五条悟（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

幼少期

呪術師の御三家の一つ、五条家に生まれる。五条家で「六眼」を持って生まれる子供は数百年ぶりであり、この頃から怪物的な天才性を発揮する。大成する前に始末してしまおうと呪詛師たちから狙われるも、その全てを見抜いて戦慄させ、逆に彼らに恐怖とトラウマを植え付けた。
この頃、恐らくはまだ禪院家で暮らしていた伏黒甚爾（ふしぐろ とうじ）とも接触。呪力を持たないはずの伏黒甚爾すら感知し、彼を驚かせた。

学生時代

都立呪術高専に入学。自分に並ぶ実力者である夏油傑（げとう すぐる）とコンビを組み、「最強の二人」として呪術界に知られる存在となる。その優等生ぶりに辟易しつつ、任務となれば阿吽の呼吸で事に当たる文字通りの親友として、夏油とは互いに強く信頼し合っていた。
当時は自身を「俺」と呼んでいたが、高圧的な印象を与えるとの夏油のアドバイスを受け、「僕」または「私」という言葉を使うようになった。

二年生の時に「星漿体」天内理子（あまない りこ）の護衛任務を命じられる。
天元は不死の術式を持ち、呪術高専の呪物を強力な結界で守っている、呪術界の要たる人物である。しかし彼の術式で不死性を保てるのは魂だけで、一定期間ごとに新しい肉体に魂を移す必要があった。星漿体とはそのための肉体の持ち主のことだが、呪術界の混乱を狙う組織「Q（きゅー）」や天元が新しい肉体を得ることを望まない宗教団体「盤星教」などが、彼女の命を狙う動きを見せていたのだ。

五条は夏油と共に襲い来る呪詛師たちから天内を守り、無事に天元のいる宮の前まで連れていくが、そこで盤星教が雇ったヒットマンである伏黒甚爾の襲撃を受ける。幾重にも張り巡らされていた策と、桁外れの伏黒甚爾の身体能力の前に敗北し、致命傷を負って地に伏す。
しかし生死の境で反転術式（本来負の作用をもたらす呪術同士を掛け合わせ、治療など正の作用をもたらすようにしたもの）を修得し、自身の傷を治癒。夏油をも下し、天内を殺害して死体を奪っていった伏黒甚爾を追撃。死闘の末に勝利し、伏黒甚爾を絶命させる。この時、伏黒甚爾から遺言のように息子がいること、彼に呪術の才能があること、その子が数年後に禪院家に売られる話になっていることを教えられる。

一年後、夏油と共に特級呪術師となる。しかし反転術式の修得で「一人でいた方が強い」とまで称される“名実ともに最強の呪術師”となったため、単独で任務を受けることが多くなり、夏油との間に知らず知らずの内に溝が生まれていた。
結局夏油は「非術師が生み出す呪霊との戦いで呪術師は次々に死んでいく」、「呪術の秘匿のためにその事実は明かされず、呪術師の犠牲が報いられることはない」という現実の前に「呪術師は人々を守るために存在する」という理想を見失い、呪詛師となる道を選ぶ。当初はそれを信じれなかったものの、後にその夏油と直接対面。彼が本質的には自分の知る夏油のままであること、だからこそ呪詛師になるしかなかったこと、親友であり最強と持て囃される自分がそれを止められなかったことを理解し、「撃ちたければ撃てばいい」と告げて雑踏に消え行く夏油をついに撃つことができず、ただ無防備な背中をさらして遠ざかる彼を無言で見送った。

教師時代

卒業後は呪術師として活躍する一方、都立呪術高専の教師に就任。人々のためにどれだけ戦っても世に報いられることなく死んでいく呪術師の現実に、夏油とは違う形で向き合うため、「自分と同等の呪術師をたくさん育てて呪術界を変えよう」と後進の育成に励む。そのために平然と横紙破りを繰り返し、呪術界の上層部からは疎まれ、敵意すら向けられるものの、圧倒的な実力でそれを強引に黙らせる。
この頃、伏黒甚爾の息子である伏黒恵（ふくじろ めぐみ）に接触。父親そっくりな伏黒に驚きつつ、彼の才能を自分の下で育てるために都立呪術高専に招いた。幼い頃から類稀な才能を発揮していた伏黒にはかなり期待しており、その頃から簡単な任務にはたびたび連れ出している。

百鬼夜行事件

物語が始まる一年前、四人の高校生が重傷を負う事件が発生。犯人は被害者の同級生の乙骨憂太（おっこつ ゆうた）に取り憑いた特級呪霊・祈本里香（おりもと りか）だった。乙骨と里香は幼馴染だったが、里香は数年前に交通事故で死亡し、愛する乙骨と共にいるために怨霊化。その力は日に日に増していき、ついには日本屈指の恐るべき呪霊となったのだ。
里香を祓うこともできず、自害すら考えていた乙骨に新たな道を提示するため、呪術高専に転入してきた彼に呪術の手解きを授ける。
乙骨は優れた才覚を発揮して見る見る内に成長するが、里香の力を狙って夏油と彼の仲間たちが暗躍。彼らにとってもっとも危険な存在である五条を呪術高専から引き剥がすため、各所でいっせいに蜂起する。
それぞれへの対処で教師陣が出払った隙に、夏油が呪術高専に侵入。陽動にかかったことを悟って乙骨たちの下に駆けつけようとするも、夏油の仲間である呪詛師ミゲルによってそれを阻まれる。

ようやくミゲルを退けて呪術高専に向かった時には、才能を開花させた乙骨によって夏油は返り討ちにされていた。なんとかその場は逃げ出すも、重傷を負って動けなくなっていた夏油に接触し、親友として最後の言葉を交わした後にトドメを刺す。

「百鬼夜行」と呼ばれるようになったこの事件の後、「乙骨が死んだ里香に憑かれていた」のではなく、「里香との別れを拒んだ乙骨が彼女を呪力で縛り上げていた」ことを突き止め、里香の解呪を見届ける。
その後も乙骨を始めとする生徒たちの指導を続行。夏油をも退けた乙骨への期待は特に大きく、どのような経緯でそうなったのかは不明だが、ミゲルを伴わせた上で彼を海外に留学させている。

虎杖を呪術高専に誘う

呪物の回収のため、仙台の高校に赴く。虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）が特級呪物である“宿儺の指”を飲んでしまったと知るも、彼が宿儺に肉体の主導権を奪われずにいることに感嘆。「宿儺を抑えられる千年に一人の器」と見て、虎杖を呪術師として育てることを決める。
虎杖の即時処刑を主張する呪術界上層部に対し、「二十本ある全ての“宿儺の指”を飲ませてから処刑する」という条件を提示し、これを強引に承諾させる。虎杖にその旨を説明し、彼が全てを承知した上で呪術師になる道を選ぶと、これを歓迎した。

しかしその後虎杖の処刑を諦めない上層部の策謀で、自分の受け持つ虎杖、伏黒、さらに釘崎野薔薇（くぎさき のばら）の三人の生徒が死地へと派遣される。上層部の思惑通り虎杖が死亡してしまう。後になってこれを知り、一時は「上層部の呪術師を全員殺す」とまで口にして怒りを露にしていた。
宿儺との契約によって虎杖が蘇ると大いに喜び、上記の宣言を保留。再度上層部に狙われることを避けるため、周囲には虎杖の蘇生を秘密にしたままで彼に個人レッスンを施すこととした。

なお、本人いわく、「ちょっとしんどいけど完全体の宿儺が相手でも（自分が）勝つ」とのことで、宿儺の暴走の危険性についてはあまり気にしていない。

漏瑚を撃退する

虎杖の資質に合わせて個人レッスンを施す中、特級呪霊の漏瑚（じょうご）の襲撃を受ける。これを易々とあしらい、逆に一方的に叩きのめす。
あげくわざわざ瞬間移動で往復してまで虎杖を運び、彼に自分の戦いを見学するよう命じる。漏瑚を「弱い」と言い切って虎杖に解説しながら蹂躙するも、トドメを刺す前に花御（はなみ）が割って入り、これを取り逃がした。
漏瑚が明確に自分を狙ってきたことからなんらかの陰謀が動いていることを推察するも、「楽しくなってきた」と嘯き、虎杖に“漏瑚に勝てるくらい強くなる”という目標を提示する。

その後自身の後輩で一級呪術師の七海建人（ななみ けんと）を招聘。自身は外部への工作や伏黒たちの育成に専念するため、虎杖の授業を七海に任せる。

交流会

京都府立呪術高等専門学校との交流会（模擬戦）の当日、虎杖を伏黒たちと引き合わせ、生きていたことを明かす。これは伏黒たちを驚かせるというより、京都校の学長で呪術師の重鎮である楽巌寺嘉伸（がくがんじ よしのぶ）のメンツを潰すことが主な目的だったようで、サプライズが失敗して意気消沈する虎杖とは裏腹に「してやったり」とばかりに凄みのある笑みを浮かべていた。

交流会が始まると、生徒同士の戦いを外部から観戦していたが、花御の乱入により事態は急変。虎杖たちが必死に時間を稼ぐ中、自分たちの侵入を防ぐために施された結界“帳”を突破し、花御に虚式「茈」を叩き込む。直撃はしなかったものの決定的なダメージを与え、これを撃退することに成功した。

乙骨への接触

特級呪霊一味の動きに不穏なものを感じ、海外留学中だった乙骨の下を訪ねる。なんらかの形で自分が動けなくなった場合、虎杖たちを守るよう乙骨に指示し、不測の事態に備えた。
この時ミゲルにも何か頼むつもりだったか会おうとしたが、「また厄介事を押し付けられるのは御免だ」とばかりに面会拒絶を決め込まれ、心外そうな様子を見せた。

渋谷事変

渋谷駅一帯に“帳”が施され、一般市民が閉じ込められるという事態が発生。犯人たちの「五条悟を呼べ」という要求を飲み、単身“帳”の中へと向かう。

そこには特級呪霊の漏瑚、花御、さらには呪胎九相図の長兄たる脹相が待ち構えており、閉じ込められた無数の一般市民でごった返す中で交戦。人々を盾にして、五条の高威力の呪術をことごとく封じて焦りを誘うという策だったがこれにすら対応し、体術のみで彼らを圧倒。花御を撃破する。
ここで漏瑚たちの仲間である真人が増援として駆けつけ、千体もの改造人間を放つ。これに対し一般市民に後遺症が出ないよう無量空処を0.2秒だけ展開し、五分足らずで改造人間を殲滅させる。