砂時計(漫画・テレビ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『砂時計』は、漫画家・芦原妃名子による少女漫画、およびそれを原作としたドラマ、映画である。単行本全10巻、文庫全5巻からなる。主に本編は8巻までで、9・10巻はオムニバス集になっている。
両親の離婚により、島根に引っ越してきた主人公・杏と、島根で育った大悟の切ない14年間の大恋愛を描いた少女漫画。舞台は主に島根と東京で、遠距離恋愛を経て、再度2人は再会し結ばれることになる。
ドラマ化・小説・映画化され、様々な形で作品に触れることができる。島根の方言が印象的で、方言ブームに火をつけた。
ドラマ版演:美山加恋(幼少期)、小林涼子(中高生)、佐藤めぐみ
映画版演:夏帆(中高生)、松下奈緒
『砂時計』の主人公。母親の姓:植草、父親の姓:水瀬。12歳の冬、両親の離婚で母親の実家、島根に引っ越す。そこで大悟たちに出会う。母親の自殺を乗り越え、15歳で父親と住むことになり、東京へと戻る。幼いころは明るく元気な女の子。気の強い性格だったが、母親の自殺の暗い影が彼女をむしばんでいく。そして、成長とともに母親・美和子の繊細で神経質な1面が垣間見えるようになっていく。大悟は初恋の相手で、初めて付き合った相手。破局してからも、彼の幸せは願っていた。東京で暮らすうち、エリート商社マンの佐倉と出会い、婚約。しかし破局してしまい、再び大悟に出会う。大悟と結婚し、結婚後は島根で介護の仕事をする。
恋人
北村 大悟(きたむら だいご)
ドラマ版演:泉澤祐希(幼少期)、佐野和真(中高生)、竹財輝之助
映画版演:池松壮亮(中高生)、井坂俊哉
杏と14年間の大恋愛を繰り広げる相手。杏が島根に引っ越してきて、慣れない土地で初めて仲良くなった友達の1人。ウサギを素手で捕まえるなど男らしい1面に杏は惹かれていく。素直で不器用な性格だが根はやさしい。杏の母親が自殺してからも、杏を支える。勉強は苦手だが、夢は”教師”。杏と破局後に付き合っていた同級生・楢崎に勉強を教えてもらい、甲斐あって地元の国立大学に進学、卒業後は岡山の小学校で臨時教員として働く。藤とは昔から犬猿の仲だが、藤が失踪して探しに上京してくるなど嫌っているわけではない。杏と破局してからも、杏のことが忘れられない。杏と再会し、結婚。
島根で出会う友達
月島 藤(つきしま ふじ)
ドラマ版演:佐藤要人(幼少期)、川口翔平(小学生)、青柳塁斗(中高生)、渋江譲二
映画版演:塚田健太(中高生)
島根で杏にできる友達の1人。村の地主「月島家」の長男で御曹司。頭がよく、クールに見えるが情に厚く優しい1面もある。使用人たちの間で噂になっていたのは、自身も現場を見たことのあった「母親と不倫相手の子」。幼いころから長年そうだと信じ込んでいたが、実際「不倫相手の子」だったのは妹・椎香のほうだった。この件で家出や失踪、1年留年をした。いつの間にか杏のことが好きになってしまい、大悟とは恋敵になる。しかし、大悟に対しては尊敬の気持ちもあり、敵わないと思っている。杏が大悟と別れた時に一時期付き合っていたが破局。その後、従妹・茉利子と付き合い、両親の反対を押し切って結婚。
月島 椎香(つきしま しいか)
ドラマ版演:山内菜々(幼少期)、垣内彩未(中高生)、木内晶子
映画版演:岡本杏理(中高生)、伴杏理
杏の友達、藤の妹。実は母親の不倫相手の子であり、藤とは異父兄弟。おとなしく温厚できれいな顔をしておりモテる。頼られるのが好きで、パシリ体質。15歳のころ、自分が「不倫相手の子」と知り、精神的に追い詰められるが、そのとき助けてくれた大悟に恋をしてしまう。大悟に猛アタックし、杏とは微妙な関係に。17歳の時に、みずからの弱さから逃げるようにカナダへ留学。のちに、経営学を学び、アメリカの叔父の会社で働くことになる。
杏の親族
植草 美和子(うえくさ みわこ)
ドラマ版演:伊藤裕子
映画版演:戸田菜穂
主人公・杏の母親。夫・正弘との離婚をきっかけに自分の実家、島根に戻ってきた。一見なんでも器用にこなすタイプに見えるが、繊細で神経質な性格。村という狭いコミュニティでは生きづらさを覚えていたので、早く東京へ出たがっていて、結婚を機に上京したが結局とんぼ返り。そのこともあってか、離婚して島根に戻ってからしばらくたつと、人生に疲れ「出かけに行く」と言って、山で自殺。大悟の母・広子とは高校の同級生。
水瀬 正弘(みなせ まさひろ)
ドラマ版演:羽場裕一
映画版演:風間トオル
主人公・杏の父親。温厚なのんびりした性格に見えるが、肝心なところではしっかりしている。大学生のころ、島根に来た際に車が故障してしまう。それを助けてくれた杏の母親・美和子に一目ぼれする。大学卒業と同時に美和子と結婚し、東京に連れていく。杏が12歳のころに美和子と離婚。事業失敗によって借金を抱えながら生活している。杏が15歳の時に東京で一緒に生活し始める。その後、高校の同級生・楓と再婚。杏の異母妹・千衣をもうける。
植草 美佐代(うえくさ みさよ)
ドラマ版演:大森暁美
映画版演:藤村志保
杏の母方の祖母。美和子の母親。杏の母親・美和子が自殺してから15歳の時まで杏を育てる。気が強く、しっかりとしている。
黒木 楓 / 水瀬 楓(くろき かえで / みなせ かえで)
ドラマ版演:渡辺典子
映画版演:なし
杏の義理の母になる。父親の再婚相手、千衣の母親。杏の父親・正弘と高校の同級生で片思いをしていた。職業は医者でキャリアウーマンだが、家のことはさっぱりできない。さばさばした性格。
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目次 - Contents
- 『砂時計』の概要
- 『砂時計』のあらすじ・ストーリー
- 杏と大悟の出会い
- 藤、椎香との出会い
- 母の自殺
- 杏の恋敵
- 父との再会
- 大悟との別れ
- 16歳・夏休み
- 藤と杏、大悟と椎香
- 藤の失踪
- 藤の発見
- 杏と大悟
- 月島家の真実
- 初恋の終わり
- 杏の覚悟
- 大悟と藤
- 強くなりたい
- 20歳・冬
- 佐倉圭一郎との出会い
- 母の影
- 大悟のかけら
- 絶対幸せにする
- 『砂時計』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 植草 杏(うえくさ あん)
- 恋人
- 北村 大悟(きたむら だいご)
- 島根で出会う友達
- 月島 藤(つきしま ふじ)
- 月島 椎香(つきしま しいか)
- 杏の親族
- 植草 美和子(うえくさ みわこ)
- 水瀬 正弘(みなせ まさひろ)
- 植草 美佐代(うえくさ みさよ)
- 黒木 楓 / 水瀬 楓(くろき かえで / みなせ かえで)
- 水瀬 千衣(みなせ ちい)
- その他
- 朝田 リカ(あさだ りか)
- 平川 実茅子(ひらかわ みちこ)
- えだっち
- 園田 洋介(そのだ ようすけ)
- 楢崎 歩(ならさき あゆむ)
- 佐倉 圭一郎(さくら けいいちろう)
- 月島 茉利子(つきしま まりこ)
- 月島 志津代(つきしま しずよ)
- 高杉 恭一(たかすぎ きょういち)
- 北村 広子(きたむら ひろこ)
- 『砂時計』のドラマ概要
- 展開に関する漫画との相違点
- 登場人物と設定に関する漫画との相違点
- 『砂時計』の映画概要
- 登場人物と設定に関する漫画との相違点
- 『砂時計』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 大悟「大事に想っとった気持ちを消そうとすんな オレがずっと一緒におっちゃるけん」
- 藤「二度目三度目があるから『初恋』っつーんだよ!一度で終わらすな!!」
- 杏「物語に終わりは必ずくるけれど それでも君となら 『永遠』を信じてみたくなる」
- 朝ちゃん「知ってる?『恋愛船』の定員は、ジャスト2名だよ。余計なもん持ち込んだら、沈むよ」
- 杏「星の数ほど人はいて、毎日、数え切れないほどの人とすれ違うけど、こんなに優しい手はない、こんなにあたしを大事に想ってくれて、あんなに大事に想える人は、絶対どこにもいない」
- 杏の祖母「もしこの先、誰かと出会ったなら、その人のために苦もなく頑張れるかどうか考えなさい」
- 『砂時計』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『砂時計』の舞台・ロケ地
- 仁摩サンドミュージアム
- 波根駅
- 琴が浜
- 大森町
- 『砂時計』は全10巻からなるが、本編は8巻で終わり、9・10巻はオムニバス集となっている。
- 作者も実際に「仁摩サンドミュージアム」に訪れている
- 『砂時計』の主題歌・挿入歌
- ドラマ版主題歌:柴咲コウ『ひと恋めぐり』
- 映画版主題歌:いきものがかり『帰りたくなったよ』