笑ゥせぇるすまん（アニメ・漫画・ドラマ）のネタバレ解説・考察まとめ

今仁見手郎（いまにみてろう）

CV：田中真弓（第一作アニメ版）
第一作アニメ版第100話「今仁見手郎の秘密復讐計画」に登場、藤子不二雄Aの作品『黒ベエ』のキャラクター・スズキミチオをモデルとした人物でもある。12歳の内向的な少年で、同級生のガマグチやモンキーから馬鹿にされいじめられている。しかしそれはあくまで表向きであり、自分に危害を加えた相手の事をメモしては、黒星が一定数に達した際に「復讐」を行った挙句に相手を魚拓にする。猫のドラに顔を引っ掻かれている際、喪黒に助けられる。ドラへ復讐をしょうとしたところ喪黒に邪魔をされ、「要注意人物」とみなして黒星をつける。その後、自宅へ侵入した喪黒と遭遇し、ショット式の銛で仕留めようとするも、喪黒はスチール製の名刺を防弾チョッキ代わりにして防御。そして喪黒から「ドーン！」と受け、復讐の対象相手と同じ様な魚拓にされる。第一作アニメ版で今仁見手郎役を務めた田中真弓は、テレビアニメ『ドラゴンボール』シリーズのクリリン役や『ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィ役といった、多くのキャラクターを熱演し、幅広い世代のファンから親しまれている。

日陰久利（ひかげくり）

CV：中村大樹（第一作アニメ版）
第一作アニメ版第11話「押入れ男」に登場。21歳の売れない漫画家で、一日中押入れに閉じこもり原稿作りに没頭している。そんなある日、アパートの管理人に案内された喪黒が部屋に入って来て、ここに引っ越して来たと言われる。慌てて出て行こうとするも、ここにいて構わないと言われ、「押入れに住む」事を条件にアパートに居続ける事になる。原稿が完成し外へ出るも、日の光を浴びた途端にめまいを起こし倒れる。以降、「太陽が怖い」とますます布団に籠る様になりる。それに対し喪黒が、共に田舎へ引っ越し、今いるのは「特別の押入れ部屋」だと話す。そしてこの押入れの中で、「外へ一歩も出ない」事を条件に好きなだけ漫画を描く様に伝える。この押入れ部屋の居心地が良く、順調に漫画を描いていく。やがて原稿を完成させ、編集長のところへもって行くと、「傑作」だと喜ぶ。その後も喪黒は度々、押入れの覗き穴から顔を出し様子を伺って来ていた。やがてファンレターも送られる様になり、「人気漫画家の仲間入り」になったと喜ぶ。そして夜の街へ遊びに行こうとするも、押入れに鍵が掛かっていて、外へ出られなかった。喪黒が自分の給料を独り占めすると思い込み、何度も戸を叩きつつ怒り狂った様に「開けろ！」と叫ぶ。すると壁や屋根が落ちて、押入れ部屋は一変してガラス張りの屋根裏部屋へと変わる。太陽の光を一気に浴び、隠れた机の下で動けなくなる。喪黒は不敵な笑みを浮かべながら、その場を立ち去っていく。第一作アニメ版で日陰久利役を務めた中村大樹は、テレビアニメ『鎧伝サムライトルーパー』や『勇者エクスカイザー』等、声優として数多くの作品に出演。

出雲若志（いずもわかし）

CV：阪脩（第一作アニメ版）
第一作アニメ版・第53話「老顔若体」に登場。73歳の会社社長で、その若々しさで同年代の老人達を驚かせていたが、年齢と共に日々衰えていく自身の肉体に限界を感じていた。そんななか、無理な筋力トレーニングにより左腕の筋を痛め、左腕をおさえながらジムから出て来た時に喪黒と出会う。バー「魔の巣」にて、肉体の老化は止められない一方、若さを取り戻したいと、自身の悩みを喪黒に打ち明ける。すると喪黒が一つの鉄アレイを渡す。そして、朝・夕にそれぞれ「マッスル、マッスル、私の体、ムキムキになぁれ！」と念じつつ、振る様に促す。更に喪黒は念じる事を強く促したうえで、「ドーン！」と指を突き出す。喪黒の言われるがままに、念じながら鉄アレイで体を鍛えたところ、体はみるみる若々しくなっていく。ゴルフを共にする老人達を圧倒させる実力を見せるなか、そのゴルフコースで再び喪黒と遭遇する。喪黒は、この鉄アレイによる運動は「自然に逆らっている故に、無理な事は行なわない」様に忠告してくる。以降もトレーニングを続けていたある日、立ち寄ったキャバクラで一人のホステスと出会い深い関係となる。二人でホテルに行き、一人浴室にいた時、突然喪黒が現れ、忠告を破った事を指摘する。喪黒を慌てて追い出しシャワーを浴び始めるが、排水溝に出雲の髪の毛が次々と流れる。そこへ浴室へ入ってきたホステスが悲鳴を上げる。髪の毛や歯は殆ど抜け落ち、ミイラの様な姿と化していた。第一作アニメ版で出雲若志役を務めた阪脩は、声優として『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』等のテレビアニメ作品を手掛ける一方、『仮面ライダーX』等の特撮テレビ作品やテレビドラマにて印象的な声の出演を果たす。現在90歳、なお現役である。

姫野宅二（ひめのたくじ）

CV：鈴木清信（第一作アニメ版）
第一作アニメ版第87話「妖しいアンティーク2 DOLL」に登場。32歳のサラリーマンで、自分の部屋には数え切れない程、少女人形がある。クリスマスを目前に控えたある日、クリスマスの為の買い出しの際に喪黒と遭遇したうえ、途中で落としたペーパーナイフを届けに喪黒が自宅へ出向く。更に喪黒が、人形オタクである事を見計らうかの様に「素敵な彼女を紹介する」と施すが、「身勝手な人間の女性よりも、自分を裏切らない人形の方が良い」と話に乗らなかった。後日、骨董品店で一体の人形・ミシュリーヌに目を付けるが、高価すぎて購入できなかった。しかし喪黒が「人形を裏切らない」事を条件にミシュリーヌをプレゼントする。ミシュリーヌに夢中となっていた矢先に、勤務する会社に自分に好意を抱く女性が入社し、彼女とクリスマスの夜にラブホテルへ行ってしまう。その際に、ミシュリーヌの幻影が見え怖くなり急いで帰宅。待っていたのは、他の人形達と共に自分に襲いかかるミシュリーヌの姿があった。第一作アニメ版で姫野宅二役を務めた鈴木清信は、『機動戦士ガンダム』に代表されるサンライズ作品へ声優として出演する他、多くの舞台作品にてステージを踏む。

長井道範（ながいみちのり）

CV：橋本晃一（第一作アニメ版）
34歳のサラリーマンで、毎朝4時半に自宅を出て4回電車を乗り継ぎ、会社へ向かい、夜遅くに帰宅する日々を送る。通勤電車の中で自分の足を踏む喪黒と遭遇し、名刺を渡され、その場を後にする。夜が明けない午前3時半のある日、自宅のインターホンが鳴り玄関へ出ると、一台のリムジンカーが待っていた。運転手は、会社まで送る様に喪黒から依頼されたとの事。何でも取り揃えたリムジンの中で一眠りするが、運悪く渋滞に巻き込まれる。会社に着いたのは退社時間帯なうえ、リムジンを降りる姿を上司に見られる。その姿を冷やかされた挙げ句、残業を行う事となり、仕事が終わったその晩に喪黒と再会。バー「魔の巣」にて、散々な目に遭った事を喪黒に話すと、あるマンションの部屋へ案内される。会社から近い、かつ無料であるこの部屋を自由に使って構わないが、「週末や休日、祭日には自宅に帰る」事を約束する様に喪黒から言われる。次の日、いつもより早く出勤し上司を驚かせ、近くに部屋を借りたと告げる。通勤疲労がなくなり、仕事への意欲を示す。一方で、夜の街を飲み歩く様になり、その日も上司と共に終電を気にせず飲み屋をはしごしていた。マンションの部屋へ帰るが、もぬけの殻で愕然としていたところへ喪黒が現れる。「祭日である」事と「約束を破った」事を喪黒から指摘され、更に「会社に近い所が良ければ叶える」と言われ、指で「ドーン！」と突き付けられる。その後、上司や社員が行方を探していたところ、机の上にあった（長井自身が水槽に土を入れて作った）蟻の巣から蟻が列を成してロッカーに辿っていた。そこを開けると、腐敗し切った長井の遺体とそこに群がる蟻の大群がいた。それを見た社員達は悲鳴を上げていた。第一作アニメ版で長井道範役を務めた橋本晃一は、他にもテレビアニメ『聖闘士星矢』のキグナス氷河役や『キャプテン翼』の若林源三役等、重要な役を務める一方で、声優養成所の講師を務めたりもしている。

端目和久（はためかずひさ）

CV：橋本晃一（第一作アニメ版）
第一作アニメ版第114話「カラオケパレス」に登場。34歳のサラリーマンで大のカラオケ好き。しかしそれが祟ってか、マイクを独占したり、同僚が予約した曲まで歌う行動に走る事もあり、周りから白い目で見られていた。そんなある日喪黒と出会い、とある一台のバスに案内される、車内のカラオケルームで楽しんでいるうちに山の頂上にある「カラオケパレス」に連れて来られる。喪黒と中へ入り、会員専用の楽屋に行き、ステージ衣装に着替える。そして、立体映像の「観客」が大勢いるなか舞台上でカラオケを堪能する。帰り際、喪黒から「カラオケパレス」へ他の人を誘わない事を約束したうえで、会員カードを渡される。以降、会社が終わると真っ先にバスに乗り、「カラオケパレス」へ向かいカラオケを堪能。カラオケに全く誘わなくなった事に疑問を持った同僚が尋ねると、「最高の舞台がある」と言い、彼等を「カラオケパレス」へ連れて来てしまう。いつもの様に舞台で歌い出すと、初めは拍手喝采だった「観客」からブーイングが飛び出したうえ、物が投げられた。その様子を裏で見た同僚は呆然としていた。第一作アニメ版で端目和久役を務めた橋本晃一は、他にもテレビアニメ『聖闘士星矢』のキグナス氷河役や『キャプテン翼』の若林源三役等、重要な役を務める一方で、声優養成所の講師を務めたりもしている。

『笑ゥせぇるすまん』の用語

「ココロのスキマ、お埋めします」

喪黒福造が、「お客様」となった人物に渡す名刺に書かれてあるキャッチコピー。この言葉の間にある「、」は、後に「♡」へ変わる（原作版では「♡ココロのスキマお埋めします…」）。
また原点となった作品『黒ィせぇるすまん』では、上記のキャッチコピーではなく「友愛事業団 外務主任」という肩書きであり、テレビドラマ版では原作の喪黒の顔が刷られていた。2017年に放送されたアニメ『笑ゥせぇるすまんNEW』では「♡ココロのスキマ…お埋めします」となった。

「お客さま」