装甲騎兵ボトムズ(VOTOMS)のネタバレ解説・考察まとめ

装甲騎兵ボトムズ(Armored Trooper VOTOMS)とは、日本サンライズ(現・サンライズ)制作のロボットアニメである。テレビシリーズが1983年4月1日から、1984年3月23日までテレビ東京系で放送された。テレビシリーズは全52話である。
テレビシリーズの後日談や、サブエピソードを描いた小説、漫画、OVA作品が制作、発表され続けている。
アーマードトルーパー(通称AT)と呼ばれる、大量生産の安価なロボット兵器が、主役機、敵機、関係なく次々と撃破されていく姿は、圧巻である。

ATを空輸する回転翼機。
本編では、ウドの街で秘密結社が、スタンディング・トータスを輸送するのに初めて使用された。その後クメン編で、アッセンブルEX-10のAT部隊を前線に輸送するために使われた。
外観としては、ATの頭部を機体中腹で覆い、ATそのものを宙ぶらりんにして運ぶ格好となる。ATを地表へ降下させる際には、両肩を吊るすベルトを下げるのが基本。

神聖クメンの警備ロボット

神聖クメン王国に侵入を試みたキリコを捕らえた、二足歩行の警備ロボット。
無人型に見えるが、自律機能で動くのか、外部からのコントロールで動くのか不明。映画『スターウォーズ』の先鋒哨戒小型機AT-STを彷彿させるデザインである。

カンジェルマン宮殿

ムナメラ河の源流付近、奥クメンにある神聖クメン王国の指導者、ヒロラム・カンジェルマンの居城。
古代遺跡を改装した巨大建築物で、旧体制派が多数ろう城している。

カンジェルマン宮殿は神聖クメン王国の根拠地であり、ラモー寺院と同様に、バン・ヌー神の祭殿を設置し、ビーラーゲリラの精神的な柱となっている。
城内には伝統武術バランシングに用いられる闘技場も存在する。

バランシング

カンジェルマンはバランシングでPSのフィアナを凌駕する実力を持つ。

バランシングとは、三日月状の刃がついた槍を用いる、クメン古来の武術である。
クメンの王侯貴族を中心に受け継がれてきた。また現在では、刃を廃した競技用の棒を用いるスポーツとして、広く普及している。
神聖クメン王国ではまれにバランシングで、侵入者を公開処刑する事もあるようだ。

戦艦X

クメンを脱出したキリコとフィアナ。彼らが何者かに導かれ、送り込まれた謎の宇宙戦艦。設定上は「戦艦X」という名称が与えられているものの、ロッチナの発言によると、戦艦ではなくギルガメス軍の巡洋艦である事が分かる。

戦艦Xには大量のスコープドッグが搭載されていた。

ロッチナは劇中で巡洋艦だと呼んだが、その割に武装をはじめ装備が充実している。キリコとフィアナが船内を探索した所、大量のATや宇宙戦闘機が搭載されていた。この事からギルガメス軍人以外が、この船を「戦艦X」と言い出したのかもしれない。
他のギルガメス軍宇宙戦艦とは、デザインコンセプトが異なる。

『装甲騎兵ボトムズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

キリコのすばらしい笑顔

「ボトムズ」が描いたテーマに、友情と愛情が挙げられる。
ウド篇、第九話は仲間同士の友情を表現した、名エピソードとなった。
互いに協力し30億ギルダンを手に入れたが、キリコはPSとの戦闘に敗れ、治安警察に連行されていく。
いざとなればキリコを見捨て、金と保身に走るバニラとゴウトを説得するココナ。
ココナも熱いが、「やるかバニラ」「仕方ねぇやるか」とあきらめたかのように笑う、二人もまた熱い。
そして本エピソードのラストで、仲間達との再会に喜ぶ、キリコの素晴らしい笑顔。
キリコが決して、冷酷な殺人兵器でなく、仲間の思いを受け止める事ができる、感情を持った人間だと確信できるシーンだ。
「仲間か…何やら照れ臭い…久しぶりに俺の胸は、温かいものに満たされていた…」
普段決して感情を表に出さないキリコ。本編ラストの彼のナレーションは、感涙に値する。

命令に背くフィアナ

キリコを倒せとの出撃命令に背き、イスクイとボローを驚嘆させた素体(フィアナ)。
妥協策として、「殺さなくてもいいから。」というボローからの条件の元、出撃する。
しかし倒れたキリコへの関心を抑える事は出来なかった。
そしてキリコが占拠した治安警察本部で、二人だけの会話がはじまる。次第にキリコは、彼女がもはや敵ではないと確信をするのであった。

フィアナの想い

6eyamapon6623
6eyamapon6623
@6eyamapon6623

Related Articles関連記事

機甲猟兵メロウリンク(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

機甲猟兵メロウリンク(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『機甲猟兵メロウリンク』とは1989年にサンライズで制作されたOVA作品。全12話。 同社の人気作『装甲騎兵ボトムズ』シリーズ初となる、別主人公の外伝作品として制作された。 二つの陣営に分かれた百年戦争が続くアストラギウス銀河を舞台に軍の謀略に伴う作戦で仲間を謀殺された機甲猟兵メロウリンクによる復讐劇。シリーズ構成に高橋良輔、キャラクターデザイン・作画監督に谷口守泰、音楽に乾祐樹と、同シリーズでおなじみのスタッフに加え、監督に『機甲戦記ドラグナー』等を手掛けた神田武幸を迎えている。

Read Article

蒼き流星SPTレイズナー(Blue Comet SPT Layzner)のネタバレ解説・考察まとめ

蒼き流星SPTレイズナー(Blue Comet SPT Layzner)のネタバレ解説・考察まとめ

『蒼き流星SPTレイズナー』とは、地球人とグラドス星人の混血児エイジが、地球侵略を目論むグラドス星の野望を阻むために戦う姿を描いた、1985年に制作された日本サンライズ(当時)制作の日本のロボットアニメである。スタイリッシュなキャラクターやSPTのデザインと、ハードな動きを追求した作画やリアルな設定で高い評価を得ながら、スポンサーが商品で事故を起こしてしまったために降板するという不運にあい、無念の打ち切りとなった。現代においても評価の高い『蒼き流星SPTレイズナー』についてまとめた。

Read Article

沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)のネタバレ解説・考察まとめ

沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)のネタバレ解説・考察まとめ

『沈黙の艦隊』とはかわぐちかいじによって1988年から1996年まで『モーニング』に連載されていた、架空の戦争・軍事政策をテーマとした漫画作品、およびそれらを原作としたラジオドラマ、アニメ、映画作品である。政治的な陰謀や軍事技術の進展による国際関係の緊張を背景に、架空の最新鋭潜水艦「やまと」の艦長である海江田四郎とその乗組員たちの活躍を描いている。本作は、そのリアルな描写と緻密なストーリー展開で高い評価を受けた。

Read Article

ガサラキ(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

ガサラキ(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ガサラキ』とは、サンライズが1998年に製作したSFアニメである。『装甲騎兵ボトムズ』を手掛けた高橋良輔が監督を務めた。戦場にて戦車や兵士と共にリアルロボットが活躍するミリタリーSFとしながらも、その物語の根幹には、平安時代以前から脈々と伝わる「ガサラキ」の伝承とその謎を据える。主人公「ユウシロウ」が、秘技「ガサラの舞」の演者として周囲の野望や思惑に利用されながらも、ヒロイン「ミハル」と出会うことで次第に自我を取り戻し、みずからの出自や前世からの因果を追い求めていく物語が展開される。

Read Article

装甲騎兵ボトムズ入門(ロボット・キャラクター)

装甲騎兵ボトムズ入門(ロボット・キャラクター)

1983年にサンライズにより制作された、「装甲騎兵ボトムズ」はガンダムと並ぶ、サンライズのリアルロボの傑作であり、高橋良輔監督の代表作と言えるだろう。アニメファンなら、是非見ておきたい作品であるが、とっつきにくさを感じさせる部分も多いと思われる。そんな、装甲騎兵ボトムズを「キャラ」「メカ」の視点から、シンプルに紹介したい。

Read Article

目次 - Contents