装甲騎兵ボトムズ(VOTOMS)のネタバレ解説・考察まとめ

装甲騎兵ボトムズ(Armored Trooper VOTOMS)とは、日本サンライズ(現・サンライズ)制作のロボットアニメである。テレビシリーズが1983年4月1日から、1984年3月23日までテレビ東京系で放送された。テレビシリーズは全52話である。
テレビシリーズの後日談や、サブエピソードを描いた小説、漫画、OVA作品が制作、発表され続けている。
アーマードトルーパー(通称AT)と呼ばれる、大量生産の安価なロボット兵器が、主役機、敵機、関係なく次々と撃破されていく姿は、圧巻である。

ブーンファミリーのアジトは、大戦中はコンピューター工場であった。戦後、被災した工場跡地に目を付けた首領のブーンが、同地を占拠した。
そこに“人間狩り”で狩り集めた人々に、ヂヂリウムの採掘作業を強制させている。
監禁された人々は、採掘したヂヂリウムと交換で食事が与えられる決まりとなっている。しかし酸の雨を浴びて働く、過酷な環境から、衰弱し死に至る運命が彼らを待っている。
ここで採掘されたヂヂリウムを治安警察に上納する事によって、ブーンファミリーはかなりの目こぼしを受けていた。

治安警察

ウドの治安を守る自警組織。大戦末期のどさくさに紛れて、軍人たちが立ち上げた組織。
だが、暴走族(ブーンファミリー)や犯罪者による暴行や略奪、殺人は日常化しており、警察組織としての機能は暴徒鎮圧程度しか持ち合わせていない。
組織に所属する人間も、職業にあぶれた元軍人達が大半である。彼らは自己保身を最優先とし、犯罪者達と手を組み、守るべきである市民に対して、恐喝することも厭わない。
イスクイが署長に就任してからは、警察色はさらに薄まり、ボローと共に、素体の管理組織となった感が強い。

秘密結社

ワイズマンの先兵として活動する謎の組織。その規模も資金力も桁違いで、新型ATの開発からPSの製作までおよそ本作で起きた凄惨な戦いのほとんどを裏で操っていた。
その目的は“新たな神を探し、ワイズマンの下へと導くこと”であり、キリコを何度も苦しめ、仲間を奪い、心身共に追い詰めたのは「キリコが真に新たな神にふさわしい存在かどうか」を確かめるためだった。

アーマードトルーパー(AT)

アーマードトルーパーとは、装甲騎兵ボトムズの世界で活躍する、人型兵器の事である。略称はAT、英語表記のArmored Trooperから取っている。
全長4メートル前後、高い生産性と整備のしやすさから、作中のアストラギウス銀河で大量生産されており、百年戦争を激化させる一因となった。生産性を高める為、ごく一部の機体を除いて、装甲も薄くされており、作中でも重機関銃を装備した、生身の歩兵に撃破されている。同じく生産性を上げる為、救命装置も省かれている。そのためか、「歩く棺桶」、「鉄の棺桶」という、不名誉な別称で呼ばれる事も多い機体でもある。

レッドショルダー

作品中に登場する、ギルガメス軍の特殊部隊の通称である。軍の中でも抜きんでた実力を持ったパイロットにより編成されている。
正式名称は、ギルガメス宇宙軍第10師団メルキア方面軍第24戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1。

パーフェクトソルジャー(PS)

パーフェクトソルジャー(PS)とは、人体を改造した強化人間の総称だ。

PS計画

PS(パーフェクトソルジャー)、完全なる兵士を生み出すための計画。発達したメカに対応できるよう、それに見合った高度な反射神経、筋肉組織を持った新人類を生み出す計画であったが、秘密結社によるリド襲撃作戦により、素体(プロト・ワン)は、略奪されてしまう。人工的に作られた強化人間であり、兵器の取り扱いや、ATの操縦はすぐにエキスパートになれる。

エウノイ

エウノイとは、惑星バーチマスで捕れる虫である。人体に張り付くと、コップ一杯分の血を吸ってしまう。その後エウノイは離れていくが、この虫に吸血されると一週間ほど口がきけなくなる。しかしその後に血を吸われた者は、生まれ変わったような気分を味わえる。
キリコがウド編で怪しげなペットショップで購入したこの生物は、新しい健康法として巷で持てはやされているらしい。

クメン王国

クメン政府が募集する傭兵の中にはキリコがいた。

メルキア星の赤道直下、首都ザイデンを中心に栄える熱帯の小国。
かつてクメン農耕王国として栄えた。大戦中、ギルガメスから自治権を獲得し、親バララントを掲げていた。それゆえギルガメス軍、メルキア連邦政府とは対立関係にあった。百年戦争終結により、ギルガメスによる内政介入を恐れた政府は、王制を廃止し、共和制に移行。自治を維持する国力を得る為、近代化政策を実施した。
政府の急激な近代化政策に反発する農民たちは、かつての王族階級と共に神聖クメン王国を樹立。両者は対立しクメン王国は大きな内乱に陥る。
内乱に際して、農民たちの指示を失ったクメン政府が拠り所としたのは、クメンの内情に関りの無い、外国人(傭兵)部隊であった。兵士としてしか生きられないキリコは、身のよりどころを求めて、この地を訪れ傭兵となるのであった。

神聖クメン王国

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@6eyamapon6623

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