領主達による領土争いが当てはまる。住人達曰く「この世界を成り立たせる、全住人にとって生きる意味」とのこと。ゲームなくしては、この世界の者達は生きられず、その継続をする為にルールが必要となっているのだという。
無論お遊びの「ゲーム」も存在するが、こちらには勝者がいないとされている。領土や役割によっても内容が変わる他、全てのルールを守る必要もないのだとか。だがペナルティが存在するルールもあったりと、なかなかに理不尽な内容となっている。

役持ち

誰からも見える明確な「顔」が存在する、特権階級の人物達。1時間単位での時間を現す存在でもあるようで、それ故に1国に現れるのは12人まで、と決まっているもよう。顔ぶれによって、どういった国になるのかが決まってもいる。尚、後続シリーズの『ジョーカーの国のアリス』だけはその例にもれ、15人の役持ちがいる。これは『ジョーカーの国のアリス』にのみ存在する特殊設定「エイプリル・シーズン」がその原因であるもよう。

役無し、顔無し

役持ちとは反対に、ハッキリとした「顔」を持たない住人達のこと。この世界の大多数住人たちが、役無し、顔無しにあたる。
「分」や「秒」といった、短い時間の単位を現す存在な為、「顔」が不明慮であるもよう。それ故に「替えがきく」存在として認知されており、役持ち達はもちろんのこと、当人達ですら自分達の生死を軽視していたりする。アリスはそれぞれを別人として扱い「個」を尊重しようとしているが、そういった風に彼らを扱う存在の方が希少な為、周囲からはなかなか理解を得ることができずにいる。

余所者

異世界からの来訪者のこと。別の世界から連れこまれたアリスのような存在のことを指す。
実際に来訪するのは非常に稀なこととされており、アリスがくるまでは現在の住人達の中に余所者と会ったことのある者は誰もいなかった。「この世界の者に愛されるべくやって来た者」「この世界の住人に愛されやすい者がやって来る」という言い伝えがある程度だったらしい。
事実他の住人達に比べると、戦闘力や身体能力の面で劣る上、「時計」のように修理をすることができない心臓持っている事から「生死に替えの利かない存在」として、気にかけずにはいられない存在となっている。とは言っても、一目では誰が来訪者であるかを判別することは不可能な為、出会い頭に役持ち達に殺されかけることもある。領主レベルの役を持つ役持ち達だけが、直感的判別することができる。

領主、主催者

各領土を治める役持ち達のこと。『ハートの国のアリス』では、ビバルディ、ブラッド、ゴーランド、ユリウスの4人があてはまる。
自分達の領内であれば好きなルールを作ることができる上、どこへ出入りするも自由、遠視も可能、さらには自らの力で時間帯を変えることもできる。
無敵な力を持っているように思うが、反面敵対している他の領主達を招いたイベントを定期的に開催しなければいけなかったり、時間帯を変える力が行使できるのはイベント主催時のみ、他の領地では大きく力がそがれる、などと他の役持ちより制約が多く存在していたりする。尚、時間に関する制約は時計屋であるユリウスのみは除外されているもよう。

催し、会期

領主達に課せられたルールの内の1つ。各国のゲーム主催者にあたる領主が開催する、一大イベントとなっており、全役持ちの出席、正装のドレスコード、出来る限りの争い事の禁止、主催側は敵味方関係なく全出席者を客としてもてなさねばならないなど、様々な細かいルールが存在する。とは言っても、交流を図るものというよりは、集まること自体に重点が置かれているイベントの為、その内容や質はあまり深く問われていなかったりもする。会期の長さ、カウント方法もイベントにより異なる。

舞踏会

ハートの城で開催される催しもの。ホールを会場に、夜通しで行われるダンスパーティーとなっている。その為、この晩は城の全客室が休憩場として開放される。他、領地の者も参加できる。

役割、役目

全住人に振り分けられている、身分、職種、特殊技能のこと。役持ち、役無しそれぞれに合わせたものが与えられており、担っている役割によっては相関関係すらも決まっている場合がある。「全てはカードを配れるように」決まっている為、個人に選択権はない。転職や変更は「ゲームを下りる」とされ、決して起こり得てはいけないこととされているもよう。その為、どんなに仕事をサボろうとも降格や解雇はない。しかしビバルディを始め、役持ちであるキャラの中には「昔は顔無しの子供だった」と発言している者がチラホラとおり、昇格の可能性は存在することが推測される。とは言っても、領土争いの終了や前任の役持ちの死亡など、特殊な条件下でなければ起きない稀な事象であるもよう。

時計

ハートの国に住む人々の心臓にあたるもの。ハートの国の住人は皆、この時計によって動いている状態にある。しかし時計で動いているからといって住人達自身が機械の身体であるというわけではなく、時計以外はアリス同様に生身の肉体となっている。その為、死亡レベルのダメージを受けると時計が壊れて死んでしまう。死んだ住人の身体はしばらくの後、時計のみを残して消えてしまう。
この時の時計を修理するのが時計屋のユリウスの仕事であり、修理された時計からは元の時計の持ち主同様の力と役職を持つ者が再生される。住人達の「誰でも替えがきく」といった死生観は、ここから生まれたものと思われる。
しかしあくまでも再生であり、蘇生とは別物。かつての容姿・思考・人格・記憶などは何も修復されないらしい。

残像

時計の修理を待つ存在。壊れた時計から生まれ、自身の時計の修理が終わるまでの間、時計屋の元に壊れた時計を運ぶ役割をもつ。見た目は、黒い人型の影のようなものとなっている。

役人

時計に纏わる役割をもつ者達。稀に住人達の中に時計の修理による再生を拒絶する者達がおり、その者達によって時計が隠匿される場合がある。この際、探索と奪還、そして隠匿者達への制裁を行う「処刑人」がこの役にあたる。後続シリーズ『ジョーカーの国のアリス』では、登場人物の1人であるジョーカーが罪を犯した隠匿者達を収監する役人となっている。

死人

役持ちに存在する概念。この世界は多重構造であることが明かされており、それ故に役持ち達は他の軸に「少しずつ違うが、根本は同じ自分」という複雑な概念が存在している。これまでの選択肢によって分離していった複数の自分が存在しているとされ、その半数以上死亡してしまうと時計が壊れることとは別に「死の概念」が生まれてしまうのだという。この際、時計を修理して再生する事は不可能となっており、絶対的な死が確定するとされる。そんな絶対的な死を待つばかりの存在となった「自分」のことを「死人」と呼ぶ。

クレイジー・ストーム(「嵐」)

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