クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer)のネタバレ解説・考察まとめ
『クレイマー、クレイマー』とは、1979年に公開されたアメリカ映画。突然訪れた離婚をきっかけに、父親が息子との関係を見直すヒューマンドラマ。ホームドラマの名作とも言われており、その中でも父と子に焦点を当て、幼い子供を一人で育てる事や仕事の両立がいかに難しいかも表現され、現代に通じる内容になっている。また、当時アメリカで問題視されていた離婚や養育権の社会問題を描いた事で高く評価された。
内容だけではなく子役を含むキャスト全員の演技が高い評価を受けた作品でもある。
テッドとジョアンナの7歳の1人息子。自分の事に無関心な父親よりも母親の事が大好きだったが、愛する母親が突然いなくなってしまったことに悲しみを感じながらも、父テッドとの生活を送る。最初はテッドとのぎこちない生活に慣れず母親を恋しがり、自分が悪い子だったから母親が出て行ってしまったのではないかと考えていたが、父親と愛情を通わせるようになり、親子の絆が芽生えてくる。公園のジャングルジムで遊んでいた時に落ちて、目の周りを10針も縫う怪我をしてしまう。
母親がいつか戻ってきてくれるのではないかと思っている。
マーガレット・フェルプス(演:ジェーン・アレクサンダー / 日本語吹替:日野由利加)
ジョアンナとテッドの友人。離婚歴があり、子供が1人いるシングルマザー。ジョアンナとは頻繁に会う仲で、ジョアンナが育児や家事に無関心なテッドに対して悩んでいた事を聞いており、ジョアンナに家を出て行くべきだと助言する。ジョアンナが居なくなってから、テッドと接する機会が増え、テッドがビリーを大切に思っている事が分かり、親権を巡る裁判ではテッドを擁護する証言をする。
テッドとジョアンナの裁判を通して、別れた夫への愛に気づかされよりを戻す事を決意する。
ジョン・ショーネシー(演:ハワード・ダフ / 日本語吹替:宝亀克寿)
テッドの弁護士。親権争いは子供が幼い場合、母親側が有利である事を告げる。更に、広告代理店の仕事を辞めてしまったテッドに対して、無職だと勝ち目がないため新しい仕事を早く見つけるよう助言する。裁判ではテッドに落ち度がなかった事を主張し、「長く続いた大切な人間関係に失敗したのはあなた自身だ」と長く続いていた関係から話し合う事も無く逃げた事に対しジョアンナに厳しく言うが、裁判に敗れてしまう。上訴するにはビリーを証言台に立たせる必要がある事をテッドに伝えるが、ビリーに証言台で父親か母親を選ばざるおえない状況に立たせるのはビリーに良くないと思いテッドは拒否する。
ジム・オコナー(演:ジョージ・コー / 日本語吹替:小島敏彦)
テッドが勤める広告代理店の社長。テッドの事を高く評価しており、テッドが大きな仕事を掴んできた事で、共同経営者としても考えているとテッドに伝えていた。テッドは妻が家から出て行ってしまった事を話しており、テッドの事を心配し子供を親戚に預けた方が良いのではないかと提案していた。
テッドが育児に没頭するあまり大きな仕事が他の会社に取られてしまう事態になっている事が判明し、苛立ちを募らせる。レストランにテッドを呼び出し、退職金を渡し解雇する。
フィリス・バーナード(演:ジョベス・ウィリアムズ / 日本語吹替:加藤優子)
テッドの同僚。テッドから信頼されており、テッドの作った資料の確認等を任されていた。テッドのアパートで一夜を共にし、翌朝ビリーに裸の姿を目撃されてしまう。寝ぼけたビリーにフライドチキンは好きか聞かれて好きだと答える。ビリーはテッドに彼女が次の母親になるのか聞いてくるが、テッドはただの友人だと答える。
グレッソン(演:ビル・ムーア / 日本語吹替:仲村秀生)
ジョアンナの弁護士。ジョアンナは家を出てから自立しており、テッドよりも給料の高い職に就きビリーを養う事ができると主張した。更に、ジョアンナの友人であるマーガレットにテッドに不利な証言を促し別居を勧めた張本人だと裁判で証言する。テッドに対しても仕事のミスで大きな会社との契約を失った事や、ビリーがジャングルジムで怪我した事をきつく問い詰め、良き父親としては不向きだと証言する。見事テッドとジョアンナの裁判に勝利し、ジョアンナに親権が渡される事となる。
スペンサー(演:ジャック・ラメージ / 日本語吹替:楠見尚己)
テッドが再就職する会社の部長。テッドが以前働いていた会社の収入よりも遥かに低い事や、仕事内容もテッドにとっては役不足である事を告げるが「今日中に内定を決めてくれないと話はなしだ」と告げられ、テッドを一旦席から外しじっくり考える。数分でテッドを呼び出し、採用を決定した事をテッドに伝え、一緒に働く事を決める。
『クレイマー、クレイマー』の用語
原告Mrs.Kramer(妻)VS被告Mr.Kramer(夫)
原題は「Kramer vs. Kramer」であり、離婚調停の法廷の原告Mrs.Kramer(妻)と被告Mr.Kramer(夫)のことを指したタイトルとなっている。これは、まだ離婚が成立していない同姓の夫婦の戦いを意味している。
法廷侮辱罪
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目次 - Contents
- 『クレイマー、クレイマー』の概要
- 『クレイマー、クレイマー』のあらすじ・ストーリー
- 妻の家出
- 父と息子の2人っきりの生活
- ジョアンナが家を出てから1年半
- 仕事と家事・育児の両立の厳しさ
- 親権裁判のスタート
- 息子の幸せ
- 『クレイマー、クレイマー』の登場人物・キャラクター
- テッド・クレイマー(演:ダスティン・ホフマン / 日本語吹替:東地宏樹)
- ジョアンナ・クレイマー(演:メリル・ストリープ / 日本語吹替:田中敦子)
- ビリー・クレイマー(演:ジャスティン・ヘンリー / 日本語吹替:矢島晶子)
- マーガレット・フェルプス(演:ジェーン・アレクサンダー / 日本語吹替:日野由利加)
- ジョン・ショーネシー(演:ハワード・ダフ / 日本語吹替:宝亀克寿)
- ジム・オコナー(演:ジョージ・コー / 日本語吹替:小島敏彦)
- フィリス・バーナード(演:ジョベス・ウィリアムズ / 日本語吹替:加藤優子)
- グレッソン(演:ビル・ムーア / 日本語吹替:仲村秀生)
- スペンサー(演:ジャック・ラメージ / 日本語吹替:楠見尚己)
- 『クレイマー、クレイマー』の用語
- 原告Mrs.Kramer(妻)VS被告Mr.Kramer(夫)
- 法廷侮辱罪
- 『クレイマー、クレイマー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- テッドの初めての手料理
- ムキになってアイスクリームを頬張るビリー
- 離婚は自分のせいだと思うビリー
- ジャングルジムでの怪我
- ラストのジョアンナの決断
- マーガレットの物語
- 『クレイマー、クレイマー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 挿入歌と親子の関係性
- ダスティン・ホフマンも実際に離婚調停中
- 原作とのいくつかの相違点
- 『クレイマー、クレイマー』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:Antonio Vivaldi『マンドリン協奏曲 ハ長調 RV425 第1楽章アレグロ』
- 『クレイマー、クレイマー』の劇場予告動画