『忍者ハットリくん』とは、1960年代中期~後半、1980年代に『少年』『月刊コロコロコミック』等で連載された藤子不二雄によるギャグ漫画作品。伊賀流少年忍者のハットリカンゾウが忍術修行の為に上京し、三葉一家のもとへ居候する事になる。そこへ同じくカンゾウの弟シンゾウや獅子丸ら伊賀流忍者、ケムマキケムゾウや影千代ら甲賀流忍者も上京し、日常での対立や騒動を引き起こしていくという内容。テレビドラマ、アニメ、実写映画化される程の人気作品となった。また国内のみならず海外でも配信され、知名度が高まった。
『忍者ハットリくん』の概要
『忍者ハットリくん』とは、藤子不二雄名義で連載されたギャグ漫画作品(実際は安孫子素雄による単独作品で、1988年に独立して数ヶ月間のみの筆者名が「藤子不二雄Ⓐ」となっている)。1964〜1968年に漫画雑誌『少年』(光文社)、1980〜1981年に『少年ポピー』(少年画報社)、1981〜1988年に『月刊コロコロコミック』(小学館)等で連載され人気を博す。
伊賀の少年忍者ハットリカンゾウは忍術修行の為に伊賀から上京し、三葉(みつば)一家のもとへ居候し小学生の長男ケン一(ケンいち)に対し生活面や勉強を忍術を使いサポートしていく。そこへ同じく伊賀からやって来たカンゾウの弟シンゾウや忍者犬の獅子丸、更には甲賀忍者のケムマキケムゾウや影千代達もやって来て周囲を巻き込んでの対立や騒動を起こしていく。
1966~1967年には実写テレビドラマ(NET(現・テレビ朝日))、1981〜1987年にテレビ朝日系列でテレビアニメ版が放送された。2004年には香取慎吾主演による実写映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』が公開され興行収入10億円を超える大ヒットとなる。また2012年に新作アニメ版がインド向けとして放送開始され、2013年には国内でテレビ放送されネット配信でも視聴可能となった。アニメやドラマ、映画のみならず、ファミリーコンピュータ用の横スクロールアクションゲーム『忍者ハットリくん』(1986年、ハドソン)が発売された他、2003年からは『CR忍者ハットリくん』としてパチンコにも6種類のシリーズが登場して大ヒットした。また原作者の藤子不二雄Ⓐの出生地である富山県氷見市では、氷見線・城端線の『忍者ハットリくん列車』が運行され、 氷見線沿線ではハットリカンゾウによる車内アナウンス(自動音声)も流れている。
『忍者ハットリくん』のあらすじ・ストーリー
少年忍者の来訪
勉強や運動共に苦手な小学生の三葉ケン一(みつばけんいち)は、東京でごく普通の生活を送っていた。いつもの様にケン一が部屋にいたある日、天井裏で物音がして忍者衣装をした少年が現れる。彼は伊賀流の少年忍者ハットリカンゾウで、忍者学校を卒業し修行の為に上京してきた。カンゾウは三葉家に押し掛け同然で居候する事となり、天井に貼りついたり天井裏で寝床に就くといった奇想天外な行動をしていた。またクレープやハンバーガーが好物といった現代っ子な一面を見せて、変装してまで何度もハンバーガーショップに通ったりもしていた。
伊賀忍者が総出で上京
間もなくして、カンゾウの弟ハットリシンゾウや忍者犬の獅子丸(ししまる)らもやって来て、三葉家は賑やかになっていく。見習い忍者で幼いシンゾウは泣き声が必殺技になったり、伊賀に帰りたいとダダをこねたりと周囲を困らせていた。一方で兄カンゾウの方は、シンゾウやケン一らに隠れてテントに似たものを作り、故郷の伊賀や家族達を懐かしく思う時を持っていた。カンゾウはケン一に対し、日々の生活や学校でのトラブルに対し忍術を使いケン一に手を貸し始める。ケン一は勉強や運動共に苦手だったうえ、流行に敏感で学校では好意を寄せるクラスメイトの河合夢子(かわいゆめこ)に良いところを見せたいが為に、カンゾウの忍術に頼り日常及び学校での生活を謳歌しようとする。忍術に頼りがちなケン一に対しカンゾウは、日々の鍛錬により成果を生む事があると𠮟責していた。
ライバルの出現
カンゾウ達が新しい生活に馴染もうとしていた矢先、カンゾウのライバルで甲賀流の少年忍者ケムマキケムゾウと飼い猫の影千代(かげちよ)も上京してくる。甲賀の掟により正体を明かすのが禁じられている事もあり、ケムゾウはケン一が通う小学校に転校し普段は大人しい生徒を演じている。しかしその裏でケムゾウはライバルと見ているカンゾウの邪魔をしたり、ケン一を罠にはめたりしようとする相当なひねくれ者だった。またケン一とは夢子を巡って恋のライバルとして張り合う様になる。伊賀と甲賀、忍者同士の小競り合いが始まり、ケン一ら周りの者はドタバタに巻き込まれる事となった。
更にケムマキら甲賀流だけでなく、発明家のシノビノ博士が機械流忍者ロボ丸を発明しカンゾウに挑戦してくる。そして一騎討ちを迎えるが、ロボ丸の鋼鉄製の体にカンゾウが塩を撒いた事で錆付き動かなくなる。シノビノ博士は負けを認めてからは、カンゾウ達の理解者となる。他にもパソコンや スマートフォン、インターネット等といった科学技術に直面したカンゾウ達が驚きを隠せないなか、 カンゾウはバスや電車といった乗り物が馴染めない様子を見せていた。ケムマキや影千代らとの張り合いや日常にて忍術を使っていたカンゾウだが、時には失敗をしてしまう事もある。カンゾウが失敗をやらかした際には、ケン一や周りの者達は呆気に取られたのだった。
『忍者ハットリくん』の登場人物・キャラクター
伊賀流(いがりゅう)
ハットリカンゾウ(服部貫蔵)
CV:堀絢子(アニメ版)、熊倉一雄(ドラマ版)、演:野村光徳、野村好徳(ドラマ版(ダブルキャスト))、香取慎吾(映画版)
本作品の主人公で伊賀流の少年忍者で服部半蔵の子孫と言われており、ケン一や周りからは「ハットリくん」と呼ばれている。忍者修行の為に伊賀から上京し、押し掛け同然で三葉家を訪ねて居候している。5月5日生まれの11歳、身長134cm、体重40kg。顔はどんぐり眼に「へ」の字口をしており、頬には渦巻きがある。自らを「拙者」と呼び「忍者は表情を悟られてはならない」として常に無表情だが、アニメ版では感情豊かな表情を見せる。冷静沈着な性格の一方で、お節介でお人好しな一面がある。「○○でござる」「ニンニン」といった独特の口調で話し、男性に対しては「○○氏(うじ)」、女性は「○○殿」と呼ぶが、 敵対するケムマキに対してだけ呼び捨てで呼ぶ。様々な忍術を身に付けており、変わり身の術や風呂敷(伊賀織りの特別製)を使用して飛翔する忍法ムササビを得意としている。まだ修業中で忍法も未熟である事を自覚している。常に忍び装束姿(1960年代連載版は黒色、1980年代連載版やアニメ、実写映画版では青色)で頭に頭巾を被っている。入浴時ですら非常時に備えて装束や頭巾を取らず、取った姿を弟シンゾウですら見た事がない。タケノコの煮物やコロッケやグラタンといったジャガイモ料理、ハンバーガー等が好物。ハンバーガーに至ってはファーストフード店を1日に幾度も出入りする程だが、同じ姿で行くのが格好悪いと考え変装した姿で何度も行っている。カエル(特にトノサマガエル)は一目見ただけで平常心を失うくらい大の苦手で、その事でケムマキにからかわれたりしている。またケン一を助けようとするあまり、忍法で大きな失敗をする事も度々あり、その際には周囲が「ズコ」と口にしてずっこける場面が定番となっている。居候先の三葉家にて初登場時のみ天井へ逆さに張り付いて寝ていたものの、それ以降は天井裏の床に布団を敷き就寝している。また周りには知られない様にテントに似た簡易リフレッシュルームを作っており、そこで懐かしき故郷の伊賀や両親を思う安らぎのひと時を持っている。
ハットリシンゾウ(服部心蔵)
CV:三田ゆう子/日向ゆきこ(アニメ版)
カンゾウの弟、5歳くらいの年齢で兄を頼って単身上京する。通称「シンちゃん」 で、自らを「俺」(稀に「僕」)と名乗る。赤色の忍び装束を着用しピンク色の褌を締めている。見習い忍者の身である為に木刀や竹製の手裏剣しか持たせてもらえていない。泣き声が破壊音となる忍法「涙パワー」 が最強の必殺技。性格は軽くケン一や獅子丸達と遊んだ際に騒動を起こしては兄カンゾウから叱責され、その事でケムマキや影千代から馬鹿にされている。チョコレートやケーキが好物という甘党で、ジグソーパズルが得意。
獅子丸(ししまる)
CV:緒方賢一(アニメ版)、演:ペキ(映画版)
1980年代連載版及びテレビアニメ版から登場した人語が話せる伊賀流の忍者犬で、犬種はチャウチャウ。自らを連載版は「ワシ」、アニメ版では「俺」と呼ぶ。またカンゾウを連載版にて「ご主人様」、アニメ版は「カン様」と、それぞれ呼び名が異なる。そのうえ、「しし丸」「シシ丸」「ししまる」「シシマル」等と表記される場合もある。性格は天真爛漫で楽天家だが、お人好しで気紛れ。更に冷蔵庫の中身を全て食す程の大食漢で、太ってはダイエットを繰り返す。それもありカンゾウにより伊賀で置き去りにされるも、結局ついて来て三葉家の番犬として三葉家に飼われる事となった。池で溺れていた時にカンゾウが弁当のおかずのちくわを投げて、それを口にくわえて「水遁の術」をして助かって以来ちくわが大好物となる。「ニョニョ」や「ニョホホ」が口癖で、会話の語尾には「◯◯だワン」が付く。走ったり何かしら行動する際には「ワンタッタッタ」と口にし、二本走行や四本足走行が存在する。額の獅子十字に触れると動物等に変身が可能で、暗示をかけられる事で催眠術状態となり対象のものに変身しやすくなる。影千代から「デブ犬」「ボケ犬」等とからかわれる一方、互いに術を競い合う良きライバルの仲でもある。またジッポウともライバル的な関係で忍法の対決をした事があるが、良き伊賀の友人同士として落ち着く。
ツバメ
CV:白石冬美/上坂すみれ(アニメ版)
カンゾウの幼馴染みで、8歳くらいの伊賀流くノ一。カンゾウを「ハットリさま」「カンちゃん」と呼び、彼を慕って三葉家を訪れては騒動を巻き起こす。横笛を吹いて人を操ったり、燕に化けて飛翔する忍術を持っている。ケン一やケムマキ達から「ツバメっ子」と呼ばれたりしている。
忍者怪獣ジッポウ(忍者怪獣ジッポー)
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目次 - Contents
- 『忍者ハットリくん』の概要
- 『忍者ハットリくん』のあらすじ・ストーリー
- 少年忍者の来訪
- 伊賀忍者が総出で上京
- ライバルの出現
- 『忍者ハットリくん』の登場人物・キャラクター
- 伊賀流(いがりゅう)
- ハットリカンゾウ(服部貫蔵)
- ハットリシンゾウ(服部心蔵)
- 獅子丸(ししまる)
- ツバメ
- 忍者怪獣ジッポウ(忍者怪獣ジッポー)
- ハットリジンゾウ
- ハットリ兄弟の母(名前不明)
- 3匹の忍者
- 猿飛猿助(さるとびさるすけ)
- 雲隠才蔵(くもがくれさいぞう)
- 石川五助(いしかわごすけ)
- 甲賀流(こうがりゅう)
- ケムマキ・ケムゾウ
- 影千代(かげちよ)
- ハゲベエ
- 白猫斎(はくびょうさい)
- ケムノスケ
- ケムシ
- ウズマキウズマル
- 虎蔵(とらぞう)
- 三毛助(みけすけ)
- 白丸(しろまる)
- 影夜姫(かげやひめ)
- 十六夜(いざよい)
- モモンベエ
- 三葉家の住人
- 三葉ケン一(みつばケンいち)
- パパ
- ママ
- 学校の教員・生徒
- 小池先生
- 愛子(あいこ)先生
- 花岡実太(はなおかじった)先生
- 河合夢子(かわいゆめこ)
- 機械流
- シノビノ博士
- シノビノオヒメ
- ロボ丸
- トゲ次郎
- 『忍者ハットリくん』の用語
- 伊賀流(いがりゅう)
- 甲賀流(こうがりゅう)
- 機械流(きかいりゅう)
- 『忍者ハットリくん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ハットリカンゾウ「忍者ハットリカンゾウ、ただいま参上」
- ハットリカンゾウ「ニンニン」
- ハットリカンゾウ「何事も一日にして成るものはござらん。日々の鍛錬こそが、大きな成果を生むのでござる」
- 『忍者ハットリくん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ化と同時に再連載し人気化
- 海を渡った『忍者ハットリくん』
- 『忍者ハットリくん』の最終回は明確に存在せず
- 『忍者ハットリくん』の主題歌・挿入歌
- テレビアニメ版
- 主題歌:ハットリくん(堀絢子)「忍者ハットリくん」
- ED(エンディング):大杉久美子「ねぇハットリくん」
- ED(エンディング):緒方賢一「シシ丸のちくわのうた」
- 実写テレビドラマ版
- ドラマ『忍者ハットリくん』主題歌:前川陽子「忍者ハットリくん」
- ドラマ『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』主題歌:前川陽子、熊倉一雄、ヤングフレッシュ「忍者ハットリくん」
- 挿入歌:前川陽子、熊倉一雄、ヤングフレッシュ「ごきげんジッポウくん」
- 実写映画版
- 主題歌:ハットリくん(香取慎吾)「HATTORI3」
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